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公開番号2019143877
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190829
出願番号2018028626
出願日20180221
発明の名称空気調和システム
出願人株式会社富士通ゼネラル
代理人
主分類F25B 1/00 20060101AFI20190802BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】冷媒漏洩が発生した際のポンプダウン運転を適切に行える空気調和装置を提供する。
【解決手段】CPU210は、ポンプダウン運転を開始してから第1所定時間tp1が経過していれば吸入圧力Psを取り込み、取り込んだ吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下であるか否かを判断する。取り込んだ吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下であれば(ST14-Yes)、CPU210は、CPU210は、ポンプダウン運転を終了する。一方で、取り込んだ吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下でなければ、CPU210は、ポンプダウン運転を開始してから第2所定時間tp2が経過したか否かを判断する。第2所定時間tp2が経過していなければ、CPU210は、ポンプダウン運転を継続する。第2所定時間tp2が経過していれば、CPU210は、ポンプダウン運転を終了する。
【選択図】図3
特許請求の範囲約 830 文字を表示【請求項1】
空気調和装置と冷媒漏洩検知手段とを有する空気調和システムであって、
前記空気調和装置は、圧縮機と室外熱交換器と四方弁と前記圧縮機の吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段とを有する室外機と、室内熱交換器を有する室内機と、前記室外機と前記室内機とを液管およびガス管で接続して形成されて冷媒が封入される冷媒回路と、前記圧縮機の駆動制御を行う制御手段とを有し、
前記室外機は、前記液管に接続されて前記室外機と前記液管との間の冷媒の流れを遮断可能な液側閉鎖弁と、前記ガス管に接続されて前記室外機と前記ガス管との間の冷媒の流れを遮断可能なガス側閉鎖弁とを有し、
前記冷媒漏洩検知手段は、前記冷媒回路からの冷媒漏洩を検知して前記制御手段に通知し、
前記制御手段は、
前記冷媒漏洩検知手段から前記冷媒回路での冷媒漏洩を検知した旨の通知を受けたとき、
前記室外熱交換器が凝縮器として機能するとともに前記室内熱交換器が蒸発器として機能する状態とし、かつ、前記液側閉鎖弁を閉じるとともに前記ガス側閉鎖弁を開いて前記圧縮機を駆動することで、前記冷媒回路に封入された冷媒を前記室外機に回収するポンプダウン運転を開始し、
前記ポンプダウン運転を開始した時点から予め定められた第1所定時間が経過した後に前記吸入圧力検出手段で検出した吸入圧力が所定閾圧力より小さい値であれば、前記ポンプダウン運転を終了し、
前記ポンプダウン運転を開始した時点から前記第1所定時間よりも長い予め定められた第2所定時間が経過しても前記吸入圧力が前記所定閾圧力より小さい値とならなければ、検出した吸入圧力に関わらず前記ポンプダウン運転を終了する、
ことを特徴とする空気調和システム。
【請求項2】
前記冷媒漏洩検知手段が、前記室内機に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和システム。

発明の詳細な説明約 19,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置と冷媒漏洩検知手段とを有する空気調和システムに関わり、空気調和装置の冷媒回路を循環する冷媒を室外機に回収するポンプダウン運転が行える空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室外機と室内機とを液管とガス管とで接続して形成される冷媒回路を有する空気調和装置としては、室内機を移設する場合や、室外機あるいは室内機を交換するときに、冷媒回路に封入されている冷媒を室外機のアキュムレータや室外熱交換器に回収するポンプダウン運転が行えるものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ポンプダウン運転を行うときに、冷媒回路を冷房運転時の状態、つまり、室外熱交換器が凝縮器として機能する状態とし、かつ、液管が接続される室外機の閉鎖弁を閉じて圧縮機を回転させることで、冷媒回路中の冷媒を室外機のアキュムレータや室外熱交換器に回収する空気調和装置が記載されている。この空気調和装置では、ポンプダウン運転中に圧縮機に吸入される冷媒の圧力である吸入圧力を検出しており、検出した吸入圧力が予め定められた値より低くなれば、圧縮機を停止させるとともにガス管が接続される室外機の閉鎖弁を閉じて、ポンプダウン運転を終了する。
【0004】
ところで、空気調和装置が、1台の室外機に複数台の室内機が接続される多室型空気調和装置であれば、冷媒回路に封入される冷媒量が多くなる。このような多室型空気調和装置において、冷媒回路を構成する冷媒配管に亀裂が生じるなどの原因で冷媒回路から冷媒が漏洩した場合、封入されている冷媒がR410AのようなGWP(地球温暖化係数)が高いHFC冷媒であれば、漏洩した冷媒が大気中に拡散されることで環境に与える影響が大きくなる。また、封入されている冷媒がR32のようなGWPは低いものの可燃性を有するHFC冷媒であれば、冷媒が漏洩した部屋における冷媒の濃度によっては、冷媒に引火する恐れがある。
【0005】
上記のように、冷媒回路から冷媒が漏洩した場合に、空気調和装置を移設するときや変更するときと同様にポンプダウン運転を行えば、冷媒回路に存在する冷媒が室外機に回収されるので、冷媒回路からの冷媒の漏洩量を減少させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開昭63−75445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、冷媒回路から冷媒の漏洩が発生したときにポンプダウン運転を行う場合は、以下に説明する問題が発生する恐れがあった。
【0008】
冷媒漏洩の発生に応じてポンプダウン運転が行われるタイミングとしては、空気調和装置が停止しているときに冷媒の漏洩を検知してポンプダウン運転を行うときと、空気調和装置が運転中に冷媒の漏洩を検知してポンプダウン運転を行うときとが考えられる。いずれの場合においても、ポンプダウン運転を行う前に冷媒回路を前述したように冷媒回路を冷房運転時の状態に切り換える必要があるが、冷媒回路を冷房運転時の状態に切り換える前には、冷媒回路における高圧側の冷媒圧力と低圧側の冷媒圧力との圧力差が小さくなっていなければならない。空気調和装置が停止しているときは圧力差がもともと小さいので、すぐに冷媒回路を冷房運転時の状態に切り換えられる。一方で、空気調和装置が運転中は、圧力差を小さくする所謂均圧処理を行う必要がある。
【0009】
上記のように圧力差を小さくして冷媒回路を切り換えてポンプダウン運転を開始すると、圧縮機を起動した直後は、圧縮機の吸入側に接続されている冷媒配管における、圧縮機の吸入側に近い箇所に存在する冷媒が吸入され、その後室内機に存在する冷媒が室外機に流入するまでは、一時的に圧縮機に吸入される冷媒が減少する。このような状況では、圧縮機を起動した直後は、圧縮機の吸入側に接続されている吸入管における、圧縮機の吸入側に近い箇所に存在する冷媒が吸入され、その後上述した圧力差が大きくなって冷媒回路内を冷媒が流れるようになるまでは、一時的に吸入管に流入する冷媒が減少して、圧縮機に吸入される冷媒量も減少する。
【0010】
圧縮機21に吸入される冷媒量が減少すると吸入圧力が低下するが、特に、冷媒漏洩が発生しているような状態では、吸入圧力が早くかつ大きく低下して、前述したポンプダウン運転の終了を判断するための予め定められた値を下回る可能性が高くなる。そして、吸入圧力が低下して予め定められた値を下回ると、ポンプダウン運転が終了となる。つまり、ポンプダウン運転を開始した直後は、上述した要因で一時的に吸入圧力が低下することによってポンプダウン運転が終了となってしまう恐れがあった。
【0011】
また、ポンプダウン運転中に、液管が接続される室外機の閉鎖弁が故障や異物の噛み込みなどによって完全に閉じられていない状態となっている場合は、ポンプダウン運転によって室外機に流入した冷媒が、液管が接続される室外機の閉鎖弁を介して室外機から流出するため、室外機に冷媒を回収できない。このように、ポンプダウン運転で室外機に冷媒が回収できていない場合は、ポンプダウン運転を開始してから時間が経過しても吸入圧力が前述した予め定められた値以下とならず、ポンプダウン運転が停止されずに長時間行われる。そして、ポンプダウン運転が長く行われるほど、冷媒回路から漏洩する冷媒量が多くなるという問題があった。
【0012】
つまり、冷媒回路から冷媒の漏洩が発生したときにポンプダウン運転を行う場合は、ポンプダウン運転を終了させる判断を適切に行わないと、意図したとおりに室外機に冷媒を回収することができず、場合によっては、冷媒回路から漏洩する冷媒量が多くなるという問題があった。
【0013】
本発明は以上述べた問題点を解決するものであって、冷媒漏洩が発生した際のポンプダウン運転を適切に行える空気調和システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明の空気調和システムは、空気調和装置と冷媒漏洩検知手段とを有するものである。空気調和装置は、圧縮機と室外熱交換器と四方弁と圧縮機の吸入圧力を検出する吸入圧力検出手段とを有する室外機と、室内熱交換器を有する室内機と、室外機と室内機とを液管およびガス管で接続して形成されて冷媒が封入される冷媒回路と、圧縮機の駆動制御を行う制御手段とを有する。室外機は、液管に接続されて室外機と液管との間の冷媒の流れを遮断可能な液側閉鎖弁と、ガス管に接続されて室外機とガス管との間の冷媒の流れを遮断可能なガス側閉鎖弁とを有する。冷媒漏洩検知手段は、冷媒回路からの冷媒漏洩を検知して制御手段に通知する。制御手段は、冷媒漏洩検知手段から冷媒回路での冷媒漏洩を検知した旨の通知を受けたとき、室外熱交換器が凝縮器として機能するとともに室内熱交換器が蒸発器として機能する状態とし、かつ、液側閉鎖弁を閉じるとともにガス側閉鎖弁を開いて圧縮機を駆動することで、冷媒回路に封入された冷媒を室外機に回収するポンプダウン運転を開始する。そして、制御手段は、ポンプダウン運転を開始した時点から予め定められた第1所定時間が経過した後に吸入圧力検出手段で検出した吸入圧力が所定閾圧力より小さい値であれば、ポンプダウン運転を終了し、ポンプダウン運転を開始した時点から第1所定時間よりも長い予め定められた第2所定時間が経過しても吸入圧力が所定閾圧力より小さい値とならなければ、検出した吸入圧力に関わらずポンプダウン運転を終了する。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した本発明の空気調和システムは、冷媒漏洩が発生した際のポンプダウン運転において、ポンプダウン運転の開始から第1所定時間が経過するまでは、検出した吸入圧力を用いたポンプダウン運転の終了の判断を行わず、また、ポンプダウン運転の開始から第1所定時間よりも長い第2所定時間が経過すれば、検出した吸入圧力に関わらずポンプダウン運転を終了する。これにより、冷媒漏洩が発生した際のポンプダウン運転を適切に行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施形態における空気調和装置の説明図であり、(A)は冷媒回路図、(B)は室外機制御手段のブロック図である。
本発明の空気調和装置がポンプダウン運転を行う際の冷媒回路図である。
本発明の実施形態における、ポンプダウン運転に関わる制御を行う際の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施形態としては、1台の室外機に10台の室内機が並列に接続され、全ての室内機で同時に冷房運転あるいは暖房運転が行える空気調和装置と、この空気調和装置から漏洩する冷媒を検知する冷媒漏洩検知手段とを有する空気調和システムを例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【実施例】
【0018】
図1(A)に示すように、本実施形態における空気調和システムの空気調和装置1は、1台の室外機2と、室外機2に液管8およびガス管9で並列に接続された10台の室内機5(図1(A)では、これらのうちの2台のみを描画している)と、10台の室内機5が設置される部屋に配置される冷媒漏洩検知手段100とを備えている。室外機2の液側閉鎖弁25と各室内機5の液管接続部53とが液管8で接続されている。また、室外機2のガス側閉鎖弁26と各室内機5のガス管接続部54とがガス管9で接続されている。このように、1台の室外機2と10台の室内機5とが液管8およびガス管9で接続されて、空気調和装置1の冷媒回路10が形成されている。
【0019】
<室外機の構成>
まずは、室外機2について説明する。室外機2は、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、室外膨張弁24と、液管8が接続された液側閉鎖弁25と、ガス管9が接続されたガス側閉鎖弁26と、アキュムレータ27と、室外ファン28と、室外機制御手段200とを備えている。そして、室外ファン28と室外機制御手段200とを除くこれら各装置が、以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて冷媒回路10の一部をなす室外機冷媒回路20を形成している。
【0020】
圧縮機21は、インバータにより回転数が制御される図示しないモータによって駆動されることで、運転容量を可変できる能力可変型圧縮機である。圧縮機21の冷媒吐出側は、後述する四方弁22のポートaと吐出管41で接続されており、また、圧縮機21の冷媒吸入側は、アキュムレータ27の冷媒流出側と吸入管42で接続されている。圧縮機21の密閉容器の下部には、圧縮機21の密閉容器の上部に配置される図示しない圧縮機構部に供給されて圧縮機構部の潤滑性を保つための冷凍機油が貯留されている。
【0021】
四方弁22は、冷媒回路10における冷媒の流れる方向を切り換えるための弁であり、a、b、c、dの4つのポートを備えている。ポートaは、上述したように圧縮機21の冷媒吐出側と吐出管41で接続されている。ポートbは、室外熱交換器23の一方の冷媒出入口と冷媒配管43で接続されている。ポートcは、アキュムレータ27の冷媒流入側と冷媒配管46で接続されている。そして、ポートdは、ガス側閉鎖弁26と室外機ガス管45で接続されている。
【0022】
室外熱交換器23は、冷媒と、後述する室外ファン28の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気を熱交換させるものである。室外熱交換器23の一方の冷媒出入口と四方弁22のポートbとが冷媒配管43で接続されている。また、室外熱交換器23の他方の冷媒出入口と液側閉鎖弁25とが室外機液管44で接続されている。室外熱交換器23は、空気調和装置1が冷房運転を行う場合は凝縮器として機能し、空気調和装置1が暖房運転を行う場合は蒸発器として機能する。
【0023】
室外膨張弁24は、室外機液管44に設けられている。室外膨張弁24は図示しないパルスモータにより駆動される電子膨張弁であり、パルスモータに与えられるパルス数によって開度が調整されることで、室外熱交換器23に流入する冷媒量、あるいは、室外熱交換器23から流出する冷媒量が調整される。室外膨張弁24の開度は、空気調和装置1が暖房運転を行っている場合は、後述する吐出温度センサ33で検出した圧縮機21の吐出温度に応じてその開度が調整され、冷房運転を行っている場合はその開度が全開とされる。
【0024】
液側閉鎖弁25とガス側閉鎖弁26は、各々が電動ボール弁である。液側閉鎖弁25の一方の冷媒出入口には室外機液管44が接続されており、他方の冷媒出入口には液管8が接続されている。また、ガス側閉鎖弁26の一方の冷媒出入口には室外機ガス管45が接続されており、他方の冷媒出入口にはガス管9が接続されている。尚、液側閉鎖弁25とガス側閉鎖弁26とは、後述するポンプダウン運転を行う場合を除いて、空調運転中もしくは停止中に関わらず、常に開かれている。
【0025】
アキュムレータ27は、冷媒流入側が四方弁22のポートcと冷媒配管46で接続されるとともに、冷媒流出側が圧縮機21の冷媒吸入側と吸入管42で接続されている。アキュムレータ27は、冷媒配管46からアキュムレータ28の内部に流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒に分離してガス冷媒のみを圧縮機21に吸入させる。
【0026】
室外ファン28は樹脂材で形成されており、室外熱交換器23の近傍に配置されている。室外ファン28は、図示しないファンモータによって回転することで、図示しない吸込口から室外機2の内部へ外気を取り込み、室外熱交換器23において冷媒と熱交換した外気を図示しない吹出口から室外機2の外部へ放出する。
【0027】
以上説明した構成の他に、室外機2には各種のセンサが設けられている。図1に示すように、吐出管41には、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力である吐出圧力を検出する吐出圧力センサ31と、圧縮機21から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ33が設けられている。冷媒配管46におけるアキュムレータ28の冷媒流入口近傍には、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力である吸入圧力を検出する吸入圧力センサ32と、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を検出する吸込温度センサ34とが設けられている。尚、吸入圧力センサ32が本発明の吸入圧力検出手段である。
【0028】
室外機液管44における室外熱交換器23と室外膨張弁24との間には、室外熱交換器23に流入する冷媒の温度、あるいは、室外熱交換器23から流出する冷媒の温度を検出するための熱交温度センサ35が設けられている。そして、室外機2の図示しない吸込口付近には、室外機2の内部に流入する外気の温度、すなわち外気温度を検出する外気温度センサ36が備えられている。
【0029】
また、室外機2には、本発明の制御手段である室外機制御手段200が備えられている。室外機制御手段200は、室外機2の図示しない電装品箱に格納された制御基板に搭載されており、図1(B)に示すように、CPU210と、記憶部220と、通信部230と、センサ入力部240とを備えている。
【0030】
記憶部220は、例えばフラッシュメモリで構成されており、室外機2の制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、圧縮機21や室外ファン28の駆動状態、各室内機5から送信される運転情報(運転/停止情報、冷房/暖房等の運転モード等を含む)を記憶する。通信部230は、各室内機5との通信を行うインターフェイスである。センサ入力部240は、室外機2の各種センサでの検出結果、および、後述する冷媒漏洩検知手段100での検出結果を取り込んでCPU210に出力する。
【0031】
CPU210は、センサ入力部240を介して室外機2の各種センサや冷媒漏洩検知手段100での検出結果を定期的(例えば、30秒毎)に取り込む。また、CPU210には、各室内機5から送信される運転情報を含む信号が通信部230を介して入力される。CPU210は、取り込んだあるいは入力された各種情報に基づいて、室外膨張弁24の開度調整、圧縮機21や室外ファン28の駆動制御を行う。
【0032】
<各室内機の構成>
次に、10台の室内機5について説明する。10台の室内機5は全て同じ部屋に設置されるとともに全て同じ構成を有しており、室内熱交換器51と、室内膨張弁52と、液管接続部53と、ガス管接続部54と、室内ファン55とを備えている。そして、室内ファン55を除くこれら各構成装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路10の一部をなす室内機冷媒回路50を構成している。
【0033】
室内熱交換器51は、冷媒と、後述する室内ファン55の回転により図示しない吸込口から室内機5の内部に取り込まれた室内空気を熱交換させるものである。室内熱交換器51の一方の冷媒出入口と液管接続部53とが室内機液管71で接続され、他方の冷媒出入口とガス管接続部54aとが室内機ガス管72で接続されている。室内熱交換器51は、空気調和装置1が冷房運転を行う場合は蒸発器として機能し、空気調和装置1が暖房運転を行う場合は凝縮器として機能する。尚、液管接続部53やガス管接続部54は、各冷媒配管が溶接やフレアナット等により接続されている。
【0034】
室内膨張弁52は、室内機液管71に設けられている。室内膨張弁52は電子膨張弁であり、室内熱交換器51が蒸発器として機能する場合すなわち室内機5が冷房運転を行う場合は、その開度は、室内熱交換器51の冷媒出口(ガス管接続部54側)での冷媒過熱度が目標冷媒過熱度となるように調整される。また、室内膨張弁52は、室内熱交換器51が凝縮器として機能する場合すなわち室内機5が暖房運転を行う場合は、その開度は、室内熱交換器51の冷媒出口(液管接続部53側)での冷媒過冷却度が目標冷媒過冷却度となるように調整される。ここで、目標冷媒過熱度や目標冷媒過冷却度とは、室内機5で十分な冷房能力あるいは暖房能力を発揮するのに必要な冷媒過熱度および冷媒過冷却度である。
【0035】
室内ファン55は樹脂材で形成されており、室内熱交換器51の近傍に配置されている。室内ファン55は、図示しないファンモータによって回転することで、図示しない吸込口から室内機5の内部に室内空気を取り込み、室内熱交換器51において冷媒と熱交換した室内空気を図示しない吹出口から室内へ放出する。
【0036】
以上説明した構成の他に、室内機5には各種のセンサが設けられている。室内機液管71における室内熱交換器51と室内膨張弁52との間には、室内熱交換器51に流入あるいは室内熱交換器51から流出する冷媒の温度を検出する液側温度センサ61が設けられている。室内機ガス管72には、室内熱交換器51から流出あるいは室内熱交換器51に流入する冷媒の温度を検出するガス側温度センサ62が設けられている。室内機5の図示しない吸込口付近には、室内機5の内部に流入する室内空気の温度、すなわち吸込温度を検出する吸込温度センサ63が備えられている。
【0037】
<冷媒漏洩検知手段>
本実施形態における空気調和システムの冷媒漏洩検知手段100は、10台の室内機5が設置された部屋に配置されて、冷媒回路10における室内機冷媒回路50、液管8、ガス管9のいずれかから部屋に漏洩した冷媒を検知する。冷媒漏洩検知手段100は、例えば半導体式のセンサであり、ヒータによって加熱された金属酸化物半導体が冷媒と接触したときに生じる抵抗値変化を冷媒濃度として検知する。尚、冷媒漏洩検知手段100は、10台の室内機5が複数の部屋に分けて設置されている場合は、各部屋に配置すればよい。また、冷媒漏洩検知手段100は、各室内機5の内部に配置されていてもよいし、各室内機5の内部と各室内機5が設置されている部屋の両方に配置してもよい。
【0038】
<冷媒回路の動作>
次に、本実施形態における空気調和装置1の空調運転時の冷媒回路10における冷媒の流れや各部の動作について、図1(A)を用いて説明する。尚、以下の説明では、空気調和装置1が冷房運転を行う場合について説明し、暖房運転を行う場合については詳細な説明を省略する。また、図1における矢印は冷房運転時の冷媒の流れを示している。
【0039】
図1に示すように、空気調和装置1が冷房運転を行う場合は、四方弁22が実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートbとが連通するように、また、ポートcとポートdとが連通するように切り換えられる。これにより、冷媒回路10は、各室内熱交換器51が蒸発器として機能するとともに、室外熱交換器23が凝縮器として機能する冷房サイクルとなる。
【0040】
上記のような冷媒回路10の状態で圧縮機21が駆動すると、圧縮機21から吐出された冷媒は、吐出管41を流れて四方弁22に流入し、四方弁22から冷媒配管43を介して室外熱交換器23へと流入する。
【0041】
室外熱交換器23へと流入した冷媒は、室外ファン28の回転によって室外機2の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って凝縮する。室外熱交換器23から室外機液管44へと流出した冷媒は、開度が全開とされている室外膨張弁24を通過し、液側閉鎖弁25を介して液管8に流出する。
【0042】
液管8を流れる冷媒は、液管接続部53を介して各室内機5に分流する。各室内機5に流入した冷媒は各室内機液管71を流れ、室内熱交換器51の各々の冷媒出口での冷媒過熱度が目標冷媒過熱度となるように開度が調整された各室内膨張弁52を通過する際に減圧される。
【0043】
各室内機液管71から各室内熱交換器51に流入した冷媒は、各室内ファン55の回転により各室内機5の内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って蒸発する。このように、各室内熱交換器51が蒸発器として機能し、各室内熱交換器51で冷媒と熱交換を行って冷却された室内空気が図示しない吹出口から室内に吹き出されることによって、10台の室内機5が設置された室内の冷房が行われる。
【0044】
各室内熱交換器51から各室内機ガス管72に流出した冷媒は、各ガス管接続部54を介してガス管9に流出する。ガス管9で合流し液側閉鎖弁25を介して室外機2に流入した冷媒は、室外機ガス管45、四方弁22、冷媒配管46、アキュムレータ27、吸入管42の順に流れ、圧縮機21に吸入されて再び圧縮される。
【0045】
尚、空気調和装置1が暖房運転を行う場合、四方弁22が破線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdが連通するよう、また、ポートbとポートcが連通するように切り換えられる。これにより、冷媒回路10は、各室内熱交換器51が凝縮器として機能するとともに、室外熱交換器23が蒸発器として機能する暖房サイクルとなる。
【0046】
<冷媒漏洩発生時のポンプダウン運転について>
次に、図2および図3を用いて、本実施形態の空気調和装置1において、冷媒回路10から冷媒が漏洩したときに行うポンプダウン運転について説明する。尚、以下の説明では、図2に示すように、1台の室内機5の室内機液管71における室内膨張弁52と液管接続部53との間に亀裂が生じ、この亀裂から10台の室内機5が設置された部屋に冷媒が漏洩したことを、冷媒漏洩検知手段100が検知した場合を例に挙げて説明する。
【0047】
図2に示すのは、空気調和装置1がポンプダウン運転を行う際の冷媒回路10の状態である。図2において、破線矢印はポンプダウン運転時の冷媒の流れを示し、また、各種弁のうち開いている弁は白抜きで表し、閉じている弁は黒塗りで表している。
【0048】
また、図3に示すのは、空気調和装置1において冷媒漏洩検知手段100で冷媒漏洩を検知してポンプダウン運転を行う際に、室外機制御手段200のCPU210が行う処理を示すフローチャートである。図3において、STは処理のステップを表し、これに続く数字はステップの番号を表している。また、図3では、均圧時間をtu、第1所定時間をtp1、第2所定時間をtp2、吸入圧力をPs、第1閾圧力をPst1、第2閾圧力をPst2としている。これら各時間および各圧力については、以降の図3の説明の際に詳細に説明する。尚、図3では、本発明に関わる処理のみに言及しており、使用者が要求する空調能力に応じた圧縮機21の制御などの、空気調和装置1の一般的な制御に係る処理については、記載と説明を省略する。
【0049】
空気調和装置1が冷房運転あるいは暖房運転(以降、空調運転と記載する場合がある)を行っているとき、あるいは、空気調和装置1が運転を停止しているとき、CPU210は、10台の室内機5が設置されている部屋での冷媒漏洩を検知したか否か判断する(ST1)。具体的には、CPU210は、センサ入力部240を介して冷媒漏洩検知手段100で検知した、10台の室内機5が設置されている部屋における冷媒濃度をセンサ入力部240を介して定期的(例えば、30秒毎)に取り込んでおり、取り込んだ冷媒濃度が上昇すれば、10台の室内機5が設置されている部屋で冷媒漏洩が発生したと判断する。
【0050】
冷媒漏洩を検知していない場合は(ST1−No)、CPU210は、現在の状態を維持し(ST17)、ST1に処理を戻す。ここで、現在の状態を維持するということは、空気調和装置1が空調運転を行っている場合は、現在行っている空調運転を継続することを意味し、空気調和装置1が運転を停止している場合は、運転を停止している状態を維持することを意味する。
【0051】
冷媒漏洩を検知した場合は(ST1−Yes)、CPU210は、現在空調運転を行っているか否かを判断する(ST2)。現在空調運転を行っていなければ(ST2−No)、CPU210は、ST4に処理を進める。現在空調運転を行っていれば(ST2−No)、CPU210は、運転停止処理を行い(ST3)、ST4に処理を進める。運転停止処理では、CPU210は、圧縮機21および室外ファン28を停止させるとともに、通信部230を介して各室内機5に対して室内ファン51を停止するように指示する。
【0052】
ST2あるいはST3の処理を終えたCPU210は、ポンプダウン開始処理を行う(ST4)。具体的には、CPU210は、四方弁22のポートaとポートbとが連通し、ポートcとポートdとが連通する状態、つまり、四方弁22を冷房サイクル時と同じ状態とする。また、CPU210は、室外膨張弁24の開度を全開とするとともに、液側閉鎖弁25を閉じる。また、CPU210は、通信部230を介して各室内機5に対して室内膨張弁52の開度を全開とするように指示する。以上説明したように、ポンプダウン開始処理で各弁を操作して、冷媒回路10が図2に示す状態となる。尚、ポンプダウン開始処理において、四方弁22が既に上記の状態となっている場合、すなわち、空気調和装置1が冷房運転を行っていた場合や停止する前の運転が冷房運転であった場合は、ポンプダウン開始処理においての四方弁22の操作は不要となる。また、ガス側閉鎖弁26は、前述したように空調運転中/停止中に関わらず常に開いているため、ポンプダウン開始処理においてのガス側閉鎖弁26の操作は行わない。
【0053】
次に、CPU210は、タイマー計測を開始する(ST5)。尚、CPU210は、図示しないタイマー計測機能を有している。
【0054】
次に、CPU210は、ST5でタイマー計測を開始してから、均圧時間tuが経過したか否かを判断する(ST6)。ここで、均圧時間tuは、予め試験などを行って求められて記憶部220に記憶されているものであり、冷媒回路10を図2に示す状態としたときに冷媒回路10が均圧する、すなわち、冷媒回路10における高圧側の冷媒の圧力(例えば、吐出圧力センサ31で検出した吐出圧力)と、冷媒回路10における低圧側の冷媒の圧力(例えば吸入圧力センサ32で検出した吸入圧力Ps)との圧力差が所定値(例えば0.2MPa)以下となるのに必要な時間である。一例として、均圧時間tuは180秒である。
【0055】
均圧時間tuが経過していなければ(ST6−No)、CPU210は、ST6に処理を戻して均圧時間tuが経過するのを待つ。均圧時間tuが経過すれば(ST6−Yes)、CPU210は、ST7に処理を進める。
【0056】
以上説明したST3からST6までの処理が、冷媒回路10の均圧に関わる処理である。尚、ST4のポンプダウン運転開始処理において液側閉鎖弁25を閉じているが、この液側閉鎖弁25は、冷媒回路10の均圧時に閉じていても開いていても冷媒回路10の均圧には直接影響はない。しかし、本実施形態の空気調和装置1のように、液側閉鎖弁25が開閉に時間がかかる電動ボール弁である場合は、冷媒回路10の均圧を行うときに液側閉鎖弁25を閉じておけば、CPU210が後述するST10の処理を行う際に既に液側閉鎖弁25が閉じられていることによってポンプダウン運転をすぐに開始することができる。尚、液側閉鎖弁25が短時間で開閉が行える弁である場合は、ST10の処理を行うときに液側閉鎖弁25を閉じるようにしてもよい。
【0057】
ST6の処理を終えたCPU210は、タイマーをリセットし(ST7)、吸入圧力Psを取り込む(ST8)。具体的には、CPU210は、吸入圧力センサ32で検出した吸入圧力Psをセンサ入力部240を介して取り込む。
【0058】
次に、CPU210は、ST8で取り込んだ吸入圧力Psが、第1閾圧力Pst1以下であるか否かを判断する(ST9)。ここで、第1閾圧力Pst1は、予め試験などを行って求められて記憶部220に記憶されているものである。一例として、第1閾圧力Pst1は0.24MPaである。この第1閾圧力Pst1は、以下に説明する理由によって設けられるものである。
【0059】
冷媒漏洩検知後の冷媒回路10の均圧後に検出する吸入圧力Psは、冷媒の漏洩が発生していない場合の均圧後の吸入圧力Psと比べて小さい値となり、吸入圧力Psが小さい値であるほど、冷媒回路10から漏洩した冷媒量が多くなる。均圧中の冷媒漏洩量が多くなると、均圧後のポンプダウン運転において圧縮機21に吸入される冷媒量が少ないことに起因して圧縮機21内部の温度が上昇するため、図示しない圧縮機21の圧縮機構部が焼き付く恐れがある。また、冷媒回路10からの冷媒漏洩量が多くなると、ポンプダウン運転時に冷媒回路10における冷媒漏洩が発生した箇所から冷媒回路10に流入する空気量も多くなる。このとき、圧縮機21内部の温度上昇に応じて発火温度まで上昇した冷凍機油に、均圧後のポンプダウン運転において圧縮機21に吸入された多量の空気が混ざることで、冷凍機油が自然発火して圧縮機21が破裂する可能性がある。
【0060】
そこで、本実施形態の空気調和装置1では、冷媒回路10から漏洩する冷媒の量が、ポンプダウン運転を行っているときに上述した圧縮機21の圧縮機構部の焼き付きや圧縮機21の破裂が起こる可能性が低い漏洩量であるか否かを判断する指標として、第1閾圧力Pst1を設定している。すなわち、冷媒回路10の均圧後に検出した吸入圧力Psが第1閾圧力Pst1以下であれば、冷媒回路10からの冷媒漏洩量が多くて圧縮機21の圧縮機構部の焼き付きや圧縮機21の破裂が起こる可能性が高いことを示す。また、冷媒回路10の均圧後に検出した吸入圧力Psが第1閾圧力Pst1超であれば、冷媒回路10からの冷媒漏洩量が少なくて圧縮機21の圧縮機構部の焼き付きや圧縮機21の破裂が起こる可能性が低いことを示す。
【0061】
ST9の処理において、吸入圧力Psが第1閾圧力Pst以上でなければ(ST9−No)、CPU210は、ポンプダウン運転を行わずにST16に処理を進める。吸入圧力Psが第1閾圧力Pst1以下であれば(ST9−Yes)、CPU210は、ポンプダウン運転を開始し(ST10)、タイマー計測を開始する(ST11)。ポンプダウン運転では、CPU210は、圧縮機21を所定回転数で駆動し、また、室外ファン28を最大回転数で駆動する。また、CPU210は、通信部230を介して各室内機5に対して室内ファン51を最大回転数で駆動するように指示する。
【0062】
圧縮機21が駆動すると、閉じられた液側閉鎖弁25より室内機5側に存在する冷媒、すなわち、液管8、各室内機5、および、ガス管9に存在する冷媒が、図2に破線矢印で示すように冷媒回路10を流れて室外機2に流入する。室外機2に流入した冷媒は、液側閉鎖弁25が閉じられているために室外機2から再び流出することはなく、アキュムレータ27や室外熱交換器23に貯留される。
【0063】
上述したように、ポンプダウン運転時の圧縮機21の所定回転数は、予め試験などを行って求められて記憶部220に記憶されているものであり、一例として50rpsである。ポンプダウン運転では、圧縮機21の回転数を高くして早く冷媒を室外機2に回収することが望ましい。その一方で、前述したように、ポンプダウン運転中は、圧縮機21内部の温度が吸入される冷媒量が少ないことに起因して上昇しやすい。本実施形態のポンプダウン運転時の圧縮機21の所定回転数は、以上のことを考慮して、圧縮機21内部の温度上昇を抑制しつつできる限り早く室外機2に冷媒を回収できる回転数としている。
【0064】
また、ポンプダウン運転では、室外ファン28を最大回転数で駆動することで、室外熱交換器23で凝縮能力を大きくして室外熱交換器23に流入した冷媒のほとんどを液冷媒とするので、室外熱交換器23にガス冷媒を滞留させる場合と比べて、多量の冷媒を室外熱交換器23に貯留できる。また、ポンプダウン運転では、各室内ファン51を最大回転数で駆動することで、各室内熱交換器51で蒸発能力を大きくして各室内熱交換器51に流入した冷媒のほとんどをガス冷媒として各室内熱交換器51から室外機2へと流出させるので、液冷媒で室外機2に流出させる場合と比べて迅速かつ確実に室内機5側に存在する冷媒を室外機2に回収できる。
【0065】
次に、CPU210は、ST11でタイマー計測を開始してから第1所定時間tp1が経過したか否かを判断する(ST12)。第1所定時間tp1が経過していなければ(ST12−No)、CPU210は、ST12に処理を戻して、第1所定時間tp1が経過するのを待つ。
【0066】
第1所定時間tp1が経過していれば(ST12−Yes)、CPU210は、ST8と同様の方法で吸入圧力Psを取り込み(ST13)、取り込んだ吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下であるか否かを判断する(ST14)。
【0067】
取り込んだ吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下であれば(ST14−Yes)、CPU210は、ST15に処理を進める。取り込んだ吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下でなければ(ST14−No)、CPU210は、ST11でタイマー計測を開始してから第2所定時間tp2が経過したか否かを判断する(ST18)。
【0068】
第2所定時間tp2が経過していなければ(ST18−No)、CPU210は、ST14に処理を戻してポンプダウン運転を継続する。第2所定時間tp2が経過していれば(ST18−Yes)、CPU210は、ST15に処理を進める。
【0069】
ST9あるいはST14あるいはST18の処理を終えたCPU210は、ポンプダウン運転終了処理を行う(ST15)。具体的には、CPU210は、ST14あるいはST18の処理を終えた後にポンプダウン運転終了処理を行う場合は、圧縮機21と室外ファン28を停止するとともに、ガス側閉鎖弁26を閉じる。また、CPU210は、通信部230を介して各室内機5に対して室内ファン51を停止するように指示する。一方、CPU210は、ST9で吸入圧力Psが第1閾圧力Pst1以上ではない(ST9−Noである)ときにポンプダウン運転終了処理を行う場合は、ガス側閉鎖弁26を閉じる操作のみを行う。
【0070】
ここで、以上説明したST12〜ST15、および、ST18の処理における、第2閾圧力Pst2、第1所定時間tp1、および、第2所定時間tp2は、それぞれが以下に説明する理由によって設けられるものである。
【0071】
まず、第2閾圧力Pst2について説明する。第2閾圧力Pst2は本発明の所定閾圧力であり、予め試験などを行って求められて記憶部220に記憶されているものである。第2閾圧力Pst2は前述した第1閾圧力Pst1よりも小さい圧力であり、一例として、第2閾圧力Pst2は0.2MPaである。
【0072】
ポンプダウン運転を開始して冷媒回路10に存在する冷媒の室外機2への回収が進むと、ポンプダウン運転を開始してから時間が経つのにつれて、圧縮機21が吸入する冷媒量が減少して吸入圧力Psが低下する。一方、圧縮機21には、固有の性能上の圧力下限値があり、吸入圧力Psがこの圧力下限値を下回る状態で圧縮機21を駆動させ続けることはできない。第2閾圧力Pst2は、この圧力下限値より所定値(例えば、0.03MPa)高い値に設定されており、ポンプダウン運転中に吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下となれば圧縮機21を停止してポンプダウン運転を終了することで、圧縮機21が圧力下限値を下回る状態で駆動され続けることを避けている。
【0073】
次に、第1所定時間tp1について説明する。第1所定時間tp1は、予め試験などを行って求められて記憶部220に記憶されているものである。一例として、第1所定時間tp1は80秒である。
【0074】
ポンプダウン運転を開始した直後、つまり、圧縮機21を起動した直後は、ポンプダウン運転を行う前に実施した均圧処理によって、冷媒回路10における高圧側の冷媒圧力と低圧側の冷媒圧力との圧力差が小さくなっている。この圧力差は圧縮機21を起動してからしばらくしないと大きくならず、圧力差が大きくならないと冷媒回路10内を冷媒が流れない。このような状況では、圧縮機21を起動した直後は、吸入管42における圧縮機21の吸入側に近い箇所に存在する冷媒が吸入され、その後上述した圧力差が大きくなって冷媒回路10内を冷媒が流れるようになるまでは、一時的に吸入管42に流入する冷媒が減少して、圧縮機21に吸入される冷媒量も減少する。
【0075】
圧縮機21に吸入される冷媒量が減少すると、吸入圧力Psが低下して第2閾圧力Pst2を下回る場合がある。そして、上述したように、吸入圧力Psが低下して第2閾圧力Pst2を下回ると、CPU210はポンプダウン運転を停止する。しかし、上述したように圧縮機21に吸入される冷媒が減少して吸入圧力Psが低下するのは一時的であり、ポンプダウン運転を開始してから時間が経てば、冷媒回路10における圧力差が大きくなってアキュムレータ27より室内機5側に存在する冷媒が吸入管42に流入して圧縮機21に吸入されるため、吸入圧力Psが上昇する。
【0076】
第1所定時間tp1は、ポンプダウン運転を開始してからアキュムレータ27より室内機5側に滞留する冷媒が吸入管42に流入して圧縮機21に吸入されるようになる、冷媒回路10の圧力差となるまでにかかる時間であり、上述した要因で一時的な吸入圧力Psの低下によってポンプダウン運転が停止されることを防ぐために設定されるものである。
【0077】
次に、第2所定時間tp2について説明する。第2所定時間tp2は、予め試験などを行って求められて記憶部220に記憶されているものである。第2所定時間tp2は前述した第1所定時間tp1よりも長い時間であり、一例として、第2所定時間tp2は600秒である。
【0078】
前述したように、ポンプダウン運転は、吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下となれば停止される。しかし、何らかの不具合が発生してポンプダウン運転を行っても室外機2に冷媒が回収できていない場合、例えば、液側閉鎖弁25が故障や異物の噛み込みなどによって完全に閉じられていない状態でポンプダウン運転を行うと、室外機2に流入した冷媒が液側閉鎖弁25を介して室外機2から流出して再び冷媒回路10を循環する。
【0079】
上記のように、ポンプダウン運転で室外機2に冷媒が回収できていない場合は、ポンプダウン運転を開始してから時間が経過しても吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下とならず、ポンプダウン運転が停止されずに長時間行われる。そして、ポンプダウン運転が長く行われるほど、冷媒回路10から漏洩する冷媒量が多くなる。
【0080】
第2所定時間tp2は、冷媒回路10に封入されている冷媒量や、ポンプダウン運転を行うときの空気調和装置1の周囲環境などを鑑み、空気調和装置1の冷媒回路10に異常がなければ第2所定時間tp2の間ポンプダウン運転を行えば冷媒をほぼ全て室外機2に回収できる時間に設定されているものであり、空気調和装置1の冷媒回路10に異常がある状態でポンプダウン運転が継続されることで、冷媒回路10から漏洩する冷媒量が多くなることを防ぐために設定されるものである。
【0081】
ST15の処理を終えたCPU210は、タイマーをリセットし(ST16)、ポンプダウン運転に関わる処理を終了する。
【0082】
尚、以上説明した実施形態では、冷媒漏洩検知手段100で検知した冷媒濃度を、センサ入力部240を介して直接室外機2のCPU210に取り込む場合を説明した。しかし、これに限られるものではなく、冷媒漏洩検知手段100で検知した冷媒濃度はまずは室内機5に取り込まれ、室内機5から通信部230を介してCPU210が取り込むようにしてもよい。
【0083】
以上説明したように、本実施形態の空気調和装置1では、冷媒回路10からの冷媒漏洩を検知したときに、冷媒回路10をポンプダウン運転を行う際の状態として冷媒回路10の均圧を行った後に検出した吸入圧力Psが、第1閾圧力Pst1以上であるときのみポンプダウン運転を行う。これにより、ポンプダウン運転を行うときに、圧縮機21の圧縮機構部の焼き付きや圧縮機21の破裂を防ぐことができる。
【0084】
また、本実施形態の空気調和装置1では、ポンプダウン運転を開始した後は、ポンプダウン運転の開始から第1所定時間tp1が経過した後に検出する吸入圧力Psを用いて、ポンプダウン運転を終了するか否かを判断する。これにより、ポンプダウン運転を開始した直後に吸入圧力Psを検出し検出した吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下であることによってポンプダウン運転を停止してしまうことがない。
【0085】
さらには、本実施形態の空気調和装置1では、ポンプダウン運転の開始から第2所定時間tp2が経過しても吸入圧力Psが第2閾圧力Pst2以下とならない場合は、ポンプダウン運転を終了する。これにより、正常に行えていないポンプダウン運転を終了させて冷媒回路10から漏洩する冷媒量を抑えることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 空気調和装置
2 室外機
5 室内機
21 圧縮機
22 四方弁
23 室外熱交換器
24 室外膨張弁
28 室外ファン
32 吸入圧力センサ
51 室内熱交換器
52 室内膨張弁
55 室内ファン
100 冷媒漏洩検知手段
200 室外機制御手段
210 CPU
240 センサ入力部
Ps 吸入圧力
Pst1 第1閾圧力
Pst2 第2閾圧力
tp1 第1所定時間
tp2 第2所定時間

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