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公開番号2019145396
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190829
出願番号2018029830
出願日20180222
発明の名称電源装置
出願人本田技研工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H01M 2/10 20060101AFI20190802BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】複数の単電池セルが積層された組電池を積層方向に圧縮した状態で収容するのに適した収容部を有する電源装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】電源装置1は、第1開口面16を有する槽状の第1収容部11が形成された筐体10と、複数の単電池セル40を積層した柱状の第1組電池31と、を備え、第1組電池31は、積層方向Xの両端側の第1端部31a及び第2端部31bと第1収容部11のうち対向する第1内壁部11a及び第2内壁部11bとの間で作用する保持荷重によって第1収容部11内に保持されるものであって、第1及び第2内壁部11a,11bには、それぞれ、第1開口面16と連通するとともにこの第1開口面16に対し垂直に延び、かつ積層方向Xに対し平行な断面視では有底又は無底の凹状である第1溝部21及び第2溝部22が形成されている。
【選択図】図2

特許請求の範囲約 1,100 文字を表示【請求項1】
開口面を有する槽状の収容部が形成された筐体と、
複数の単電池セルを積層した柱状の組電池と、を備え、
前記組電池は、積層方向両端側の第1端部及び第2端部と前記収容部のうち対向する第1内壁部及び第2内壁部との間で作用する保持荷重によって前記収容部内に保持される電源装置であって、
前記第1及び第2内壁部には、それぞれ、前記開口面と連通するとともに当該開口面に対し垂直に延び、かつ前記積層方向に対し平行な断面視では有底又は無底の凹状である第1溝部及び第2溝部が形成されていることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記第1及び第2溝部は、前記開口面から前記収容部の底面まで延びることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記組電池は、各単電池セルの2つの電極が平面視で前記積層方向に沿って列状で配置されるように前記収容部内に設けられ、
前記第1及び第2溝部は、前記平面視では前記2つの電極列の間に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記第1及び第2溝部のうち少なくとも何れかには、前記組電池に接続される部材が設けられていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の電源装置。
【請求項5】
開口面を有する槽状の収容部が形成された筐体と、
複数の単電池セルを積層した柱状の組電池と、を備え、
前記組電池は、積層方向両端側の第1端部及び第2端部と前記収容部のうち対向する第1内壁部及び第2内壁部との間で作用する保持荷重によって前記収容部内に保持される電源装置の製造方法であって、
前記第1及び第2内壁部には、それぞれ、前記開口面と連通するとともに当該開口面に対し垂直に延び、かつ前記積層方向に対し平行な断面視では有底又は無底の凹状である第1溝部及び第2溝部が形成されており、
第1アーム部及び第2アーム部で前記組電池を挟持し、前記第1及び第2端部に前記積層方向に沿った予圧力を加えながら前記組電池を把持する工程と、
前記第1及び第2アーム部で前記組電池を把持した状態で、前記第1及び第2アーム部を前記開口面側から前記第1及び第2溝部に挿入する工程と、
前記第1及び第2アーム部による前記予圧力を解除した後、前記第1及び第2アーム部を前記第1及び第2溝部から抜き出す工程と、を備えることを特徴とする電源装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1及び第2アーム部を前記第1及び第2溝部から抜き出した後、前記第1及び第2溝部の少なくとも何れかに前記組電池に接続される部材を設ける工程をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の電源装置の製造方法。

発明の詳細な説明約 15,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置に関する。詳細には、本発明は、複数の単電池セルが積層された組電池を有する電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド車や電気自動車等に搭載される電源装置は、複数の単電池セルが積層された組電池(バッテリモジュール)を有する。組電池(バッテリーモジュール)は、例えば、所定のケースに複数の単電池セルを収容して構成されている。
【0003】
ここで、電源装置の性能向上が求められ、例えば、電源装置における体積エネルギ密度を向上が求められている。電源装置における体積エネルギ密度を向上させるためには、複数の単電池セルが積層された組電池を筐体に直接収容する技術が有効である。
【0004】
しかし、複数の単電池セルが積層された組電池を筐体に直接収容する場合、筐体における収容部に隙間なく、かつ、収容部の壁部からの反力(保持荷重)により固定された状態で組電池を収容させる必要がある。
【0005】
これに対し、例えば、電池セルを積層し、かつ積層方向に圧縮した状態で収納部に挿入する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2017−111893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1には、積層された電池セルを積層方向に圧縮した状態で収容部に挿入する技術は開示されているが、製造工程における具体的な方法や該方法に適した各種部品の構造等については開示されていない。
【0008】
特に、現実の製造においては製造ロボット等が使用されており、製造ロボット等による上述の方法及び該方法に適した各種部品の構造等に関する技術開発が求められている。
【0009】
本発明は、複数の単電池セルが積層された組電池を積層方向に圧縮した状態で収容するのに適した収容部を有する電源装置及び該電源装置の製造方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明に係る電源装置(例えば、後述の電源装置1)は、開口面(例えば、後述の第1開口面16、第2開口面17、第3開口面18、及び第4開口面19)を有する槽状の収容部(例えば、後述の第1収容部11、第2収容部12、第3収容部13、及び第4収容部14)が形成された筐体(例えば、後述の筐体10)と、複数の単電池セル(例えば、後述の単電池セル40)を積層した柱状の組電池(例えば、後述の第1組電池31、第2組電池32、第3組電池33、及び第4組電池34)と、を備え、前記組電池は、積層方向(例えば、後述の積層方向X)両端側の第1端部(例えば、後述の第1端部31a,32a,33a,33a)及び第2端部(例えば、後述の第2端部31b,32b,33b,34b)と前記収容部のうち対向する第1内壁部(例えば、後述の第1内壁部11a,12a,13a,14a)及び第2内壁部(例えば、後述の第2内壁部11b,12b,13b,14b)との間で作用する保持荷重によって前記収容部内に保持されるものであって、前記第1及び第2内壁部には、それぞれ、前記開口面と連通するとともに当該開口面に対し垂直に延び、かつ前記積層方向に対し平行な断面視では有底又は無底の凹状である第1溝部(例えば、後述の第1溝部21,23,25,27)及び第2溝部(例えば、後述の第2溝部22,24,26,28)が形成されていることを特徴とする。
【0011】
(2)この場合、前記第1及び第2溝部は、前記開口面から前記収容部の底面(例えば、後述の底面11e)まで延びることが好ましい。
【0012】
(3)この場合、前記組電池は、各単電池セルの2つの電極(例えば、後述の電極41,42)が平面視で前記積層方向に沿って列状で配置されるように前記収容部内に設けられ、前記第1及び第2溝部は、前記平面視では前記2つの電極列の間に形成されていることが好ましい。
【0013】
(4)この場合、前記第1及び第2溝部のうち少なくとも何れかには、前記組電池に接続される部材が設けられていることが好ましい。
【0014】
(5)本発明に係る製造方法は、開口面(例えば、後述の第1開口面16、第2開口面17、第3開口面18、及び第4開口面19)を有する槽状の収容部(例えば、後述の第1収容部11、第2収容部12、第3収容部13、及び第4収容部14)が形成された筐体(例えば、後述の筐体10)と、複数の単電池セル(例えば、後述の単電池セル40)を積層した柱状の組電池(例えば、後述の第1組電池31、第2組電池32、第3組電池33、及び第4組電池34)と、を備え、前記組電池は、積層方向(例えば、後述の積層方向X)両端側の第1端部(例えば、後述の第1端部31a,32a,33a,33a)及び第2端部(例えば、後述の第2端部31b,32b,33b,34b)と前記収容部のうち対向する第1内壁部(例えば、後述の第1内壁部11a,12a,13a,14a)及び第2内壁部(例えば、後述の第2内壁部11b,12b,13b,14b)との間で作用する保持荷重によって前記収容部内に保持される電源装置(例えば、後述の電源装置1)を製造する方法であって、前記第1及び第2内壁部には、それぞれ、前記開口面と連通するとともに当該開口面に対し垂直に延び、かつ前記積層方向に対し平行な断面視では有底又は無底の凹状である第1溝部(例えば、後述の第1溝部21,23,25,27)及び第2溝部(例えば、後述の第2溝部22,24,26,28)が形成されており、第1アーム部(例えば、後述の第1アーム部110)及び第2アーム部(例えば、後述の第2アーム部120)で前記組電池を挟持し、前記第1及び第2端部に前記積層方向に沿った予圧力を加えながら前記組電池を把持する工程と、前記第1及び第2アーム部で前記組電池を把持した状態で、前記第1及び第2アーム部を前記開口面側から前記第1及び第2溝部に挿入する工程と、前記第1及び第2アーム部による前記予圧力を解除した後、前記第1及び第2アーム部を前記第1及び第2溝部から抜き出す工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
(6)この場合、前記第1及び第2アーム部を前記第1及び第2溝部から抜き出した後、前記第1及び第2溝部の少なくとも何れかに前記組電池に接続される部材を設ける工程をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
(1)本発明の電源装置は、開口面を有する槽状の収容部が形成された筐体と、この収容部内に保持された組電池と、を備える。筐体の収容部のうち組電池の積層方向両端側の第1内壁部及び第2内壁部には、それぞれ開口面と連通するとともにこの開口面に対し垂直に延び、かつ積層方向に対し平行な断面視では有底又は無底の凹状である第1溝部及び第2溝部が形成されている。また組電池は、積層方向両端側の第1端部及び第2端部と上記第1内壁部及び第2内壁部との間で作用する保持荷重によって、収容部内に保持される。本発明の電源装置によれば、組電池に積層方向に沿って荷重を作用させるためのホルダ等を用いることなく、組電池を積層方向に沿って圧縮した状態で筐体の収容部に直接搭載することができる。なおこのように組電池を収容部に搭載するには、組電池の積層方向両端側に設けられたアームを用いて、積層方向に沿って予圧力を作用させながら、組電池をアームとともに収容部に収容させる必要がある。これに対し本発明の電源装置によれば、第1内壁部及び第2内壁部に形成された第1溝部及び第2溝部が上記アームの逃げ溝となるので、組電池を積層方向に沿って圧縮した状態で筐体の収容部に直接搭載することができる。
【0017】
(2)本発明の電源装置では、第1溝部及び第2溝部は、開口面から収容部の底面まで延びる。したがって本発明の電源装置によれば、開口面から収容部の底面までアームの逃げ溝を確保できる。よって本発明の電源装置によれば、組電池の積層方向に沿って予圧力を作用させる際には、組電池の上面から下面まで延びるアームを用いることができるので、組電池に与える予圧力を均一化できる。
【0018】
(3)本発明の電源装置では、組電池は、各単電池セルの2つの電極が平面視で積層方向に沿って列状で配置されるように収容部内に設けられ、また第1溝部及び第2溝部は、平面視では2つの電極列の間に形成されている。したがって収容部に収容されている組電池には、第1溝部及び第2溝部が形成されていない部分である2つの電極に、積層方向に沿った荷重を作用させることができるので、充放電中における組電池の各電極における不具合の発生を抑制できる。
【0019】
(4)複数の単電池セルを積層して構成される組電池には、各単電池セルの電極を接続するバスバーや、各単電池セルのセル電圧を検出するセル電圧センサユニット等、様々な部材が接続される。このため、筐体には、これら組電池に接続される部材を設けるための空間を確保する必要がある。これに対し本発明の電源装置では、組電池を収容部に収容させる際にアームの逃げ溝として用いられる第1及び第2溝部の少なくとも何れかに、組電池に接続される部材を設ける。従って本発明によれば、筐体の容積を小さくできる。
【0020】
(5)本発明の製造方法は、第1アーム部及び第2アーム部で組電池を挟持し、組電池の第1端部及び第2端部に積層方向に沿った予圧力を加えながら組電池を把持する工程と、第1及び第2アーム部で組電池を把持した状態で、第1及び第2アーム部を開口面側から第1及び第2溝部に挿入する工程と、第1及び第2アーム部による予圧力を解除した後、第1及び第2アーム部を第1及び第2溝部から抜き出す工程と、を備える。本発明の製造方法によれば、第1及び第2内壁部に形成された第1及び第2溝部が上記第1及び第2アーム部の逃げ溝として、組電池を積層方向に沿って圧縮した状態で筐体の収容部に直接搭載することができる。
【0021】
(6)本発明の製造方法は、第1及び第2アーム部を第1及び第2溝部から抜き出した後、これら第1及び第2溝部の少なくとも何れかに、組電池に接続される部材を設ける。これにより、筐体の容積を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の電源装置における構成を説明する平面図である。
本発明の電源装置における構成を説明する斜視図である。
図1における領域Aの拡大図である。
図2におけるII−II断面図の部分拡大図であって、収容部に組電池が収容された状態における部分拡大図である。
組電池に接続される部材の1つであるセル電圧センサユニットの設置例を示す図である。
第1アーム部及び第2アーム部で予圧力を加えながら組電池を把持した状態を示す図である。
組電池を把持した状態で第1アーム部及び第2アーム部を開口面側から第1溝部及び第2溝部に挿入した状態を示す図である。
第1アーム部及び第2アーム部による予圧力を解除した状態を示す図である。
第1アーム部における回動駆動及び予圧力を解除した状態を示す図である。
第1アーム部及び第2アーム部を第1溝部及び第2溝部から抜き出した状態を示す図である。
セル電圧センサユニットを第1組電池に対し接続する手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1から図3Bにより、本実施形態の電源装置1における構成について説明する。
図1は、電源装置1の構成を説明する平面図である。
図2は、電源装置における構成を説明する斜視図である。
図3Aは、図1における領域Aの拡大図である。
図3Bは、図2におけるII−II断面図の部分拡大図であって、収容部に組電池が収容された状態における部分拡大図である。
【0024】
まず、本実施形態における電源装置1の概要について説明する。図1及び図2に示すように、電源装置1は、筐体10と、筐体10に直接収容される第1組電池31、第2組電池32、第3組電池33及び第4組電池34と、筐体10に収容される電源制御部39と、を有する。電源装置1は、筐体10の開口側に不図示の蓋部を取り付けた状態で、これを電源としてモータを駆動し走行する不図示の電動車両に搭載される。
【0025】
第1組電池31、第2組電池32、第3組電池33及び第4組電池34それぞれは、複数の単電池セル40を積層した柱状、より具体的には四角柱状の組電池である。以下、複数の単電池セル40が積層されている方向を積層方向Xという。
【0026】
また、筐体10は、平面視で矩形状の第1開口面16を有する槽状の第1収容部11と、平面視で矩形状の第2開口面17を有する槽状の第2収容部12と、平面視で矩形状の第3開口面18を有する槽状の第3収容部13と、平面視で矩形状の第4開口面19を有する槽状の第4収容部14と、槽状の第5収容部15と、を有する。電源制御部39は、第5収容部15に収容されている。
【0027】
第1組電池31は、積層方向に予圧された状態で第1開口面16から挿入されると共に、積層方向X両端側の第1端部31a及び第2端部31bと第1収容部11のうち対向する第1内壁部11a及び第2内壁部11bとの間で作用する保持荷重によって第1収容部11内に保持されている。
【0028】
同様に、第2組電池32は、積層方向に予圧された状態で第2開口面17から挿入されると共に、積層方向X両端側の第1端部32a及び第2端部32bと第2収容部12のうち対向する第1内壁部12a及び第2内壁部12bとの間で作用する保持荷重によって第2収容部12内に保持されている。
【0029】
また同様に、第3組電池33は、積層方向に予圧された状態で第3開口面18から挿入されると共に、積層方向X両端側の第1端部33a及び第2端部33bと第3収容部13のうち対向する第1内壁部13a及び第2内壁部13bとの間で作用する保持荷重によって第3収容部13内に保持されている。
【0030】
また同様に、第4組電池34は、積層方向に予圧された状態で第4開口面19から挿入されると共に、積層方向X両端側の第1端部34a及び第2端部34bと第4収容部14のうち対向する第1内壁部14a及び第2内壁部14bとの間で作用する保持荷重によって第4収容部14内に保持されている。
【0031】
ここで、各収容部は、第1内壁部及び第2内壁部それぞれに形成されている第1溝部及び第2溝部を有する。
具体的には、第1収容部11は、第1内壁部11aに形成されている第1溝部21と、第2内壁部11bに形成されている第2溝部22とを有する。
第2収容部12は、第2内壁部12aに形成されている第1溝部23と、第2内壁部12bに形成されている第2溝部24とを有する。
第3収容部13は、第1内壁部13aに形成されている第1溝部25と、第2内壁部13bに形成されている第2溝部26とを有する。
第4収容部14は、第1内壁部14aに形成されている第1溝部27と、第2内壁部14bに形成されている第2溝部28とを有する。
【0032】
そして、上述の第1溝部及び第2溝部は、後述する製造ロボット100における第1アーム部110の第1把持部115及び第2アーム部120の第2把持部125が挿脱される部分である。
詳細には、第1溝部及び第2溝部は、積層方向に圧縮するように予圧した状態で組電池を把持する第1アーム部110の第1把持部115及び第2アーム部120の第2把持部125が挿入されると共に、組電池への予圧を解除した第1アーム部110の第1把持部115及び第2アーム部120の第2把持部125が抜き出される部分である。
【0033】
続けて、本実施形態における電源装置1について詳細に説明する。ここで、以下の説明においては、第1組電池31及び第1収容部11の構成や関係等について説明し、他の組電池及び他の収容部についての説明は省略する。他の組電池及び他の収容部については、第1組電池31及び第1収容部11についての説明を援用する。
【0034】
図1から図3Bに示すように、電源装置1は、筐体10に形成されている第1収容部11と、第1収容部11に直接収容されている第1組電池31と、を有する。
【0035】
第1組電池31は、複数の単電池セル40を積層した四角柱状の組電池である。複数の単電池セル40それぞれは、第1電極41と、第2電極42とを有する。第1組電池31は、各単電池セル40の2つの電極41、42が第1開口面16に対し垂直な平面視で積層方向Xに沿って列状で配置されるように第1収容部11内に収容配置されている。
【0036】
第1電極41は、積層方向Xに直交する方向である幅方向Y(図3A参照)における一方側に配置される電極である。複数の単電池セル40それぞれの第1電極41は、幅方向Yの一方側において積層方向Xに沿って並んで配置される。積層方向Xに並んで配置される複数の第1電極41は、積層方向Xに正極、負極と交互に並んで配置されている。そして、隣接する正極、負極は不図示のバスバーにより電気的に接続される。
【0037】
第2電極42は、積層方向Xに直交する方向である幅方向Y(図3A参照)における他方側に配置される電極である。複数の単電池セル40それぞれの第2電極42は、幅方向Yの他方側において積層方向Xに沿って並んで配置される。積層方向Xに並んで配置される複数の第2電極42も同様に、積層方向Xに正極、負極と交互に並んで配置されている。そして、隣接する正極、負極は不図示のバスバーにより電気的に接続される。
【0038】
また、第1組電池31は、積層方向Xに予圧された状態で第1開口面16から挿入されると共に、積層方向X両端側の第1端部31a及び第2端部31bと第1収容部11のうち対向する第1内壁部11a及び第2内壁部11bとの間で作用する保持荷重によって第1収容部11内に保持されている。
【0039】
詳細には、第1組電池31は、積層方向Xに圧縮するように予圧された状態で第1開口面16から第1収容部11挿入される。そして、第1組電池31は、第1収容部11に直接収容される。
第1組電池31は、積層方向X一端側の第1端部31aと収容部11の第1内壁部11aと間で生じる保持荷重及び、積層方向X他端側の第2端部31bと収容部11の第2内壁部11bとの間で生じる保持荷重により第1収容部11内に保持されている。第1組電池31は、第1内壁部11a及び第2内壁部11bからの保持荷重により、第1収容部11に圧縮された状態で保持される。
【0040】
続けて、図1から図3Bに示すように、第1収容部11は、第1開口面16を有する槽状の収容部である。第1収容部11は、第1開口面16と、積層方向Xにおける一方側の第1内壁部11aと、積層方向Xにおける他方側の第2内壁部11bと、幅方向Yにおける一方側の第3内壁部11cと、幅方向Yにおける他方側の第4内壁部11dと、第1開口面16と対向する底面11eと、を有する。
【0041】
また、第1収容部11は、第1内壁部11aに形成されている第1溝部21と、第2内壁部11bに形成されている第2溝部22と、を有する。
第1溝部21は、後述する製造ロボット100における第1アーム部110(第1把持部115)が挿脱される部分である。詳細には、第1溝部21は、積層方向Xに圧縮するように予圧した状態で第1組電池31を把持する一対のアーム部における一方である第1アーム部110(第1把持部115)が挿入されると共に、第1組電池31への予圧を解除した第1アーム部110(第1把持部115)が抜き出される部分である。
【0042】
同様に、第2溝部22は、後述する製造ロボット100における第2アーム部120(第2把持部125)が挿脱される部分である。詳細には、第2溝部22は、積層方向Xに圧縮するように予圧した状態で第1組電池31を把持する一対のアーム部における一方の第2アーム部120(第2把持部125)が挿入されると共に、第1組電池31への予圧を解除した第2アーム部120(第2把持部125)が抜き出される部分である。
【0043】
第1溝部21は、第1開口面16と連通すると共に当該第1開口面16に対し垂直に延び、かつ積層方向Xに対し平行な断面視では有底の凹状である。
詳細には、第1溝部21は、第1開口面16と連通すると共に底面11e側に延びるように形成されている。本実施形態において、第1溝部21は、第1開口面16から底面11eまで延びている(図3B参照)。
【0044】
第1溝部21は、積層方向Xにおける一方側に窪んだ凹状に形成されている。本実施形態においては、第1溝部21は、第1開口面16から底面11eまでの全体において積層方向Xにおける一方側に窪んだ凹状に形成されている。換言すれば、第1溝部21は、その底部が第1開口面16から底面11eまで延びる有底の凹状である。
第1溝部21は、第1アーム部110(第1把持部115)が挿入可能であると共に、第1組電池31への予圧を解除するため回動駆動された第1アーム部110(第1把持部115)を抜き出し可能な凹状の深さ(積層方向Xの長さ)及び幅(幅方向Yの長さ)に形成されている。
【0045】
また、第1溝部21は、第1開口面16に対し垂直な平面視では2つの電極41、42の列の間に形成されている。第1溝部21は、積層方向Xに直交する幅方向Yにおいて、複数の第1電極41による列と、複数の第2電極42による列との間に形成されている(図3A参照)。本実施形態においては、第1溝部21は、第1収容部11の幅方向Yにおける中央に形成されている。また第1溝部21の幅方向Yに沿った長さL1は、第1電極41と第2電極42との間の幅方向Yに沿った長さL2よりも短い。
【0046】
第2溝部22は、第1開口面16と連通すると共に当該第1開口面16に対し垂直に延び、かつ積層方向Xに対し平行な断面視では少なくとも一部が有底の凹状である。
詳細には、第2溝部22は、第1開口面16と連通すると共に底面11e側に延びるように形成されている。本実施形態において、第2溝部22は、第1開口面16から底面11eまで延びている(図2参照)。
【0047】
第2溝部22は、積層方向Xにおける他方側に窪んだ凹状に形成されている。本実施形態においては、第2溝部22は、第1開口面16から底面11eまでの間の中間位置から底面11eまで積層方向Xにおける他方側に窪んだ凹状に形成されている。換言すれば、第2溝部22は、第1開口面16から底面11eまで延びるとともに、第1開口面16から中間位置までの間では無底の凹状であり、中間位置から底面11eまでの間では有底の凹状である。
第2溝部22は、第2アーム部120(第2把持部125)が挿入可能であると共に、第1組電池31への予圧を解除するため回動駆動された第2アーム部112(第2把持部125)を抜き出し可能な凹状の深さ(積層方向Xの長さ)及び幅(幅方向Yの長さ)に形成されている。
【0048】
また、第2溝部22は、第1開口面16に対し垂直な平面視では2つの電極41、42の列の間に形成されている。第2溝部22は、積層方向Xに直交する幅方向Yにおいて、複数の第1電極41による列と、複数の第2電極42による列との間に形成されている(図2参照)。本実施形態においては、第2溝部22は、第1収容部11の幅方向Yにおける中央に形成されている。また第1溝部21と同様に、第2溝部22の幅方向Yに沿った長さは、第1電極41と第2電極42との間の幅方向Yに沿った長さL2よりも短い。
【0049】
また図2に示すように、第1収容部11の第4内壁部11dには、貫通孔である冷却窓29が形成されている。この冷却窓29は、側面視では積層方向Xに沿って第1内壁部11a側から第2内壁部11b側まで延びる矩形状である。従って第1組電池31を第1収容部11に収容した状態では、第1組電池31を構成する全ての単電池セル40の側面の一部がこの冷却窓29から露出する。図示しない冷却システムにおいて冷却水が通流する冷却部は、この冷却窓29を介して第1組電池31を構成する全ての単電池セル40に接するように取り付けられる。なお図2に示すように、第2収容部12の他、第3収容部13及び第4収容部14にも同様に、各組電池32,33,34を構成する全ての単電池セル40の側面の一部を露出する冷却窓29が形成されている(なお図2では、第3収容部13及び第4収容部14に形成されている冷却窓の図示を省略する)。
【0050】
後に図5を参照して詳細に説明するように、第1溝部及び第2溝部は、第1アーム部110及び第2アーム部120によって組電池を把持しながら、この組電池を収容部に挿入する際に、これらアーム部110,120が挿脱される部分である。よって組電池を収容部内に設置した後であれば、これら第1溝部及び第2溝部は、組電池に接続される部材を収容する空間として利用することができる。
【0051】
図4は、第1組電池31に接続される部材の1つであるセル電圧センサユニット8の設置例を示す図である。セル電圧センサユニット8は、第1組電池31の上面において積層方向に沿って延びる板状のセンサ本体81と、センサ本体81から延びる出力端子が設置される端子台82と、を備える。図4には、第1組電池31に接続されるセル電圧センサユニット8のうち端子台82を第2溝部22に設けた場合を示すが、本発明はこれに限らない。第2溝部22には、端子台82の他、センサ本体81や、コネクタ、バスバー等を設けてもよい。また上記のような部材を第2溝部22ではなく、第1溝部21に設けてもよいし、第1溝部21及び第2溝部22の両方に設けてもよい。
【0052】
続けて、図5Aから図5Eにより、本実施形態における電源装置1の製造方法について説明する。具体的には、第1アーム部110及び第2アーム部120を有する製造ロボット100により第1組電池31を第1収容部11に収容させる方法について説明する。
【0053】
図5Aは、第1アーム部及び第2アーム部で予圧力を加えながら組電池を把持した状態を示す図である。
図5Bは、組電池を把持した状態で第1アーム部及び第2アーム部を開口面側から第1溝部及び第2溝部に挿入した状態を示す図である。
図5Cは、第1アーム部及び第2アーム部による予圧力を解除した状態を示す図である。
図5Dは、第1アーム部における回動駆動及び予圧力を解除した状態を示す図である。
図5Eは、第1アーム部及び第2アーム部を第1溝部及び第2溝部から抜き出した状態を示す図である。
【0054】
図5Aに示すように、製造ロボット100は、第1アーム部110と、第2アーム部120と、を有する。第1アーム部110は、第1元部111と、回動駆動部112と、第1中間部113と、第1把持部115と、を有する。第2アーム部120は、第2元部121と、回動駆動部122と、第2中間部123と、第2把持部125と、を有する。
第1アーム部110及び第2アーム部120は、不図示の駆動部により垂直方向に移動されると共に、互いの距離を変更するよう開閉移動される。
また、第1アーム部110及び第2アーム部120は、回動駆動部112、122により第1把持部115及び第2把持部125を回動可能に構成される。
【0055】
まず、図5Aに示すように、製造ロボット100は、第1アーム部110の第1把持部115及び第2アーム部120の第2把持部125で第1組電池31を挟持する。製造ロボット100は、第1把持部115及び第2把持部125により、第1端部31a及び第2端部31bに積層方向Xに沿った予圧力を加えながら第1組電池31を把持する。またこの際、図5Aに示すように、第1把持部115及び第2把持部125が第1端部31a及び第2端部31bにおいて第1組電池31の上面31aから下面31bまで接するように、第1把持部115及び第2把持部125によって第1組電池31を把持する。これにより第1組電池31は、積層方向Xに沿って僅かに圧縮される。
【0056】
続けて、図5Bに示すように、製造ロボット100は、第1アーム部110の第1把持部115及び第2アーム部120の第2把持部125により予圧力を加えながら把持した状態で、第1組電池31を第1開口面16側から第1収容部11に挿入する。製造ロボット100は、第1把持部115及び第2把持部125により予圧力を加えながら把持した状態で、第1把持部115を第1開口面16側から第1溝部21に挿入すると共に、第2把持部125を第1開口面16側から第2溝部22に挿入する。
【0057】
続けて、図5C及び図5Dに示すように、製造ロボット100は、第1把持部115及び第2把持部125による第1組電池31への予圧力を解除する。具体的には、製造ロボット100は、第1アーム部110における回動駆動部112を矢印R1方向に回動駆動させ、第1把持部115を矢印K1方向に回動移動させると共に、第2アーム部120における回動駆動部122を矢印R2方向に回動駆動させ、第2把持部125を矢印K2方向に回動移動させる。
【0058】
これにより、第1把持部115及び第2把持部125は、第1組電池31から離間する。予圧力が解除された第1組電池31は、積層方向Xにおいて両端部31a、31bそれぞれが第1内壁部11a及び第2内壁部11b側に移動するように変形する。そして、第1組電池31は、第1端部31aと第1内壁部11aとの間の間に生じた保持荷重及び第2端部31bと第2内壁部11bとの間の間に生じた保持荷重により、第1収容部11に圧縮された状態で保持される。
【0059】
続けて、図5Eに示すように、製造ロボット100は、第1アーム部110の第1把持部115及び第2アーム部120の第2把持部125を第1溝部21及び第2溝部22から引き抜く。
【0060】
続けて、図5Fに示すように、セル電圧センサユニット8を第1組電池31に対し接続する。より具体的には、積層方向に沿って延びるセンサ本体81を第1組電池31の上面に設置するとともにセンサ本体81から延びる図示しない複数の端子を第1組電池31を構成する各単電池セルの電極に接続するとともに、センサ本体81の積層方向端部側に設けられた端子台82を第2溝部22に設置する。これにより、第1組電池31が第1収容部11に直接収容され、本実施形態の電源装置1が製造される。
【0061】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
(1)電源装置1は、第1開口面16を有する槽状の第1収容部11が形成された筐体10と、この第1収容部11内に保持された第1組電池31と、を備える。筐体10の第1収容部11のうち第1組電池31の積層方向Xの両端側の第1内壁部11a及び第2内壁部11bには、それぞれ第1開口面16と連通するとともにこの第1開口面16に対し垂直に延び、かつ積層方向Xに対し平行な断面視では有底又は無底の凹状である第1溝部21及び第2溝部22が形成されている。また第1組電池31は、積層方向Xの両端側の第1端部31a及び第2端部31bと上記第1内壁部11a及び第2内壁部11bとの間で作用する保持荷重によって、第1収容部11内に保持される。電源装置1によれば、第1組電池31に積層方向Xに沿って荷重を作用させるためのホルダ等を用いることなく、第1組電池31を積層方向Xに沿って圧縮した状態で筐体10の第1収容部11に直接搭載することができる。なおこのように第1組電池31を第1収容部11に搭載するには、第1組電池31の積層方向Xの両端側に設けられた第1アーム部110及び第2アーム部120を用いて、積層方向Xに沿って予圧力を作用させながら、第1組電池31を第1アーム部110及び第2アーム部120とともに第1収容部11に収容させる必要がある。これに対し電源装置1によれば、第1内壁部11a及び第2内壁部11bに形成された第1溝部21及び第2溝部22が上記第1アーム部110及び第2アーム部120の逃げ溝となるので、第1組電池31を積層方向Xに沿って圧縮した状態で筐体10の第1収容部11に直接搭載することができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、電源装置1は、第1組電池31に予圧力を与えた状態の第1アーム部110の第1把持部115及び第2アーム部120の第2把持部125を挿入可能であると共に、予圧力を解除するよう回動駆動可能な第1溝部21及び第2溝部22を有する。これにより、電源装置1は、製造ロボットを使用して、第1組電池31を第1収容部11に予圧力を与えた状態で直接収容させることが可能である。
【0063】
また、本実施形態によれば、電源装置1において、第1組電池31、第2組電池32、第3組電池33、及び第4組電池34は筐体10に直接搭載されている。これにより、電源装置1は、体積エネルギ密度が向上される。また、これにより、電源装置1は、使用する部品を削減できる。また、電源装置1は、使用する部品を削減することにより、製品コストを削減でき、さらに全体の重量を低減することができる。また、これにより、電源装置1は、全体の体積も低減することができる。
【0064】
(2)電源装置1では、第1溝部21及び第2溝部22は、第1開口面16から第1収容部11の底面11eまで延びる。したがって電源装置1によれば、第1開口面16から第1収容部11の底面11eまで第1アーム部110及び第2アーム部120の逃げ溝を確保できる。よって電源装置1によれば、第1組電池31の積層方向Xに沿って予圧力を作用させる際には、第1組電池31の上面31aから下面31bまで延びる第1アーム部110及び第2アーム部120を用いることができるので、第1組電池31に与える予圧力を均一化できる。
【0065】
(3)電源装置1では、第1組電池31は、各単電池セル40の2つの電極41,42が平面視で積層方向Xに沿って列状で配置されるように第1収容部11内に設けられ、また第1溝部21及び第2溝部22は、平面視では2つの電極列の間に形成されている。したがって第1収容部11に収容されている第1組電池31には、第1溝部21及び第2溝部22が形成されていない部分である2つの電極41,42に、積層方向Xに沿った荷重を作用させることができるので、充放電中における第1組電池31の各電極41,42における不具合の発生を抑制できる。
【0066】
(4)電源装置1では、第1組電池31を第1収容部11に収容させる際に第2アーム部120の逃げ溝として用いられる第2溝部22に、第1組電池31に接続されるセル電圧センサユニット8の一部品である端子台82を設ける。従って電源装置1によれば、筐体10の容積を小さくできる。
【0067】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
1…電源装置
10…筐体
11,12,13,14…収容部
11a,12a,13a,14a…第1内壁部
11b,12b,13b,14b…第2内壁部
16,17,18,19…開口面
21,23,25,27…第1溝部
22,24,26,28…第2溝部
31,32,33,34…組電池
31a,32a,33a,33a…第1端部
31b,32b,33b,34b…第2端部
40…単電池セル
41,42…電極
100…製造ロボット
110…第1アーム部
115…第1把持部
120…第2アーム部
125…第2把持部
X…積層方向
Y…幅方向

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