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公開番号2019143678
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190829
出願番号2018026689
出願日20180219
発明の名称鋼材搬送用テーブルローラの軸受シール構造、軸受の封止方法、鋼材製造方法及び圧延設備
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人全 4 件を表示,個人,個人
主分類F16C 33/76 20060101AFI20190802BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】鋼材搬送用テーブルローラの継続使用を簡易に延長可能な軸受シール構造、及びそれを使用した鋼材の製造方法を提供する。
【解決手段】軸受シール構造は、鋼材搬送用テーブルローラ2を構成する搬送ロール2Aのジャーナル部4を支承する軸受5Aに給油した潤滑油のロール側への油漏れを封止するための軸受シール構造であって、上記ジャーナル部4の径方向で上記ジャーナル部4と対向する対向面を有するリテーナ20と、上記ジャーナル部4と上記リテーナ20の対向面との間に介装されるグランドパッキン21と、上記グランドパッキン21を押さえるパッキン押さえ治具22と、を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲約 830 文字を表示【請求項1】
鋼材搬送用テーブルローラを構成する搬送ロールのジャーナル部を支承する軸受に給油した潤滑油のロール側への油漏れを封止するための軸受シール構造であって、
上記ジャーナル部の径方向で上記ジャーナル部と対向する対向面を有するリテーナと、
上記ジャーナル部と上記リテーナの対向面との間に介装されるグランドパッキンと、
上記グランドパッキンを押さえるパッキン押さえ治具と、
を備えることを特徴とする鋼材搬送用テーブルローラの軸受シール構造。
【請求項2】
上記パッキン押さえ治具は、周方向で2以上に分割されている分割型であることを特徴とする請求項1に記載した鋼材搬送用テーブルローラの軸受シール構造。
【請求項3】
鋼材搬送用テーブルローラを構成する搬送ロールのジャーナル部を支承する軸受に給油した潤滑油のロール側への油漏れを封止する封止方法であって、
上記油漏れをオイルシールで封止しておき、上記オイルシールでの封止が困難と判定すると請求項1又は請求項2に記載の軸受シール構造を適用することを特徴とする軸受の封止方法。
【請求項4】
鋼材を製造する鋼材製造方法において、
鋼材を鋼材搬送用テーブルローラで搬送しながら圧延を行う圧延設備を有し、
上記鋼材搬送用テーブルローラを構成する搬送ロールのジャーナル部を支承する軸受に給油した潤滑油のロール側への油漏れを封止するために請求項3に記載の軸受の封止方法を用いた鋼材製造方法。
【請求項5】
鋼材を鋼材搬送用テーブルローラで搬送しながら圧延を行う圧延設備であって、
上記鋼材搬送用テーブルローラを構成する搬送ロールのジャーナル部を支承する軸受に給油した潤滑油のロール側への油漏れを封止するための軸受シール構造として、請求項1又は請求項2に記載の軸受シール構造を採用する圧延設備。

発明の詳細な説明約 6,400 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材を製造する装置の技術に関し、特に、圧延設備などで鋼材を搬送する鋼材搬送用テーブルローラを構成する搬送ロールを支承する軸受周りに関する技術である。
【背景技術】
【0002】
鋼材搬送用テーブルローラは、鋼材製造設備において、スラブや鋼板等の鋼材を搬送し、次工程に送る装置である。例えば、厚板粗圧延設備その他の圧延設備で使用される鋼材搬送用テーブルローラでは、軸受の潤滑のために軸受に対しグリースその他の潤滑油が給油され、軸受に供給された潤滑油を封止するためにオイルシールが使用されている(特許文献1を参照)。
ここで、鋼材搬送用テーブルローラにあっては、オイルシールが摩耗したら、ローラを一時的に取り出して、オイルシールの交換を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000−27873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オイルシールによる封止の構造を採用する場合、長年の使用により、軸受が支承するテーブルローラ軸(ジャーナル部)のシール位置で摩耗が発生し、摩耗(溝)が大きくなるほど油漏れが発生する。また、経年による軸受箱の摩耗により、テーブルローラのジャーナル部が傾斜し、シール隙間の発生やシール摺動部の負荷増大による軸摩耗促進のため油漏れが加速する。
リング状のオイルシールを適宜交換して潤滑油の封止を継続するが、シールが接触するジャーナル部の面に所定以上の摩耗が発生した場合、規定のオイルシールでは、油漏れを封止できなくなる。このような大きさの摩耗がジャーナル部のシール面に発生した場合、従来にあっては、ジャーナル部に摩耗が発生した搬送ロールを取り外し、例えばジャーナル部の表面の摩耗部分(溝)について肉盛り補修をすることで、搬送ロールの延命を図っている。しかし、肉盛り溶接は、手間が掛かるという問題がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、鋼材搬送用テーブルローラの継続使用を簡易に延長可能な軸受シール構造、及びそれを使用した鋼材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決するために、本発明の一態様の軸受シール構造は、鋼材搬送用テーブルローラを構成する搬送ロールのジャーナル部を支承する軸受に給油した潤滑油のロール側への油漏れを封止するための軸受シール構造であって、上記ジャーナル部の径方向で上記ジャーナル部と対向する対向面を有するリテーナと、上記ジャーナル部と上記リテーナの対向面との間に介装されるグランドパッキンと、上記グランドパッキンを押さえるパッキン押さえ治具と、を備えることを要旨とする。
また、本発明の一態様である封止方法は、鋼材搬送用テーブルローラを構成する搬送ロールのジャーナル部を支承する軸受に給油した潤滑油のロール側への油漏れを封止する封止方法であって、上記油漏れをオイルシールで封止しておき、上記オイルシールでの封止が困難と判定すると上記の軸受シール構造を適用することを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、鋼材搬送用テーブルローラの継続使用を簡易に延長可能な軸受シール部の封止構造や封止方法を提供することができる。
この結果、本発明の一態様によれば、鋼材搬送用テーブルローラの継続使用を簡易且つ短時間で延長できることで、その鋼材搬送用テーブルローラを採用した鋼材製造設備での、連続稼働率を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明に基づく実施形態に係る圧延設備を説明する概略図である。
オイルシールによる軸受シール構造を説明する概略図である。
グランドパッキンによる軸受シール構造を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、図1に示すような、鋼材としての鋼板1を圧延機10で圧延する圧延設備で使用される鋼材搬送用テーブルローラ2(以下、単にテーブルローラ2とも記載する)を想定して説明する。
【0009】
(構造)
圧延設備では、テーブルローラ2で鋼板1を搬送しながら、その鋼板1を1段若しくは複数段の圧延機10によって順次圧延し、圧延後の鋼板を次工程に搬送する。
テーブルローラ2は、パスラインに沿って並ぶ複数の搬送ロール2Aを備える。
各搬送ロール2Aは、鋼板1と接触する部分であるロール胴部3と、左右に延びるテーブルローラ軸であるジャーナル部4とを有する。ジャーナル部4は、図2又は図3に示すように、軸受装置5の軸受5Aによって回転可能に支承されている。軸受装置5は、軸受5Aと軸受箱5Bを備える。
軸受5Aは、ジャーナル部4と軸受箱5Bの内径面側との間に配置されている。軸受5Aは、例えば、軸受箱5Bに固定された外輪と、ジャーナル部4に固定された内輪と、同心に配置された外輪と内輪との間に介装されるコロ等の転動体とを有する。その軸受5Aには、潤滑のために潤滑油が、不図示の給油孔から常時若しくは定期的に給油(供給)される。
また、軸受箱5Bの搬送ロール2A側の開口がシール装置でシールされて、軸受5Aに供給された潤滑油を封止している。
図2は、シール装置がオイルシール構造の場合を例示し、図3はシール装置がグランドパッキン構造の場合を例示している。
【0010】
<シール装置がオイルシール構造の場合>
オイルシール7によるシール構造は、図2に示すように、リテーナ6とリング状のオイルシール7とを備える。
リテーナ6は、ジャーナル部4の外径側に配置され、円環状の内径面がジャーナル部4と同軸に配置されている。そしてリテーナ6は、軸受箱5Bに対し、ボルト8によって着脱可能に取り付けられている。リテーナ6の内径面には、リング状のシール取付け溝が形成されている。図2では、シール取付け溝が2条の場合が例示されている。各シール取付け溝には、オーリング(Oリング)からなるオイルシール7がそれぞれ取り付けられ、そのオイルシール7の内径側のリップ部がジャーナル部4に当接している。リップ部は、リング状のバネ部品によってジャーナル部4の面に付勢される。すなわち、リップ部は、自身の弾性力とリング状のバネ部品の弾性力とによって、ジャーナル部4の面に対し、設定したシール圧で接触する。
オイルシール7によるシール構造の場合、オイルシール7を交換する場合には、搬送ロール2Aを取り出して、リテーナ6を外してオイルシール7を交換したのち、再度、搬送ロール2Aを、テーブルローラ2のフレームに取り付けて使用する。
【0011】
<シール構造がグランドパッキン構造の場合>
グランドパッキン21によるシール構造は、図3に示すように、リテーナ20とグランドパッキン21とパッキン押さえ治具22とを有する。
リテーナ20は、ジャーナル部4の外径側に配置され、円環状の内径面がジャーナル部4と同軸に配置されている。そしてリテーナ20は、軸受箱5Bに対し、ボルトによって着脱可能に取り付けられている。
そのリテーナ20の内径面とジャーナル部4の面との間の隙間からなるスタッフィングボックスに、軸方向からグランドパッキン21が装入される。スタッフィングボックス内のグランドパッキン21は、ボルト23によって、パッキン押さえ治具22を軸方向に締め付けることで、グランドパッキン21にはジャーナル部4の表面を押しつける力が発生し、その接触圧力で潤滑油の漏れをシールする。
【0012】
グランドパッキン21は、一般に流通しているものを使用すればよい。例えば、グランドパッキンには、例えば、アラミド繊維と人造無機繊維の棍紡糸をPTFEディスパージョンで処理したのち断面角形に編組し、PTFEディスパージョンと潤滑油で柔軟に仕上げたパッキン(バルカーNo8132相当)を使用することができる。柔軟に仕上げられたグランドパッキンを用いると、軸摩耗部(溝)の密着性を高めることができるので好ましい。
【0013】
そして、適宜、ボルト23によってパッキン押さえ治具22による締付け力を調整して、グランドパッキン21からの油漏れを所定以下に抑える。また保守時に閾値以上の油漏れを検知したら、パッキン押さえ治具22を外して、グランドパッキン21を入れ替えて、再度パッキン押さえ治具22で締め付けて使用する。なお、締付け量は、パッキンによる摺動抵抗と油漏れの量とを勘案して決定する。
グランドパッキン21の交換の場合には、パッキン押さえ治具22を軸方向にずらすだけでパッキンの交換ができるので、オイルシール7の交換に比べて、搬送ロール2Aを移動させる必要がなく且つ作業が大掛かりになることなく、簡易且つ短時間で交換を行うことができる。
【0014】
ここで、グランドパッキン21は、リング状(無端環状)の一体物ではなく、棒状(紐状)の形状をしており、それを丸めてリング状にして隙間に装入する。このため、パッキン押さえ治具22を完全に取り外すことなく、パッキングの交換が可能である。また装入したグランドパッキン21は、パッキンを3,4段などの多重の構成にして漏れを防止すると共に、各段での繋ぎ位置が重ならないようにすることで、繋ぎ部からの漏れが抑えられる。
【0015】
パッキン押さえ治具22は、一体物の円環状の部品でも良いが、周方向で2分割や3分割など2以上に分割されている分割型であることが好ましい。例えばパッキン押さえ治具22は2分割の半割とすることが好ましい。この場合、ジャーナル部4とリテーナ20との間にグランドパッキン21を装入し、グランドパッキン用リテーナ20に2分割のパッキン押さえ治具22をボルト23で取付ける。このように、パッキン押さえ治具22が分割型である場合、搬送ロール用ロールを搬送テーブル設備から取り外しをすることなく、また、軸方向への作業スペースが小さくても、より簡易に、グランドパッキン21の交換が可能である。リテーナ20も半割構造としても良いが、周方向全体に同一のシール圧を発生させるには一体物であることが好ましい。
【0016】
(軸受5Aの封止の適用例)
テーブルローラ2の軸受シール構造の適用例を説明する。
初期の状態からグランドパッキン21によるシール構造を適用して、搬送ロール2Aのジャーナル部4を支承する軸受5Aに給油した潤滑油のロール側への油漏れを封止するようにしても良い。
但し、オイルシール7とグランドパッキン21とを比べた場合、オイルシール7の方が、シール性が高く且つ、シール面(接触面積)も小さくて摺動抵抗も小さい。
【0017】
このため、本実施形態の一例では、初期の状態では、オイルシール7によるシール構造(図2参照)を適用し、油漏れが所定以上となったらオイルシール7を交換して、軸受5Aに供給した潤滑油のロール側への油漏れを封止する。
そして、オイルシール7の交換では封止が困難と判定するほど、ジャーナル部4に対しシール接触による摩耗(溝)が形成されたと判定したら、摩耗部分を肉盛り溶接して補修する代わりに、グランドパッキン21によるシール構造に変更する。
【0018】
グランドパッキン21は、オイルシール7に比べてシール幅を大きく取れるため、オイルシール7で対応でないほどの摩耗(溝)がジャーナル部4に形成されていても適用できるし、肉盛り溶接にて対応するよりも短時間でテーブルローラ2の使用継続が可能となる。すなわち、圧延作業の停止時間を短くでき、生産性の低下をその分抑えることが可能となる。
なお、グランドパッキン21によるシールは、オイルシール7によるシールよりもシール性が落ちて若干の油漏れを許容した状態になるが、適宜、パッキン押さえ治具22による締付けを調整することで、油漏れを少なく抑えることができる。
【0019】
ここで、厚板の粗圧延設備で使用されるテーブルローラ2の搬送ロールは、設備の大きさにもよるが200本以上使用されているため、保守時における各搬送ロールの点検が簡易で且つ保守が容易なことが望まれる。
特に、圧延機近傍の搬送ロールについては、オイルシール7を交換しようとすると、鋼板1を圧延機に案内するサイドガイドなどの圧延整備部品も外してロール2Aを取り出して作業を行う必要があり、作業が大掛かりとなる。
【0020】
本実施形態では、できるだけオイルシール7でシール(封止)することを採用することで、ジャーナル部4のシール位置の摩耗が促進し、その溝が幅方向に広がってしまって、オイルシール7の使用が不可能となったら、使用限界に達したロールを継続使用するために、軸摩耗部以上(例えば幅3mm以上)のシール幅をシールするようにしてグランドパッキンを使用する。これよって、溝摩耗が発生し、摩耗が幅方向に拡大してしまった場合でも、グランドパッキン21を使用することにより、油の漏れを止めることができる。
この結果、本実施形態を採用することで、油漏れを抑止し、ローラ取替時間、肉盛溶接費用、油購入費用を低減することが可能となる。
ここで、オイルシール7によるシール構造を10年以上採用することができ、またグランドパッキン21を使用した場合でも、グランドパッキン21の交換間隔を1年以上に設定できることを確認している。
【0021】
なお、オイルシール7によるシール構造について、軸受箱5Bとリテーナ6との間にシムなどを介装させることで、リテーナ6の軸方向位置をずらすことで、オイルシール7によるシール位置を軸方向にずらして、また摩耗していない部分をオイルシール7でシールさせるようにしてもよい。この場合、オイルシール7によるシールの期間を長くすることができる。
また、上記説明では、圧延設備で使用されるテーブルローラ2を例に説明したが、鋼材製造のために鋼材を搬送する箇所で使用されているテーブルローラ2であれば、本実施形態は適用可能である。
【符号の説明】
【0022】
1 鋼板
2 鋼材搬送用テーブルローラ
2A 搬送ロール
4 ジャーナル部
5 軸受装置
5A 軸受
5B 軸受箱
6 リテーナ
7 オイルシール
8 ボルト
10 圧延機
20 グランドパッキン用のリテーナ
21 グランドパッキン
22 パッキン押さえ治具
23 ボルト

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