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公開番号2019138236
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190822
出願番号2018023053
出願日20180213
発明の名称内燃機関の制御装置
出願人ダイハツ工業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類F02P 3/04 20060101AFI20190726BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】火炎伝播速度を適応的に制御すること。
【解決手段】エンジン12は、燃焼室16内の燃料ガスに点火する点火プラグ32と、燃焼室16に設けられた電極44とを備える。電圧判定回路50に設けられたコンパレータは、電極44への印加電圧に対応する電圧を燃焼時期において基準電圧と比較し、ECU60は比較結果に基づいて印加電圧の極性を変更する。
【選択図】図2
特許請求の範囲約 110 文字を表示【請求項1】
燃焼室内の燃料ガスに点火する点火プラグと前記燃焼室に設けられた電極とを備える内燃機関の制御装置であって、
前記電極への印加電圧の極性を燃焼時期の途中で反転させるようにした、制御装置。

発明の詳細な説明約 5,200 文字を表示【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、燃焼室に設けられた点火プラグとの間に電界を印加するための電極を備える、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の制動装置の一例が、特許文献1に開示されている。この文献によれば、燃焼室内における火炎の存在が検知されると、約6kVの電圧が伝導体部材に供給され、燃焼室内の火炎に電界が印加される。火炎内の正イオンは、電界のクーロン力によって陰極に向って移動し、火炎内の他の化学種と衝突する。火炎伝播速度は、当該衝突によって発生した運動エネルギによって増加する。この結果、燃焼効率の向上とノッキングの防止とが図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2000−179412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
火炎伝播速度の最適値は、車両の走行状態ないし内燃機関の稼働状態によって異なるところ、火炎伝播速度を如何にして適応的に制御するかは、特許文献1には何ら開示されていない。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、火炎伝播速度を適応的に制御することができる、内燃機関の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る内燃機関の制御装置は、燃焼室内の燃料ガスに点火する点火プラグと燃焼室に設けられた電極とを備える内燃機関の制御装置であって、電極への印加電圧の極性を燃焼時期の途中で反転させるようにした、制御装置である。
【発明の効果】
【0007】
燃焼室の内壁面と電極の間に発生する電界の方向は、燃焼室の内壁面の電圧つまりGND電圧と電極への印加電圧との大小関係に依存する。また、火炎内のイオンの多くは正極性を示す。これを踏まえて、電極への印加電圧の極性は、燃焼時期の途中で反転される。これによって、火炎伝播速度を適応的に制御することができる。
【0008】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
この実施例の車両の構成の一部を示す図解図である。
気筒の頭部周辺の構成の一例を示す図解図である。
図2に示す電圧判定回路の構成の一例を示す回路図である。
図3に示す電圧判定回路の動作の一部を示すタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照して、この実施例の車両10は、3つの気筒14が吸気行程,圧縮行程,燃焼・膨張行程および排気行程の4行程を繰り返す3気筒エンジン(内燃機関)12を動力源として備える。吸気管28は、各気筒14の上流の位置で3つに分岐する。一方、排気管30は、各気筒14の下流の位置で3つから1つに集約される。各気筒14に設けられた燃焼室16は、吸気管28および排気管30と連通する。ただし、吸気管28の開口と燃焼室16との間には吸気バルブ18が設けられ、排気管30の開口と燃焼室16との間には排気バルブ20が設けられる。
【0011】
吸気管28の分岐点には、空気流量を平準化するためのサージタンク38が設けられる。サージタンク38よりも上流の位置には、バルブモータ34によって開度が調整される単一のスロットルバルブ36が設けられる。サージタンク38よりも下流の位置には、吸気管28に向けて燃料を噴射するべく各気筒14に割り当てられたインジェクタ(燃料噴射装置)40が設けられる。
【0012】
吸気行程では、ECU42の指示によってインジェクタ40から燃料が噴射される。噴射された燃料は吸入空気と混合され、これによって混合気(燃料ガス)が生成される。吸気行程ではまた、吸気バルブ18が開かれ、ピストン22が降下する。これによって、混合気が燃焼室16に吸い込まれる。
【0013】
圧縮行程では、吸気バルブ18が閉じられ、ピストン22が上昇する。燃焼室16に吸い込まれた混合気は、ピストン22によって圧縮される。点火プラグ32は、ECU42の指示によって、圧縮行程の終了間際に点火される。
【0014】
燃焼・膨張行程では、点火プラグ32の点火によって混合気が燃焼され、かつ膨張する。ピストン22は、混合気の燃焼・膨張によって降下する。排気行程では、排気バルブ20が開かれ、ピストン22が上昇する。これによって、燃焼ガスが燃焼室16から排出される。
【0015】
ピストン22は、コンロッド24を介してクランクシャフト26と結合され、クランクシャフト26は、ピストン22の上下動に伴って回転する。クランクシャフト26の回転力はドライブシャフト(図示せず)に伝達され、これによって車両10が前進または後退する。
【0016】
図2を参照して、各気筒14の頭部には、電極44が挿入される。電極44は、導電体44aとこれを覆う絶縁体44bとによって構成され、電極44の先端は点火プラグ32に向かって屈曲される。
【0017】
電圧判定回路50は、電極44への印加電圧Velc(後述)に対応する電圧Vin(後述)を燃焼時期において基準電圧Vref(後述)と比較し、比較結果をECU42に与える。ECU42は、電圧判定回路50とともに制御装置をなし、電圧判定回路50から与えられた比較結果に基づいて、燃焼時期の途中で印加電圧Velcの極性を変更する。具体的には、電圧Vinが基準電圧Vrefを上回った時点で、印加電圧Velcの極性を反転させる。
【0018】
電極44と気筒14の内壁面との間に発生する電界の方向は、電極44への印加電圧Velcと気筒14の内壁面の電圧(GND電圧)との大小関係に依存する。また、点火プラグ32の点火によって生じた火炎には、正極性のイオンが多く含まれる。したがって、燃焼時期つまり火炎が燃焼室16内で広がる時期においては、電圧Vinが火炎内の正極性のイオンの影響で変化する。
【0019】
これを踏まえて、この実施例では、燃焼時期において電圧Vinを基準電圧Vrefと比較し、比較結果に応じて電極44への印加電圧Velcの極性を反転させるようにしている。印加電圧Velcの極性を反転させることで、火炎に含まれる正極性のイオンに対して働く力も反転される。これによって、火炎伝播速度が適応的に制御される。
【0020】
電圧判定回路50は、図3に示すように構成される。トランス52は、1次コイルL1および2次コイルL2によって構成される。1次コイルL1の一方端子は直流電源E1のプラス端子に接続され、直流電源E1のマイナス端子はGNDと接続される。1次コイルL1の他方端子は、ECU42によってオン/オフされるスイッチSW1を介してGNDと接続される。2次コイルL2の一方端子は、端子T1と接続されるとともに、抵抗R1を介してGNDと接続される。端子T1は電極44と接続され、抵抗R1の他方端子はGNDと接続される。
【0021】
コンパレータ54としては、例えば新日本無線株式会社製の“NJM311”が採用される。コンパレータ54の1番端子はGNDと接続され、コンパレータ54の8番端子はキャパシタC1を介してGNDと接続され、コンパレータ54の4番端子はキャパシタC2を介してGNDと接続される。また、8番端子には電圧V+が印加され、4番端子には電圧V−が印加される。さらに、コンパレータ54の出力端子は、端子T2と接続される。端子T2には、抵抗R2を介して電源電圧Vccが印加される。
【0022】
コンパレータ54の2番端子(プラス入力端子)には、基準電圧Vrefが印加される。一方、コンパレータ54の3番端子(マイナス入力端子)には、抵抗R1の端子電圧(上述の電圧Vinであり、電極44への印加電圧Velcに対応)が印加される。コンパレータ54は、電圧Vinが基準電圧Vref以下のときHレベルの電圧を出力し、電圧Vinが基準電圧Vrefを上回るときLレベルの電圧を出力する。コンパレータ54の出力電圧には電源電圧Vccに対応する電圧が重畳され、これによって生成された電圧Voutが端子T2から出力される。
【0023】
図4を参照して、スイッチSW1は、点火プラグ32が点火される直前にオンされ、点火プラグ32の点火と同時にオフされる。1次コイルL1の端子電圧は、スイッチSW1のオンによって急激に増大し、スイッチSW1のオフによって急激に低下する。スイッチSW1がオフされることで、電圧Vinは、燃焼時期の冒頭で一時的に増大する。
【0024】
ただし、コンパレータ54は、1次コイルL1の端子電圧が低下する時期に、上述した比較動作を実行する。したがって、燃焼時期の冒頭における電圧Vinの増大に関わらず、コンパレータ54の出力はHレベルを維持し、端子T2から出力される電圧VoutもまたHレベル(=Vcc)を維持する。
【0025】
火炎には正極性のイオンが含まれるため、燃焼が始まると、燃焼室16の内壁面と電極44との間で自然放電が行われる。また、印加電圧Velcの極性は、スイッチSW1がオン状態からオフ状態に遷移するタイミングで、ECU42によって正極に設定される。したがって、火炎に含まれる正極性のイオンには、電極44による斥力が働く。火炎が電極44に到達すると、電圧Vinが基準電圧Vrefを上回り、コンパレータ54の出力がHレベルからLレベルに立ち下がる。この結果、端子T2から出力される電圧VoutもまたHレベルからLレベルに立ち下がる。
【0026】
ECU42は、電圧Voutの立ち下がりに応答して、電極44への印加電圧Velcの極性を負極に変更する。この結果、火炎に含まれる正極性のイオンには、電極44による引力が働く。端子T1は抵抗R1を介してGNDに接続されているため(短絡されているため)、燃焼時期が終了すると、電極44への印加電圧Velcは0Vに収束する。
【0027】
印加電圧Velcの極性を負極に設定したままでは、次回の燃焼時期の冒頭で印加電圧Velcの極性を正極に設定するために、余計なエネルギが必要になる。このようなエネルギの浪費は、抵抗R1を介して端子T1を短絡させることで回避される。
【0028】
以上の説明から分かるように、エンジン12は、燃焼室16内の燃料ガスに点火する点火プラグ32と、燃焼室16に設けられた電極44とを備える。コンパレータ54は、電極44への印加電圧Velecに対応する電圧Vinを燃焼時期において基準電圧Vrefと比較する。ECU60は、比較結果に基づいて、燃焼時期の途中で印加電圧velcの極性を反転させる。印加電圧velcの極性は火炎の位置に応じて反転され、これによって火炎伝播速度の適応的な制御ひいては失火やノッキングの回避が可能となる。この結果、エンジン性能の向上が図られる。
【0029】
なお、この実施例では、燃焼時期の冒頭で印加電圧Velcの極性を正極に設定し、燃焼時期の途中で当該極性を負極に反転させるようにしている。しかし、これに代えて、燃焼時期の冒頭で印加電圧Velcの極性を負極に設定し、燃焼時期の途中で当該極性を正極に反転させるようにしてもよい。
【0030】
また、この実施例では、図3に示す電圧判定回路50によって印加電圧Velcの極性の反転時期を特定するようにしている。しかし、電圧判定回路50の代わりに、車両10の運転状態に応じて異なる複数のマップをECU42に設け、当該マップを参照して極性の反転時期を特定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0031】
10 …車両
12 …エンジン
14 …気筒
18 …吸気バルブ
20 …排気バルブ
22 …ピストン
32 …点火プラグ
40 …インジェクタ

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