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公開番号2019143788
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190829
出願番号2018031344
出願日20180223
発明の名称車両用動力伝達装置
出願人アイシン・エィ・ダブリュ株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F16H 3/093 20060101AFI20190802BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】車両を減速させる際のドライバビリティを向上させることが可能な車両用動力伝達装置を提供すること。
【解決手段】車両用動力伝達装置10は、クラッチ28を介してエンジン11に連結されて第一トルクが入力される第一入力軸21及び副軸23と、エンジン11に直結されて第二トルクが入力される第二入力軸22と、副軸23と同軸に且つ遊転可能に配置されたギヤ部材29及びギヤ部材30と、副軸23と一体に回転してギヤ部材29又はギヤ部材30と係合する第一切替機構31と、第二入力軸22と同軸に且つ遊転可能に配置された第一回転部材24及び第二回転部材25と、第二入力軸22と一体に回転して第一回転部材24又は第二回転部材25と係合する第二切替機構32と、副軸23に連結されて駆動動作又は回生動作をするモータジェネレータMGと、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲約 1,900 文字を表示【請求項1】
駆動源から出力されたトルクを車両の駆動車輪に伝達する車両用動力伝達装置であって、
前記駆動源から出力された前記トルクが第一トルクとして入力される第一入力軸と、
前記駆動源から出力された前記トルクが第二トルクとして入力される、前記第一入力軸とは異なる第二入力軸と、
前記駆動源と前記第一入力軸との間に設けられ、前記駆動源と前記第一入力軸との間で前記第一トルクを伝達する伝達状態と、前記駆動源と前記第一入力軸との間で前記第一トルクの伝達を遮断する遮断状態と、を切り替えるクラッチと、
前記第一入力軸から前記第一トルク及び前記第二入力軸から前記第二トルクが伝達される第一回転部材と、
前記第一入力軸から前記第一トルク及び前記第二入力軸から前記第二トルクが伝達される、前記第一回転部材とは異なる第二回転部材と、
前記駆動車輪に連結されて、前記第一回転部材及び前記第二回転部材からそれぞれ異なる減速比により前記第一トルク及び前記第二トルクの少なくとも一方が伝達される出力軸と、
前記第一入力軸と前記第一回転部材との間で前記第一トルクを伝達するとともに前記第一入力軸と前記第二回転部材との間で前記第一トルクの伝達を遮断する第一の状態、前記第一入力軸と前記第一回転部材との間で前記第一トルクの伝達を遮断するとともに前記第一入力軸と前記第二回転部材との間で前記第一トルクを伝達する第二の状態、及び、前記第一入力軸と前記第一回転部材及び前記第二回転部材との間で前記第一トルクの伝達を遮断する第三の状態のうちの何れかに切り替える第一切替機構と、を備え、
前記第二入力軸によって前記第一回転部材が加速される場合のみ前記第二入力軸と前記第一回転部材との間で前記第二トルクを伝達し、前記第二入力軸と前記第二回転部材との間で前記第二トルクの伝達を遮断する第四の状態、前記第二入力軸と前記第一回転部材との間で前記第二トルクの伝達を遮断し、前記第二入力軸によって前記第二回転部材が加速される場合のみ前記第二入力軸と前記第二回転部材との間で前記第二トルクを伝達する第五の状態、及び、前記第二入力軸と前記第一回転部材及び前記第二回転部材との間で前記第二トルクの伝達を遮断する第六の状態のうちの何れかに切り替える第二切替機構と、
前記第一入力軸、前記第一回転部材、前記第二回転部材及び前記出力軸の何れか一つと常に連動して回転するように設けられたモータジェネレータと、を備えた、車両用動力伝達装置。
【請求項2】
前記クラッチを前記伝達状態又は前記遮断状態に切り替えるクラッチ制御部と、
前記クラッチ制御部が前記クラッチを前記伝達状態から前記遮断状態に切り替えた後、前記第一切替機構を前記第一の状態又は前記第二の状態に切り替える第一切替機構制御部と、
前記クラッチ制御部が前記クラッチを前記伝達状態から前記遮断状態に切り替える動作が完了する前に、前記第二切替機構を前記第四の状態又は前記第五の状態に切り替える第二切替機構制御部と、
加速操作部材の操作状態を検出する加速操作状態検出部と、
前記クラッチ制御部が前記クラッチを前記伝達状態から前記遮断状態に切り替えた後において、前記加速操作状態検出部が前記加速操作部材の操作が解除されたことを検出した場合に、車両に所定の大きさの減速度を発生させるように前記モータジェネレータに減速トルクを発生させるモータジェネレータ制御部と、を有する制御装置を備えた、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
車両の運転者による操作に応じて前記第一切替機構を前記第一の状態から前記第二の状態又は前記第二の状態から前記第一の状態に切り替えるマニュアルモードが選択されたことを検出するモード検出部を備え、
前記モード検出部によって前記マニュアルモードが選択されたことが検出された場合に、
前記クラッチ制御部は、前記クラッチを前記伝達状態から前記遮断状態に切り替え、
前記第一切替機構制御部は、前記クラッチ制御部が前記クラッチを前記伝達状態から前記遮断状態に切り替えた後、前記第一切替機構を前記第一の状態又は前記第二の状態に切り替え、
前記第二切替機構制御部は、前記クラッチ制御部が前記クラッチを前記伝達状態から前記遮断状態に切り替える動作を完了する前に、前記第二切替機構を前記第四の状態又は前記第五の状態に切り替える、請求項2に記載の車両用動力伝達装置。

発明の詳細な説明約 50,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の車両用動力伝達装置として、例えば、下記特許文献1に開示されているような変速機が知られている。この従来の変速機は、エンジンとクランクシャフトとトランスミッションのメインシャフトの一端側との間に、一体化されたメインクラッチ及びアシストクラッチが配置され、メインクラッチを継合するとクランクシャフトが第一アウターシャフトに結合され、アシストクラッチが継合するとクランクシャフトがインナーシャフトに結合されるようになっている。又、この従来の変速機は、メインシャフトの他端側に遊星歯車機構及びワンウェイクラッチが設けられており、ワンウェイクラッチは、遊星歯車機構に接続されたアウターレース側の回転数がインナーレース側の回転数を上回った場合に係合し、それ以外の場合に係合を解除するようになっている。そして、従来の変速機は、メインクラッチの継合を解除した状態で変速段を切り替えるものであり、メインクラッチの継合が解除されても、アシストクラッチを継合しておくことでアシストクラッチ及びワンウェイクラッチを介して出力軸にトルクが伝達され、トルク遮断のない変速が可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013−133841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の変速機においては、変速段の切り替え前にメインクラッチの継合を解除した状態、換言すれば、アシストクラッチ及びワンウェイクラッチを介してトルクが伝達される状態で走行している際に、例えば、運転者がアクセルペダルの戻し操作に応じて、車両を減速させる場合、エンジンブレーキを発生させるためにメインクラッチを継合させる必要がある。このため、車両に適切な減速度が発生するまでに時間を要し、即ち、応答時間が長くなり、その結果、運転者が知覚するドライバビリティが悪化する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明の目的は、トルク遮断のない変速が可能な車両用動力伝達装置であって、車両を減速させる際のドライバビリティを向上させることが可能な車両用動力伝達装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る車両用動力伝達装置の発明は、駆動源から出力されたトルクを車両の駆動車輪に伝達する車両用動力伝達装置であって、駆動源から出力されたトルクが第一トルクとして入力される第一入力軸と、駆動源から出力されたトルクが第二トルクとして入力される、第一入力軸とは異なる第二入力軸と、駆動源と第一入力軸との間に設けられ、駆動源と第一入力軸との間で第一トルクを伝達する伝達状態と、駆動源と第一入力軸との間で第一トルクの伝達を遮断する遮断状態と、を切り替えるクラッチと、第一入力軸から第一トルク及び第二入力軸から第二トルクが伝達される第一回転部材と、第一入力軸から第一トルク及び第二入力軸から第二トルクが伝達される、第一回転部材とは異なる第二回転部材と、駆動車輪に連結されて、第一回転部材及び第二回転部材からそれぞれ異なる減速比により第一トルク及び第二トルクの少なくとも一方が伝達される出力軸と、第一入力軸と第一回転部材との間で第一トルクを伝達するとともに第一入力軸と第二回転部材との間で第一トルクの伝達を遮断する第一の状態、第一入力軸と第一回転部材との間で第一トルクの伝達を遮断するとともに第一入力軸と第二回転部材との間で第一トルクを伝達する第二の状態、及び、第一入力軸と第一回転部材及び第二回転部材との間で第一トルクの伝達を遮断する第三の状態のうちの何れかに切り替える第一切替機構と、を備え、第二入力軸によって第一回転部材が加速される場合のみ第二入力軸と第一回転部材との間で第二トルクを伝達し、第二入力軸と第二回転部材との間で第二トルクの伝達を遮断する第四の状態、第二入力軸と第一回転部材との間で第二トルクの伝達を遮断し、第二入力軸によって第二回転部材が加速される場合のみ第二入力軸と第二回転部材との間で第二トルクを伝達する第五の状態、及び、第二入力軸と第一回転部材及び第二回転部材との間で第二トルクの伝達を遮断する第六の状態のうちの何れかに切り替える第二切替機構と、第一入力軸、第一回転部材、第二回転部材及び出力軸の何れか一つと常に連動して回転するように設けられたモータジェネレータと、を備える。
【0007】
本発明に係る車両用動力伝達装置によれば、クラッチを遮断状態にして第一切替機構を第一の状態又は第二の状態に切り替えて変速段の切り替えを行うものであって、クラッチが遮断状態になり第一トルクを出力軸に伝達しない状態になっても、第二切替機構を第四の状態又は第五の状態に切り替えておくことで第二トルクを出力軸に伝達することができ、トルク遮断のない変速が可能である。又、車両の減速時に駆動源から減速トルクが出力される状況において、モータジェネレータは、常に連動して回転する第一入力軸、第一回転部材、第二回転部材及び出力軸の何れか一つに発生した減速トルクを伝達することができる。これにより、車両が減速する状況において、応答時間を短くして(応答性良く)所定の減速度を車両に発生させることができ、運転者が知覚するドライバビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態に係る車両用動力伝達制御装置の構造を示すスケルトン図である。
第二切替機構の構成を説明するための図である。
図2のハブの構成を説明するための斜視図である。
図2のスリーブの構成を説明するための斜視図である。
図2の第二切替機構の加速トルクが作用した場合における第四の状態を説明するための図である。
図2の第二切替機構の減速トルクが作用した場合における第四の状態を説明するための図である。
図2の第二切替機構の加速トルクが作用した場合における第五の状態を説明するための図である。
図2の第二切替機構の減速トルクが作用した場合における第五の状態を説明するための図である。
制御装置の構成を説明するための図である。
図9のシフトポジションセンサを説明するための図である。
図9のアクセルペダル操作センサを説明するための図である。
図9の変速要求スイッチを説明するための図である。
車両用動力伝達装置のアップシフト動作を説明するためのタイムチャートである。
図13の変速前走行におけるトルクフローを示す図である。
アップシフト時における図13のプレシフト動作の作動状態を示す図である。
アップシフト時における図13のクラッチ遮断動作(直結動作)を示す図である。
アップシフト時における図13のクラッチ遮断動作(遮断動作)を示す図である。
アップシフト時における図13のクラッチ遮断動作後のトルクフローを示す図である。
アップシフト時における図13のシフト切替動作の作動状態を示す図である。
アップシフト時における図13のクラッチ継合動作の作動状態を示す図である。
車両用動力伝達装置のダウンシフト動作を説明するためのタイムチャートである。
減速制御時における車両用動力伝達装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
変形例に係る車両用動力伝達装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
その他の変形例に係り、モータジェネレータを第一回転軸に設けた場合の車両用動力伝達装置の構造を示すスケルトン図である。
その他の変形例に係り、モータジェネレータを第二回転軸に設けた場合の車両用動力伝達装置の構造を示すスケルトン図である。
その他の変形例に係り、モータジェネレータを出力軸に設けた場合の車両用動力伝達装置の構造を示すスケルトン図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態及び各変形例の相互において、互いに同一又は均等である部分には、図中、同一符号を付してある。又、説明に用いる各図は概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
【0010】
(車両用動力伝達装置の構成)
車両用動力伝達装置10は、図1に示すように、前進六段、後進一段の変速段を備え、駆動源であるエンジン11から出力されるトルクとしてのエンジントルクを、第一入力系統または第二入力系統を介して後述の出力軸26に伝達する。出力軸26は、伝達されたエンジントルク(より詳しくは、後述の第一トルク又は第二トルク)をデファレンシャル12を介して左右の車軸13に伝達し、左右の駆動車輪14(図1では片側のみを図示。)を駆動する。尚、駆動源としては、エンジン11に代えて、電気モータ或いはエンジン11及び電気モータとすることも可能である。
【0011】
車両用動力伝達装置10は、図1に示すように、軸として、前述の車軸13及び出力軸26の他、第一入力軸21、第二入力軸22、副軸23、第一回転部材24、第二回転部材25、及び、後進アイドラ軸27を有している。第一入力軸21、第二入力軸22、副軸23、第一回転部材24、第二回転部材25、出力軸26及び後進アイドラ軸27は、車両用動力伝達装置10のハウジング(図示省略)に回転自在に支持されている。
【0012】
第一入力軸21は、筒状に形成されて後述するクラッチ28に連結されており、第二入力軸22を同軸に囲んで、第二入力軸22に対して相対回転可能に配置されている。第一入力軸21は、クラッチ28を介して、駆動源であるエンジン11から出力されたエンジントルクが第一トルク(クラッチトルク)として伝達される。第二入力軸22は、クラッチ28を貫通して、エンジン11(より詳しくは、駆動軸11a)に直結されており、エンジン11から出力されたエンジントルクが直接的に第二トルク(エンジン直結トルク)として伝達される。尚、第二入力軸22は、エンジンの駆動軸11aに対して直接に又は接続部材(図示省略)を介して直結されている。
【0013】
第一回転部材24は、筒状に形成されており、第二入力軸22を同軸に囲んで、第二入力軸22に対して遊転可能、即ち、相対回転可能に配置されている。第二回転部材25は、筒状に形成されており、第二入力軸22を同軸に囲んで、第二入力軸22に対して遊転可能、即ち、相対回転可能に配置されている。
【0014】
副軸23は、後に詳述するように第一入力軸21と連結されており、第一入力軸21及び第二入力軸22に対して平行に配置されている。後進アイドラ軸27は、副軸23に対して平行に配置されている。出力軸26は、第一入力軸21及び第二入力軸22に対して平行に配置されている。出力軸26は、デファレンシャル12に第一トルク(クラッチトルク)又は第二トルク(エンジン直結トルク)を伝達する。
【0015】
車両用動力伝達装置10は、エンジン11により回転駆動される一つのクラッチ28を有している。尚、クラッチ28は、例えば、湿式多板クラッチである。クラッチ28の入力側は、エンジン11において発生するエンジントルクが伝達される駆動軸11aと連結されている。そして、クラッチ28の出力側は、第一入力軸21に連結されている。クラッチ28は、クラッチアクチュエータA1(図9を参照)の動作により、その入力側と出力側とが、伝達状態(継合状態)から遮断状態(非継合状態)又は遮断状態から伝達状態に移行され(切り替えられ)、エンジン11から第一入力軸21に伝達される第一トルク(クラッチトルク)を調整可能になっている。
【0016】
ここで、第一入力軸21、副軸23及びクラッチ28は、第一入力系統を構成し、エンジントルクを第一トルク(クラッチトルク)として入力する。又、第二入力軸22は、第二入力系統を構成し、エンジントルクを第二トルク(エンジン直結トルク)として入力する。
【0017】
図1に示すように、第一入力軸21には、ギヤ21aが固定され、副軸23に固定されたギヤ23aと常時噛み合っている。これにより、クラッチ28の伝達状態において、駆動軸11aから第一入力軸21に伝達された第一トルク(クラッチトルク)が副軸23に伝達される。又、副軸23には、筒状に形成された第一遊転部材としてのギヤ部材29及び第二遊転部材としてのギヤ部材30が同軸に、且つ、遊転可能に配置されている。ギヤ部材29及びギヤ部材30は、副軸23の軸線に沿った方向(以下、軸線方向と称呼する。)に互いに離間して設けられている。
【0018】
第一遊転部材であるギヤ部材29には、第一アイドラギヤ29aが設けられている。第一アイドラギヤ29aは、第一回転部材24に設けられたドライブギヤ43と常時噛み合っており、後述するように、第一切替機構31の作動により、副軸23から第一回転部材24に第一トルク(クラッチトルク)を伝達する。尚、ドライブギヤ43は、後述する第一組の変速段のうちの一つの変速段である第三速段を確立するドライブギヤであり、第一回転部材24に直結するように配置されている。
【0019】
第二遊転部材であるギヤ部材30には、第二アイドラギヤ30aが設けられている。第二アイドラギヤ30aは、第二回転部材25に設けられたドライブギヤ47と常時噛み合っており、後述するように、第一切替機構31の作動により、副軸23から第二回転部材25に第一トルク(クラッチトルク)を伝達する。
【0020】
第一切替機構31は、ギヤ部材29に設けられた被嵌合部としての外歯スプライン29b、ギヤ部材30に設けられた被嵌合部としての外歯スプライン30b、ギヤ部材29とギヤ部材30との間にて副軸23に固定されて一体回転するハブ31a及びハブ31aと常に一体回転する嵌合部としてのスリーブ31bを含んで構成されている。スリーブ31bは、内周にハブ31aの外歯スプラインと常にスプライン嵌合している内歯スプラインが形成されている。尚、図示を省略するが、第一切替機構31にシンクロナイザリングを設けることも可能である。
【0021】
第一切替機構31において、嵌合部であるスリーブ31bは、第一切替機構アクチュエータA2(図9を参照)の作動に伴い、副
【0022】
第一切替機構31において、嵌合部であるスリーブ31bは、第一切替機構アクチュエータA2(図9を参照)の作動に伴い、副軸23の軸線方向に沿って外歯スプライン29b(ギヤ部材29)又は外歯スプライン30b(ギヤ部材30)に向けて移動し、内歯スプラインが外歯スプライン29b又は外歯スプライン30bとスプライン嵌合するようになっている。又、スリーブ31bは、第一切替機構アクチュエータA2(図9を参照)の非作動時に、外歯スプライン29b(ギヤ部材29)及び外歯スプライン30b(ギヤ部材30)の何れに向けても移動しない。これにより、第一切替機構31は、スリーブ31bが副軸23の軸線方向に移動することにより、第一の状態I、第二の状態II及び第三の状態IIIのうちの何れかの状態に切り替えられる。
【0023】
第一切替機構31の第一の状態Iは、スリーブ31bの内歯スプラインが外歯スプライン29bとスプライン嵌合することによって副軸23とギヤ部材29とが係合される一方で、副軸23とギヤ部材30とが係合解除される。第一切替機構31の第二の状態IIは、スリーブ31bの内歯スプラインが外歯スプライン30bとスプライン嵌合することによって副軸23とギヤ部材30とが係合される一方で、副軸23とギヤ部材29とが係合解除される。第一切替機構31の第三の状態IIIは、スリーブ31bの内歯スプラインが外歯スプライン29b及び外歯スプライン30bとスプライン嵌合しないことにより、副軸23とギヤ部材29とが係合解除されるとともに、副軸23とギヤ部材30とが係合解除される。
【0024】
従って、第一切替機構31の第一の状態Iにおいては、ギヤ部材29が副軸23に対して相対回転不能となり、ギヤ部材30が副軸23に対して相対回転自在となる。その結果、副軸23とギヤ部材29及び第一回転部材24との間で第一トルク(クラッチトルク)を伝達するトルク伝達が行われ、副軸23とギヤ部材30及び第二回転部材25との間で第一トルク(クラッチトルク)の伝達を遮断するトルク遮断が行われる。一方、第一切替機構31の第二の状態IIにおいては、ギヤ部材30が副軸23に対して相対回転不能となり、ギヤ部材29が副軸23に対して相対回転自在となる。その結果、副軸23とギヤ部材30及び第二回転部材25との間でトルク伝達が行われ、副軸23とギヤ部材29及び第一回転部材24との間でトルク遮断が行われる。更に、第一切替機構31の第三の状態IIIにおいては、ギヤ部材29及びギヤ部材30が副軸23に対して相対回転自在になる。その結果、副軸23と第一回転部材24及び第二回転部材25との間でトルク遮断が行われる。即ち、第一切替機構31は、副軸23と第一回転部材24との間、及び、副軸23と第二回転部材25との間において、第一トルク(クラッチトルク)を伝達するトルク伝達と第一トルク(クラッチトルク)の伝達を遮断するトルク遮断との切り替えを行う。
【0025】
第二切替機構32は、図2〜図8に示すように、第一回転部材24に設けられた被係合部としての第一摩擦係合面24a、第二回転部材25に設けられた被係合部としての第二摩擦係合面25a、第一回転部材24と第二回転部材25との間にて第二入力軸22に固定されて一体回転するハブ32a、ハブ32aと一体回転可能な係合部としてのスリーブ32b、フォークシャフト32c及びフォーク32dを含んで構成される。第二切替機構32において、スリーブ32bは、第一摩擦係合面24a(第一回転部材24)又は第二摩擦係合面25a(第二回転部材25)に向けて移動して係合する係合位置と、係合位置より第一摩擦係合面24a又は第二摩擦係合面25aから遠く且つ第一摩擦係合面24a及び第二摩擦係合面25aと係合しない、即ち、第一回転部材24及び第二回転部材25に向けて移動しない非係合位置(図2に示す位置)との間で、第二切替機構アクチュエータA3(図9を参照)の作動に伴い第二入力軸22の軸線方向に移動する。
【0026】
ここで、スリーブ32bとハブ32a(第二入力軸22)との係合構造は、図2〜図4に示すように、ハブ32aの外表面に設けられた軸線方向に延在する溝32a1に、スリーブ32bの内周面から径方向に沿って内側に向けて突出するインナピン32b1が嵌合することによって達成される。尚、この係合構造は、スリーブ32bの内周面に設けられた軸線方向に延在する溝に、ハブ32aの外表面から径方向に沿って外側に向けて突出するアウタピンが嵌合することによっても達成される。
【0027】
スリーブ32bが係合位置にある場合において、図5及び図7に太い実線の矢印で示すように、第二入力軸22の回転速度を加速させるように第二トルク(エンジン直結トルク)が作用しているとき、即ち、加速トルクが作用しているとき、ハブ32aの溝32a1の加速面32a2とインナピン32b1とが当接することができる。この状態において、溝32a1の加速面32a2におけるインナピン32b1が当接する部分は、軸線方向に対して傾斜している。その結果、インナピン32b1と加速面32a2とが当接し互いに押圧された場合、スリーブ32bは第一摩擦係合面24aに接近する軸線方向の力F(以下、吸い込み力Fと称呼する。)を受ける。吸い込み力Fの大きさは、第二入力軸22とスリーブ32bとの間で作用している加速方向の第二トルク(エンジン直結トルク)の大きさに比例する。
【0028】
一方、スリーブ32bが係合位置にある場合において、図6及び図8に太い破線の矢印で示すように、第二入力軸22の回転速度を減速させるように第二トルク(エンジン直結トルク)が作用しているとき、即ち、減速トルクが作用しているとき、ハブ32aの溝32a1の減速面32a3とインナピン32b1とが当接することができる。この状態において、溝32a1の減速面32a3におけるインナピン32b1が当接する部分は、軸線方向に対して平行に延在している。従って、インナピン32b1と加速面32a2とが当接し互いに押圧されても、スリーブ32bは軸線方向の力を受けない。
【0029】
スリーブ32bの第一摩擦係合面24a(第二摩擦係合面25a)に対向する部位には、摩擦係合面32b2が設けられている。スリーブ32bが非係合位置にある場合、摩擦係合面32b2及び第一摩擦係合面24aは接触しない。スリーブ32bが係合位置にある場合、摩擦係合面32b2及び第一摩擦係合面24aが接触するとともに、摩擦係合面32b2及び第一摩擦係合面24aの間で、スリーブ32bの第一回転部材24に対する軸線方向の押圧力即ち吸い込み力Fに応じた摩擦トルク(スリーブ32b及び第一回転部材24の回転速度差を小さくする方向のトルク)が発生する。尚、実際には、スリーブ32bの係合位置は、軸線方向において一定の幅を有する。スリーブ32bが軸線方向において第一回転部材24(第二回転部材25)に近づく過程において、その幅の内側の或る位置で、摩擦係合面32b2及び第一摩擦係合面24a(第二摩擦係合面25a)が接触を開始するように構成することができる。
【0030】
スリーブ32bの軸線方向の軸方向位置は、フォークシャフト32c及びフォーク32dを介して制御される。具体的には、フォークシャフト32cは、車両用動力伝達装置10のハウジング(図示省略)に、第二入力軸22と平行、且つ、軸線方向に移動可能に支持されている。フォークシャフト32cの軸方向位置は、第二切替機構アクチュエータA3(図9を参照)によって制御される。具体的には、フォークシャフト32cの軸方向位置は、図2に示す第一位置(ニュートラル位置に相当)及び第二位置(吸い込み力Fが発生又は解除され、スリーブ32bとフォークシャフト32cとの間のクリアランスによってトルク伝達とトルク遮断とが切り替えられる位置)の何れかに選択的に制御される。フォーク32dは、フォークシャフト32cに対して軸線方向に相対移動可能に連結される連結部と、連結部と一体且つスリーブ32bと軸線方向に相対移動不能に連結された把持部と、を備えている。
【0031】
第二切替機構32は、エンジン11に直結している第二入力軸22の回転速度が第一回転部材24又は第二回転部材25の回転速度に対して同一の場合に、スリーブ32bが係合位置に維持されて第一回転部材24又は第二回転部材25に第二トルク(エンジン直結トルク)を加速トルクとして伝達する。一方、第二切替機構32は、第二入力軸22の回転速度が第一回転部材24又は第二回転部材25の回転速度に対して小さい場合に、換言すれば、第二トルク(エンジン直結トルク)が減速トルクとして作用する場合に、スリーブ32bが係合位置に維持されたまま第一回転部材24又は第二回転部材25への第二トルク(エンジン直結トルク)が伝達されなくなる。以下、第二切替機構32による第二トルク(エンジン直結トルク)の伝達について説明する。
【0032】
図5に示すように、ハブ32aがスリーブ32b及び第一回転部材24に加速トルク(太い実線の矢印)として作用する第二トルク(エンジン直結トルク)を伝達している状態では、フォークシャフト32cが第一回転部材24の側の第二位置に制御されている。その結果、スリーブ32bは、第一回転部材24と係合する係合位置にあり、吸い込み力Fを受けるため、第一摩擦係合面24a及び摩擦係合面32b2同士が押圧力によって互いに押し付けられている。
【0033】
具体的に説明すると、図5に示す状態では、ハブ32aの加速面32a2とスリーブ32bのインナピン32b1とが当接している。その結果、第二入力軸22の加速トルクとして作用する第二トルク(エンジン直結トルク)は、第一摩擦係合面24a即ち第一回転部材24に伝達される。即ち、この場合においては、第一回転部材24の第一摩擦係合面24a及びスリーブ32bの摩擦係合面32b2同士の押圧による所謂「摩擦コーンクラッチ」のトルク伝達作用を利用して、第二トルク(エンジン直結トルク)が伝達される。
【0034】
次に、図5に示す状態から、図6に示すように、エンジン11即ち第二入力軸22の回転速度が低下して第二トルク(エンジン直結トルク)がハブ32aに減速トルク(太い破線の矢印)として作用すると、ハブ32aとスリーブ32bとの間に回転速度差が生じ始める。その結果、スリーブ32bに加わる吸い込み力Fは解除され、第一摩擦係合面24a及び摩擦係合面32b2同士に発生する押圧力が解除される。
【0035】
具体的に説明すると、図6に示す状態では、減速トルクが作用することで、当接していたハブ32aの加速面32a2とスリーブ32bのインナピン32b1とが離間する。一方、ハブ32aの減速面32a3とスリーブ32bのインナピン32b1とが当接するようになる。その結果、第二入力軸22の減速トルクとして作用する第二トルク(エンジン直結トルク)は、第一摩擦係合面24a即ち第一回転部材24に伝達されなくなる。即ち、この場合においては、第一回転部材24の第一摩擦係合面24a及びスリーブ32bの摩擦係合面32b2同士の押圧は発生せず、「摩擦コーンクラッチ」のトルク伝達が行われないため、第二トルク(エンジン直結トルク)が伝達されなくなる。
【0036】
尚、図6に示す状態は、スリーブ32bは第一回転部材24との係合位置を維持したままである。このため、図6に示す状態から再び第二入力軸22に加速トルクとして第二トルク(エンジン直結トルク)が作用した場合には、図5に示す状態に再度移行する。又、図6に示す状態から第二切替機構アクチュエータA3によってフォークシャフト32cが第一位置に移動されると、スリーブ32bは係合位置から非係合位置へと移動して図2に示す状態になり、第二入力軸22から第一回転部材24への第二トルク(エンジン直結トルク)の伝達が遮断される。
【0037】
第二切替機構32が第二回転部材25に第二トルク(エンジン直結トルク)を伝達する場合、図2に示す状態から、図7に示すように、フォークシャフト32cが第一位置から第二回転部材25の側の第二位置に移動される。その結果、スリーブ32bが非係合位置から係合位置へと移動し、ハブ32aの加速面32a2とスリーブ32bのインナピン32b1とが当接する。これにより、吸い込み力Fが発生し、第二摩擦係合面25a及び摩擦係合面32b2同士が押圧力によって互いに押し付けられる。
【0038】
具体的に説明すると、図7に示す状態では、ハブ32aの加速面32a2とスリーブ32bのインナピン32b1とが当接している。その結果、第二入力軸22の加速トルク(太い実線の矢印)として作用する第二トルク(エンジン直結トルク)は、第二摩擦係合面25a即ち第二回転部材25に伝達される。即ち、この場合においては、第二回転部材25の第二摩擦係合面25a及びスリーブ32bの摩擦係合面32b2同士の押圧による所謂「摩擦コーンクラッチ」のトルク伝達作用を利用して、第二トルク(エンジン直結トルク)が伝達される。
【0039】
次に、図7に示す状態から、図8に示すように、エンジン11即ち第二入力軸22の回転速度が低下して第二トルク(エンジン直結トルク)がハブ32aに減速トルク(太い破線の矢印)として作用すると、ハブ32aとスリーブ32bとの間に回転速度差が生じ始める。その結果、スリーブ32bに加わる吸い込み力Fは解除され、第二摩擦係合面25a及び摩擦係合面32b2同士に発生する押圧力が解除される。
【0040】
具体的に説明すると、図8に示す状態では、減速トルクが作用することで、当接していたハブ32aの加速面32a2とスリーブ32bのインナピン32b1とが離間する。一方、ハブ32aの減速面32a3とスリーブ32bのインナピン32b1とが当接するようになる。その結果、第二入力軸22の減速トルクとして作用する第二トルク(エンジン直結トルク)は、第二摩擦係合面25a即ち第二回転部材25に伝達されなくなる。即ち、この場合においては、第二回転部材25の第二摩擦係合面25a及びスリーブ32bの摩擦係合面32b2同士の押圧は発生せず、「摩擦コーンクラッチ」のトルク伝達が行われないため、第二トルク(エンジン直結トルク)が伝達されなくなる。
【0041】
尚、図8に示す状態は、スリーブ32bは第二回転部材25との係合位置を維持したままである。このため、図8に示す状態から再び第二入力軸22に加速トルクとして第二トルク(エンジン直結トルク)が作用した場合には、図7に示す状態に再度移行する。又、図8に示す状態から第二切替機構アクチュエータA3によってフォークシャフト32cが第一位置に移動されると、スリーブ32bは係合位置から非係合位置へと移動して図2に示す状態になり、第二入力軸22から第二回転部材25への第二トルク(エンジン直結トルク)の伝達が遮断される。
【0042】
このように構成される第二切替機構32は、第二切替機構アクチュエータA3(図9を参照)の作動により、第四の状態IV、第五の状態V及び第六の状態VIであるのうちの何れかの状態に切り替えられる。
【0043】
第二切替機構32の第四の状態IVは、スリーブ32bの摩擦係合面32b2と第一回転部材24の第一摩擦係合面24aとが係合することによって第二入力軸22と第一回転部材24とが係合される一方で、第二入力軸22と第二回転部材25とが係合解除される。第二切替機構32の第五の状態Vは、スリーブ32bの摩擦係合面32b2と第二回転部材25の第二摩擦係合面25aとが係合することによって第二入力軸22と第二回転部材25とが係合される一方で、第二入力軸22と第一回転部材24とが係合解除される。第二切替機構32の第六の状態VIは、スリーブ32bの摩擦係合面32b2と第一回転部材24の第一摩擦係合面24a及び第二回転部材25の第二摩擦係合面25aとが係合しないことにより、第二入力軸22と第一回転部材24とが係合解除されるとともに、第二入力軸22と第二回転部材25とが係合解除される。
【0044】
従って、第二切替機構32の第四の状態IVにおいては、第二入力軸22によって第一回転部材24が加速される場合のみ第二入力軸22と第一回転部材24との間で第二トルク(エンジン直結トルク)を伝達するトルク伝達が行われ、第二入力軸22と第二回転部材25との間で第二トルク(エンジン直結トルク)の伝達を遮断するトルク遮断が行われる。一方、第二切替機構32の第五の状態Vにおいては、第二入力軸22によって第二回転部材25が加速される場合のみ第二入力軸22と第二回転部材25との間でトルク伝達が行われ、第二入力軸22と第一回転部材24との間でトルク遮断が行われる。更に、第二切替機構32の第六の状態VIにおいては、第二入力軸22と第一回転部材24及び第二回転部材25との間でトルク遮断が行われる。即ち、第二切替機構32は、第二入力軸22と第一回転部材24との間、及び、第二入力軸22と第二回転部材25との間において、第二トルク(エンジン直結トルク)を伝達するトルク伝達と第二トルク(エンジン直結トルク)の伝達を遮断するトルク遮断との切り替えを行う。
【0045】
再び図1に戻り、第一回転部材24には、上述したドライブギヤ43の他に、ドライブギヤ41及びドライブギヤ45が一体回転するように固定されている。又、第二回転部材25には、上述したドライブギヤ47の他に、ドライブギヤ42、ドライブギヤ44及びドライブギヤ46が一体回転するように固定されている。
【0046】
ここで、第一入力軸21の回転数に対する副軸23の回転数の比を表す減速比と、第一切替機構31が第一の状態Iであるときの第一回転部材24の回転数に対する副軸23の回転数の比を表す減速比と、第一切替機構31が第二の状態IIであるときの第二回転部材25の回転数に対する副軸23の回転数の比を表す減速比と、は、全て同一とされている。即ち、第一入力軸21のギヤ21a及び副軸23のギヤ23aの歯数の比と、第一回転部材24のドライブギヤ43及びギヤ部材29の第一アイドラギヤ29aの歯数の比と、第二回転部材25のドライブギヤ47及びギヤ部材30の第二アイドラギヤ30aの歯数の比と、は、全て同一に設定されている。
【0047】
出力軸26は、一端に固定されていて、デファレンシャル12のリングギヤ12aと常時ギヤ噛み合う26aを備えている。これにより、出力軸26に伝達された第一トルク(クラッチトルク)又は第二トルク(エンジン直結トルク)は、出力軸26から出力トルクとしてデファレンシャル12に伝達され、デファレンシャル12に接続された車軸13が回転することによって左右の駆動車輪14が駆動される。又、出力軸26には、各々が筒状に設けられたギヤ部材51、ギヤ部材52、ギヤ部材53、ギヤ部材54、ギヤ部材55及びギヤ部材56が、出力軸26に同軸に且つ遊転可能(相対回転可能)に配置されている。尚、ギヤ部材51、ギヤ部材52、ギヤ部材53、ギヤ部材54、ギヤ部材55及びギヤ部材56は、それぞれ、出力軸26の軸線方向に沿って離間して設けられている。
【0048】
ギヤ部材51には、ドリブンギヤ51aが設けられており、第一回転部材24に設けられたドライブギヤ41と常時噛み合っている。ギヤ部材53には、ドリブンギヤ53aが設けられており、第一回転部材24に設けられたドライブギヤ43と常時噛み合っている。更に、ギヤ部材55には、ドリブンギヤ55aが設けられており、第一回転部材24に設けられたドライブギヤ45と常時噛み合っている。
【0049】
ギヤ部材52は、ドリブンギヤ52aが設けられており、第二回転部材25に設けられたドライブギヤ42と常時噛み合っている。ギヤ部材54には、ドリブンギヤ54aが設けられており、第二回転部材25に設けられたドライブギヤ44と常時噛み合っている。更に、ギヤ部材56には、ドリブンギヤ56aが設けられており、第二回転部材25に設けられたドライブギヤ46と常時噛み合っている。
【0050】
ここで、図1に示すように、ドライブギヤ41、ドライブギヤ42、ドライブギヤ43、ドライブギヤ44、ドライブギヤ45、ドライブギヤ46の順にギヤ径が大きくなっている。又、ドリブンギヤ51a、ドリブンギヤ52a、ドリブンギヤ53a、ドリブンギヤ54a、ドリブンギヤ55a、ドリブンギヤ56aの順にギヤ径が小さくなっている。
【0051】
本実施形態において、ギヤ部材51、ギヤ部材53及びギヤ部材55は、第一組の変速段として奇数段の変速段を形成する。又、本実施形態において、ギヤ部材52、ギヤ部材54及びギヤ部材56は、第二組の変速段として第一組の変速段とは異なる減速比を有する偶数段の変速段を形成する。具体的に、第一組の変速段である第一速段は、ドライブギヤ41とドリブンギヤ51aとによって構成される。第一組の変速段である第三速段は、ドライブギヤ43とドリブンギヤ53aとによって構成される。第一組の変速段である第五速段は、ドライブギヤ45とドリブンギヤ55aとによって構成される。又、第二組の変速段である第二速段は、ドライブギヤ42とドリブンギヤ52aとによって構成される。第二組の変速段である第四速段は、ドライブギヤ44とドリブンギヤ54aとによって構成される。第二組の変速段である第六速段は、ドライブギヤ46とドリブンギヤ56aとによって構成される。
【0052】
尚、本実施形態においては、第一組の変速段が奇数段の変速段を形成し、第二組の変速段が偶数段の変速段を形成するようにする。しかし、第一組の変速段が偶数段の変速段を形成し、第二組の変速段が偶数段の変速段を形成可能であることは言うまでもない。
【0053】
後進アイドラ軸27は、一端側にギヤ27aが固定されている。ギヤ27aは、出力軸26に固定されたギヤ26aと常時噛み合っている。又、後進アイドラ軸27には、同軸に配置された筒状のギヤ部材57が設けられている。ギヤ部材57は、副軸23に固定されたギヤ23aと常時噛み合うギヤ57aを有している。ギヤ57aは、後進変速段を構成する。
【0054】
又、車両用動力伝達装置10は、第一回転部材24と出力軸26との間で第一組の変速段を確立する第一変速機構61と、第二回転部材25と出力軸26との間で第二組の変速段を確立する第二変速機構62と、を備えている。第一変速機構61は、上述したドライブギヤ41,43,45と、上述したギヤ部材51,53,55と、選択機構63と、選択機構64と、によって構成される。第二変速機構62は、上述したドライブギヤ42,44,46と、上述したギヤ部材52,54,56と、選択機構64と、選択機構65と、によって構成される。
【0055】
選択機構63は、選択機構アクチュエータA4(図9を参照)の作動によって出力軸26の軸線方向に沿って移動するスリーブを備えており、スリーブの移動により出力軸26とギヤ部材51又はギヤ部材55との係合及び係合解除を行うものである。具体的に、選択機構63は、ギヤ部材51と出力軸26とを係合して第一速段を確立する状態、ギヤ部材55と出力軸26とを係合して第五速段を確立する状態、又は、ギヤ部材51及びギヤ部材55の両方と出力軸26との係合を解除して第一速段及び第五速段を確立しないニュートラル状態の何れかを選択可能とされている。
【0056】
選択機構64は、選択機構アクチュエータA4(図9を参照)の作動によって出力軸26の軸線方向に沿って移動するスリーブを備えており、スリーブの移動により出力軸26とギヤ部材53又はギヤ部材56との係合及び係合解除を行うものである。具体的に、選択機構64は、ギヤ部材53と出力軸26とを係合して第三速段を確立する状態、ギヤ部材56と出力軸26とを係合して第六速段を確立する状態、又は、ギヤ部材53及びギヤ部材56の両方と出力軸26との係合を解除して第三速段及び第六速段を確立しないニュートラル状態の何れかを選択可能とされている。
【0057】
選択機構65は、選択機構アクチュエータA4(図9を参照)の作動によって出力軸26の軸線方向に沿って移動するスリーブを備えており、スリーブの移動により出力軸26とギヤ部材52又はギヤ部材54との係合及び係合解除を行うものである。具体的に、選択機構65は、ギヤ部材52と出力軸26とを係合して第二速段を確立する状態、ギヤ部材54と出力軸26とを係合して第四速段を確立する状態、又は、ギヤ部材52及びギヤ部材54と出力軸26との係合を解除して第二速段及び第四速段を確立しないニュートラル状態の何れかを選択可能とされている。
【0058】
更に、車両用動力伝達装置10は、後進変速段を形成するための選択機構66を備えている。選択機構66は、選択機構アクチュエータA4(図9を参照)の作動によって後進アイドラ軸27の軸線方向に沿って移動するスリーブを備えており、スリーブの移動により後進アイドラ軸27とギヤ部材57との係合及び係合解除を行うものである。具体的に、選択機構66は、ギヤ部材57と後進アイドラ軸27とを係合して後進変速段を確立する状態、又は、ギヤ部材57と後進アイドラ軸27との係合を解除して後進変速段を確立しないニュートラル状態を選択可能とされている。尚、図示を省略するが、選択機構63〜66にシンクロナイザリングを設けることも可能である。
【0059】
又、車両用動力伝達装置10は、出力軸26に固定されたパーキングギヤ58を備えている。パーキングギヤ58は、車両が停車状態である場合に、図示を省略する爪部材と係合することにより、回転が規制されるようになっている。このように、パーキングギヤ58の回転が規制されることにより、車軸13の回転が防止され、その結果、車両の停車状態が保持される。
【0060】
又、車両用動力伝達装置10は、回生電力発電時の回生トルク及び駆動時のモータトルクを発生するモータジェネレータMGを備えている。本実施形態において、モータジェネレータMGは、図1に示すように、副軸23に連結されている。これにより、モータジェネレータMGは、回生動作に伴って副軸23に回生トルクを伝達するとともに、駆動動作により副軸23にモータトルクを伝達する。尚、モータジェネレータMGが回生動作によって発電した電力は、車両に搭載された図示を省略するバッテリに充電されるようになっている。
【0061】
車両用動力伝達装置10は、図9に示すように、制御装置70を備えている。制御装置70は、車両の各種状態を表す車両情報及び運転者による変速要求等を取得し、取得した車両情報及び変速要求等に基づいて、クラッチアクチュエータA1、第一切替機構アクチュエータA2、第二切替機構アクチュエータA3、選択機構アクチュエータA4及びモータジェネレータMGに対して制御指令を出力するようになっている。これにより、車両用動力伝達装置10は、後述するように、運転者による変速要求に応じて又は自動的に、クラッチ28の作動を制御するとともに変速段を形成して確立する変速機であり、例えば、AMT(オートメイティッド・マニュアル・トランスミッション)である。尚、クラッチアクチュエータA1、第一切替機構アクチュエータA2、第二切替機構アクチュエータA3及び選択機構アクチュエータA4は、それぞれ、電力の供給に伴って電磁的に作動するアクチュエータであり、例えば、ソレノイド等である。
【0062】
制御装置70は、クラッチアクチュエータA1、第一切替機構アクチュエータA2、第二切替機構アクチュエータA3、選択機構アクチュエータA4及びモータジェネレータMGを電気的に制御することにより、第二入力軸22の第二トルク(エンジン直結トルク)又は第一入力軸21の第一トルク(クラッチトルク)を出力軸26又は後進アイドラ軸27に伝達する複数のトルク伝達状態を切り替える。ここで、複数のトルク伝達状態とは、第二トルク(エンジン直結トルク)又は第一トルク(クラッチトルク)の出力軸26又は後進アイドラ軸27への伝達を遮断する走行トルク遮断状態、第二トルク(エンジン直結トルク)又は第一トルク(クラッチトルク)を出力軸26に伝達する前進トルク伝達状態、第二トルク(エンジン直結トルク)又は第一トルク(クラッチトルク)を後進アイドラ軸27に伝達する後進トルク伝達状態、及び、回生動作に伴うモータジェネレータMGの減速トルクである回生トルクを出力軸26に伝達する減速トルク伝達状態である。
【0063】
このような複数のトルク伝達状態を実現するために、制御装置70は、プレシフト制御部71と、クラッチ制御部72と、第一切替機構制御部73と、第二切替機構制御部74と、モータジェネレータ制御部75と、を備えている。
【0064】
プレシフト制御部71は、選択機構アクチュエータA4の作動を制御する。具体的に、プレシフト制御部71は、第一組の変速段(第二組の変速段)が確立され、且つ、確立された第一組の変速段(第二組の変速段)を経て出力軸26にトルクを伝達している状態において、プレシフト動作を行う。プレシフト動作においては、プレシフト制御部71は、第二組の変速段(第一組の変速段)への変速要求がなされる前、より詳しくは、第一入力軸21、副軸23及びクラッチ28を介して第一トルク(クラッチトルク)を入力する第一入力系統から第二入力軸22を介して第二トルク(エンジン直結トルク)を入力する第二入力系統に切り替えられる前に、予め、確立された確立変速段よりも高速側又は低速側となる第二組の変速段(第一組の変速段)を形成するように、選択機構アクチュエータA4の作動を制御する。これにより、選択機構アクチュエータA4は、選択機構63〜66がそれぞれ上述した変速段を確立し又は形成する状態又はニュートラル状態となるように、作動する。
【0065】
クラッチ制御部72は、クラッチアクチュエータA1の作動を制御する。具体的に、クラッチ制御部72は、後述するように、第一切替機構制御部73及び第二切替機構制御部74と協働して、エンジン11のエンジントルクを第一トルク(クラッチトルク)として第一入力軸21に伝達させるためにクラッチ28を継合にし、又は、第一トルク(クラッチトルク)が第一入力軸21に伝達することを遮断するためにクラッチ28を非継合にするように、クラッチアクチュエータA1の作動を制御する。
【0066】
第一切替機構制御部73は、第一切替機構アクチュエータA2の作動を制御する。具体的に、第一切替機構制御部73は、後述するように、クラッチ制御部72及び第二切替機構制御部74と協働して、第一切替機構31が第一の状態I、第二の状態II又は第三の状態IIIとなるように、第一切替機構アクチュエータA2の作動を制御する。
【0067】
第二切替機構制御部74は、第二切替機構アクチュエータA3の作動を制御する。具体的に、第二切替機構制御部74は、後述するように、クラッチ制御部72及び第一切替機構制御部73と協働して、第二切替機構32が第四の状態IV、第五の状態V又は第六の状態VIとなるように、第二切替機構アクチュエータA3の作動を制御する。
【0068】
モータジェネレータ制御部75は、モータジェネレータMGの作動を制御する。具体的に、モータジェネレータ制御部75は、後述するように、第一切替機構制御部73と協働して、走行中の車両に適切な減速度が発生するように、モータジェネレータMGの回生動作を制御する。
【0069】
又、制御装置70には、モード検出部としてのシフトポジションセンサ81、パーキングスイッチ82、加速操作状態検出部としてのアクセルペダル操作センサ83、エンジン回転数センサ84、車両速度センサ85、モード検出部としての変速要求スイッチ86、第一入力軸回転数センサ87、及び、副軸回転数センサ88が接続されている。そして、制御装置70は、これら各センサ81〜88によって検出されたそれぞれの検出結果を表す信号を入力するようになっている。
【0070】
モード検出部としてのシフトポジションセンサ81は、図10に示すように、運転者によって操作されるシフトレバー80の操作位置を表すシフトポジションPosを検出し、検出したシフトポジションPosを表す信号を制御装置70に出力する。ここで、シフトレバー80は、運転者によって選択的に且つ択一的にシフト操作されるものである。
【0071】
シフトレバー80の操作位置は、R(リバース)レンジを選択するR位置、N(ニュートラル)レンジを選択するN位置、D(ドライブ)レンジを選択するD位置、及び、後述する変速要求スイッチ86の操作に応じた任意の変速を可能とするM(マニュアルモード)を選択するM位置である。又、シフトレバー80は、R位置、N位置、D位置又はM位置に移動操作される場合において、運転者によって入力される操作力が解除されるとH(ホーム)位置に付勢されて自動的に戻されるようになっている。
【0072】
ここで、上述した走行トルク遮断状態は、シフトレバー80がN位置に操作された場合及びパーキングスイッチ82の操作によってP(パーキング)レンジが選択された場合に実現される。前進トルク伝達状態は、シフトレバー80がD位置及びM位置に操作された場合に実現される。後進トルク伝達状態は、シフトレバー80がR位置に操作された場合に実現される。
【0073】
尚、シフトレバー80がDレンジに操作された場合には、例えば、予め設定された変速マップに基づいて変速段(変速比)が第一速段から第六速段に自動的に変更される。又、シフトレバー80がMレンジに操作された場合には、変速要求スイッチ86(後述するアップシフトパドル86b又はダウンシフトパドル86c)の手動操作に従って変速段(変速比)が第一速段から第六速段の間で任意にアップシフト又はダウンシフトするように変更される。
【0074】
パーキングスイッチ82は、図10に示すように、シフトレバー80の近傍に配置されており、運転者によってPレンジの選択時に操作される。パーキングスイッチ82は、Pレンジが選択された場合にオン状態となりPレンジが選択されていない場合にオフ状態となる信号を制御装置70に出力する。尚、パーキングスイッチ82がオン状態の場合、上述したようにパーキングギヤ58の回転が規制されて、車両の停車状態が保持される。
【0075】
加速操作状態検出部としてのアクセルペダル操作センサ83は、図11に示すように、運転者によって操作される加速操作部材としてのアクセルペダルAPの近傍に設けられており、運転者によってアクセルペダルAPが操作された場合にオン状態となりアクセルペダルAPが操作されていない場合にオフ状態となる信号を出力して運転者の操作状態を検出する。又、アクセルペダル操作センサ83は、運転者によってアクセルペダルAPが操作された場合において、エンジン11の出力を調整するアクセルペダルAPの操作量、所謂、アクセル開度THを検出し、検出したアクセル開度THを表す信号を制御装置70に出力する。
【0076】
エンジン回転数センサ84は、図1に示すように、エンジン11の駆動軸11aに設けられており、単位時間当たりのエンジン11(駆動軸11a)の回転数Eを検出し、検出したエンジン回転数Eを表す信号を制御装置70に出力する。ここで、上述したように、第二入力軸22は駆動軸11aに対して直結されている。従って、第二入力軸22の回転数は、エンジン回転数センサ84によって検出されるエンジン11(駆動軸11a)のエンジン回転数Eに一致する。
【0077】
車両速度センサ85は、図1に示すように、駆動車輪14に連結された車軸13に設けられており、駆動車輪14の回転数と駆動車輪14の外径とに基づいて、車両の車両速度Vsを検出する。そして、車両速度センサ85は、検出した車両速度Vsを表す信号を制御装置70に出力する。
【0078】
モード検出部としての変速要求スイッチ86は、運転者が任意に変速を要求する場合に操作される、所謂、パドルスイッチである。変速要求スイッチ86は、図12に示すように、運転者によって把持されるステアリングホイール86aに設けられており、運転者が変速段を高速側に切り替えるアップシフトを要求する際に操作されるアップシフトパドル86bと、運転者が変速段を低速側に切り替えるダウンシフトを要求する際に操作されるダウンシフトパドル86cと、を備えている。アップシフトパドル86b及びダウンシフトパドル86cの基部には、それぞれ、操作の有無を検出するアップスイッチ86bs及びダウンスイッチ86csが設けられている。
【0079】
アップスイッチ86bsは、運転者によってアップシフトパドル86bが操作された場合にオン状態となりアップシフトパドル86bが操作されない場合にオフ状態となる信号Su(以下、アップ信号Suと称呼する。)を制御装置70に出力する。ダウンスイッチ86csは、運転者によってダウンシフトパドル86cが操作された場合にオン状態となりダウンシフトパドル86cが操作されない場合にオフ状態となる信号Sd(以下、ダウン信号Sdと称呼する。)を制御装置70に出力する。尚、アップスイッチ86bs及びダウンスイッチ86csは、シフトレバー80の操作位置がD位置又はM位置にあり、アップシフトパドル86b及びダウンシフトパドル86cが操作された場合に、アップ信号Su及びダウン信号Sdを制御装置70に出力する。
【0080】
第一入力軸回転数センサ87は、図1に示すように、第一入力軸21に設けられている。第一入力軸回転数センサ87は、単位時間当たりの第一入力軸21の回転数Ciを検出し、検出した回転数Ciを表す信号を制御装置70に出力する。
【0081】
副軸回転数センサ88は、図1に示すように、副軸23に設けられている。副軸回転数センサ88は、単位時間当たりの副軸23の回転数Cfを検出し、検出した回転数Cfを表す信号を制御装置70に出力する。
【0082】
(車両用動力伝達装置の作動)
次に、上記のように構成される車両用動力伝達装置10において確立される各変速段のトルク伝達経路について説明する。尚、車両用動力伝達装置10において、変速動作が完了して各変速段が確立され、且つ、確立された変速段で車両が走行する場合、原則、クラッチ28が伝達状態になっており、第一入力系統によって入力された第一トルク(クラッチトルク)が駆動車輪14に伝達される。
【0083】
シフトレバー80がD位置又はM位置に操作されており、第一速段が確立された場合においては、第一切替機構31は第一の状態I、即ち、スリーブ31bがギヤ部材29の外歯スプライン29bにスプライン嵌合し、第二切替機構32は第六の状態VI、即ち、スリーブ32bが非係合位置となる。又、選択機構63はギヤ部材51と係合して第一速段を確立した状態になり、選択機構64,65,66はニュートラル状態になる。これにより、第一トルク(クラッチトルク)は、駆動軸11a→クラッチ28→第一入力軸21→ギヤ21a→ギヤ23a→副軸23→第一切替機構31→外歯スプライン29b→ギヤ部材29→第一アイドラギヤ29a→ドライブギヤ43→第一回転部材24→ドリブンギヤ51a→ギヤ部材51→選択機構63→出力軸26→ギヤ26a→リングギヤ12a→デファレンシャル12→車軸13からなるトルク伝達経路で駆動車輪14に伝達される。
【0084】
第二速段が確立された場合においては、第一切替機構31は第二の状態II、即ち、スリーブ31bがギヤ部材30の外歯スプライン30bにスプライン嵌合し、第二切替機構32は第六の状態VI、即ち、スリーブ32bが非係合位置となる。又、選択機構65はギヤ部材52と係合して第二速段を確立した状態になり、選択機構63,64,66はニュートラル状態になる。これにより、第一トルク(クラッチトルク)は、駆動軸11a→クラッチ28→第一入力軸21→ギヤ21a→ギヤ23a→副軸23→第一切替機構31→外歯スプライン30b→ギヤ部材30→第二アイドラギヤ30a→ドライブギヤ47→第二回転部材25→ドリブンギヤ52a→ギヤ部材52→選択機構65→出力軸26→ギヤ26a→リングギヤ12a→デファレンシャル12→車軸13からなるトルク伝達経路で駆動車輪14に伝達される。
【0085】
第三速段が確立された場合においては、第一切替機構31は第一の状態Iになり、第二切替機構32は第六の状態VIになる。又、選択機構64はギヤ部材53と係合して第三速段を確立した状態になり、選択機構63,65,66はニュートラル状態になる。これにより、第一トルク(クラッチトルク)は、駆動軸11a→クラッチ28→第一入力軸21→ギヤ21a→ギヤ23a→副軸23→第一切替機構31→外歯スプライン29b→ギヤ部材29→第一アイドラギヤ29a→ドライブギヤ43→第一回転部材24→ドリブンギヤ53a→ギヤ部材53→選択機構64→出力軸26→ギヤ26a→リングギヤ12a→デファレンシャル12→車軸13からなるトルク伝達経路で駆動車輪14に伝達される。
【0086】
第四速段が確立された場合においては、第一切替機構31は第二の状態IIになり、第二切替機構32は第六の状態VIになる。又、選択機構65はギヤ部材54と係合して第四速段を確立した状態になり、選択機構63,64,66はニュートラル状態になる。これにより、第一トルク(クラッチトルク)は、駆動軸11a→クラッチ28→第一入力軸21→ギヤ21a→ギヤ23a→副軸23→第一切替機構31→外歯スプライン30b→ギヤ部材30→第二アイドラギヤ30a→ドライブギヤ47→第二回転部材25→ドリブンギヤ54a→ギヤ部材54→選択機構65→出力軸26→ギヤ26a→リングギヤ12a→デファレンシャル12→車軸13からなるトルク伝達経路で駆動車輪14に伝達される。
【0087】
第五速段が確立された場合においては、第一切替機構31は第一の状態Iになり、第二切替機構32は第六の状態VIになる。又、選択機構63はギヤ部材55と係合して第五速段を確立した状態になり、選択機構64,65,66はニュートラル状態になる。これにより、第一トルク(クラッチトルク)は、駆動軸11a→クラッチ28→第一入力軸21→ギヤ21a→ギヤ23a→副軸23→第一切替機構31→外歯スプライン29b→ギヤ部材29→第一アイドラギヤ29a→ドライブギヤ43→第一回転部材24→ドリブンギヤ55a→ギヤ部材55→選択機構63→出力軸26→ギヤ26a→リングギヤ12a→デファレンシャル12→車軸13からなるトルク伝達経路で駆動車輪14に伝達される。
【0088】
第六速段が確立された場合においては、第一切替機構31は第二の状態IIになり、第二切替機構32は第六の状態VIになる。又、選択機構64はギヤ部材56と係合して第六速段を確立した状態になり、選択機構63,65,66はニュートラル状態になる。これにより、第一トルク(クラッチトルク)は、駆動軸11a→クラッチ28→第一入力軸21→ギヤ21a→ギヤ23a→副軸23→第一切替機構31→外歯スプライン30b→ギヤ部材30→第二アイドラギヤ30a→ドライブギヤ47→第二回転部材25→ドリブンギヤ56a→ギヤ部材56→選択機構64→出力軸26→ギヤ26a→リングギヤ12a→デファレンシャル12→車軸13からなるトルク伝達経路で駆動車輪14に伝達される。
【0089】
又、シフトレバー80がR位置に操作されており、後進変速段が確立された場合においては、クラッチ28は伝達状態であり、第一切替機構31は第三の状態III、即ち、スリーブ31bがギヤ部材29の外歯スプライン29b及びギヤ部材30の外歯スプライン30bにスプライン嵌合しておらず、第二切替機構32は第六の状態VI、即ち、スリーブ32bが非係合位置となる。又、選択機構66はギヤ部材57と係合して後進変速段を確立した状態になり、選択機構63,64,65はニュートラル状態になる。これにより、第一トルク(クラッチトルク)は、駆動軸11a→クラッチ28→第一入力軸21→ギヤ21a→ギヤ23a→第一切替機構31→ギヤ部材30→第二回転部材25→ドライブギヤ42a→ドリブンギヤ52a→ギヤ57a→選択機構66→後進アイドラ軸27→ギヤ27a→ギヤ26a→リングギヤ12a→デファレンシャル12→車軸13からなるトルク伝達経路で駆動車輪14に伝達される。
【0090】
更に、シフトレバー80がN位置に操作された場合、及び、パーキングスイッチ82がオン操作された場合においては、クラッチ28は遮断状態であり、第一切替機構31は第三の状態III、即ち、スリーブ31bがギヤ部材29の外歯スプライン29b及びギヤ部材30の外歯スプライン30bにスプライン嵌合しておらず、第二切替機構32は第六の状態VI、即ち、スリーブ32bが非係合位置となる。又、選択機構63,64,65,66はニュートラル状態になる。これにより、駆動軸11aはクラッチ28のクラッチカバーとともに空転するのみであり、出力軸26は回転しない。
【0091】
又、本実施形態の車両用動力伝達装置10は、モータジェネレータMGが副軸23にモータトルクを伝達可能に設けられている。これにより、上記第一速段〜第六速段、後進変速段が確立されている場合、第一入力系統によって入力された第一トルク(クラッチトルク)に加えて、又は、クラッチ28が遮断された状態において第一トルク(クラッチトルク)に代えて、モータジェネレータMGはモータトルクを出力軸26に伝達し車両を走行させる。
【0092】
具体的に、第一速段が確立されており、例えば、クラッチ28が遮断状態とされた場合においては、モータジェネレータMGによるモータトルクは、副軸23→第一切替機構31→外歯スプライン29b→ギヤ部材29→第一アイドラギヤ29a→ドライブギヤ43→第一回転部材24→ドリブンギヤ51a→ギヤ部材51→選択機構63→出力軸26→ギヤ26a→リングギヤ12a→デファレンシャル12→車軸13からなるトルク伝達経路で駆動車輪14に伝達される。
【0093】
ところで、制御装置70は、変速準備動作の実行を経て、車両用動力伝達装置10の変速動作を完了する。変速準備動作は、プレシフト動作と、直結動作及びクラッチ遮断動作と、からなる。プレシフト動作は、プレシフト制御部71によって制御されて、クラッチ遮断動作よりも前に、車両が加速している場合(アップシフト時)には、現在の変速段(例えば、奇数段である第三速段)に対して高速側となる変速段(例えば、偶数段である第四速段)を形成しておき、車両が減速している場合(ダウンシフト時)には、現在の変速段(例えば、偶数段である第四速段)に対して低速側となる変速段(例えば、奇数段である第三速段)を形成しておく動作である。直結動作は、第二切替機構制御部74によって制御されて、第二切替機構32を介して第二入力軸22と第一回転部材24又は第二回転部材25とを直結する動作である。クラッチ遮断動作は、クラッチ制御部72によって制御されて、クラッチ28を伝達状態から遮断状態に切り替えて、第一入力軸21へのエンジントルクの伝達を遮断する動作である。
【0094】
(アップシフト時)
先ず、アップシフト時から説明する。この場合、運転者によってシフトレバー80の操作位置がD位置に操作されており、制御装置70は、アクセルペダル操作センサ83から入力したアクセル開度TH及び車両速度センサ85から入力した車両速度Vsに応じて、変速段を自動的にアップシフトする。
【0095】
図13に示すように、制御装置70は、例えば、車両が第一組の変速段である第三速段で走行している場合において、変速準備動作と変速動作とを経て、第二組の変速段である第四速段にアップシフトして変速を完了させる。変速準備動作は、第三速段への変速が完了した後、アクセル開度TH及び車両速度Vsを用いて予め設定された変速マップを参照することによって所定のタイミングで発生する変速準備要求に応じて行われる。図13に示すように、変速準備要求が発生する前の変速前走行時においては、未だ、第二組の変速段は第二速段となっている。又、変速前走行時においては、車両が第三速段で走行しているため、第三速段を形成する第一回転部材24の回転数IP1はエンジン11の回転数Eと一致している。尚、第二速段は低速側の変速段であるため減速比が大きく、第四速段は高速側の変速段であるため減速比が小さい。
【0096】
又、変速前走行時においては、クラッチ制御部72はクラッチアクチュエータA1を作動させてクラッチ28を伝達状態としている。従って、クラッチ28即ち第一入力軸21の回転数Ciもエンジン11の回転数Eと一致している。そして、変速前走行時においては、第一切替機構制御部73は、第一切替機構アクチュエータA2を作動させて、第一切替機構31のスリーブ31bをギヤ部材29の外歯スプライン29bにスプライン嵌合させた第一の状態Iとしている。又、変速前走行時においては、第二切替機構制御部74は、第二切替機構アクチュエータA3を作動させて、第二切替機構32のスリーブ32bを非係合位置にした第六の状態VIとする。これにより、図14Aに示すように、第一回転部材24には、第二入力軸22から第二トルク(エンジン直結トルク)が入力されることがなく、第一入力系統を構成する第一入力軸21及び副軸23を介して第一トルク(クラッチトルク)が伝達される。
【0097】
そして、変速前走行時においては、プレシフト制御部71は、図14Aに示すように、選択機構アクチュエータA4を作動させて、選択機構64をギヤ部材53と係合させて第三速段を確立している。尚、この場合、選択機構63,65,66はニュートラル状態になっている。
【0098】
<プレシフト動作>
図13に示すように、変速前走行時において、アップシフトの変速準備要求が発生すると、制御装置70は、アップシフトのための変速準備動作を開始する。具体的に、変速準備要求が発生すると、プレシフト制御部71は、プレシフト動作を開始し、選択機構アクチュエータA4を作動させて、選択機構65をギヤ部材54と係合させて第四速段を形成する。
【0099】
このプレシフト動作の開始時においては、図13に示すように、第一切替機構31は第一の状態Iあり、図14Bに示すように、第一切替機構31はギヤ部材29と係合している。これにより、副軸23の第一トルク(クラッチトルク)はギヤ部材29を介して第一回転部材24にのみ伝達されている。即ち、第二回転部材25には第一トルク(クラッチトルク)が伝達されていない。従って、プレシフト制御部71が選択機構64をギヤ部材53と係合させて第三速段の確立された状態で予め第四速段を形成した場合には、図13に示すように、第二回転部材25は、出力軸26の回転により、回転数IP2が第四速段の回転数となり、空回転している状態になる。そして、プレシフト制御部71が予め第四速段を形成しても、換言すれば、プレシフト動作が完了した状態であっても、車両は第三速段で走行している。
【0100】
<クラッチ遮断動作>
図13に示すように、プレシフト動作が完了すると、クラッチ制御部72及び第二切替機構制御部74は、協働して、クラッチ遮断動作を開始する。クラッチ遮断動作は、直結動作と遮断動作とからなる。具体的に、クラッチ遮断動作の直結動作においては、第二切替機構制御部74が第二切替機構32のスリーブ32bを係合位置に移動させて、第六の状態VIから第二入力軸22と第一回転部材24とを直結する第四の状態IVにする。一方、クラッチ遮断動作の遮断動作においては、クラッチ制御部72がクラッチ28を伝達状態から遮断状態に移行させ、第一トルクT1(クラッチトルク)を減少させる。尚、本実施形態においては、第二切替機構制御部74がクラッチ制御部72よりも先行して第二切替機構32を作動させる。しかし、第二切替機構制御部74とクラッチ制御部72とが同時期に第二切替機構32を作動させるとともにクラッチ28を遮断状態に移行させることも可能である。
【0101】
<<直結動作>>
直結動作において、図14Cに示すように、第二切替機構制御部74は、第二切替機構アクチュエータA3を作動させて、第二切替機構32のスリーブ32bを第一回転部材24と係合する係合位置に移動させる。ここで、上述したように、第一入力軸21のギヤ21aに対する副軸23のギヤ23aの減速比は、第一回転部材24のドライブギヤ43に対するギヤ部材29の第一アイドラギヤ29aの減速比と同一である。これにより、クラッチ28が伝達状態にある場合には、図13に示すように、第一入力軸21の回転数、クラッチ28の回転数C及び第一回転部材24の回転数IP1はエンジン11の回転数Eと同一となる。尚、第二入力軸22はエンジン11の駆動軸11aに直結されているため、第二入力軸22の回転数もエンジン11の回転数Eと同一である。
【0102】
従って、図14Cに示すように、第二切替機構32のスリーブ32bを係合位置に移動させて、スリーブ32bと第一回転部材24とを係合させて、第一回転部材24と第二入力軸22とを直結することができる。即ち、第二切替機構制御部74が第二切替機構32を係合位置に移動させて第四の状態IVとすることにより、直結動作が完了する。そして、この場合には、第一回転部材24に対して、第二入力軸22の第二トルク(エンジン直結トルク)と副軸23に伝達された第一トルク(クラッチトルク)とが伝達され得る状態になる。
【0103】
<<遮断動作>>
遮断動作において、図14Dに示すように、クラッチ制御部72は、クラッチ28を伝達状態から遮断状態に移行させる。これにより、図14Dにおいて破線により示すように、副軸23から第一回転部材24に対する第一トルク(クラッチトルク)の伝達が遮断される。ところで、第一回転部材24は第二切替機構32によって第二入力軸22と直結されている。従って、第一回転部材24は、第二入力軸22の第二トルク(エンジン直結トルク)のみが加速トルクとして伝達される。又、クラッチ制御部72によってクラッチ28が遮断状態に移行される直前まで、クラッチ28とともに回転する第一入力軸21の回転数Ciはエンジン回転数Eと同一である。
【0104】
従って、図13に示すように、クラッチ28が遮断状態に移行されることに伴って、第一入力軸21の回転数Ci、副軸23の回転数Cf及びギヤ部材29の回転数がエンジン回転数Eよりも小さくなっても、第二入力軸22に直結された第一回転部材24は継続してエンジン回転数Eで回転する。ここで、図13に示すように、遮断動作によって第一トルクT1(クラッチトルク)が低下する場合、第一トルクT1(クラッチトルク)がエンジン11のエンジントルクTeよりも小さくなる、換言すれば、エンジントルクTeが第一トルクT1(クラッチトルク)を上回った分が第二トルクT2(エンジン直結トルク)になる。
【0105】
これにより、第二切替機構32が第二入力軸22と第一回転部材24とを直結した状態でクラッチ28が遮断状態に移行されることに伴って、第一回転部材24に対して伝達されるトルクが第一トルクT1(クラッチトルク)から第二トルクT2(エンジン直結トルク)に切り替わる場合であっても、第一回転部材24の回転数IP1はエンジン回転数Eに維持される。従って、このように、クラッチ28が遮断状態に移行した場合であっても、換言すれば、第二切替機構32が第四の状態IVになって第二入力軸22と第一回転部材24とを直結した場合であっても、図14Eに示すように、車両は、変速要求があるまで、継続して第三速段で走行する。
【0106】
そして、図13に示すように、プレシフト動作及びクラッチ遮断動作が完了すると、変速準備動作が完了する。尚、本実施形態においては、図13及び図14Eに示すように、変速準備動作が完了した時点において、第一切替機構制御部73は、第一切替機構31を第一の状態Iに維持し、スリーブ31bをギヤ部材29の外歯スプライン29bにスプライン嵌合させた状態としている。しかし、変速準備動作が完了した時点で、第一切替機構制御部73は、第一切替機構31のスリーブ31bをギヤ部材29の外歯スプライン29bにスプライン嵌合させた状態から第四速段を形成する第二回転部材25に第一トルク(クラッチトルク)を伝達するギヤ部材30の外歯スプライン30bにスプライン嵌合させておくことも可能である。
【0107】
<変速動作>
次に、変速要求に応じて変速する(アップシフトする)変速動作を説明する。上述したように、変速要求、具体的には、予め設定された変速マップに基づいて第三速段から第四速段への変速(アップシフト)が要求されると、図13に示すように、制御装置70は、変速動作を開始する。変速動作は、シフト切替動作と、クラッチ継合動作と、からなる。
【0108】
シフト切替動作においては、図13に示すように、クラッチ28を遮断状態から伝達状態に移行させるために、第一切替機構制御部73は、第一切替機構31を第二の状態IIに切り替え、スリーブ31bを第二組の変速段である第四速段を形成する第二回転部材25にスプライン嵌合即ち第二回転部材25と副軸23とを直結する。クラッチ継合動作においては、図13に示すように、クラッチ制御部72がクラッチ28を遮断状態から伝達状態に移行させるとともに第二切替機構制御部74が第二切替機構32を第四の状態IVから第六の状態VIに切り替える。
【0109】
<<シフト切替動作>>
シフト切替動作において、図13及び図14Fに示すように、第一切替機構制御部73は、第一切替機構アクチュエータA2を作動させる。そして、第一切替機構制御部73は、第一切替機構31のスリーブ31bを、ギヤ部材29の外歯スプライン29bにスプライン嵌合させた第一の状態Iから、第三の状態IIIを介して、ギヤ部材30の外歯スプライン30bにスプライン嵌合する第二の状態IIとなるように移動させる。これにより、第一切替機構31は、副軸23と第二回転部材25とを直結する。尚、この状態においては、未だクラッチ28が遮断状態とされているため、第一入力軸21及び副軸23には第一トルクT1(クラッチトルク)が伝達されていない。
【0110】
<<クラッチ継合動作>>
クラッチ継合動作において、図13及び図14Gに示すように、クラッチ制御部72は、クラッチアクチュエータA1を作動させて、クラッチ28を遮断状態から伝達状態に移行させる。この場合、クラッチ制御部72は、図示を省略するエンジン制御部と協働して、エンジン11の回転数Eをクラッチ28の回転数C即ち第四速段の回転数に同期させる。具体的に、クラッチ制御部72は、エンジンの回転数Eを維持しながら、クラッチ28を伝達状態に移行させる。これにより、クラッチ28が継合を開始すると、第一入力軸21にはクラッチ28を介してエンジン11からエンジントルクが伝達され始める。これにより、図13にてトルク層と示すように、第一入力軸21から副軸23に入力される第一トルクT1(クラッチトルク)が増大する。そして、クラッチ28の継合に伴って、即ち、第四速段の確立に伴って、図13に示すように、第三速段における車両の前後加速度が第四速段における車両の前後加速度まで低下する。
【0111】
エンジン11の回転数Eは、クラッチ28が伝達状態になり車両の前後加速度が第四速段における前後加速度まで低下した後に、エンジン11のエンジントルクTeを一時的に低下させることにより、第四速段の回転数まで低下する。これにより、図13にてイナーシャー層と示すように、第一入力軸21は自身の慣性により回転する状態になり第一トルクT1(クラッチトルク)が一時的に増減することなく一定になる。そして、エンジン11の回転数Eが第四速段の回転に一致するようにエンジントルクTeを運転者のアクセルペダルAPの操作量に応じたトルクまで増大させて第四速段への変速(アップシフト)が完了する。その後は、運転者のアクセルペダルAPの操作量に応じてエンジントルクTeが変化してもクラッチ28に滑りが発生しないように第一トルクT1(クラッチトルク)を更に増大させておく。従って、変速後走行時においては、第一入力軸21及び副軸23を介して伝達される、エンジン11から出力されるエンジントルクTeと等しい大きさの第一トルク(クラッチトルク)により、車両は第四速段で走行する。
【0112】
ところで、第二切替機構32は、クラッチ継合動作において図13に示すように、エンジン11の回転数Eが第三速段の回転数から第四速段の回転数に向けて低下し始めると減速トルクが作用するため、第四の状態IVを維持したままトルク伝達をしなくなる。その後、第二切替機構制御部74により第二切替機構アクチュエータA3が作動することで、第二切替機構32は図13及び図14Gに示すように第四の状態IVから第六の状態VIに切り替わる。
【0113】
(ダウンシフト時)
次に、ダウンシフト時を説明する。この場合、運転者によってシフトレバー80の操作位置がD位置に操作されており、制御装置70は、アクセルペダル操作センサ83から入力したアクセル開度TH及び車両速度センサ85から入力した車両速度Vsに応じて、変速段を自動的にダウンシフトする。尚、以下のダウンシフト時の説明においては、変速前走行時において車両が第四速段で走行しており第三速段にダウンシフトする場合を例示する。
【0114】
ダウンシフト時でも、上述したアップシフト時と同様に、変速前走行時においては、制御装置70のクラッチ制御部72は、クラッチアクチュエータA1を作動させてクラッチ28を伝達状態としている。従って、クラッチ28即ち第一入力軸21の回転数Ciもエンジン11の回転数Eと一致している。又、ダウンシフト時でも、変速前走行においては、制御装置70の第一切替機構制御部73は第一切替機構アクチュエータA2を作動させて第一切替機構31を第二の状態IIとし、制御装置70の第二切替機構制御部74は第二切替機構アクチュエータA3を作動させて第二切替機構32を第六の状態VIとする。
【0115】
即ち、ダウンシフト時における変速前走行では、図14Gに示すように、第二回転部材25には、第二入力軸22から第二トルク(エンジン直結トルク)が入力されることがなく、第一入力軸21及び副軸23を介して第一トルク(クラッチトルク)が伝達される。そして、変速前走行時においては、制御装置70のプレシフト制御部71は、選択機構アクチュエータA4を作動させて、選択機構65をギヤ部材54と係合させて第四速段を確立している。尚、この場合、選択機構63,64,66はニュートラル状態になっている。
【0116】
変速前走行時において、図15に示すように、例えば、既に発生した変速準備要求に応じてプレシフト動作が完了して変速前走行している状態でアクセルペダルAPが踏み増し操作されて、ダウンシフトの変速準備要求が発生すると、制御装置70は、ダウンシフトのための変速準備動作を開始する。即ち、プレシフト制御部71は、選択機構アクチュエータA4を作動させて、選択機構64をギヤ部材53と係合させて第三速段を形成する。このプレシフト動作においては、第一切替機構31はギヤ部材30と係合しており、副軸23の第一トルク(クラッチトルク)はギヤ部材30を介して第二回転部材25にのみ伝達されている。即ち、アップシフトの場合と同様に、第一回転部材24には何らトルクが伝達されておらず、プレシフト制御部71が選択機構65をギヤ部材54と係合させて第四速段の確立された状態で予め第三速段を形成しても、出力軸26の回転に何ら影響を与えない。従って、プレシフト制御部71が予め第三速段を形成しても、換言すれば、プレシフト動作が完了した状態であっても、車両は第四速段で走行している。
【0117】
尚、ダウンシフトの場合においては、例えば、アクセルペダルAPが踏み増し操作されて変速要求が発生すると、エンジン11の回転数Eを第三速段に合わせるように、エンジン回転同期動作が行われる。この場合、クラッチ28は、伝達状態を維持しながら第一トルクT1(クラッチトルク)が低下する、所謂、半クラッチの状態になる。そして、この場合、第一トルクT1(クラッチトルク)がエンジン11のエンジントルクTeよりも小さくなる、換言すれば、エンジントルクTeが第一トルクT1(クラッチトルク)を上回った分が第二トルクT2(エンジン直結トルク)になり、エンジン11の回転数Eが上昇する。
【0118】
<クラッチ遮断動作>
プレシフト動作及びエンジン回転同期動作が完了すると、アップシフト時の場合と同様に、クラッチ制御部72及び第二切替機構制御部74は、協働して、直結動作及び遮断動作からなるクラッチ遮断動作を開始する。
【0119】
ダウンシフト時における直結動作においては、図15に示すように、第二切替機構制御部74が第二切替機構32のスリーブ32bを係合位置に移動させて第二入力軸22と第一回転部材24とを直結する第四の状態IVにする一方で、ダウンシフト時における遮断動作において、クラッチ制御部72がクラッチ28を伝達状態(半クラッチの状態)から遮断状態に移行させる。尚、このダウンシフト時においても、アップシフト時と同様に、第二切替機構制御部74がクラッチ制御部72よりも先行して第二切替機構32を作動させるが、第二切替機構制御部74及びクラッチ制御部72が同時期に第二切替機構32を作動させるとともにクラッチ28を遮断状態に移行させることも可能である。
【0120】
<<直結動作>>
直結動作においては、第二切替機構制御部74は、第二切替機構アクチュエータA3を作動させて、第二切替機構32のスリーブ32bを第一回転部材24と係合する係合位置に移動させる。尚、上述したように、第一回転部材24は、プレシフト動作によって第三速段を形成しているため、第三速段の回転数となる。又、エンジン回転数Eはエンジン回転同期動作によって第三速段の回転数に一致している。又、第二入力軸22はエンジン11の駆動軸11aに直結されているため、第二入力軸22の回転数もエンジン回転数Eと同一である。
【0121】
従って、第二切替機構32のスリーブ32bを係合位置に移動させて、スリーブ32bと第一回転部材24とを係合させて、第一回転部材24と第二入力軸22とを直結することができる。即ち、第四速段から第三速段にダウンシフトする場合には、第二切替機構制御部74が第二切替機構32を係合位置に移動させることにより、直結動作が完了する。そして、この場合には、第二回転部材25に対して、副軸23に伝達された第一トルクT1(クラッチトルク)が伝達され、第一回転部材24に対して、第二入力軸22の第二トルクT2(エンジン直結トルク)が伝達され得る状態になる。但し、この時点では、第二入力軸22の回転数と第一回転部材24の回転数IP1とが一致しており加速トルクは作用していないため、第二切替機構32の作用により、第一回転部材24に対して、第二入力軸22の第二トルクT2(エンジン直結トルク)は伝達されない。
【0122】
<<遮断動作>>
遮断動作において、クラッチ制御部72は、クラッチ28を伝達状態(半クラッチの状態)から遮断状態に移行させる。これにより、副軸23から第二回転部材25に対する第一トルクT1(クラッチトルク)の伝達が遮断される。一方、第一回転部材24は第二切替機構32によって第二入力軸22と直結されているため、エンジン11から出力されるエンジントルクTeは、第二入力軸22から第一回転部材24に対する第二トルクT2(エンジン直結トルク)として伝達されるようになる。従って、第二入力軸22、第二切替機構32及び第一回転部材24を介して伝達される第二トルクT2(エンジン直結トルク)により、車両は第三速段で走行する。第一回転部材24には、第二入力軸22の第二トルクT2(エンジン直結トルク)のみが伝達される。又、クラッチ制御部72によってクラッチ28が遮断状態に移行される直前までは、第一入力軸21の回転数Ci及び副軸23の回転数Cfはエンジン回転数Eと同一であり、従って第一切替機構31によって副軸23に直結されたギヤ部材30もエンジン回転数Eと同一の回転数となっている。
【0123】
<変速動作>
次に、制御装置70は、ダウンシフト(変速動作)を開始する。このダウンシフト時においても、変速動作は、上述したアップシフト時と同様に、シフト切替動作と、クラッチ継合動作と、からなる。
【0124】
シフト切替動作においては、クラッチ28を遮断状態から伝達状態に移行させるために、第一切替機構制御部73が、第一切替機構31を第一組の変速段である第三速段を形成する第一回転部材24にスプライン嵌合即ち第一回転部材24と副軸23とを直結する。クラッチ継合動作においては、クラッチ制御部72がクラッチ28を遮断状態から伝達状態に移行させるとともに第二切替機構制御部74が第二切替機構32を第四の状態IVから第六の状態VIに切り替える。
【0125】
<<シフト切替動作>>
シフト切替動作において、図15に示すように、第一切替機構制御部73は、第一切替機構アクチュエータA2を作動させて、第一切替機構31のスリーブ31bを、ギヤ部材30の外歯スプライン30bにスプライン嵌合させた第二の状態IIから、第三の状態IIIを介して、ギヤ部材29の外歯スプライン29bにスプライン嵌合する第一の状態Iとなるように移動させる。これにより、第一切替機構31は、副軸23と第一回転部材24とを直結する。尚、この状態においては、未だクラッチ28が遮断状態とされているため、第一入力軸21及び副軸23には第一トルクT1(クラッチトルク)が伝達されていない。
【0126】
<<クラッチ継合動作>>
クラッチ継合動作において、クラッチ制御部72は、クラッチアクチュエータA1を作動させて、クラッチ28を遮断状態から伝達状態に移行させる。クラッチ継合動作において、第二切替機構制御部74は、第二切替機構32を第六の状態VIに切り替える。そして、クラッチ28の伝達状態への移行が完了すると、エンジントルクの架け替えが完了し、第一入力軸21及び副軸23を介して伝達される第一トルク(クラッチトルク)により、車両は第三速段で走行する。
【0127】
<減速制御(回生動作)>
上述したように、アップシフト時又はダウンシフト時において、変速準備動作(具体的には、プレシフト動作及びクラッチ遮断動作)が完了した後に車両が走行している状態では、第二切替機構32が第四の状態IV又は第五の状態Vに切り替えられており、第二入力軸22と第一回転部材24又は第二回転部材25とが直結された状態になる。即ち、この状態においては、第二入力系統により第二入力軸22から第二切替機構32を介して第二トルクT2(エンジン直結トルク)が出力軸26に伝達されている。
【0128】
ところで、第二切替機構32は、ワンウェイクラッチであり、上述したように、加速トルクとして作用する場合にのみ、第二入力軸22から入力される第二トルクT2(エンジン直結トルク)を第一回転部材24又は第二回転部材25に伝達する。このため、図16に示すように、例えば、変速準備動作が完了して変速動作が行われるまでの間に、運転者が踏み込み操作しているアクセルペダルAPを戻すように操作してアクセルペダルAPのアクセル開度THを小さくする(例えば、アクセル開度THを0%まで戻す)場合、第二切替機構32は第四の状態IVを維持したままでトルク伝達をしなくなり、第二入力軸22と第一回転部材24又は第二回転部材25との直結状態が一時的に解消される。
【0129】
即ち、第二入力軸22と第一回転部材24又は第二回転部材25との直結状態が一時的に解消された場合には、エンジン11のフリクションによる減速トルクが出力軸26に伝わらず、その結果、運転者は、アクセルペダルAPを戻すように操作しても、十分な車両の減速度が得られず、違和感を覚え、良好なドライバビリティが得られない可能性がある。そこで、制御装置70は、変速準備動作が完了して変速動作が行われるまでの間に、運転者によってアクセルペダルAPのアクセル開度THが小さくなるように操作された場合、図16に示すように、車両に応答性良く(応答時間が短く)且つ十分な減速度が発生するように、モータジェネレータ制御部75は、モータジェネレータMGに減速制御(具体的には、回生動作)をさせる。尚、以下の説明においては、理解を容易とするために、アップシフトを想定した変速準備動作が完了している時における減速制御を例示して説明する。
【0130】
減速制御においては、モータジェネレータ制御部75は、図16に示すように、変速準備動作が完了した後の変速前走行時であって、アクセルペダル操作センサ83から入力したアクセル開度THが小さい場合(例えば0%になる場合)に、モータジェネレータMGに回生動作をさせる。具体的に、モータジェネレータ制御部75は、アクセル開度THが小さい場合(例えば0%になる場合)に、モータジェネレータMGを回生動作させることにより回生トルクを発生させ、所定の減速度が発生するように回生トルクを維持する。減速制御は、減速制御部を構成するモータジェネレータ制御部75によって構成される減速制御部76により実現される。
【0131】
上述したように、変速準備動作が完了した状態においては、図16に示すように、例えば、直結動作によって第二切替機構32が第四の状態IVに切り替えられて第二入力軸22と第一回転部材24とが直結され、且つ、遮断動作によってクラッチ28が遮断状態になっている。これにより、車両は、第二入力軸22から第一回転部材24に伝達される第二トルクT2(エンジン直結トルク)が出力軸26に伝達されて走行する。尚、以下の減速制御の説明では、図16に示すように、変速準備動作においてシフト切替動作がなされており、第一切替機構制御部73が第一切替機構31をギヤ部材30の外歯スプライン30bにスプライン嵌合させる第二の状態IIになっている場合を想定する。
【0132】
変速準備動作が完了して車両が第三速段で走行している場合において、アクセルペダル操作センサ83から入力したアクセル開度THが例えば0%になると、図16に示すように、エンジン11の回転数Eが一時的に低下する。又、アクセル開度THが例えば0%になると、エンジン11から駆動軸11aを介して出力されるエンジントルクTeが一時的に低下するため、エンジン11の回転数Eは一時的に低下する。このため、例えば、変速準備動作が完了した状態で、運転者が踏み込み操作しているアクセルペダルAPを戻すように操作してアクセルペダルAPのアクセル開度THを小さくする(例えば、アクセル開度THを0%まで戻す)場合、減速トルクが作用して第二切替機構32が第四の状態IVを維持したままトルク伝達しなくなる。
【0133】
このように、クラッチ28が遮断状態であり、且つ、第二入力軸22と第一回転部材24との直結状態が解消されると、車両は、所謂、空走状態となり、アクセルペダルAPの戻し操作、換言すれば、エンジン11の回転数Eの低下に応じた十分な減速度が車両に発生しない。このため、モータジェネレータ制御部75は、モータジェネレータMGを回生動作により回生トルクTmを発生させる。これにより、回生動作によってモータジェネレータMGが発生する回生トルクTmが副軸23に伝達される。一方、この減速制御においては、既にシフト切替動作がなされているため、第一切替機構制御部73は、第二の状態IIに切り替えられており、第一切替機構31のスリーブ31bをギヤ部材30の外歯スプライン30bにスプライン嵌合している。従って、この場合には、第一切替機構31を介して、副軸23とギヤ部材30即ち第二回転部材25とが連結されており、第二回転部材25に回生トルクTmが伝達される。
【0134】
ここで、減速制御を実行する状況においては、プレシフト動作によって第四速段が形成されているため、選択機構65が出力軸26と一体に回転するギヤ部材54と係合している。一方、第一回転部材24は、図16に示すように、第二切替機構32が第四の状態IVを維持しているが、出力軸26には、プレシフト動作によって形成された第二変速機構62における第四速段のトルク伝達経路を介して、モータジェネレータMGによる回生トルクTmが車両を減速させる減速トルクとして伝達される。これにより、図16に示すように、運転者は、自身のアクセルペダルAPに対する操作に応じた所定の大きさの減速度(前後加速度)を知覚することができる。尚、図16に示す前後加速度において示す破線は、減速制御がなく、モータジェネレータMGが回生トルクTmを発生させない場合の減速度(前後加速度)を示す。
【0135】
そして、図16に示すように、減速動作において、再び、運転者によってアクセルペダルAPが踏み込み操作されると、換言すれば、アクセル開度THが大きくなると、モータジェネレータ制御部75はモータジェネレータMGの回生動作を停止させる。これにより、モータジェネレータMGが発生する回生トルクTmは時間の経過とともに徐々に小さくなって減速動作が完了する。
【0136】
ところで、減速制御がなされる状況においては、第二切替機構32が第四の状態IVを維持している。従って、アクセル開度THの増加に伴ってエンジントルクTeの増大に合わせて第二トルクT2も大きくなり、変速前走行が可能になる。そして、この状態において、変速要求が発生すると、制御装置70は、上述したように、変速動作を開始する。
【0137】
以上の説明からも理解できるように、上記実施形態の車両用動力伝達装置10は、駆動源であるエンジン11から出力されたトルクとしてのエンジントルクTeを車両の駆動車輪14に連結された出力軸26に伝達する車両用動力伝達装置である。
【0138】
車両用動力伝達装置10は、エンジン11から出力されたエンジントルクTeが第一トルクT1(クラッチトルク)として入力される第一入力軸21と、エンジン11から出力されたエンジントルクTeが第二トルクT2(エンジン直結トルク)として入力される、第一入力軸21とは異なる第二入力軸22と、エンジン11と第一入力軸21との間に設けられ、エンジン11と第一入力軸21との間で第一トルクT1(クラッチトルク)を伝達する伝達状態とエンジン11からの第一トルクT1(クラッチトルク)を伝達することを遮断する遮断状態と、を切り替えるクラッチ28と、第一入力軸21から第一トルクT1(クラッチトルク)及び第二入力軸22から第二トルクT2(エンジン直結トルク)が伝達される第一回転部材24と、第一入力軸21から第一トルクT1(クラッチトルク)及び第二入力軸22から第二トルクT2(エンジン直結トルク)が伝達される、第一回転部材24とは異なる第二回転部材25と、第一入力軸21と第一回転部材24との間で第一トルクT1(クラッチトルク)を伝達するとともに第一入力軸21と第二回転部材25との間で第一トルクT1(クラッチトルク)の伝達を遮断する第一の状態I、第一入力軸21と第一回転部材24との間で第一トルクT1(クラッチトルク)の伝達を遮断するとともに第一入力軸21と第二回転部材25との間で第一トルクT1(クラッチトルク)を伝達する第二の状態II、及び、第一入力軸21と第一回転部材24及び第二回転部材25との間で第一トルクT1(クラッチトルク)の伝達を遮断する第三の状態IIIのうちの何れかに切り替える第一切替機構31と、第二入力軸22と第一回転部材24との間で第二トルクT2(エンジン直結トルク)を伝達するとともに第二入力軸22と第二回転部材25との間で第二トルクT2(エンジン直結トルク)の伝達を遮断する第四の状態IV、第二入力軸22と第一回転部材24との間で第二トルクT2(エンジン直結トルク)の伝達を遮断するとともに第二入力軸22と第二回転部材25との間で第二トルクT2(エンジン直結トルク)を伝達する第五の状態V、及び、第二入力軸22と第一回転部材24及び第二回転部材25との間で第二トルクT2(エンジン直結トルク)の伝達を遮断する第六の状態VIのうちの何れかに切り替え、第二入力軸22によって第一回転部材24が加速される場合のみ、第四の状態IVで第二トルクT2(エンジン直結トルク)を第一回転部材24に伝達し、第二入力軸22によって第二回転部材22が加速される場合のみ、第五の状態Vで第二トルクT2(エンジン直結トルク)を第二回転部材25に伝達するように構成された第二切替機構32と、駆動車輪14に連結されて、第一回転部材24及び第二回転部材25からそれぞれ異なる減速比により第一トルクT1(クラッチトルク)及び第二トルクT2(エンジン直結トルク)の少なくとも一方が伝達される出力軸26と、第一入力軸21と一体回転する副軸23、第一回転部材24、第二回転部材25及び出力軸26のうちの何れか一つと常に連動して回転するように設けられたモータジェネレータMGと、を備える。
【0139】
これによれば、車両の減速時にエンジン11からのエンジントルクTeが低下する状況において、モータジェネレータMGは、常に連動して回転する第一回転部材24、第二回転部材25及び出力軸26の何れか一つに発生した減速トルクである回生トルクTmを伝達することができる。これにより、車両が減速する状況において、応答時間を短くして(応答性良く)所定の減速度を車両に発生させることができ、換言すれば、所謂トルク抜けの発生を抑制して、運転者が知覚するドライバビリティを向上させることができる。
【0140】
又、車両用動力伝達装置10においては、第一入力系統及び第二入力系統を構成するために、複雑且つ高価な(特殊な)クラッチを用いる必要がない。従って、車両用動力伝達装置10の製造コストを低減することができる。
【0141】
又、モータジェネレータMGは第一回転部材24、第二回転部材25及び出力軸26のうちの何れか一つと常に連動して回転することができる。第一回転部材24及び第二回転部材25は、それぞれ、第一切替機構31が第一の状態I又は第二の状態IIに切り替わり、第二切替機構32が第四の状態IV又は第五の状態Vに切り替わることにより、第一変速機構61又は第二変速機構62を介して出力軸26との間でトルク伝達経路を形成することができる。これにより、モータジェネレータMGと出力軸26との間にて、モータジェネレータMGが駆動動作により発生したモータトルクを伝達するために、又は、モータジェネレータを回生動作させるために新たなトルク伝達経路を形成する必要がない。従って、クラッチ28の構造を変更したり、第一切替機構31及び第二切替機構32の数を増やしたりする必要がなく、車両用動力伝達装置10の製造コストが高コストになることを抑制することができる。
【0142】
又、第二入力軸22の回転速度を減速させるように第二トルクT2(エンジン直結トルク)が作用する場合、即ち、運転者がアクセルペダルAPを戻し操作して車両を減速させる場合、第二切替機構32が第六の状態VIに切り替わることに伴って第二トルクT2(エンジン直結トルク)は第一回転部材24及び第二回転部材25を介して出力軸26に伝達されない。この場合、モータジェネレータMGは、回生動作によって発生した回生トルクTmを出力軸26に伝達することにより、出力軸26の回転速度を減速させることができる。その結果、車両に適切な減速度を発生させることができ、車両が減速する状況においてトルク抜けが生じることを確実に抑制し、且つ、運転者が自身のアクセルペダルAPの操作に応じた減速度を知覚することによって違和感を覚えることを抑制することができる。
【0143】
又、これらの場合、第一入力軸21の回転数に対する副軸23の回転数の比、第一の状態Iにおけるギヤ部材29の回転数に対する第一回転部材24の回転数の比、及び、第二の状態IIにおけるギヤ部材30の回転数に対する第二回転部材25の回転数の比が全て同一である。
【0144】
これによれば、第一切替機構31が第一の状態Iに切り替えられて、例えば、第二切替機構32が第四の状態IVに切り替えられた場合、又は、第一切替機構31が第二の状態IIに切り替えられて、例えば、第二切替機構32が第五の状態Vに切り替えられた場合において、副軸23は、第二入力軸22に対して同じ回転数(回転速度Rsf)で回転することができる。これにより、第二入力軸22に第二トルクT2(エンジン直結トルク)が入力されている場合、副軸23は、第二入力軸22の側から、所謂、トルク干渉が生じることなく、回転することができる。又、副軸23に第一トルクT1(クラッチトルク)が入力されている場合、第一回転部材24又は第二回転部材25に対して、同一の第一トルクT1(クラッチトルク)を伝達することができる。
【0145】
又、これらの場合、車両用動力伝達装置10は、更に、第一回転部材24と出力軸26との間で第一組の変速段を確立する第一変速機構61と、第二回転部材25と出力軸26との間で第一組の変速段とは異なる減速比を有する第二組の変速段を確立する第二変速機構62と、を備えることができる。この場合、ギヤ部材29の第一アイドラギヤ29aは、第一組の変速段のうちの一つの変速段である第三速段のドライブギヤ43と直結するように配置することができる。これによれば、第一アイドラギヤ29aと直結する第一回転部材24上のギヤを第一組の変速段の一つのドライブギヤである第三速段のドライブギヤ43と共用でき、ギヤの部品点数を削減できる。
【0146】
更に、これらの場合、車両用動力伝達装置10は、クラッチ28を伝達状態又は遮断状態に切り替えるクラッチ制御部72と、クラッチ制御部72がクラッチ28を伝達状態から遮断状態に切り替えた後、第一切替機構31を第一の状態I又は第二の状態IIに切り替える第一切替機構制御部73と、クラッチ制御部72がクラッチ28を伝達状態から遮断状態に切り替える動作が完了する前に、第二切替機構32を第四の状態IV又は第五の状態Vに切り替える第二切替機構制御部74と、車両を加速させる加速操作部材であるアクセルペダルAPの操作状態を検出する加速操作状態検出部としてのアクセルペダル操作センサ83と、クラッチ制御部72がクラッチを伝達状態から遮断状態に切り替えた後において(即ち、第二入力系統により第二トルクT2(エンジン直結トルク)が第一回転部材24及び第一変速機構61、又は、第二回転部材25及び第二変速機構62を介して出力軸26に伝達されている状態で)、アクセルペダル操作センサ83が運転者によるアクセルペダルAPに対する操作の解除を検出した場合、車両に所定の大きさの減速度を発生させるようにモータジェネレータMGに減速トルクとしての回生トルクTmを発生させるモータジェネレータ制御部75と、を含んで構成される制御装置70を備える。
【0147】
これによれば、運転者によってアクセルペダルAPが戻し操作された場合、減速制御部76(モータジェネレータ制御部75)はモータジェネレータMGを回生動作させて出力軸26にモータジェネレータMGの回生トルクTmを伝達させることができる。これにより、モータジェネレータMGが出力軸26の回転速度を減速させることができ、その結果、車両に所定の大きさとされた適切な減速度を発生させることができる。従って、運転者は、自身のアクセルペダルAPの操作に応じた減速度を知覚することができ、良好なドライバビリティを得ることができる。
【0148】
(変形例)
上記実施形態では、運転者によってシフトレバー80の操作位置がD位置に操作されている場合において、制御装置70は、アクセルペダル操作センサ83から入力したアクセル開度TH及び車両速度センサ85から入力した車両速度Vsに応じて所定のタイミングで自動的に発生する変速準備要求に応じて、変速準備動作及び変速動作を行うようにした。これに代えて、運転者によってシフトレバー80の操作位置がM位置に操作された場合、即ち、シフトポジションセンサ81によって運転者がマニュアルモードを選択したことを検出した場合、制御装置70は、マニュアルモードの選択を変速準備要求とし、変速準備動作及び変速動作を行うことが可能である。以下、この変形例を具体的に説明するが、上記実施形態と同一部分についての詳細な説明は省略する。
【0149】
この変形例においては、図17に示すように、変速前走行時において、運転者によってシフトレバー80の操作位置がD位置からM位置に変更されてマニュアルモードが選択されると、制御装置70は、シフトポジションセンサ81からM位置を表すシフトポジションPosの信号を入力する。これにより、制御装置70は、図17に示すモード選択において、上述した実施形態の場合に様に自動的に変速を実行する自動モードから運転者による変速要求スイッチ86の操作に応じて変速を実行するマニュアルモードに切り替える。
【0150】
尚、モード選択に関し、制御装置70は、シフトレバー80がM位置に操作されることに代えて、又は、加えて、運転者によって変速要求スイッチ86(アップシフトパドル86b又はダウンシフトパドル86c)が操作されてアップ信号Su又はダウン信号Sdが取得されることに応じて、自動モードからマニュアルモードに切り替えることも可能である。又、モード選択に関し、制御装置70は、シフトレバー80がM位置からD位置に操作されることに応じて、マニュアルモードから自動モードに切り替える。
【0151】
制御装置70は、マニュアルモードが選択されると、即ち、変速準備要求がなされると、上記実施形態と同様に、変速準備動作を開始する。具体的には、図16に示すように、プレシフト制御部71は、現在の変速段(例えば、奇数段である第三速段)に対して高速側となる変速段(例えば、偶数段である第四速段)を形成する。
【0152】
図17に示すように、プレシフト動作が完了すると、クラッチ制御部72及び第二切替機構制御部74は、協働して、クラッチ遮断動作を開始する。具体的に、クラッチ遮断動作の直結動作においては、第二切替機構制御部74が第二切替機構32のスリーブ32bを係合位置に移動させて第二入力軸22と第一回転部材24とを直結する第四の状態IVにする一方で、クラッチ遮断動作の遮断動作においては、クラッチ制御部72がクラッチ28を伝達状態から遮断状態に移行させる(図14C及び図14Dを参照)。
【0153】
制御装置70は、図17に示すように、変速準備動作、具体的に、シフト切替動作を開始する。即ち、シフト切替動作においては、第一切替機構制御部73は、第一切替機構アクチュエータA2を作動させて、第一切替機構31のスリーブ31bを、ギヤ部材29の外歯スプライン29bにスプライン嵌合させた第一の状態Iからギヤ部材30の外歯スプライン30bにスプライン嵌合する第二の状態IIとなるように移動させる(図14Fを参照)。そして、制御装置70は、運転者によってアップシフトパドル86bが操作されて変速要求がなされると、変速動作、具体的には、クラッチ継合動作を開始する。クラッチ継合動作においては、クラッチ制御部72は、クラッチアクチュエータA1を作動させて、クラッチ28を遮断状態から伝達状態に移行させる(図14Gを参照)。
【0154】
これにより、第一入力軸21及び副軸23を介して第一トルクT1(クラッチトルク)が伝達され、第三速段から第四速段への変速(アップシフト)が完了する。従って、マニュアルモードにおいては、運転者によるアップシフトパドル86bの操作に応じて、車両は第四速段で走行する。そして、マニュアルモードにおいては、アップシフト又はダウンシフトが完了すると、図17に示すように、運転者による次回の変速要求(即ち、アップシフトパドル86b又はダウンシフトパドル86cの操作)に対応するため、プレシフト動作以降の動作を開始する。
【0155】
ここで、上記実施形態にて説明したアップシフト時と同様に、第二切替機構32が第二入力軸22と第一回転部材24とを直結した状態でクラッチ28が遮断状態に移行されることに伴って、第一回転部材24に対して伝達されるトルクが第一トルクT1(クラッチトルク)から第二トルクT2(エンジン直結トルク)に切り替わる場合であっても、第一回転部材24の回転数IP1(回転速度)はエンジン11の回転数E(エンジン回転速度Re)に維持される。従って、このように、クラッチ28が遮断状態に移行した場合であっても、換言すれば、第二切替機構32が第二入力軸22と第一回転部材24とを直結した場合であっても、車両は、変速要求があるまで、継続して第三速段で走行する(図14Eを参照)。
【0156】
以上の説明からも理解できるように、この変形例においては、制御装置70は、車両の運転者による操作に応じて第一切替機構31を第一の状態Iから第二の状態II又は第二の状態IIから第一の状態Iに切り替える(即ち、第一組の変速段及び第二組の変速段のうちの任意の変速段の確立を可能とする)マニュアルモードが選択されたことを検出するモード検出部としてのシフトポジションセンサ81及び変速要求スイッチ86を備え、シフトポジションセンサ81及び変速要求スイッチ86によってマニュアルモードが選択されたことが検出された場合に、第一切替機構制御部73は、クラッチ制御部72がクラッチ28を伝達状態から遮断状態に切り替えた後、第一切替機構31を第一の状態I又は第二の状態IIに切り替え、第二切替機構制御部74は、クラッチ制御部72がクラッチ28を伝達状態から遮断状態に切り替える動作を完了する前に、第二切替機構32を第四の状態IV又は第五の状態Vに切り替える。
【0157】
これにより、マニュアルモードが選択された場合においても、応答性良く車両に減速度を発生させることができるとともに、上記実施形態と同様に、変速要求前に第一切替機構制御部73が第一切替機構31を第一の状態Iから第二の状態II(又は、第二の状態IIから第一の状態I)に切り替えが完了しているため、変速時間の短縮を達成することができる。尚、変速要求前にプレシフト動作が完了しているため、第一切替機構31の切り替えが完了した時点で出力軸26の回転によってクラッチ28の回転数C(回転速度)は変速後の回転数(回転速度)と同期している。これによっても、クラッチ28を伝達状態とする際にクラッチ28の回転数C(回転速度)及びエンジン11の回転数E(エンジン回転速度Re)を変速後の回転数(回転速度)に同期させる時間が不要となり、変速時間を短縮することができる。
【0158】
尚、モード選択に関し、制御装置70は、シフトレバー80がM位置に操作されることに代えて、又は、加えて、運転者によって変速要求スイッチ86(アップシフトパドル86b又はダウンシフトパドル86c)が操作されてアップ信号Su又はダウン信号Sdが取得されることに応じて、自動モードからマニュアルモードに切り替えることも可能である。又、モード選択に関し、制御装置70は、シフトレバー80がM位置からD位置に操作されることに応じて、マニュアルモードから自動モードに切り替えることも可能である。この場合は、二回目以降の変速において、上述した図17と同様の効果が得られる。
【0159】
本発明の実施にあたっては、上記実施形態及び上記変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、種々の変形が可能である。
【0160】
例えば、上記実施形態及び上記変形例においては、モータジェネレータMGを副軸23に設け、モータジェネレータMGが副軸23から出力軸26に対して回生トルク(減速トルク)を伝達するようにした。これに代えて、モータジェネレータMGは、出力軸26に対して回生トルク(減速トルク)を伝達可能なトルク経路上であれば、如何なる場所に設けても良く、例えば、図18〜図20に示すように、第一回転部材24、第二回転部材25及び出力軸26のうちの何れか一つに設けることも可能である。これらの場合においても、上記実施形態及び上記変形例と同様に、モータジェネレータMGは、発生したモータトルクを出力軸26に伝達して車両を走行させることができ、発生した回生トルクを出力軸26に伝達して車両に所定の大きさの減速度を発生させることができる。
【0161】
又、図21に示すように、モータジェネレータMGを第二入力軸22に設けることも可能である。モータジェネレータMGを第二入力軸22に設けた場合、例えば、車両が停止している状態において、エンジン11のエンジントルクを用いて発電することができる。これにより、発電した電力をバッテリに充電しておき、例えば、車両が発進する際に、エンジン11のエンジントルクに加えてモータジェネレータMGが充電した電力を用いてモータトルクを発生させることができる。従って、車両の燃費を向上させることが可能となる。
【0162】
更に、上記実施形態及び上記各変形例においては、第一入力軸21がクラッチ28を介してエンジン11の駆動軸11aに継脱されるように連結され、第二入力軸22がエンジン11の駆動軸11aに直結されるように構成した。これに代えて、図22に示すように、第二入力軸22がクラッチ28を介してエンジン11の駆動軸11aに継脱され、第一入力軸21がエンジン11の駆動軸11aに直結されるように構成することも可能である。この場合、図22に示すように、第二切替機構32は第一入力軸21に設けられ、第一切替機構31は第二入力軸22に設けられる。このように、第二入力軸22及び第一入力軸21の駆動軸11aに対する連結状態を、上記実施形態及び上記各変形例の場合に比べて入れ替えた場合であっても、上記実施形態及び上記各変形例と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0163】
10…車両用動力伝達装置、11…エンジン(駆動源)、11a…駆動軸、12…デファレンシャル、12a…リングギヤ、13…車軸、14…駆動車輪、21…第一入力軸、21a…ギヤ、22…第二入力軸、23…副軸、23a…ギヤ、24…第一回転部材、24a…第一摩擦係合面、25…第二回転部材、25a…第二摩擦係合面、26…出力軸、26a…ギヤ、27…後進アイドラ軸、27a…ギヤ、28…クラッチ、29…ギヤ部材、29a…第一アイドラギヤ、29b…外歯スプライン、30…ギヤ部材、30a…第二アイドラギヤ、30b…外歯スプライン、31…第一切替機構、31a…ハブ、31b…スリーブ、32…第二切替機構、32a…ハブ、32a1…溝、32a2…加速面、32a3…減速面、32b…スリーブ、32b1…インナピン、32b2…摩擦係合面(円錐摩擦係合面)、32c…フォークシャフト、32d…フォーク、41,42,43,44,45,46,47…ドライブギヤ、51,52,53,54,55,56,57…ギヤ部材、51a,52a,53a,54a,55a,56a…ドリブンギヤ、57a…ギヤ、58…パーキングギヤ、61…第一変速機構、62…第二変速機構、63,64,65,66…選択機構、MG…モータジェネレータ、70…制御装置、71…プレシフト制御部、72…クラッチ制御部、73…第一切替機構制御部、74…第二切替機構制御部、75…モータジェネレータ制御部、76…減速制御部、80…シフトレバー、81…シフトポジションセンサ(モード検出部)、82…パーキングスイッチ、83…アクセルペダル操作センサ(加速操作状態検出部)、84…エンジン回転数センサ、85…車両速度センサ、86…変速要求スイッチ(モード検出部)、86a…ステアリングホイール、86b…アップシフトパドル、86bs…アップスイッチ、86c…ダウンシフトパドル、86cs…ダウンスイッチ、87…第一入力軸回転数センサ、88…副軸回転数センサ、A1…クラッチアクチュエータ、A2…第一切替機構アクチュエータ、A3…第二切替機構アクチュエータ、A4…選択機構アクチュエータ、AP…アクセルペダル(加速操作部材)、C…クラッチ回転数、E…回転数(エンジン)、IP1…回転数(第一回転軸)、IP2…回転数(第二回転軸)、I…第一の状態、II…第二の状態、III…第三の状態、IV…第四の状態、V…第五の状態、VI…第六の状態、F…吸い込み力、Pos…シフトポジション、Su…アップ信号、Sd…ダウン信号、T1…第一トルク(クラッチトルク)、T2…第二トルク(エンジン直結トルク)、Te…エンジントルク(トルク)、Tm…回生トルク、TH…アクセル開度、Vs…車両速度

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