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公開番号2019142400
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190829
出願番号2018029663
出願日20180222
発明の名称ハイブリッド車両の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人
主分類B60W 10/06 20060101AFI20190802BHJP(車両一般)
要約【課題】触媒の温度上昇を抑制することが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】内燃機関およびモータを動力源とするハイブリッド車両の制御装置であって、前記内燃機関の排気経路には、排気を浄化する触媒が設けられ、前記内燃機関の作動中に、前記内燃機関のアイドル運転時における回転数が目標回転数となるように、前記内燃機関の回転数を制御するためのパラメータの学習を行う学習部と、前記学習部による学習で取得された、前記回転数を目標回転数にするための前記パラメータの補正量が所定値以上の状態が所定時間以上継続した場合、前記内燃機関を停止させる制御部と、を具備するハイブリッド車両の制御装置。
【選択図】図7
特許請求の範囲約 770 文字を表示【請求項1】
内燃機関およびモータを動力源とするハイブリッド車両の制御装置であって、
前記内燃機関の排気経路には、排気を浄化する触媒が設けられ、
前記内燃機関の作動中に、前記内燃機関のアイドル運転時における回転数が目標回転数となるように、前記内燃機関の回転数を制御するためのパラメータの学習を行う学習部と、
前記学習部による学習で取得された、前記回転数を目標回転数にするための前記パラメータの補正量が所定値以上の状態が所定時間以上継続した場合、前記内燃機関を停止させる制御部と、を具備するハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
前記補正量が前記所定値以上の状態が前記所定時間以上継続した場合、前記制御部は、前記内燃機関に停止と運転とを繰り返す間欠運転を実施させる請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
前記補正量が前記所定値以上の状態が前記所定時間以上継続した場合、前記学習部は前記学習を行わない請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記補正量の上限ガード制御の継続時間が前記所定時間以上である場合、前記内燃機関を停止させる請求項1から3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項5】
前記内燃機関の吸気経路にスロットルバルブが設けられ、
前記パラメータは前記スロットルバルブの開度である請求項1から4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項6】
前記内燃機関は、前記排気経路から前記内燃機関の吸気経路に排気ガスを還流させるEGR経路を有する請求項1から5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。

発明の詳細な説明約 11,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明はハイブリッド車両の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の駆動源として、内燃機関(エンジン)およびモータを備えるハイブリッド車両が知られている。ハイブリッド車両においては、エンジンによる駆動、モータによる駆動、およびエンジンとモータとの両方による駆動の各モードを切り替えることができる。こうしたハイブリッド車両では、車両の走行状態などに応じて、エンジンの停止と始動とを繰り返す間欠運転が行われる。
【0003】
また、ハイブリッド車両においてもエンジンの学習制御が行われる。例えば、アイドリング運転時のエンジンの回転数(アイドル回転数)を目標回転数に一致させるISC(アイドルスピードコントロール)制御が行われる。例えばエンジンの運転中にスロットルバルブの開度(スロットル開度)を学習し、得られた値をスロットル開度に反映させるISC学習が行われる(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009−040234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ISC学習はエンジンの動作中に実行されるものであり、エンジンの停止中には実行されない。すなわち、エンジンが停止と再始動とを繰り返す間欠運転中には、ISC学習は行われない。言い換えれば、ISC学習の実行中には、エンジンは間欠運転に移行できず、停止しない。
【0006】
エンジンの燃焼状態の悪化により、ISC学習によっても回転数の制御が困難となる場合がある。この場合、ISC学習が完了しないため、エンジンが間欠運転に移行せず、駆動し続ける。燃焼状態の悪いエンジンが駆動することで、エンジンから未燃ガスが発生する。こうした未燃ガスが排気経路の触媒で燃焼することで、触媒の温度が大きく上昇してしまう。そこで、触媒の温度上昇を抑制することが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、内燃機関およびモータを動力源とするハイブリッド車両の制御装置であって、前記内燃機関の排気経路には、排気を浄化する触媒が設けられ、前記内燃機関の作動中に、前記内燃機関のアイドル運転時における回転数が目標回転数となるように、前記内燃機関の回転数を制御するためのパラメータの学習を行う学習部と、前記学習部による学習で取得された、前記回転数を目標回転数にするための前記パラメータの補正量が所定値以上の状態が所定時間以上継続した場合、前記内燃機関を停止させる制御部と、を具備するハイブリッド車両の制御装置によって達成できる。
【0008】
前記補正量が前記所定値以上の状態が前記所定時間以上継続した場合、前記制御部は前記内燃機関の停止と運転とを繰り返す間欠運転を行ってもよい。
【0009】
前記補正量が前記所定値以上の状態が前記所定時間以上継続した場合、前記学習部は前記学習を行わないとしてもよい。
【0010】
前記制御部は、前記補正量の上限ガード制御の継続時間が前記所定時間以上である場合、前記内燃機関を停止させてもよい。
【0011】
前記内燃機関の吸気経路にスロットルバルブが設けられ、前記パラメータは前記スロットルバルブの開度であってもよい。
【0012】
前記内燃機関は、前記排気経路から前記内燃機関の吸気経路に排気ガスを還流させるEGR経路を有してもよい。
【発明の効果】
【0013】
触媒の温度上昇を抑制することが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1はハイブリッドシステムを例示するブロック図である。
図2はエンジンを例示する模式図である。
図3はECUが実行する制御を例示するフローチャートである。
図4はECUが実行する制御を例示するフローチャートである。
図5はECUが実行する制御を例示するフローチャートである。
図6はECUが実行する制御を例示するフローチャートである。
図7はECUが実行する制御を例示するフローチャートである。
図8(a)および図8(b)は回転数および触媒の温度を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態)
以下、図面を参照して本実施形態の内燃機関の制御装置について説明する。図1はハイブリッドシステム100を例示するブロック図である。ハイブリッドシステム100はハイブリッド車両に搭載され、ECU10、バッテリ12、コンバータ14、インバータ16、モータジェネレータ(MG)18、モータジェネレータ(MG)20、動力分割機構22、減速機24、駆動輪26、およびエンジン30を備える。
【0016】
ECU(Electric Control Unit)10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および記憶装置等を備え、ROMや記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより各種制御を行う。ECU10は、MG18および20の動作状態、バッテリ12の充電および放電、エンジン30の動作状態などを制御する。ECU10は、ISC学習を行う学習部、エンジン30とモータ(MG18、20)との間で動力の配分を制御し、エンジン30を停止させる制御部として機能する。なお、図1ではECU10を例示したが、ハイブリッドシステム100は、例えばエンジン30を制御するエンジンECUと、MG18および20、バッテリ12の充電および放電などを制御するMG_ECUの両方を備えてもよい。
【0017】
エンジン30およびMG20は車両の動力源として機能し、MG20は例えばエンジン30を始動する際にも用いられる。MG18はバッテリ12を充電するための発電機として機能する。
【0018】
動力分割機構22は、エンジン30およびMG20の駆動力を減速機24に伝達する。エンジン30の動力とMG20の動力との分配は、動力分割機構22により任意に変更することができる。動力分割機構22は、例えばサンギヤ、プラネタリキャリア、およびリングギヤを含む遊星歯車から構成される。
【0019】
MG18または20がモータとして機能する際、バッテリ12が放電した直流電力は、コンバータ14により昇圧され、インバータ16により交流電力に変換される。この交流電力がMG18またはMG20に供給される。
【0020】
バッテリ12の充電の際、MG18または20がジェネレータとして機能する。MG18または20が発電した交流電力は、インバータ16により直流電力に変換され、コンバータ14により降圧された後、バッテリ12に供給される。
【0021】
(エンジン)
図2はエンジン30を例示する模式図である。図2に示すように、エンジン30のエンジン本体32の内部に燃焼室33が形成される。エンジン本体32の内部には、ピストン34、コンロッド35、およびクランクシャフト36が配置されている。ピストン34はコンロッド35によりクランクシャフト36に連結されている。エンジン本体32には、回転数センサ37、点火プラグ38および燃料噴射弁39が設けられている。回転数センサ37はエンジン30の回転数を検出する。燃料噴射弁39は燃焼室33に燃料を供給(筒内噴射)する。点火プラグ38は燃焼室33内の混合器に点火する。なお、燃料噴射弁39は吸気経路40に設けられ、ポート噴射を行ってもよい。
【0022】
エンジン本体32には、吸気経路40および排気経路41が接続されている。不図示のカムシャフトが回転することにより、吸気バルブ46および排気バルブ47が開閉する。
【0023】
吸気経路40には、上流側から下流側にかけて、エアクリーナ42、エアフローメータ43、スロットルバルブ44が設けられている。エアクリーナ42は外部から流入する空気から粉塵などを除去する。エアフローメータ43は吸入空気量を取得する。スロットルバルブ44は例えば不図示のアクチュエータなどにより駆動され、吸入空気量を調節する。スロットルバルブ44の開度が大きくなると吸入空気量は多くなり、開度が小さくなると吸入空気量は少なくなる。
【0024】
吸気バルブ46が開くことで、空気は吸気経路40から燃焼室33へと導入される。燃料噴射弁39から噴射された燃料と空気とは混合気を形成し、ピストン34で圧縮され、点火プラグ38は混合気に点火する。点火によりピストン34は燃焼室33内を上下に往復運動し、クランクシャフト36が回転する。燃焼後の排気は排気経路41から排出される。
【0025】
排気経路41には触媒45および空燃比センサ48が設けられている。触媒45は例えば三元触媒であり、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の触媒金属を含み、酸素吸蔵能を有し、NOx、HCおよびCOを浄化する。空燃比センサ48は空燃比を検出する。
【0026】
EGR経路50の一端は排気経路41に接続され、他端は吸気経路40に接続されている。EGR経路50の途中にはEGRバルブ52が設けられている。排気の一部(EGRガス)はEGR経路50を通じて吸気経路40に流入し、再び燃焼室33に導入される。EGRバルブ52の開度が大きくなるとEGRガスの流量は増加し、開度が小さくなるとEGRガスの流量は減少する。EGR経路50には例えばEGRガスを冷却するEGRクーラなどが設けられてもよい。
【0027】
ECU10は、点火プラグ38の点火時期、燃料噴射弁39からの燃料噴射量および噴射時期、スロットルバルブ44およびEGRバルブ52の開度を調節する。ECU10には、回転数センサ37が検出する回転数、エアフローメータ43が検出する吸入空気量、空燃比センサ48が検出する空燃比が入力される。
【0028】
ECU10は、エンジン30のアイドル運転中にISC学習制御を行う。すなわちECU10は、アイドル運転中の回転数を目標回転数に一致させるように、吸気量をフィードバック制御する。具体的には、ECU10は、目標回転数と回転数との差に基づいて目標吸気量を算出する。ECU10は目標吸気量をスロットル開度に換算し、スロットル開度の補正量を取得する。例えば回転数が目標回転数より小さい場合、スロットル開度が大きくなるように補正量が定められる。回転数が目標回転数より大きい場合、スロットル開度が小さくなるように補正量が定められる。ECU10は、補正量を学習値として記憶し、学習値に基づきスロットルバルブ44をフィードバック制御する。後述の総補正量は補正量と学習値との合計に基づく量であり、ECU10が算出する。
【0029】
しかしエンジン30における燃焼状態の悪化により、ISC学習により回転数を目標回転数に制御することが困難となり得る。特にアイドル状態では燃焼室内の負圧が大きいため、EGR経路50からのEGRガスの流量が増大し、燃焼状態がさらに悪化する。この場合、回転数が目標範囲内に制御されず、ISC学習が完了せず、エンジン30が駆動し続ける。燃焼状態の悪いエンジン30が失火することで、エンジン30から未燃ガスが発生する。未燃ガスは燃焼室33から排気経路41に排出され、触媒45付近で燃焼することがある。この結果、触媒45の温度が大きく上昇してしまう。本実施形態ではISC学習の異常に伴う触媒45の温度上昇を抑制する。
【0030】
(制御)
図3から図7はECU10が実行する制御を例示するフローチャートである。図3から図6はISC学習が異常であるか否か判定するISC−OBD(On Board Diagnosis)制御である。図3に示す条件A〜Cについては後述する。ECU10は、条件Aが成立しているか否かを判定する(ステップS10)。否定判定(No)の場合、制御は終了する。肯定判定(Yes)の場合、ECU10は条件Bが成立しているか否か判定する(ステップS12)。否定判定の場合、ECU10は条件Cが成立しているか否かを判定する(ステップS14)。否定判定の場合、制御は終了する。ステップS12およびS14のいずれかにおいて肯定判定の場合、ECU10は、ISC学習が異常であることを示す異常フラグをセットする(ステップS16)。ステップS16の後、制御は終了する。
【0031】
図4は条件Aが成立しているか否かを判定する制御を表す。図4に示すように、ECU10は、回転数と目標回転数との差ΔRを取得し、ΔRが閾値Rth1未満であるか否かを判定する(ステップS20)。肯定判定の場合、ECU10は、ISC学習における補正量が閾値Ath1以上の状態が時間t1以上にわたって継続しているか否かを判定する(ステップS22)。否定判定の場合、ECU10は、補正量の上限ガード制御が時間t2以上にわたって継続しているか否かを判定する(ステップS24)。上限ガード制御とは、補正量を上限ガード値で制限する制御であり、補正量は上限ガード値に達するが上限ガード値を超えない状態となる。ステップS24で否定判定の場合、ECU10は条件Aが不成立であると判定する(ステップS32)。一方、ステップS22またはS24で肯定判定の場合、ECU10は条件Aが成立したと判定する(ステップS34)。
【0032】
ステップS20において否定判定の場合、ECU10は、回転数と目標回転数との差ΔRが閾値Rth2より大きいか否かを判定する(ステップS26)。肯定判定の場合、ECU10は、補正量が閾値Ath2以下の状態が時間t3以上にわたって継続しているか否かを判定する(ステップS28)。否定判定の場合、ECU10は、補正量の下限ガード制御が時間t4以上にわたって継続しているか否かを判定する(ステップS30)。下限ガード制御とは、補正量を下限ガード値で制限する制御であり、補正量は下限ガード値に達するが下限ガード値を下回らない状態となる。ステップS30またはS26で否定判定の場合、ECU10は条件Aが不成立であると判定する(ステップS32)。一方、ステップS28またはS30で肯定判定の場合、ECU10は条件Aが成立していると判定する(ステップS34)。ステップS32またはS34の後、図4の制御は終了する。なお、ECU10は条件Aが成立している回数をカウントする。
【0033】
図5は条件Bが成立しているか否かを判定する制御を表す。図5に示すように、ECU10は総補正量の上限または下限への張り付きが時間t5以上にわたって継続しているか否かを判定する(ステップS40)。張り付きの継続とは、総補正量が上限に等しい状態または下限に等しい状態が継続することである。上限とは例えば上限ガード値でもよいし、他の値でもよい。下限とは例えば下限ガード値でもよいし、他の値でもよい。
【0034】
否定判定の場合、ECU10は、補正量の上限ガード制御が時間t6以上にわたって継続しているか否かを判定する(ステップS42)。否定判定の場合、ECU10は、補正量の下限ガード制御が時間t7以上にわたって継続しているか否かを判定する(ステップS44)。否定判定の場合、ECU10は条件Bが不成立と判定する(ステップS46)。ステップS40、S42およびS44のいずれかにおいて肯定判定の場合、ECU10は条件Bが成立していると判定する(ステップS48)。ステップS46またはS48の後、制御は終了する。
【0035】
図6は条件Cが成立しているか否かを判定する制御を表す。図6に示すように、ECU10は、条件Aが成立した回数が所定の回数Nth以上であるか否かを判定する(ステップS50)。否定判定の場合、ECU10は条件Cが不成立であると判定する(ステップS64)。
【0036】
ステップS50で肯定判定の場合、ECU10は、ISC学習により更新された学習値が所定の値Bth1以上であるか否かを判定する(ステップS52)。否定判定の場合、ECU10は、更新された学習値が所定の値Bth2以下であるか否かを判定する(ステップS54)。否定判定の場合、ECU10は、総補正量が上限に張り付いているか否かを判定する(ステップS56)。否定判定の場合、ECU10は、総補正量が下限に張り付いているか否かを判定する(ステップS58)。
【0037】
否定判定の場合、ECU10は、補正量の上限ガード制御が時間t8以上にわたって継続しているか否かを判定する(ステップS60)。否定判定の場合、ECU10は、補正量の下限ガード制御が時間t9以上にわたって継続しているか否かを判定する(ステップS62)。ステップS62において否定判定の場合、ECU10は条件Cが不成立であると判定する(ステップS64)。一方、ステップS52からS62のいずれかにおいて肯定判定の場合、ECU10は条件Cが成立していると判定する(ステップS66)。ステップS64またはS66の後、制御は終了する。
【0038】
以上の図4〜図6の制御により条件Aが成立し、かつ条件BまたはCが成立していると判定されると、図3に示したように、ECU10は異常フラグをセットする(ステップS16)。その後、ECU10は図7の制御を行う。
【0039】
図7はISC学習を実行するか否かを判定する制御を表す。ECU10は、所定の条件Dが成立しているか否かを判定する(ステップS70)。肯定判定の場合、ECU10は、異常フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS72)。否定判定の場合、ECU10はISC学習フラグをセットする(ステップS74)。このときISC学習が行われる。
【0040】
一方、ステップS70において否定判定またはステップS72において肯定判定の場合、ECU10はISC学習フラグをオフとし(ステップS76)、さらにエンジン30の運転を停止させる(ステップS78)。具体的には、ECU10はエンジン30の運転を継続させず、停止と運転とを繰り返す間欠運転の状態とする。このときISC学習は行われない。また、エンジン30の運転が停止すると、燃焼室33への吸気の流入、燃料噴射および点火も停止する。この結果、燃焼悪化および未燃ガスの発生が抑制される。ステップS74またはS78の後、制御は終了する。
【0041】
図8(a)および図8(b)は回転数および触媒45の温度を示すタイムチャートである。図8(a)はエンジン30が駆動し続ける例、図8(b)は本実施形態によりエンジン30が停止する例である。図8(a)および図8(b)のそれぞれにおいて上段はエンジン30の回転数を示し、下段は触媒45の温度を示す。
【0042】
図8(a)の例では、時間taからtbにかけてエンジン30が間欠運転せず、駆動し続ける。このため未燃ガスが触媒45付近で燃焼し、図8(a)の下段に示すように触媒45の温度がおよそT1からT2まで上昇してしまう。
【0043】
図8(b)の例では、時間tc付近において、ECU10は図7の処理のISC学習フラグのオフおよびエンジン30の停止を行う(ステップS76およびS78)。図8(b)の上段に示すように、エンジン30は運転を継続せず、停止する期間が発生する。言い換えればエンジン30は間欠運転を行う。これにより燃焼室33における燃焼悪化および未燃ガスの発生が抑制され、未燃ガスの触媒45付近での燃焼も抑制される。したがって、図8(b)の下段に示すように触媒45の温度上昇が抑制され、時間tc以降において温度はT1付近で安定する。
【0044】
以上、本実施形態によれば、ECU10はエンジン30を停止させる。これにより燃焼室33へのガスの流入、燃焼悪化、および未燃ガスの発生が抑制され、触媒45において未燃ガスが燃焼することも抑制される。この結果、触媒45の温度上昇が抑制される。
【0045】
燃焼状態が悪化しエンジン30の回転数が目標回転数まで上昇しない場合、ISC学習の補正量が所定値以上に到達し、その状態が長い時間維持される。所定値とは例えば補正量の上限ガード値、または上限ガード値付近の値などである。この結果、補正量および総補正量の上限張り付き、補正量の上限ガード制御の継続、学習値の増大などが発生する(図4のステップS22、S24、図5のステップS40、S42、図6のステップS52、S56、S60)。ECU10は異常フラグをセットし(図3のステップS16)、ISC学習フラグをオフにし、エンジン30を停止させる(図7のステップS76およびS78)。この場合、ISC学習を実施しないため、エンジン30は停止することができる。ECU40はエンジン30を間欠運転に移行させる。この結果、燃焼状態の悪化に伴う触媒45の温度上昇を抑制することができる。
【0046】
また、スロットルバルブ44の凍結および異物の噛み込みなどにより、スロットルバルブ44の開度の制御が困難となることがある。この場合、補正量および総補正量の上限張り付き、補正量の上限ガード制御の継続、学習値の増大などが発生する(図4のステップS28、S30、図5のステップS40、S44、図6のステップS54、S58、S62)。ECU10は異常フラグをセットし(図3のステップS16)、ISC学習フラグをオフにする(図7のステップS76)。これによりISC学習が停止する。
【0047】
EGRガスが燃焼室33に流入すると、燃焼状態がより悪化し、未燃ガスが多く発生する。特にEGRバルブ52への異物の噛み込みなどで、EGRバルブ52の開度が大きくなると、EGRガスの流量が増大し、燃焼状態が大幅に悪化してしまう。本実施形態によれば、ECU10がエンジン30を停止させることで、吸気の流入とともにEGRガスの流入も抑制される。したがって未燃ガスの発生が抑制され、触媒45の温度上昇が抑制される。
【0048】
図7の条件Dとは、例えばハイブリッド車両でISC学習実行の条件として一般的に使用される条件である。例えばエンジン30の始動後であること。ISC学習が完了しておらず、かつISC学習が不要とは判定されていないこと。エンジン30の冷却水温が所定の温度以上であること。ローギヤへの変更から所定時間が経過していること。車速が所定の速度以下であること。燃料の増量係数が所定値未満であること。シフトレバーがPレンジであること、冷間始動時であること、またはISC学習の履歴がないことの3つのうちいずれかであること。吸気量の積算値が所定値以上であることなどである。ECU10は、これらの条件のすべてが成立したときに条件Dが成立したと判定してもよく、一部の条件が成立したときに条件Dが成立したと判定してもよい。また別の条件を用いてもよい。
【0049】
本実施形態では、ISC学習により、ECU10がスロットルバルブ44の開度を制御するとした。パラメータはスロットル開度以外でもよい。例えば吸気経路40にスロットルバルブ44を迂回するバイパス経路を設け、バイパス経路にISCバルブを設けてもよい。ECU10はISCバルブの開度を制御してもよく、本実施形態はISCバルブの開度調整のISC学習にも適用可能である。
【0050】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 ECU
12 バッテリ
14 コンバータ
16 インバータ
18、20 MG
22 動力分割機構
24 減速機
26 駆動輪
30 エンジン
32 エンジン本体
33 燃焼室
34 ピストン
35 コンロッド
36 クランクシャフト
37 回転数センサ
38 点火プラグ
39 燃料噴射弁
40 吸気経路
41 排気経路
42 エアクリーナ
43 エアフローメータ
44 スロットルバルブ
45 触媒
46 吸気バルブ
47 排気バルブ
48 空燃比センサ
50 EGR経路
52 EGRバルブ
100 ハイブリッドシステム

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