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公開番号2019138508
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190822
出願番号2018020650
出願日20180208
発明の名称冷蔵庫
出願人日立グローバルライフソリューションズ株式会社
代理人個人
主分類F25D 23/06 20060101AFI20190726BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】壁厚を小さくしても、箱体強度を低下させずに断熱性能を維持した冷蔵庫を提供する。
【解決手段】外箱21と内箱22との間に、真空断熱材50と発泡断熱材23が配置された断熱壁を有し、真空断熱材50は、繊維集合体から成るグラスウールの芯材51と、ガスを吸着する吸着剤と、芯材51を収納する外被材52と、を備えた冷蔵庫であって、断熱壁における、真空断熱材50と発泡断熱材23の断熱厚61方向の占有比率が、発泡断熱材23よりも真空断熱材50の方が大きい領域を有し、真空断熱材50の曲げ応力を0.75MPa以上とした。
【選択図】図5
特許請求の範囲約 670 文字を表示【請求項1】
外箱と内箱との間に、真空断熱材と発泡断熱材が配置された断熱壁を有し、
前記真空断熱材は、繊維集合体から成るグラスウールの芯材と、ガスを吸着する吸着剤と、前記芯材を収納する外被材と、を備えた冷蔵庫であって、
前記断熱壁における、前記真空断熱材と前記発泡断熱材の断熱厚方向の占有比率が、前記発泡断熱材よりも真空断熱材の方が大きい領域を有し、
前記真空断熱材の曲げ応力が0.75MPa以上であることを特徴とした冷蔵庫。
【請求項2】
外箱と内箱との間に、真空断熱材と発泡断熱材が配置された断熱壁を有し、
前記真空断熱材は、繊維集合体から成るグラスウールの芯材と、ガスを吸着する吸着剤と、前記芯材を収納する外被材と、を備えた冷蔵庫であって、
前記断熱壁における、前記真空断熱材と前記発泡断熱材の合計厚みが30mm以下であり、
前記真空断熱材の表面硬度が75以上であることを特徴とした冷蔵庫。
【請求項3】
請求項1または2に記載の冷蔵庫において、
前記芯材は、バインダを含まない無機繊維の集合体から成り、前記無機繊維が加熱成形されていることを特徴とした冷蔵庫。
【請求項4】
請求項1に記載の冷蔵庫において、
冷蔵温度帯室の側面あるいは背面は、前記真空断熱材の占有比率が前記発泡断熱材よりも大きく、
冷凍温度帯室の側面あるいは背面は、前記発泡断熱材の占有比率が前記真空断熱材よりも大きいことを特徴とした冷蔵庫。

発明の詳細な説明約 9,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化防止に対する社会の取り組みとして、CO

の排出抑制を図るため、様々な分野で省エネ化が推進され、冷蔵庫においては、消費電力量の小さくするために、高断熱性能の真空断熱材を有したものが主流となっている。また、冷蔵庫に求められる機能としては、消費電力量だけでなく、少スペースかつ内容積の大きいものがニーズとなっていることから、冷蔵庫の壁厚を小さくし外形寸法を維持したままで内容積を拡大する手法がとられている。そのため、高断熱性能の真空断熱材の充填率を増やし、ウレタンフォームの比率を少なくし、ウレタンフォームの曲げ弾性率を15MPa以上とするものが提案されている(特許文献1)。また、断熱厚の一部に真空断熱材を設けず、ウレタンフォームのみの部分を設けることで、箱体強度を維持するものも提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6192634号公報
【0004】
特許第5985273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来技術においては、ウレタンフォームと真空断熱材の各断熱材単体の曲げ弾性率しか考慮がされていない。実際の箱体においては、ウレタンフォームと真空断熱材とを組み合わせた状態となるため、各断熱材単体の曲げ弾性率を高めたとしても、断熱壁全体としての強度もそのまま対応して高くなるとは限らない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、壁厚を小さくしても、箱体強度を低下させずに断熱性能を維持した冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明は、外箱と内箱との間に、真空断熱材と発泡断熱材が配置された断熱壁を有し、前記真空断熱材は、繊維集合体から成るグラスウールの芯材と、ガスを吸着する吸着剤と、前記芯材を収納する外被材と、を備えた冷蔵庫であって、前記断熱壁における、前記真空断熱材と前記発泡断熱材の断熱厚方向の占有比率が、前記発泡断熱材よりも真空断熱材の方が大きい領域を有し、前記真空断熱材の曲げ応力を0.75MPa以上とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、壁厚が小さくても、断熱性能が高く、強度の高い箱体の冷蔵庫を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施例に係る冷蔵庫の正面図
本発明の実施例に係る冷蔵庫の縦断面図(図1のA−A断面図)
本発明の実施例に係る真空断熱材の概略断面図
本発明の実施例に係る断熱壁の概略断面図(図2のC−C断面図)
本発明の実施例に係る断熱壁の概略断面図(図2のB−B断面図)
真空断熱材の表面硬度と曲げ応力の関係を示すグラフ
真空断熱材の曲げ応力と、断熱材全体としての曲げ最大応力との関係を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について説明する。図1は、本実施例を示す冷蔵庫の正面図であり、図2は、図1のA−A断面図を示している。
【0011】
本実施例の冷蔵庫1は、図2に示すように、上から冷蔵室2、貯氷室3(と切替え室)、冷凍室4、野菜室5を有している。また、各室の前面には、図1に示すように、開口部を閉塞する扉を有しており、上からヒンジ10等を中心に回動する冷蔵室扉6a、6b、冷蔵室扉6a、6b以外は全て引き出し式の扉であり、貯氷室扉7aと上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9が配置されている。これらの引き出し式扉6〜9は扉を引き出すと、各室を構成する容器が扉と共に引き出されてくる。各扉6〜9には冷蔵庫本体1と密閉するためのパッキン11を備え、各扉6〜9の室内側外周縁に取り付けられている。
【0012】
また、冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3bとの間を区画断熱するために仕切断熱壁12を配置している。この仕切断熱壁12は厚さ30〜50mm程度の断熱壁で、スチロフォーム、発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等、それぞれを単独使用又は複数の断熱材を組み合わせて作られている。製氷室3a及び上段冷凍室3bと下段冷凍室4の間は、温度帯が同じであるため区画断熱する仕切り断熱壁ではなく、パッキン11受面を形成した仕切り部材13を設けている。下段冷凍室4と野菜室5の間には区画断熱するための仕切断熱壁14を設けており、仕切断熱壁12と同様に30〜50mm程度の断熱壁で、これまたスチロフォーム、或いは発泡断熱材(硬質ウレタンフォーム)、真空断熱材等で作られている。基本的に冷蔵、冷凍等の貯蔵温度帯の異なる部屋の仕切りには仕切断熱壁を設置している。
【0013】
なお、箱体20内には上から冷蔵室2、製氷室3a及び上段冷凍室3b、下段冷凍室4、野菜室5の貯蔵室をそれぞれ区画形成しているが、各貯蔵室の配置については特にこれに限定するものではない。また、冷蔵室扉6a、6b、製氷室扉7a、上段冷凍室扉7b、下段冷凍室扉8、野菜室扉9に関しても回転による開閉、引き出しによる開閉及び扉の分割数等、特に限定するものではない。
【0014】
箱体20は、外箱21と内箱22とを備え、外箱21と内箱22とによって形成される空間に断熱部を設けて箱体20内の各貯蔵室と外部とを断熱している。この外箱21と内箱22の間の空間に真空断熱材50を配置し、真空断熱材50以外の空間には硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填してある。
【0015】
また、冷蔵庫の冷蔵室2、冷凍室3a、4、野菜室5等の各室を所定の温度に冷却するために冷凍室3a、4の背側には冷却器28が備えられており、この冷却器28と圧縮機30と凝縮機30a、図示しないキャピラリーチューブとを接続し、冷凍サイクルを構成している。冷却器28の上方にはこの冷却器28にて冷却された冷気を冷蔵庫内に循環して所定の低温温度を保持する送風機27が配設されている。
【0016】
また、冷蔵庫の冷蔵室2と製氷室3a及び上段冷凍室3b、冷凍室4と野菜室5を区画する断熱材として、それぞれ断熱仕切り12、14を配置し、発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cで構成されている。この断熱仕切り12、14については硬質ウレタンフォーム等の発泡断熱材23を充填しても良く、特に発泡ポリスチレン33と真空断熱材50cに限定するものではない。
【0017】
また、箱体20の天面後方部には冷蔵庫1の運転を制御するための基板や電源基板等の電気部品41を収納するための凹部40が形成されており、電気部品41を覆うカバー42が設けられている。カバー42の高さは外観意匠性と内容積確保を考慮して、外箱21の天面とほぼ同じ高さになるように配置している。特に限定するものではないが、カバー42の高さが外箱の天面よりも突き出る場合は10mm以内の範囲に収めることが望ましい。これに伴って、凹部40は発泡断熱材23側に電気部品41を収納する空間だけ窪んだ状態で配置されるため、断熱厚さを確保するため必然的に内容積が犠牲になってしまう。内容積をより大きくとると凹部40と内箱22間の発泡断熱材23の厚さが薄くなってしまう。このため、凹部40の発泡断熱材23中に真空断熱材50aを配置して断熱性能を確保、強化している。本実施例では、真空断熱材50aを前述の庫内灯45のケース45aと電気部品41に跨るように略Z形状に成形した1枚の真空断熱材50aとしている。なお、カバー42は外部からのもらい火や何らかの原因で発火した場合等を考慮し鋼板製としている。
【0018】
また、箱体20の背面下部に配置された圧縮機30や凝縮機31は発熱の大きい部品であるため、庫内への熱侵入を防止するため、内箱22側への投影面に真空断熱材50dを配置している。
【0019】
ここで、真空断熱材50について、図3を用いてその構成を説明する。真空断熱材50は、芯材51と、芯材51を被覆するガスバリヤ層を有する外被材52と、を有している。外被材52は、真空断熱材50の両面に配置され、同じ大きさのラミネートフィルムの稜線から一定の幅の部分を熱溶着により貼り合わせた袋状で構成されている。なお、本実施例において、外被材52のラミネート構成についてはガスバリヤ性を有し、熱溶着可能であれば特に限定するものではないが、本実施形態においては、表面保護層、ガスバリヤ層1、ガスバリヤ層2、熱溶着層の4層構成からなるラミネートフィルムとし、表面層は保護材の役割を持つ樹脂フィルムとし、ガスバリヤ層1は樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、ガスバリヤ層2は酸素バリヤ性の高い樹脂フィルムに金属蒸着層を設け、ガスバリヤ層1とガスバリヤ層2は金属蒸着層同士が向かい合うように貼り合わせている。熱溶着層については表面層と同様に吸湿性の低いフィルムを用いている。
【0020】
次に、本実施例における断熱壁について説明する。図4,図5に示すように、断熱壁は、内側にプラスチック製の内箱23を有し、外側に金属製の外箱21とを有しており、これら内箱23と外箱21との間に、真空断熱材50および発泡断熱材23が配置されている。また、真空断熱材50は、ゴム系接着剤あるいは両面テープにより外箱21側に貼り付けられ、発泡断熱材23は、内箱23と真空断熱材50との間に充填される。
【0021】
ここで、図4は、冷凍温度帯室(製氷室3a、上段冷凍室3b、下段冷凍室)の側面あるいは背面における断熱壁を示しており、図5は、冷蔵温度帯室(冷蔵室2、野菜室5)の側面あるいは背面における断熱壁を示している。本実施例では、冷凍温度帯室の発泡断熱材23の厚みを、冷蔵温度帯室の発泡断熱材23の厚みよりも大きくしている。なお、真空断熱材50の厚みは、それぞれの温度帯室で共通となっている。このため、冷凍温度帯室の断熱厚61(真空断熱材50と発泡断熱材の合計厚み)は、冷蔵温度帯室の断熱厚61と比べて、厚くなっている。このように、本実施例では、冷蔵温度帯室に関しては薄壁化により内容積を拡大する一方、冷凍温度帯室に関しては外気温との差が大きいため断熱厚を大きくして断熱性能を向上させている。なお、断熱壁における、真空断熱材50と発泡断熱材23の断熱厚方向の占有比率に関しては、冷蔵温度帯室では、図4のように発泡断熱材23の方が大きく、冷凍温度帯室では、図5のように真空断熱材50の方が大きくなっている。
【0022】
真空断熱材50は、芯材51を形成する繊維集合体のグラスウール繊維層と、芯材51の中間に配置された吸着剤(芯材の中間層に配置しているが図示なし)と、これらを包む外被材52と、で構成されている。このような構成からなるものを、真空包装機によって芯材51を真空引きした状態のままで、外被材52をヒートシールすることで、最終的に真空断熱材50を得ることができる。また、芯材51は、加熱加圧することでシート状に成形する。
【0023】
無機繊維の集合体とは、任意の製造方法で製造された無数の無機繊維が絡み合って一体的に形成された原綿をいう。原綿の形状は、例えば、所定の厚みを有するシート状とするのが好ましいが、これに限定されない。無機繊維の集合体は、製造方法の都合上、原綿を一つのみを用いてもよいし、複数個用いてもよい。つまり、シート状の原綿である場合は、一層のみとしてもよいし、複数層重ねてもよい。また、無機繊維は、例えば、平均繊維径2〜6μmのものを好適に用いることができるが、この範囲外のものも問題なく用いることができる。このような無機繊維は、例えば、遠心法によって得ることができる。なお、本実施例の繊維集合体は、バインダを含んでいない。
【0024】
シート状芯材51を得る工程において、加熱した後に加熱加圧することで熱成形している。このように、芯材51を熱成形すると、繊維どうしが絡み合い、接触している部分が一部溶着することで、真空断熱材としたときの曲げ応力が高くなり、結果として真空断熱材の強度が向上する。
【0025】
本実施例では、ガラス繊維の歪点よりも高い温度で熱成形を行っている。本実施例に用いているガラス繊維においてはSiO2を主成分とし、SiO2が57.0〜77.2%、B2O3を4.9%未満としている。B2O3の含有量によってガラス繊維の歪点が異なり、含有量が多いほど歪点は高くなる。ただし、B2O3が多くなるとほどガラス繊維が軟化しやすくなることから、本実施例においてはB2O3の含有量を4.9%未満とし、そのときのガラス繊維の歪点は498℃であった。本実施例においては、無機繊維集合体を熱成形することで、芯材の嵩を小さくしていて、加熱成形の条件としは、歪点よりも低い400℃、歪点の500℃、550℃、600℃で10分間加熱成形することで、嵩の小さいシート状芯材51としている。熱成形の温度と時間については、400℃から600℃としているが、400℃よりも低い350℃や、600℃よりも高い650℃〜700℃で熱成形することは可能である。ただし、熱成形の温度を400℃よりも低くした場合においては、熱成形の時間を長くすることで、嵩の小さい芯材を得ることはできる。例えば、350℃で60分加熱することで、400℃で10分加熱した芯材嵩と近いものを得ることができるが、熱成形の時間が長くなると、真空断熱材の製造時におけるコストが大幅に増加することから好ましくない。また、600℃よりも高い650℃でも熱成形が可能であり、600℃で10分よりも短い時間で熱成形することができるが、ガラス繊維の融点を超えると、繊維同士の接着部が結着するだけでなく、複数の繊維が融け合い、玉状のガラスの塊となってしまう。これにより、芯材の嵩は小さくなり、表面硬度も高くなるものの、真空断熱材としたときに、ガラスの塊が熱伝導してしまうため、熱伝導率が低下してしまう。そのため、熱成形温度は歪点よりも高い500℃から融点よりも低い600℃の範囲で行うことが好ましい。
【0026】
これらにより得られた真空断熱材50を用いて、冷蔵庫の断熱壁を想定した真空断熱材とウレタンフォームの応力測定用パネルを作製した。曲げ応力測定においては、JIS-K7171の測定方法を基準として測定を行った。まず、幅80mm×長さ200mm×厚み18mmの真空断熱材を用いて、真空断熱材単体の曲げ応力を測定した。
【0027】
図6は、真空断熱材の曲げ応力と表面硬度との関係を示している。サンプルサイズの幅80mm×長さ200mmについては、JIS−K7171の測定方法により、支点間距離150mmとするためのサイズとしている。試験機には島津製作所製AUTOGRAPH AG-X10KNを用い、試験速度10mm/minの速度にて測定した。厚みの18mmについては、一例であり、この厚みに限定するものではないが、実際の冷蔵庫に用いられる断熱厚を想定して設定している。
【0028】
室外との温度差が小さい冷蔵温度帯室は、その側面や背面の断熱厚が薄くても箱体熱漏洩量への影響が少ないため、その断熱厚を30mm以下とし、薄壁化を図っている。特に、野菜室5の容器を前後方向にスライドさせるレールに対向する部分は、金属製の補強部材などが配置され、断熱厚61が約25mm程度まで薄くなる可能性がある。このように断熱厚61が25mmの場合、真空断熱材50の厚みを18mmとしたとき、発泡断熱材23の厚みは7mmとなる。発泡断熱材23の厚みを7mmよりも小さくした場合、発泡断熱材23の厚みが薄くなるほど、ウレタンを発泡させて充填するときに流動抵抗が高くなり、ウレタンフォームが流動し難くなる。仮に、内箱23と真空断熱材50との隙間を5mm以下とした場合、ウレタンフォームの充填性にばらつきが生じ、ウレタンの未充填や高密度化により脆くなってしまう。そのため、発泡断熱材23の厚み、すなわち、内箱23と真空断熱材50との隙間は7mm以上としている。
【0029】
このサンプルから真空断熱材の曲げ応力を測定した結果を、図6に示す。また、表面硬度においては、ASTM D 2240に準拠したテクロック社製のGS-754Gを用いて評価をしている。図6の試験結果の各点は、表面硬度の異なる真空断熱材A〜Eについて、上記の試験速度で測定した曲げ応力を示している。具体的に述べると、A点は、熱成形していない無機繊維の芯材を用いた真空断熱材、B点は、400℃×10分で熱成形した芯材を用いた真空断熱材、C点は、500℃×10分で熱成形した芯材を用いた真空断熱材、D点は、550℃×10分で熱成形した芯材を用いた真空断熱材、E点は、600℃×10分で熱成形した芯材を用いた真空断熱材、の曲げ応力(Mpa)を示している。この結果から、熱成形していない芯材を用いた真空断熱材(A)に対し、熱成形した芯材を用いた真空断熱材(B〜E)では、真空断熱材の表面硬度と曲げ応力が高いことが分かる。つまり、真空断熱材の表面硬度が高くなるほど、真空断熱材の曲げ応力も高くなることが分かる。
【0030】
次に、上述した各真空断熱材について、実際の冷蔵庫の断熱壁に適用することを想定し、真空断熱材と発泡断熱材とを組み合わせてた状態で、最大応力を測定した試験結果が、図7である。ここでの最大応力とは、真空断熱材と発泡断熱材を合わせたサンプル寸法を、幅150mm、長さ250mmとし、このサンプルに荷重を加えて撓ませていき、発泡断熱材が破壊したときの曲げ応力のことを指している。この図7のうち、断熱厚35tの結果は、従来の冷蔵庫と同等レベルの断熱厚35mm(発泡断熱材の厚み17mm)の結果を示しており、断熱厚25tの結果は、本実施例の冷蔵庫の断熱厚25mm(発泡断熱材の厚み7mm)の結果を示している。なお、真空断熱材については、図6の試験のときと、同じサンプルサイズ(厚み18mm等)、同じ熱成形の温度と時間、としている。
【0031】
図7によれば、熱成形していない芯材を用いた真空断熱材と発泡断熱材を組み合わせたA2(断熱厚35t)とA3(断熱厚25t)とを比較すると、断熱厚の薄いA3の方が、曲げの最大応力が小さく、断熱壁としての強度が低いことが分かる。しかし、真空断熱材を熱成形して表面硬度を高くすることで、真空断熱材と発泡断熱材とを組み合わせた全体として、曲げの最大応力が大きくなることも分かる。したがって、薄壁化により断熱厚を35tから25tとした場合であっても、真空断熱材の曲げ応力を0.75Mpa(図7のC3に相当)以上とすれば、従来レベルの断熱厚35tであって熱成形をしていない芯材を用いた真空断熱材(A2)の場合と同等以上の最大曲げ応力にできる。ここで、図7のC3で用いる真空断熱材は、500℃×10分で熱成形した芯材を用いており、図6のCと同じ真空断熱材となっている。つまり、表面硬度が75以上の真空断熱材と、発泡断熱材とを組み合わせれば、発泡断熱材の厚みが小さくなっても、断熱壁の全体としての強度は、従来と比べて向上することが分かる。
【符号の説明】
【0032】
1 冷蔵庫
2 冷蔵室
3a 製氷室
3b 上段冷凍室
4 下段冷凍室
5 野菜室
6a 冷蔵室扉
6b 冷蔵室扉
7a 製氷室扉
7b 上段冷凍室扉
8 下段冷凍室扉
9 野菜室扉
10 扉用ヒンジ
11 パッキン
12,14 断熱仕切り
13 仕切り部材
20 箱体
21 外箱
21a 天板
21b 後板
21d 底板
21e 側面
21f 前面
22 内箱
23 発泡断熱材
27 送風機
28 冷却器
30 圧縮機
31 凝縮機
33 発泡ポリスチレン
40 凹部
41 電気部品
42 カバー
50 真空断熱材
51 芯材
52 外被材
61断熱厚

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