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公開番号2019138944
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190822
出願番号2018019308
出願日20180206
発明の名称学習支援システム
出願人株式会社日立製作所
代理人特許業務法人開知国際特許事務所
主分類G09B 7/02 20060101AFI20190726BHJP(教育;暗号方法;表示;広告;シール)
要約【課題】学習者の理解度とやる気の両方に応じた効果的かつ継続的な学習を提供することができる学習支援システムを提供する。
【解決手段】学習者200に提示された問題に対する学習者200の解答状況を示す解答データを蓄積する解答データベース112と、解答データから学習者200の理解度を算出する第1のサブシステム111と、学習者200の状態をセンシングしたセンシングデータを蓄積するセンシング結果データベース122と、センシングデータから学習者200のやる気度を算出する第2のサブシステム121と、第1のサブシステム111で算出された学習者200の理解度と第2のサブシステム121で算出されたやる気度との少なくとも一方に基づいて、問題が蓄積された問題データベース131から学習者200に提供する問題を決定する。
【選択図】 図1
特許請求の範囲約 1,300 文字を表示【請求項1】
学習者に対して問題を提示する学習支援システムにおいて、
前記学習支援システムは、
前記学習者に提示された前記問題に対する前記学習者の解答状況を示す解答データを蓄積する解答データベースと、
前記解答データから前記学習者の理解度を算出する第1のサブシステムと、
前記学習者の状態をセンシングしたセンシングデータを蓄積するセンシング結果データベースと、
前記センシングデータから前記学習者のやる気度を算出する第2のサブシステムと、
前記第1のサブシステムで算出された前記学習者の理解度と前記第2のサブシステムで算出されたやる気度との少なくとも一方に基づいて、問題が蓄積された問題データベースから前記学習者に提供する問題を決定する制御システムと
を備えたことを特徴とする学習支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の学習支援システムにおいて、
前記問題ごとに、理解度およびやる気度の上昇期待値、上昇確率、下降期待値、下降確率の少なくとも1つが設定されていることを特徴とする学習支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の学習支援システムにおいて、
前記理解度の上昇期待値、上昇確率、下降期待値、下降確率の少なくとも1つは、前記学習者の学習履歴、回答履歴、問題の正答率、回答速度の少なくとも1つ以上によって定義されることを特徴とする学習支援システム。
【請求項4】
請求項2に記載の学習支援システムにおいて、
前記やる気度の上昇期待値、上昇確率、下降期待値、下降確率の少なくとも1つは、前記センシングデータの少なくとも1つ以上によって定義されることを特徴とする学習支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の学習支援システムにおいて、
前記センシングデータは、カメラを用いて撮影された前記学習者の画像であることを特徴とする学習支援システム。
【請求項6】
請求項1に記載の学習支援システムにおいて、
前記センシングデータは、前記学習者を発信源とする音声であることを特徴とする学習支援システム。
【請求項7】
請求項1に記載の学習支援システムにおいて、
前記センシングデータは、前記学習者の動きであることを特徴とする学習支援システム。
【請求項8】
請求項1に記載の学習支援システムにおいて、
前記センシングデータは、前記学習者の動作によって得られる電気的信号であることを特徴とする学習支援システム。
【請求項9】
請求項1に記載の学習支援システムにおいて、
前記制御システムは、前記解答データベースに蓄積された解答データ及び前記センシング結果データベースに蓄積されたセンシングデータを機械学習や深層学習などの人工知能技術を用いて分析した結果に基づいて、前記問題データベースから前記学習者に提供する問題を決定することを特徴とする学習支援システム。

発明の詳細な説明約 11,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
学習の際に、教育者あるいは学習提供者(以下、まとめて単に学習提供者と称する)が提供する学習は、学習者個人の理解度に一致した物であることが望ましいが、一般的には、学習者一人一人の理解度に一致した学習を提供することは難しい。
【0003】
そこで、学習者のスキルレベルに応じた問題を提供することを目的として、例えば、特許文献1には、プロセッサ及びメモリを備える計算機によって構成される学習支援システムであって、解答者に出題される問題が格納される問題データベース、及び、解答者に出題された問題の解答の結果が記録される学習履歴データベースを備え、単語を変化させる摂動によって変化した単語に関する問題を生成し、問題データベースに格納する問題生成部と、前記問題データベースから抽出した問題を解答者に出題する問題提示部と、前記出題した問題の解答を受け付ける解答取得部と、前記回答データベースを参照して解答の正誤を判定する採点部と、前記判定の結果を前記学習履歴データベースに格納する習熟度推定部と、を備え、前記習熟度推定部は、正解した問題の摂動の種類の数と所定の第2の閾値とを比較し、前記問題生成部は、前記正解した問題の摂動の種類の数が前記第2の閾値より小さい場合、種類が異なる摂動によって変化した単語を生成し、該生成された単語に関する問題を問題候補とする学習支援システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013−44770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、学習の際に学習提供者が提供する学習は、学習者の理解度を高めたり維持したりするために学習の継続性を考慮し、学習者個人のやる気も理解度と同様に考慮した物であることが望ましい。
【0006】
しかしながら、学習者の理解度、やる気等を学習提供者が把握するのは容易ではなく、また、コスト、手間、学習提供者の質や量などを考慮すると、学習者一人一人の理解度、やる気等に一致した学習を提供することは困難である。したがって、学習者のやる気を維持、向上することによって継続的な学習を学習者に行わせる効果的な学習を提供できないという課題があった。
【0007】
本願は上記に鑑みてなされたものであり、学習者の理解度とやる気の両方に応じた効果的かつ継続的な学習を提供することができる学習支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、学習者に対して学習内容を提示する学習支援システムにおいて、前記学習支援システムは、前記学習者に提示された前記問題に対する前記学習者の解答状況を示す解答データを蓄積する解答データベースと、前記解答データから前記学習者の理解度を算出する第1のサブシステムと、前記学習者の状態をセンシングしたセンシングデータを蓄積するセンシング結果データベースと、前記センシングデータから前記学習者のやる気度を算出する第2のサブシステムと、前記第1のサブシステムで算出された前記学習者の理解度と前記第2のサブシステムで算出されたやる気度との少なくとも一方に基づいて、問題が蓄積された問題データベースから前記学習者に提供する問題を決定する制御システムとを備えたものとする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、学習者の理解度とやる気の両方に応じた効果的かつ継続的な学習を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1の実施の形態に係る学習支援システムの全体構成を概略的に示す機能ブロック図である。
学習支援処理を示すフローチャートである。
制御システムによる問題の決定方法について示す図である。
学習者の理解度ややる気度に応じた問題の提示方針の一例を示す図である。
学習者の理解度ややる気度に応じた問題の提示方針の一例を示す図である。
学習者の理解度ややる気度に応じた問題の提示方針の一例を示す図である。
第2の実施の形態に係る学習支援システムの全体構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0012】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図6を参照しつつ説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る学習支援システムの全体構成を概略的に示す機能ブロック図である。また、図2は、学習支援処理を示すフローチャートである。
【0014】
図1において、学習支援システム100は、学習支援の対象である学習者200に出題するための複数の問題(すなわち、出題候補の問題であり、正答の情報を含む)を蓄積し記憶する問題データベース131と、学習者200への問題の提供および学習者200による解答の入力を行うための学習ユーザインタフェース300と、学習者200が学習ユーザインタフェース300に入力した解答に係る情報(解答データ)を蓄積し記憶する解答データベース112と、解答データベース112に記憶された解答データに基づいて学習者200の理解度を算出する第1のサブシステム111と、学習者200の状態や行動に係る情報(以降、センシングデータと称する)を収集するセンシング装置151と、センシング装置151で収集された学習者200のセンシングデータを蓄積し記憶するセンシング結果データベース122と、センシング結果データベース122に記憶されたセンシング結果に基づいて学習者200のやる気の度合い(やる気度)を算出する第2のサブシステム121と、第1のサブシステム111で算出された理解度と第2のサブシステム121で算出されたやる気度とに基づいて、学習者200に提供する問題を問題データベース131の問題から決定するとともに、学習支援システム100全体の動作を制御する制御システム140とから概略構成されている。
【0015】
図2において、学習支援システム100の制御システム140は、まず、学習ユーザインタフェース300、又は、センシング装置151を介して学習者200を特定するための情報(学習者情報)を取得し(ステップS100)、取得した学習者情報をもとに得られる理解度ややる気度などに基づいて学習者200に提供する問題を決定し、学習ユーザインタフェース300を介して学習者200に提供する(ステップS110)。なお、制御システム140は、学習者情報に基づいて、当該学習者における過去の問題の提供状況や理解度、やる気度に関する情報などを所定のデータベースから取得することができる。
【0016】
学習ユーザインタフェース300は、学習者200の学習端末であって、例えば、タッチパネル式の画面を有するタブレット型の端末のほか、デスクトップ型やラップトップ型のパーソナルコンピュータ、携帯電話型の端末であっても良い。学習ユーザインタフェース300は、問題の表示や音声等によって学習者200に提供する機能とともに、学習者200が問題に対する解答を入力する入力機能を有しており、必要に応じて、学習者200により入力された解答の正誤や解法等を表示する。
【0017】
解答データベース112は、学習ユーザインタフェース300による学習過程において、学習者200がある問題に取り組み、解答した際には、その問題に対する正誤、解答速度、解答日時、問題の解答履歴等を解答データとして蓄積し記憶する。
【0018】
続いて、第1のサブシステム111は、解答データベース112に蓄積された解答データを取得し(ステップS120)、取得した解答データに基づいて、学習者200の現在の理解度を算出する(ステップS130)。
【0019】
ここで、理解度について説明する。本実施の形態における理解度は、例えば、問題ごと、問題が属するジャンルごと、あるいは問題が有する要素ごとに設定されている。例えば、学習者200に出題される問題として「3+8」という算数の問題を考える場合、問題のジャンルとしては「初等教育」、「小学1年」、「算数」、「足し算」といったジャンルごとに理解度を設定しても良いし、「繰り上がりのある足し算」といった要素ごとに理解度を設定しても良い。
【0020】
理解度の算出方法としては、例えば、解答データベース112に蓄積された解答データから、その問題の正誤に関する情報を抽出し、正解である場合には、その問題、問題のジャンル、要素等に設定された理解度を規定の値だけ上昇させることが考えられる。また、問題ごとに期待される解答速度を予め規定し、その問題の回答速度が規定値よりも早い場合には、その問題、問題のジャンル、要素等に設定された理解度を規定の値だけ上昇させることも考えられる。すなわち、この場合の理解度は、正答率や解答速度を変数とした関数で表されており、これら変数の増加に伴って理解度が上昇するように定義されている。
【0021】
なお、理解度の算出方法は上記のものに限定されるものではなく、理解度の算出方法は算出方法の規定者が適宜規定することができる。また、本実施の形態では、学習提供者が理解度の算出方法を規定する場合を例示しているが、理解度の算出方法の規定者を限定するものではなく、例えば、学習者200が属する教育機関や組織に属する者が決定しても良いし、学習者200本人や、学習者200が未成年者の場合には学習者200の保護者が規定するように構成しても良い。
【0022】
また、本実施の形態においては、学習者200が初等教育における算数を学習する場合を例示しているが、学習内容を限定するものではない。すなわち、学習内容は就学前教育や中等教育、高等教育などでもよいし、職業に関連する教育や企業内における教育、官公庁における教育、家庭内での教育など、種々の形態の教育が考えられる。
【0023】
センシング装置151は、センシングデータとして、例えば、学習者200の表情、音声、動き、体温、脈拍、発汗、脳波、学習者200による端末(学習ユーザインタフェース300)の操作に伴う操作用のペンの動きなどの状態や、端末をタップする、画面をクリックする、といった、学習者200の動作などを電気的信号として取得する。
【0024】
センシング結果データベース122は、センシング装置151で収集された学習者200のセンシングデータを蓄積し記憶する。
【0025】
なお、本実施の形態においては、センシング装置151を有することに限定するものではない。すなわち、センシング装置151の機能の一部又は全部を代替する別装置におけるセンシングにより取得したセンシングデータをセンシング結果データベース122に蓄積する構成であっても良い。
【0026】
また、本実施の形態は、センシングデータを取得する手段を限定するものではない。例えば、学習者200の表情や音声は、カメラやマイクによって取得することができる。学習者200の動きは、学習者200が所持あるいは着用するものに組み込まれたセンサーから取得することができる。これは、例えば、名札型センサー、メガネ型センサー、帽子型センサー、腕時計型センサー、衣類に組み込まれたセンサー、学習者200の皮膚に付着したセンサー、などが含まれる。また、体温、脈拍、発汗等においても、学習端末(学習ユーザインタフェース300)、ペン、その他の付属品に組み込まれたセンサーによって取得することができる。学習者200が操作するペンや端末の動きに関しても、ペンや端末に組み込まれたセンサーによって取得することができる。
【0027】
また、学習者200の動作によって得られる電気的信号に関しては、例えば、学習端末(学習ユーザインタフェース300)あるいは学習端末の画面上に「楽しい」、「面白い」、「つまらない」、「眠い」、「簡単」、「難しい」などといったやる気の度合い(やる気度)を推測できるボタンを配置、あるいは表示し、それらを押下、タップ、あるいはクリックすることによって得られる情報であっても良い。
【0028】
続いて、第2のサブシステム121は、センシング結果データベース122に蓄積されたセンシングデータを取得し(ステップS140)、取得したセンシングデータに基づいて、学習者200の現在のやる気度を算出する(ステップS150)。
【0029】
ここで、やる気度について説明する。本実施の形態におけるやる気度は、例えば、それを設定した日時におけるやる気度、その問題ごとのやる気度、その問題が属するジャンルごとのやる気度、あるいはその問題が有する要素ごとのやる気度、の少なくとも1つとして設定されている。
【0030】
また、センシング結果データベース122に蓄積されたセンシングデータから、やる気度を算出する方法に関して、本実施の形態では、学習提供者が規定する場合を例示して説明しているが、これに限定されるものではなく、また算出方法の規定者を限定するものでもない。センシング結果データベース122に蓄積されるデータから、やる気度を算出する方法に関して、例を挙げると、カメラによって学習者200の表情を撮影し、口元の形状、目の形状から、「嬉しそうな表情」、「笑っている」と判断できる場合には、学習者が取り組んでいる問題、ジャンル、要素の少なくとも1つに対してやる気度が上昇するように規定できる。また、上述したセンサーによって学習者200の動きをセンシングし、学習者200の動きが緩慢になっており、また脈拍も低下している場合には、やる気度は低下していると規定することができる。
【0031】
続いて、制御システム140は、学習者200によって学習の終了が選択されたかどうかを判定し(ステップS160)、判定結果がNOの場合、すなわち、学習を継続する場合には、第1のサブシステム111で算出された理解度と第2のサブシステム121で算出されたやる気度とに基づいて、学習ユーザインタフェース300を介して学習者200に提供する問題を問題データベース131の問題から決定し、学習ユーザインタフェース300に送り、学習者200の理解度ややる気度の更新を繰り返す(ステップS110〜S160)。また、ステップS160での判定結果がYESの場合には、処理を終了する。
【0032】
図3は、制御システムによる問題の決定方法について示す図である。図3では、縦軸に学習者の理解度、横軸に学習者のやる気度を示している。
【0033】
本実施の形態に係る学習支援システム100は、最終的には学習者200の理解度とやる気度の双方を高めることを目指す。したがって、制御システム140は、図3に示すように、その過程において、学習者200の理解度とやる気度の少なくとも一方が向上するように、学習者200に次に提示する問題を選択する。その際、上述したような学習者200の理解度およびやる気度に基づき、それらの上昇期待値、上昇確率、下降期待値、下降確率などを用いて、効果的に理解度とやる気度の少なくとも一方が向上するように問題を選択する。
【0034】
理解度およびやる気度の少なくとも一方の上昇期待値や下降期待値(或いは、上昇確率や下降確率)は、問題データベース131に記憶されている問題のそれぞれについて予め設定しておいても良い。
【0035】
各問題における理解度ややる気度の上昇期待値や下降期待値(上昇確率や下降確率)の設定には種々の方法が考えられるが、例えば、条件付きの期待値や確率を設定することが考えられる。すなわち、各問題を単体で実施した状態での期待値や確率を設定するのみではなく、例えば、ある問題Aを実施した状態を条件とした場合の問題Bにおける期待値や確率、ある要素Cを習得した状態を条件とした場合の問題Bにおける期待値や確率、理解度がある値以上である状態を条件とした場合の問題Bにおける期待値や確率、或いは、やる気度がある値以下である状態を条件とした場合の問題Bにおける期待値や確率、などを設定することが考えられる。
【0036】
なお、これらの、理解度およびやる気度に関する上昇期待値、上昇確率、下降期待値、下降確率は、上記解答データや上記センシングデータから計算され、それらデータが追加、変更されるごとに更新されるものであっても良いが、必ずしもそうでなくても良い。例えば、学習提供者(問題提示者)が、システム構築時に設定しておいても良い。この場合、例えば簡単な問題は理解度上昇期待値が高い、人気のある問題や面白い問題はやる気度上昇期待値が高い、といった設定を行うことが考えられる。
【0037】
以上のように構成した本実施の形態における作用効果を説明する。
【0038】
図4〜図6は、学習者の理解度ややる気度に応じた問題の提示方針の例をそれぞれ示す図である。
【0039】
例えば、図4に示すように、ある学習者Jの理解度ややる気度がともに低い状態(例えば、理解度については予め定めた閾値を下回っている状態)で遷移している場合には、理解度が上昇するように問題を提示する。この場合、理解度に予め閾値を設けることで、この閾値を下回っている状態の場合、理解度を優先的に向上させる問題を提示する。これは、例えば教育の方針として、まず理解度を上昇させることが重要であると考える場合に有効である。具体的には、理解度の上昇期待値が高い問題を提示すればよい。あるいは、理解度の上昇期待値に依らず、簡単な問題、正答率が高い問題、既に学んだ要素のみが含まれる問題など、すなわち、理解度のほかにやる気度の上昇期待値が比較的高いと予想されるものを提示しても良い。
【0040】
また、図5に示すように、ある学習者Kのやる気度が急激に低下している場合には、やる気度を向上させるように問題を提示する。具体的には、やる気度の上昇期待値が高い問題を提示すればよい。あるいは、やる気度の上昇期待値に依らず、面白い問題、人気のある問題、簡単な問題、少し難しい問題、などを提示しても良い。
【0041】
また、図6に示すように、ある学習者Lと学習者Mの理解度およびやる気度を向上させるために、学習者Lと学習者Mとで2通りの異なる問題の提示方法を用いても良い。学習者Lについては「理解度優先モード」(すなわち、学習者200の理解度をやる気度に対して優先的に向上させることを目的とするモード)を適用した場合、学習者Mについては「やる気度優先モード」(すなわち、学習者200のやる気度を理解度に対して優先的に向上させることを目的とするモード)を適用した場合をそれぞれ示している。
【0042】
どちらのモードとなるかは、学習者200の特性によって決定されている。学習者200の特性とは、例えば「慎重な方法を好む」、「刺激のある方法を好む」、「好奇心が強い」、「積極的である」、「消極的である」、「ある分野を苦手とする」といった学習者ごとに異なる性格や状態を示す。学習者200の特性は、学習を開始する際に簡単なアンケートに回答することによって決定しても良いし、学習の過程で得られる解答データあるいはセンシングデータから規定しても良い。その際、この特性は、同じ学習者であっても、時間や場所によって異なる特性を有していても良い。一例を挙げると、ある日時において、「消極的である」、「ある分野を苦手とする」という特性を有していた学習者は,学習を進めるにしたがって「積極的である」という特性に変化する可能性がある。本実施の形態では、これらの特性に応じて、理解度とやる気度が効果的に向上するように、学習者200に提示する問題が決定される。例えば、「慎重な方法を好む」学習者200に対しては、理解度優先モードとすることによって、まずは理解度を向上させ、学習に対する安心感を与えた後にやる気度を向上させることが期待される問題を提示する。一方で、「好奇心が強い」学習者200に対しては、やる気度優先モードとすることによって、まず興味を引く問題を提示することでやる気度を向上させ、その後、理解度の向上が期待される問題を提示する。なお、本実施の形態では、どのような学習モードになるかは学習者200の特性で決定される場合を例示したがこれに限られず、例えば、学習提供者、学習者200が属する教育機関や組織の者、学習者200自身、学習者200が未成年の場合には学習者200の保護者などが学習モードを決定しても良い。
【0043】
このように、学習の際に学習提供者が提供する学習は、学習者の理解度を高めたり維持したりするために学習の継続性を考慮し、学習者個人のやる気も理解度と同様に考慮した物であることが望ましい。しかしながら、学習者の理解度、やる気等を学習提供者が把握するのは容易ではなく、また、コスト、手間、学習提供者の質や量などを考慮すると、学習者一人一人の理解度、やる気等に一致した学習を提供することは困難である。したがって、学習者のやる気を維持、向上することによって継続的な学習を学習者に行わせる効果的な学習を提供することは困難であった。
【0044】
これに対して本実施の形態においては、第1のサブシステム111で算出された学習者200の理解度と第2のサブシステム121で算出されたやる気度とに基づいて、問題データベース131から学習者200に提供する問題を決定するように構成したので、学習者200の理解度とやる気の両方に応じた効果的かつ継続的な学習を提供することができる。
【0045】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を図7を参照しつつ説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態との相違点についてのみ説明するものとし、本実施の形態で用いる図面において第1の実施の形態と同様の部材には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0046】
本実施の形態は、異なる2人の学習者がそれぞれ異なる学習支援システムを用いる場合の構成例を示すものである。
【0047】
図7は、本実施の形態に係る学習支援システムの全体構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【0048】
図7において、学習者200Sと学習者200Tは、それぞれ学習支援システム100Sおよび学習支援システム100Tを用いている。それぞれの学習支援システム100S、100T構成は、第1の実施の形態と同様であるが、問題データベース131Cを学習者200Sと学習者200Tで共有している点が異なっている。学習者200Sおよび学習者200Tは、インターネットで接続されたタブレット型の学習端末(学習ユーザインタフェース300S,300T)で学習しており、問題データベース131Cは、それらとは別の場所にある記憶装置内にあり、インターネットを介して学習者200Sおよび学習者200Tの学習端末と接続している。
【0049】
ただし、本実施の形態では、学習端末と問題データベース131Cはインターネットを経由して接続しているとしたが、その接続形態を限定するものではなく、例えば、組織内のネットワークや情報を転送できるケーブルなどによって直接接続されていても良い。また、本実施の形態では、学習端末はタブレット型である場合を例示したが、学習端末の形態を限定するものではなく、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、ラップトップ型のパーソナルコンピュータ、携帯電話型の端末であっても良い。
【0050】
本実施の形態においては、例えば、問題Xが学習者200Sに提示された場合、学習者200Sの解答データXsaは解答データベース112Sに蓄積され、センシング装置151Sでセンシングされた学習者200SのセンシングデータXssはセンシング結果データベース122Sに蓄積される。それらは、第1のサブシステム111Sおよび第2のサブシステム121Sにより、解答結果Xsa1、理解度変動Xsa2、センシング結果Xss1、やる気度変動Xss2に変換され、問題データベース131Cに転送される。問題データベース131Cにおいては、これらの情報を用いて、問題X、問題Xが属するジャンル、問題Xが有する要素のうち、少なくとの1つ以上に関する、理解度あるいはやる気度の上昇期待値、上昇確率、下降期待値、下降確率が計算されて蓄積される。なお、この際、期待値や確率は第1の実施の形態で示したように条件付きの期待値や確率であっても良い。
【0051】
次に、学習者200Tが学習をする際には、学習者200Sが解答した情報を用いて構築、増強された問題データベース131Cを用いて、学習者200Tに提示する問題が決定される。この際、学習者200Tのそれまでの解答データ、理解度、センシングデータ、やる気度を参照し、効果的に理解度とやる気度の少なくとも一方を向上させるように問題が決定される。その結果、学習者200Tにとって問題Xが適切であると判断された場合には、学習者200Tに問題Xが提示される。
【0052】
すなわち、本実施の形態においては、2人以上の学習者が、問題データベースを共有し、解答結果、理解度変動、センシング結果、やる気度変動の少なくとも1つ以上が、問題データベースにフィードバックされ、情報量が増大する。このようにして増強された問題データベースを用いて、次の学習者に問題を提示する。このプロセスは繰り返され、問題データベースは増強され、学習者に対して適切な問題を提示できる確度が向上する。特に、提示する問題を決定する際には、問題データベース131Cに蓄積されているデータから、機械学習や深層学習に代表される人工知能技術を用いて適切と思われる問題を決定しても良い。
【0053】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0054】
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
<付記>
なお、本発明は上記した各実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本願発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0056】
100,100S,100T…学習支援システム、111,111S…第1のサブシステム、112,112S…解答データベース、121,121S…第2のサブシステム、122,122S…センシング結果データベース、131,131C…問題データベース、140…制御システム、151,151S…センシング装置、200,200S,200T…学習者、300,300S,300T…学習ユーザインタフェース

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細胞質交換装置
株式会社日立製作所
インバータ装置