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公開番号2019137856
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190822
出願番号2019020084
出願日20190206
発明の名称ポリイソシアネート組成物、塗料組成物、塗膜の製造方法及び塗膜
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人全 5 件を表示,個人,個人,個人
主分類C08G 18/28 20060101AFI20190726BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低粘度であり、且つ、硬度及び耐水性に優れる塗膜を形成可能なポリイソシアネート組成物を提供する。
【解決手段】ポリイソシアネート組成物は、1,6-ジイソシアナトヘキサンを含む脂肪族ジイソシアネートから得られ、且つ、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び一般式(I)に示される基を有するポリイソシアネート組成物であって、25℃で測定時の粘度が200mPa・s以上2,000mPa・s以下である。
[化1]
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【選択図】なし
特許請求の範囲約 610 文字を表示【請求項1】
1,6−ジイソシアナトヘキサンを含む脂肪族ジイソシアネートから得られ、且つ、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び下記一般式(I)に示される基を有するポリイソシアネート組成物であって、
25℃で測定時の粘度が200mPa・s以上2,000mPa・s以下であるポリイソシアネート組成物。
(一般式(I)中、R
11
、R
12
及びR
13
はそれぞれ独立に、水素原子、又は、エステル基及びエーテル基のうち少なくともいずれかの基を含んでもよい炭素数1以上20以下の炭化水素基である。)
【請求項2】
前記ポリイソシアネート組成物において、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び前記一般式(I)に示される基の合計モル量に対する前記一般式(I)に示される基のモル量の比が0.005以上0.10以下である請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物と、
アクリルポリオール及びポリエステルポリオールのうち少なくともいずれかのポリオールと、
を含む塗料組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の塗料組成物を硬化させる工程を有する塗膜の製造方法。
【請求項5】
請求項3に記載の塗料組成物を硬化させてなる塗膜。

発明の詳細な説明約 45,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイソシアネート組成物、塗料組成物、塗膜の製造方法及び塗膜に関する。
【背景技術】
【0002】
1,6−ジイソシアナトヘキサン(「ヘキサメチレンジイソシアネート」ともいう;以下、「HDI」と略記する場合がある)を含む脂肪族ジイソシアネートから得られ、イソシアヌレート基を有するポリイソシアネート組成物は、耐候性及び耐熱性に優れるため、従来から、各種用途に幅広く使用されている。
【0003】
また、近年、地球環境保護の高まりから、硬化剤として使用されるポリイソシアネート組成物の低粘度化に向けた技術開発が盛んに行われている(例えば、特許文献1参照)。これは、ポリイソシアネート組成物を低粘度化することにより、塗料組成物に使用される有機溶剤の使用量を低減できるからである。
【0004】
HDIを含む脂肪族ジイソシアネート等から誘導された各種ポリイソシアネート組成物の低粘度化技術としては、例えば、低粘度であるウレトジオン基を有するポリイソシアネート組成物に関する技術が挙げられる(例えば、特許文献2参照)。
さらに、例えば、ウレトジオン基を有しながら、硬化性及び貯蔵安定性に優れるポリイソシアネート組成物(例えば、特許文献3参照)、ウレトンイミノ基を有しながら、湿気安定性に優れるポリイソシアネート組成物(例えば、特許文献4参照)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平05−222007号公報
特許第3055197号公報
国際公開第2007/046470号
国際公開第2016/035887号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載された技術を用いることにより、低粘度のポリイソシアネート組成物を得ることは可能である。しかしながら、これらの技術で得られるポリイソシアネート組成物は架橋性が低く、それに伴い、塗膜硬度が不足する場合があった。
さらに、特許文献1〜4に記載された技術を用いて得られたポリイソシアネート組成物を塗料組成物に使用した場合において、過酷な条件下での耐水性が不足する場合があり、耐水性に優れる塗膜が形成可能なポリイソシアネート組成物が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、低粘度であり、且つ、硬度及び耐水性に優れる塗膜を形成可能なポリイソシアネート組成物を提供する。前記ポリイソシアネート組成物を含み、硬度及び耐水性に優れる塗膜を形成可能な塗料組成物を提供する。前記塗料組成物からなり、硬度及び耐水性に優れる塗膜及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係るポリイソシアネート組成物は、1,6−ジイソシアナトヘキサンを含む脂肪族ジイソシアネートから得られ、且つ、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び下記一般式(I)に示される基を有するポリイソシアネート組成物であって、25℃で測定時の粘度が200mPa・s以上2,000mPa・s以下である。
【0009】
【0010】
(一般式(I)中、R
11
、R
12
及びR
13
はそれぞれ独立に、水素原子、又は、エステル基及びエーテル基のうち少なくともいずれかの基を含んでもよい炭素数1以上20以下の炭化水素基である。)
【0011】
上記第1態様に係るポリイソシアネート組成物において、ポリイソシアネート組成物において、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び前記一般式(I)に示される基の合計モル量に対する前記一般式(I)に示される基のモル量の比が0.005以上0.10以下であってもよい。
【0012】
本発明の第2態様に係る塗料組成物は、上記第1態様に係るポリイソシアネート組成物と、アクリルポリオール及びポリエステルポリオールのうち少なくともいずれかのポリオールと、を含む。
【0013】
本発明の第3態様に係る塗膜の製造方法は、上記第2態様に係る塗料組成物を硬化させる工程を有する方法である。
【0014】
本発明の第4態様に係る塗膜は、上記第2態様に係る塗料組成物を硬化させてなるものである。
【発明の効果】
【0015】
上記態様のポリイソシアネート組成物は低粘度であり、且つ、硬度及び耐水性に優れる塗膜を形成できる。上記態様の塗料組成物は、前記ポリイソシアネート組成物を含み、硬度及び耐水性に優れる塗膜を形成できる。上記態様の塗膜は、前記塗料組成物からなり、硬度及び耐水性に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」と称する場合がある)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
【0017】
なお、本明細書において、「ポリオール」とは、一分子中に2つ以上のヒドロキシ基(−OH)を有する化合物を意味する。
また、本明細書において、「ポリイソシアネート」とは、2つ以上のイソシアネート基(−NCO)を有する単量体化合物が複数結合した反応物を意味する。
また、本明細書において、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」はメタクリルとアクリルを包含し、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートとアクリレートを包含するものとする。
【0018】
≪ポリイソシアネート組成物≫
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、1,6−ジイソシアナトヘキサンを含む脂肪族ジイソシアネートから得られ、且つ、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び下記一般式(I)に示される基(以下、「基(I)」と称する場合がある)を有する。また、本実施形態のポリイソシアネート組成物の25℃で測定時の粘度は200mPa・s以上2,000mPa・s以下である。
【0019】
【0020】
(一般式(I)中、R
11
、R
12
及びR
13
はそれぞれ独立に、水素原子、又は、エステル基及びエーテル基のうち少なくともいずれかの基を含んでもよい炭素数1以上20以下の炭化水素基である。)
【0021】
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上記構成を有するため、低粘度であり、且つ、硬度及び耐水性に優れた塗膜を形成できる。
【0022】
<ポリイソシアネート>
本実施形態のポリイソシアネート組成物に含まれるポリイソシアネートは、1,6−ジイソシアナトヘキサン(以下、「HDI」と略記する場合がある)を含む脂肪族ジイソシアネートから誘導されたものである。すなわち、本実施形態のポリイソシアネート組成物に含まれるポリイソシアネートは、HDIを含む脂肪族ジイソシアネートの反応物である。
【0023】
[脂肪族ジイシソアネート]
ポリイソシアネートの原料である脂肪族ジイソシアネートとしては、以下に限定されるものではないが、炭素数4以上30以下のものが好ましい。脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、HDI、1,4−ジイソシアナトブタン、1,5−ジイソシアナトペンタン、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、リジンジイソシアネート等が挙げられる。これら脂肪族ジイソシアネートは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中でも、工業的入手の容易さ及びポリイソシアネート製造時の反応性の観点から、本実施形態のポリイソシアネート組成物は、HDIを含む脂肪族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネートを含むことが好ましい。
【0024】
本実施形態のポリイソシアネート組成物において、ポリイソシアネートの原料となるジイソシアネートとして、脂環族ジイソシアネートを一部含んでもよい。
脂環族ジイソシアネートとしては、以下に限定されるものではないが、炭素数8以上30以下のものが好ましい。脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と称する場合がある)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これら脂環族ジイソシアネートは1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
中でも、耐候性、工業的入手の容易さの観点から、脂環族ジイソシアネートとしては、IPDIが好ましい。
【0025】
[イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び基(I)]
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び下記一般式(I)に示される基(基(I))を有する。
【0026】
【0027】
(一般式(I)中、R
11
、R
12
及びR
13
はそれぞれ独立に、水素原子、又は、エステル基及びエーテル基のうち少なくともいずれかの基を含んでもよい炭素数1以上20以下の炭化水素基である。)
【0028】
一般に、「イソシアヌレート基」とは、ジイソシアネートモノマー3分子からなるポリイソシアネート由来の官能基であり、下記式(II)で示される基である。
【0029】
【0030】
また、一般に、「ウレトジオン基」とは、ジイソシアネートモノマー2分子からなるポリイソシアネート由来の官能基であり、下記式(III)で示される基である。
【0031】
【0032】
(基(I))
基(I)は、ビウレット基とシリル基とからなり、シリル基を有するアミン化合物とジイソシアネートモノマー2分子とから得られる。
【0033】
一般式(I)中、R
11
、R
12
及びR
13
はそれぞれ独立に、水素原子、又は、エステル基(−COO−)及びエーテル基(−O−)のうち少なくともいずれかの基を含んでもよい炭素数1以上20以下の1価の炭化水素基である。R
11
、R
12
及びR
13
はそれぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0034】
エステル基及びエーテル基を含まない炭素数1以上20以下の1価の炭化水素基としては、炭素数1以上20以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上15以下のアルキル基がより好ましく、炭素数1以上10以下のアルキル基がさらに好ましく、炭素数1以上5以下のアルキル基が特に好ましい。
アルキル基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよい。
直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基等が挙げられる。
環状のアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
【0035】
エステル基及びエーテル基のうち少なくともいずれかの基を含む炭素数1以上20以下の1価の炭化水素基としては、例えば、下記一般式(IV)で表される基(以下、「基(IV)」と称する場合がある」)が挙げられる。
−(CH


n1
−X−(CH


n2
・・・(IV)
【0036】
基(IV)において、−(CH


n1
−のXと反対の結合手が上記一般式(I)中のNと結合している。また、n1及びn2は、1≦n1+n2≦20となる整数である。すなわち、n1及びn2の両方とも0になることはない。
中でも、n1及びn2はそれぞれ独立して、0以上20以下の整数であることが好ましく、0以上4以下の整数であることがより好ましく、0以上2以下の整数であることがさらに好ましい。
また、基(IV)において、Xはエステル基(−COO−)又はエーテル基(−O−)である。
【0037】
中でも、R
11
、R
12
及びR
13
としては、それぞれエステル基及びエーテル基を含まない炭素数1以上20以下の炭化水素基が好ましく、炭素数1以上5以下のアルキル基がより好ましく、直鎖状のアルキル基がさらに好ましく、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
【0038】
本実施形態のポリイソシアネート組成物における基(I)の濃度は特に限定されないが、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び基(I)の合計モル量に対する基(I)のモル量の比(基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率)の下限値は、0.005が好ましく、0.007がより好ましく、0.010がさらに好ましく、0.020が特に好ましい。
一方、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率の上限値は、0.10が好ましく、0.08がより好ましく、0.06がさらに好ましく、0.04が特に好ましい。
すなわち、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率は、0.005以上0.10以下が好ましく、0.007以上0.08以下がより好ましく、0.010以上0.06以下がさらに好ましく、0.020以上0.04以下が特に好ましい。
基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率が上記下限値以上であることにより、本実施形態のポリイソシアネート組成物を用いて得られる塗膜の耐水性をより十分に発現することができ、一方、上記上限値以下であることにより、塗膜硬度を維持することができる。
また、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び基(I)の合計モル量に対する基(I)のモル量の比が上記範囲であることにより、本実施形態のポリイソシアネート組成物を用いて得られる塗膜の耐水性及び下地密着性が両立を図ることができる。
基(I)のモル量は、後述の実施例に示すように、

H−NMR、
13
C−NMRの測定により測定することができる。
なお、本明細書において、「耐水性」とは、後述の実施例に示すように、本実施形態のポリイソシアネート組成物を用いて得られた塗膜を60℃、87%湿度下において72時間放置した場合に、塗膜外観を変化させない又は塗膜外観の変化を小さく抑える性質を意味する。
また、「下地密着性」は、後述の実施例に示すように、本実施形態のポリイソシアネート組成物を含む塗料組成物を塗装して塗膜(以下、「旧塗膜」と称する場合がある)を形成させ、再度、該旧塗膜上に該ポリイソシアネート組成物を含む塗料組成物を塗装して塗膜(以下、「新塗膜」と称する場合がある)を形成させた場合に、旧塗膜と新塗膜との間の密着性を意味する。
【0039】
基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率を制御する方法としては、例えば、HDIのイソシアヌレート化反応、又は、ウレトジオン化反応を実施した反応液と、シリル基を有するアミン化合物(以下、「アミノシリル基含有化合物」と称する場合がある)と、ジイソシアネート2分子から得られるビウレット化反応を実施した反応液と、を混合し、残存するジイソシアネートモノマーを除去する方法等が挙げられる。又は、例えば、イソシアヌレート化反応触媒として、ヘキサメチルジシラザンを使用し、反応失活のためのモノアルコールを添加後、150℃以上の高温、好ましくは160℃程度の高温で、かつ、1時間以上維持する方法が挙げられる。
中でも、添加する原料のモル比率を自由に制御できる点で、前者の1,6−ジイソシアナトヘキサンのイソシアヌレート化反応、あるいは、HDIのイソシアヌレート化反応、又は、ウレトジオン化反応を実施した反応液と、アミノシリル基含有化合物と、ジイソシアネート2分子から得られるビウレット化反応を実施した反応液と、を混合し、残存するジイソシアネートモノマーを除去する方法が好ましい。
【0040】
本実施形態のポリイソシアネート組成物におけるイソシアヌレート3量体の濃度は特に限定されないが、55質量%以上95質量%以下が好ましく、60質量%以上95質量%以下がより好ましい。
イソシアヌレート3量体の濃度が上記下限値以上であることにより、本実施形態のポリイソシアネート組成物の粘度をより効果的に低下させることができる。一方、イソシアヌレート3量体の濃度が上記上限値以下であることにより、本実施形態のポリイソシアネート組成物の収率をより高く保つことができる。
イソシアヌレート3量体の濃度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と称する場合がある)により測定することができる。
【0041】
本実施形態のポリイソシアネート組成物において、イソシアヌレート基のモル量に対するウレトジオン基のモル量の比(ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率)の下限値は、特に限定されるものではないが、0.01が好ましく、0.15がより好ましく、0.2がさらに好ましく、0.3が特に好ましい。
一方、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率の上限値は、特に限定されるものではないが、0.50が好ましく、0.45がより好ましく、0.4がさらに好ましく、0.38が特に好ましい。
すなわち、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率は、特に限定されるものではないが、0.01以上0.50以下が好ましく、0.15以上0.45以下がより好ましく、0.2以上0.4以下がさらに好ましく、0.3以上0.38以下が特に好ましい。
ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率が上記下限値以上であることにより、本実施形態のポリイソシアネート組成物の粘度をより効果的に低下させることができる。一方、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率が上記上限値以下であることにより、架橋性をより向上させることができる。
ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率は、
13
C−NMRの測定によって求めることができる。具体的には後述する実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
【0042】
ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率を、上記範囲に制御する方法としては、例えば、HDIのイソシアヌレート化反応を実施した後、触媒を失活させ、その後に140℃以上160℃以下程度の温度(好ましくは145℃以上165℃以下程度の温度)で、数時間程度(好ましくは1時間以上3時間以下程度)反応させることにより制御する方法等が挙げられる。又は、例えば、HDIのイソシアヌレート化反応を実施することにより得られたポリイソシアネート組成物に、HDIに対し、第3ホスフィン等のウレトジオン化触媒を添加し、20℃以上80℃以下程度の温度で、数時間以上数十時間以下程度、反応させたポリイソシアネート組成物を一部混合される方法等が挙げられる。
中でも、入手の容易さの観点から、HDIのイソシアヌレート化反応を実施した後、触媒を失活させ、その後に140℃以上160℃以下程度の温度(好ましくは145℃以上165℃以下程度の温度)で、数時間程度(好ましくは1時間以上3時間以下程度)反応させることにより制御する方法が好ましい。
【0043】
[アロファネート基]
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物は、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び基(I)に加えて、アロファネート基を有してもよい。
一般に、「アロファネート基」とは、アルコールの水酸基とイソシアネート基とから形成され、下記式(V)で示される基である。
【0044】
【0045】
本実施形態のポリイソシアネート組成物がアロファネート基を有する場合、アロファネート基の形成に用いられるアルコールは、炭素、水素及び酸素のみで形成されるアルコールが好ましい。
前記アルコールとして具体的には、以下に限定されるものではないが、例えば、モノアルコール、ジアルコール等が挙げられる。これらアルコールは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール等が挙げられる。
ジアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチルヘキサンジオール等が挙げられる。
中でも、アルコールとしては、モノアルコールが好ましく、分子量200以下のモノアルコールがより好ましい。
【0046】
本実施形態のポリイソシアネート組成物において、イソシアヌレート基のモル量に対するアロファネート基のモル量の比(アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率)は0.01以上0.20以下が好ましく、0.01以上0.10以下がより好ましく、0.01以上0.05以下がさらに好ましく、0.01以上0.03以下が特に好ましい。アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率が上記上限値以下であることにより、架橋性をより向上させることができる。
アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
【0047】
[その他の基]
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物は、イソシアヌレート基、ウレトジオン基及び基(I)に加えて、イミノオキサジアジンジオン基、ウレタン基、ウレア基、上記基(I)以外のビウレット基、カルボジイミド基、ウレトンイミノ基等のその他の基を有してもよい。
【0048】
<ポリイソシアネート組成物の製造方法>
以下、本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法の一例を説明する。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、原料として、少なくともHDI(1,6−ジイソシアナトヘキサン)を用いる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、イソシアヌレート基を形成するイソシアヌレート化反応、ウレトジオン基を形成するウレトジオン化反応、及び、基(I)を形成する反応を、それぞれ逐次又はそのいくつかを並行して、過剰のジイソシアネートモノマー存在下で行い、反応終了後、未反応のジイソシアネートモノマーを除去することにより得られる。また、上記の3反応を別々に実施させたものを混合することによっても得られる。
中でも、入手の容易さ、基(I)のモル比率を自由に調整できる観点から、上記イソシアヌレート化反応、ウレトジオン化反応をそれぞれ逐次行い、基(I)を形成する反応を並行して実施する方法が好ましい。
さらに、副原料として、アルキルモノアルコール、アルキルジオール等のアルコール等も併用することができる。ここで、アルコールを用いる場合には、上述したように、本実施形態のポリイソシアネート組成物におけるアロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率が上記範囲となるように用いることが好ましい。
【0049】
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法としては、原料のHDIや上記副原料に重合触媒を添加し、所定の重合度に到達するまで反応を進行させた後、必要に応じて、未反応のHDIを除去することによってポリイソシアネート組成物を得る方法が好ましい。
【0050】
[イソシアヌレート基含有ポリイソシアネートの製造方法]
ジイソシアネートモノマーからイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを誘導する場合は、通常、イソシアヌレート化反応触媒を用いる。
イソシアヌレート化反応触媒としては、塩基性を有するものが好ましい。このようなイソシアヌレート化反応触媒としては、例えば、以下の1)〜7)に示すもの等が挙げられる。
1)テトラアルキルアンモニウムのヒドロオキシド又は有機弱酸塩;
2)ヒドロキシアルキルアンモニウムのヒドロオキシド又は有機弱酸塩;
3)アルキルカルボン酸の金属塩;
4)ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート;
5)ヘキサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物;
6)マンニッヒ塩基類;
7)第3級アミン類とエポキシ化合物との併用
【0051】
テトラアルキルアンモニウムとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。
有機弱酸としては、例えば、酢酸、カプリン酸等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルアンモニウムとしては、例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等が挙げられる。
アルキルカルボン酸としては、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
金属塩を構成する金属としては、例えば、錫、亜鉛、鉛、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
【0052】
中でも、イソシアヌレート化反応触媒としては、触媒効率の観点から、上記1)、2)、3)、4)又は5)が好ましく、1)の有機弱酸塩がより好ましい。
【0053】
イソシアヌレート化反応触媒の添加量は、仕込んだジイソシアネートの質量に対して、10ppm以上1000ppm以下が好ましく、10ppm以上500ppm以下がより好ましく、10ppm以上100ppm以下がさらに好ましい。
イソシアヌレート化反応温度の下限値は、50℃が好ましく、54℃がより好ましく、57℃がさらに好ましく、60℃が特に好ましい。
一方、イソシアヌレート化反応温度の上限値は、120℃が好ましく、100℃がより好ましく、90℃がさらに好ましく、80℃が特に好ましい。
すなわち、イソシアヌレート化反応温度は、50℃以上120℃以下が好ましく、54℃以上100℃以下がより好ましく、57℃以上90℃以下がさらに好ましく、60℃以上80℃以下が特に好ましい。
イソシアヌレート化反応温度が上記上限値以下であることにより、着色等の特性変化がより効果的に防止できる。
【0054】
[ウレトジオン基含有ポリイソシアネートの製造方法]
ウレトジオン基含有ポリイソシアネートは、ウレトジオン化反応触媒を用いることにより得られる。
ウレトジオン化反応触媒としては、以下に限定されないが、例えば、トリアルキルホスフィン、トリス(ジアルキルアミノ)ホスフィン、シクロアルキルホスフィン等の第3ホスフィンが挙げられる。
トリアルキルホスフィンとしては、例えば、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィン等が挙げられる。
トリス(ジアルキルアミノ)ホスフィンとしては、例えば、トリス−(ジメチルアミノ)ホスフィンなどのトリス(ジアルキルアミノ)ホスフィン等が挙げられる。
シクロアルキルホスフィンとしては、例えば、シクロヘキシル−ジ−n−ヘキシルホスフィン等が挙げられる。
これらの化合物の多くは、同時にイソシアヌレート化反応も促進し、ウレトジオン基含有ポリイソシアネートに加えて、イソシアヌレート型ポリイソシアネートを生成する。
【0055】
所望の収率となった時点で、リン酸、パラトルエンスルホン酸メチル等のウレトジオン化反応触媒の失活剤を添加してウレトジオン化反応を停止する。
【0056】
上述したウレトジオン化反応触媒の添加量は、原料であるジイソシアネートに対して、質量比で10ppm以上10000ppm以下であることが好ましく、10ppm以上1000ppm以下であることがより好ましく、10ppm以上500ppm以下であることがさらに好ましい。
【0057】
ウレトジオン化の反応温度の下限値は、20℃であることが好ましく、25℃であることがより好ましく、30℃であることがさらに好ましく、35℃であることが特に好ましい。
ウレトジオン化の反応温度の上限値は、120℃であることが好ましく、110℃であることがより好ましく、100℃であることがさらに好ましく、90℃であることが特に好ましい。
すなわち、ウレトジオン化の反応温度は、20℃以上120℃以下であることが好ましく、25℃以上110℃以下であることがより好ましく、30℃以上100℃以下であることがさらに好ましく、35℃以上90℃以下であることが特に好ましい。
ウレトジオン化の反応温度が上記上限値以下であることにより、着色等の得られるポリイソシアネート組成物の特性変化がより効果的に防止できる。
【0058】
また、上記ウレトジオン化反応触媒を用いることなく、ジイソシアネートモノマーを加熱することでウレトジオン基含有ポリイソシアネートを得ることもできる。
上記ウレトジオン化反応触媒を用いない場合、ジイソシアネートモノマーの加熱温度の下限値としては、120℃が好ましく、130℃がより好ましく、140℃がさらに好ましく、145℃が特に好ましい。
ジイソシアネートモノマーの加熱温度の上限値は、180℃が好ましく、175℃がより好ましく、170℃がさらに好ましく、165℃が特に好ましい。
すなわち、ジイソシアネートモノマーの加熱温度は、120℃以上180℃以下が好ましく、130℃以上175℃以下がより好ましく、140℃以上170℃以下がさらに好ましく、145℃以上165℃以下が特に好ましい。
【0059】
上記ウレトジオン化反応触媒を用いない場合、加熱時間の下限値は、0.2時間が好ましく、0.4時間がより好ましく、0.6時間がさらに好ましく、0.8時間が特に好ましく、1.0時間が最も好ましい。
加熱時間の上限値は、8時間が好ましく、6時間がより好ましく、4時間がさらに好ましく、3時間が特に好ましく、2時間が最も好ましい。
すなわち、加熱時間は、0.2時間以上8時間以下が好ましく、0.4時間以上6時間以下がより好ましく、0.6時間以上4時間以下がさらに好ましく、0.8時間以上3時間以下が特に好ましく、1.0時間以上2時間以下が最も好ましい。
加熱時間を上記下限値以上とすることで、より低粘度とするできることができ、上記上限値以下とすることで、ポリイソシアネート自体の着色をより抑制することができる。
【0060】
ウレトジオン化反応触媒を使用せずに、本実施形態のポリイソシアネート組成物を得る場合、加熱のみによるウレトジオン化反応と前述したイソシアヌレート化反応が終了した後、未反応ジイソシアネートモノマー濃度の低減、得られたポリイソシアネート組成物の貯蔵後の分子量変化率の低減、及び、高温焼付時の黄変性の低減の観点から、未反応ジイソシアネートモノマーを除去することが好ましい。
【0061】
[アロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法]
アロファネート基含有ポリイソシアネートは、HDIにアルコールを添加し、アロファネート化反応触媒を用いることにより得られる。用いられるアルコールとしては、上記「[アロファネート基]」において例示されたものと同様のものが挙げられる。
アルコールの添加量は、以下に限定されないが、HDIのイソシアネート基とアルコール化合物の水酸基とのモル比で10/1以上1000/1以下であることが好ましく、100/1以上1000/1以下であることがより好ましい。上記下限値以上であることで、得られるポリイソシアネートにおいて、イソシアネート基平均数をより適切な数確保することができる。
【0062】
アロファネート化反応触媒としては、以下に限定されないが、例えば、錫、鉛、亜鉛、ビスマス、ジルコニウム、ジルコニル等のアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
錫のアルキルカルボン酸塩(有機錫化合物)としては、例えば、2−エチルヘキサン酸錫、ジブチル錫ジラウレート等が挙げられる。
鉛のアルキルカルボン酸塩(有機鉛化合物)としては、例えば、2−エチルヘキサン酸鉛等が挙げられる。
亜鉛のアルキルカルボン酸塩(有機亜鉛化合物)としては、例えば、2−エチルヘキサン酸亜鉛等が挙げられる。
ビスマスのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ビスマス等が挙げられる。
ジルコニウムのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ジルコニウム等が挙げられる。
ジルコニルのアルキルカルボン酸塩としては、例えば、2−エチルヘキサン酸ジルコニル等が挙げられる。
【0063】
所望の収率となった時点で、リン酸、パラトルエンスルホン酸メチル等のアロファネート化反応触媒の失活剤を添加して、アロファネート化反応を停止することができる。
【0064】
上記アロファネート化反応触媒の使用量は、原料であるジイソシアネートに対して、質量比で、10ppm以上10000ppm以下が好ましく、10ppm以上1000ppm以下がより好ましく、10ppm以上500ppm以下がさらに好ましい。
【0065】
アロファネート化の反応温度の下限値は、60℃が好ましく、70℃がより好ましく、80℃がさらに好ましく、90℃が特に好ましい。
アロファネート化の反応温度の上限値は、160℃が好ましく、155℃がより好ましく、150℃がさらに好ましく、145℃が特に好ましい。
すなわち、アロファネート化の反応温度は、60℃以上160℃以下が好ましく、70℃以上155℃以下がより好ましく、80℃以上150℃以下がさらに好ましく、90℃以上145℃以下が特に好ましい。
アロファネート化反応温度が上記上限値以下であることにより、得られるポリイソシアネートの着色等の特性変化をより効果的に防止できる。
【0066】
反応時間の下限値は、0.2時間が好ましく、0.4時間がより好ましく、0.6時間がさらに好ましく、0.8時間が特に好ましく、1.0時間が最も好ましい。
反応時間の上限値は、8時間以下が好ましく、6時間がより好ましく、4時間がさらに好ましく、3時間が特に好ましく、2時間が最も好ましい。
すなわち、アロファネート化の反応時間は0.2時間以上8時間以下が好ましく、0.4時間以上6時間以下がより好ましく、0.6時間以上4時間以下がさらに好ましく、0.8時間以上3時間以下が特に好ましく、1.0時間以上2時間以下が最も好ましい。
アロファネート化の反応時間を上記下限値以上とすることで、より低粘度とするできることができ、上記上限値以下とすることで、ポリイソシアネート自体の着色をより抑制することができる。
【0067】
また、上記イソシアヌレート化反応触媒をアロファネート化反応触媒として用いることができる。上記イソシアヌレート化反応触媒を用いて、アロファネート化反応を行う場合、イソシアヌレート型ポリイソシアネートも同時に生成させる。中でも、経済面から生産性を向上できる観点から、アロファネート化反応触媒として、上記イソシアヌレート化反応触媒を用い、アロファネート化反応とイソシアヌレート反応とを行うことが好ましい。
【0068】
[基(I)含有ポリイソシアネートの製造方法]
基(I)含有ポリイソシアネートは、シリル基が窒素原子に直接結合した1級アミン化合物とジイソシアネートモノマー2分子との反応により得られる。
シリル基が窒素原子に直接結合した1級アミン化合物は、入手の容易さから、窒素原子に2つのシリル基が結合した2級アミン化合物とアルコールとを反応させることで得ることが好ましい。窒素原子に2つのシリル基が結合した2級アミン化合物としては、例えば、テトラメチルジシラザン等が挙げられる。
基(I)含有ポリイソシアネートの製造方法として具体的には、例えば、テトラメチルジシラザンとアルコールとを反応させて、トリメチルシリルシラザンを生成させた後、このトリメチルシリルシラザンとジイソシアネートモノマーとを反応させて基(I)含有ポリイソシアネートを得る方法等が挙げられる。
【0069】
基(I)を生成させるため、反応温度の下限値は、150℃とする必要がある。その中でも、好ましくは、152℃であり、155℃がさらに好ましく、158℃が特に好ましい。
一方、反応温度の上限値は、180℃が好ましく、175℃がより好ましく、170℃がさらに好ましく、165℃が特に好ましい。
すなわち、反応温度は、150℃以上180℃以下が好ましく、152℃以上175℃以下がより好ましく、155℃以上170℃以下がさらに好ましく、158℃以上165℃以下が特に好ましい。
【0070】
また、基(I)を生成させるため、加熱時間の下限値は、1.0時間とする必要がある。その中でも、1.2時間がより好ましく、1.4時間がさらに好ましく、1.6時間が特に好ましく、18時間が最も好ましい。
一方、加熱時間の上限値は、8時間が好ましく、6時間がより好ましく、4時間がさらに好ましく、3時間が特に好ましく、2.5時間が最も好ましい。
すなわち、加熱時間は、1.0時間以上8時間以下が好ましく、1.2時間以上6時間以下がより好ましく、1.4時間以上4時間以下がさらに好ましく、1.6時間以上3時間以下が特に好ましく、1.8時間以上2.5時間以下が最も好ましい。
そのため、薄膜蒸留での加熱処理、例えば、160℃で、数分程度の加熱では、基(I)含有ポリイソシアネートを製造することはできない。
加熱時間を上記下限値以上とすることで、基(I)の生成量を維持することができ、一方、加熱時間を上記上限値以下とすることで、ポリイソシアネート組成物自体の着色をより効果的に抑制することができる。
【0071】
また、テトラメチルジシラザンのようなアミノシリル基含有化合物は、120℃以上のような高温条件においては、イソシアヌレート化触媒として作用することができる。そのため、イソシアヌレート化触媒として添加し、n−ブタノール等のアルコールで失活させた後、得られたトリメチルシリルシラザンとジイソシアネートモノマーとを反応させ、基(I)含有ポリイソシアネート組成物を得ることもできる。しかし、この場合、イソシアヌレート化反応後に、120℃以上の高温で基(I)を形成する反応を行う必要がある。
一方、特表2002−526551号公報(参考文献1)にヘキサメチルジシラザンをイソシアヌレート化触媒としたウレトジオン基及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート組成物が記載されている、しかしながら、参考文献1に記載の方法では、n−ブタノール添加後、88℃で1時間保持しているだけであるため、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+ウレトジオン基)のモル比率が上記範囲となるように、基(I)含有ポリイソシアネートを製造することはできない。
【0072】
本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法としては、生産効率、及び、基(I)含有ポリイソシアネート組成物の含有量の調整の容易さから、上記イソシアヌレート化反応、ウレトジオン化反応をそれぞれ逐次行い、基(I)を形成する反応を別反応として並行して実施する方法が好ましい。
【0073】
また、本実施形態のポリイソシアネート組成物の製造方法において、アロファネート化反応を伴う場合には、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応とを並行して先行させ、その後、ウレトジオン化反応を行う方法が好ましい。また、製造工程を簡略化できるため、イソシアヌレート化反応とアロファネート化反応とは共通した触媒を用いて同時に行い、その後熱によるウレトジオン化反応を行う方法がより好ましい。
【0074】
上記イソシアヌレート化反応、上記ウレトジオン化反応、上記基(I)を形成する反応等の重合反応が所望の重合度に達した時点で、重合反応を停止させる。
重合反応の停止は、以下に限定されないが、例えば、酸性化合物を反応液に添加することで、重合反応触媒を中和させる、又は、熱分解、化学分解等により不活性化させることで達成できる。酸性化合物としては、例えば、リン酸、酸性リン酸エステル、硫酸、塩酸、スルホン酸化合物等が挙げられる。
反応停止後、必要があれば、濾過を行う。
【0075】
反応停止直後の反応液は、通常、未反応のHDIモノマーを含むため、これを薄膜蒸発缶、抽出等で除去することが好ましい。このような後処理を行うことで、ポリイソシアネート組成物に含有されるHDIモノマー濃度を1質量%以下に制御することが好ましい。
【0076】
<ポリイソシアネート組成物の物性>
[ジイソシアネートモノマー濃度]
本実施形態のポリイソシアネート組成物中のジイソシアネートモノマー濃度は、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下がさらに好ましく、0.2質量%以下が特に好ましい。本実施形態のポリイソシアネート組成物中のジイソシアネートモノマー濃度が上記上限値以下であることにより、架橋性をより向上させることができる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物中のジイソシアネートモノマー濃度は、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
【0077】
[粘度]
本実施形態のポリイソシアネート組成物の25℃における粘度の下限値は、200mPa・sであり、250mPa・sが好ましく、300mPa・sがより好ましく、350mPa・sがさらに好ましく、400mPa・sが特に好ましい。
一方、本実施形態のポリイソシアネート組成物の25℃における粘度の上限値は、2000mPa・sであり、1500mPa・sが好ましく、1000mPa・sがより好ましく、800mPa・sがさらに好ましく、650mPa・sが特に好ましい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の25℃における粘度は、200mPa・s以上2000mPa・s以下であり、250mPa・s以上1500mPa・s以下が好ましく、300mPa・s以上1000mPa・s以下がより好ましく、350mPa・s以上800mPa・s以下がさらに好ましく、400mPa・s以上650mPa・s以下が特に好ましい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の25℃における粘度が上記下限値以上であることにより、架橋性をより向上させることができる。一方、本実施形態のポリイソシアネート組成物の25℃における粘度が上記上限値以下であることにより、本実施形態のポリイソシアネート組成物を含む塗料組成物の固形分濃度をより高くできる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の粘度は、不揮発性分を98質量%以上に精製したポリイソシアネート組成物を、E型粘度計(トキメック社製)を用いることによって測定することができる。具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
【0078】
[イソシアネート基の含有率(NCO含有率)]
本実施形態のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基の含有率(NCO含有率)の下限値は、21質量%が好ましく、22質量%がより好ましい。
NCO含有率の上限値は、25質量%が好ましく、24質量%がより好ましい。
すなわち、NCO含有率は、21質量%以上25質量%以下好ましく、22質量%以上24質量%以下がより好ましい。
NCO含有率が上記下限値以上であることにより、本実施形態のポリイソシアネート組成物から得られる塗膜の硬度等の塗膜物性をより良好とすることができる。一方、NCO含有率が上記上限値以下であることにより、ジイソシアネートモノマー濃度をより効果的に低減することができる。
NCO含有率は、本実施形態のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めることができる。
なお、NCO含有率は、ポリイソシアネート組成物の固形分に対する値であり、ポリイソシアネート組成物の固形分(不揮発分)は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
【0079】
[数平均分子量]
本実施形態のポリイソシアネート組成物中の固形分の数平均分子量の下限値は、特に限定されないが、400が好ましく、430がより好ましく、460がさらに好ましく、480が特に好ましい。
一方、本実施形態のポリイソシアネート組成物中の固形分の数平均分子量の上限値は、特に限定されないが、1000が好ましく、800がより好ましく、700がさらに好ましく、600が特に好ましい。
すなわち、本実施形態のポリイソシアネート組成物中の固形分の数平均分子量は、特に限定されないが、400以上1,000以下が好ましく、430以上800以下がより好ましく、460以上700以下がさらに好ましく、480以上600以下が特に好ましい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物中の固形分の数平均分子量を上記下限値以上とすることで、得られるポリイソシアネート組成物の収率がより一層向上する傾向にある。
一方、本実施形態のポリイソシアネート組成物中の固形分の数平均分子量を上記上限値以下とすることで、本実施形態のポリイソシアネート組成物から得られる塗膜の光沢がより一層向上する傾向にある。
本実施形態のポリイソシアネート組成物の固形分の数平均分子量は、GPCにより求めることができる。
【0080】
≪塗料組成物≫
本実施形態の塗料組成物は、上記実施形態のポリイソシアネート組成物を含む。
上記ポリイソシアネート組成物は、塗料組成物の硬化剤等として好適に用いることができる。
【0081】
本実施形態の塗料組成物は、樹脂成分を含有し、当該樹脂成分としては、特に限定されないが、イソシアネート基との反応性を有する活性水素を分子内に2個以上有する化合物を含有することが好ましい。
活性水素を分子内に2個以上有する化合物としては、以下に限定されないが、例えば、ポリオール、ポリアミン、ポリチオール等が挙げられる。これらの活性水素を分子内に2個以上有する化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、活性水素を分子内に2個以上有する化合物としては、ポリオールが好ましい。
ポリオールとして具体的には、以下に限定されないが、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール等が挙げられる。
中でも、ポリオールとしては、耐候性、耐薬品性及び硬度の観点から、アクリルポリオールが好ましく、機械強度及び耐油性の観点から、ポリエステルポリオールが好ましい。
すなわち、本実施形態の塗料組成物は、上記ポリイソシアネート組成物と、アクリポリオール及びポリエステルポリオールのうち少なくともいずれかのポリオールと、を含むことが好ましい。
【0082】
<ポリオール>
[ポリエステルポリオール]
ポリエステルポリオールは、例えば、二塩基酸の単独又は2種類以上の混合物と、多価アルコールの単独又は2種類以上の混合物とを、縮合反応させることによって得ることができる。
前記二塩基酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等のカルボン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチルペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2−メチロールプロパンジオール、エトキシ化トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0083】
ポリエステルポリオールの具体的な製造方法としては、例えば、上記の成分を混合し、約160℃以上220℃以下程度で加熱することによって、縮合反応を行うことができる。
又は、例えば、ε−カプロラクトン等のラクトン類を、多価アルコールを用いて開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等もポリエステルポリオールとして用いることができる。
【0084】
上述の製造方法で得られたポリエステルポリオールは、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらから得られる化合物等を用いて変性させることができる。中でも、得られる塗膜の耐候性及び耐黄変性等の観点から、ポリエステルポリオールは、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらから得られる化合物を用いて変性させることが好ましい。
【0085】
本実施形態の塗料組成物が水分量の多い溶剤を含む場合には、ポリエステルポリオール中の二塩基酸等に由来する一部のカルボン酸を残存させておき、アミン、アンモニア等の塩基で中和することで、ポリエステルポリオールを水溶性又は水分散性の樹脂とすることができる。
【0086】
[ポリエーテルポリオール]
ポリエーテルポリオールは、例えば、以下の(1)〜(3)のいずれかの方法等を用いて得ることができる。
(1)触媒を使用して、アルキレンオキシドの単独又は混合物を、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物に、ランダム又はブロック付加して、ポリエーテルポリオール類を得る方法。
前記触媒としては、例えば、水酸化物(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、強塩基性触媒(アルコラート、アルキルアミン等)、複合金属シアン化合物錯体(金属ポルフィリン、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛錯体等)等が挙げられる。
前記アルキレンオキシドとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド等が挙げられる。
(2)ポリアミン化合物にアルキレンオキシドを反応させて、ポリエーテルポリオール類を得る方法。
前記ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン類等が挙げられる。
前記アルキレンオキシドとしては、(1)で例示されたものと同様のものが挙げられる。
(3)(1)又は(2)で得られたポリエーテルポリオール類を媒体としてアクリルアミド等を重合して、いわゆるポリマーポリオール類を得る方法。
前記多価ヒドロキシ化合物としては、例えば、以下の(i)〜(vi)に示すものが挙げられる。
(i)ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等;
(ii)エリトリトール、D−トレイトール、L−アラビニトール、リビトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラムニトール等の糖アルコール系化合物;
(iii)アラビノース、リボース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、ラムノース、フコース、リボデソース等の単糖類;
(iv)トレハロース、ショ糖、マルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、ラクトース、メリビオース等の二糖類;
(v)ラフィノース、ゲンチアノース、メレチトース等の三糖類;
(vi)スタキオース等の四糖類
【0087】
[アクリルポリオール]
アクリルポリオールは、例えば、一分子中に1個以上の活性水素を有する重合性モノマーのみを重合させる、又は、一分子中に1個以上の活性水素を有する重合性モノマーと、必要に応じて、当該重合性モノマーと共重合可能な他のモノマーとを、共重合させることによって得ることができる。
【0088】
前記一分子中に1個以上の活性水素を有する重合性モノマーとしては、例えば、以下の(i)〜(vi)に示すものが挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(i)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等の活性水素を有するアクリル酸エステル類;
(ii)メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素を有するメタクリル酸エステル類;
(iii)グリセリンやトリメチロールプロパン等のトリオールの(メタ)アクリル酸モノエステル等の多価活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
(iv)ポリエーテルポリオール類と上記の活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類とのモノエーテル
前記ポリエーテルポリオール類としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられる。;
(v)グリシジル(メタ)アクリレートと一塩基酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、p−tert−ブチル安息香酸等)との付加物;
(vi)上記の活性水素を有する(メタ)アクリル酸エステル類の活性水素にラクトン類を開環重合させることにより得られる付加物
前記ラクトン類としては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−バレロラクトン等が挙げられる。
【0089】
前記重合性モノマーと共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、以下の(i)〜(iv)に示すものが挙げられる。これらを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(i)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
(ii)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等)、不飽和アミド類(アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和カルボン酸類;
(iii)ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するビニルモノマー類;
(iv)スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリルニトリル、フマル酸ジブチル等のその他の重合性モノマー
【0090】
アクリルポリオールの具体的な製造方法としては、例えば、上記のモノマーを、公知の過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合し、必要に応じて有機溶剤等で希釈することによって、アクリルポリオールを得ることができる。
【0091】
本実施形態の塗料組成物が水分量の多い溶剤を含む場合には、上記のモノマーを溶液重合し、水層に転換する方法や乳化重合などの公知の方法で製造することができる。その場合、アクリル酸、メタアクリル酸等のカルボン酸含有モノマーやスルホン酸含有モノマー等の酸性部分を、アミンやアンモニアで中和することによって、アクリルポリオールに水溶性又は水分散性を付与することができる。
【0092】
[ポリオレフィンポリオール]
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水酸基を2個以上有する水素添加ポリブタジエン、水酸基を2個以上有するポリイソプレン、水酸基を2個以上有する水素添加ポリイソプレン等が挙げられる。
【0093】
[フッ素ポリオール]
本明細書において、「フッ素ポリオール」とは、分子内にフッ素を含むポリオールを意味する。フッ素ポリオールとして具体的には、例えば、特開昭57−34107号公報(参考文献2)、特開昭61−275311号公報(参考文献3)等で開示されているフルオロオレフィン、シクロビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、モノカルボン酸ビニルエステル等の共重合体等が挙げられる。
【0094】
[ポリオールの水酸基価及び酸価]
ポリオールの水酸基価の下限値は、10mgKOH/gが好ましく、20mgKOH/gがより好ましく、30mgKOH/gがさらに好ましい。
ポリオールの水酸基価の上限値は、200mgKOH/gが好ましく、180mgKOH/gがより好ましく、160mgKOH/gがさらに好ましい。
すなわち、ポリオールの水酸基価は、10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下が好ましく、20mgKOH/g以上180mgKOH/g以下がより好ましく、30mgKOH/g以上160mgKOH/g以下がさらに好ましい。
ポリオールの水酸基価が上記下限値以上であることにより、本実施形態の塗料組成物から得られる架橋後塗膜の耐溶剤性をより向上させることができる。
ポリオールの水酸基価が上記上限値以下であることにより、ポリイソシアネート組成物との混合後のポットライフをより向上させることができる。
【0095】
なお、一般に、「ポットライフ」とは、塗料、接着剤等の組成物において、主剤と硬化剤とを混合して組成物を調製後、硬化前の組成物としての性能を確保している時間を意味する。可使時間ともいう。
【0096】
ポリオールの酸価は0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが好ましい。
【0097】
水酸基価及び酸価は、JIS K1557に準拠して測定することができる。
【0098】
本実施形態の塗料組成物は、上記実施形態のポリイソシアネート組成物と、水酸基価が10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であるアクリルポリオール、及び、水酸基価が10mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であるポリエステルポリオールのうち少なくともいずれかと、を含むことが好ましい。
【0099】
[NCO/OH]
上記活性水素を分子内に2個以上有する化合物の水酸基に対する、上記実施形態のポリイソシアネート組成物のイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、0.2以上5.0以下が好ましく、0.4以上3.0以下がより好ましく、0.5以上2.0以下がさらに好ましい。
NCO/OHが上記下限値以上であると、より強靱な塗膜が得られる傾向にある。一方、NCO/OHが上記上限値以下であると、塗膜の平滑性がより向上する傾向にある。
【0100】
<その他添加剤>
本実施形態の塗料組成物は、上記ポリイソシアネート組成物及び上記樹脂成分に加えて、必要に応じて、完全アルキル型、メチロール型アルキル、イミノ基型アルキル等のメラミン系硬化剤を含有してもよい。
【0101】
また、上記活性水素を分子内に2個以上有する化合物、上記実施形態のポリイソシアネート組成物、及び、本実施形態の塗料組成物は、いずれも、有機溶剤を含有してもよい。
有機溶剤としては、特に限定されないが、水酸基及びイソシアネート基と反応する官能基を有していないことが好ましく、ポリイソシアネート組成物と十分に相溶することが好ましい。このような有機溶剤としては、以下に限定されないが、例えば、一般に塗料溶剤として用いられているエステル化合物、エーテル化合物、ケトン化合物、芳香族化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル系の化合物、ポリエチレングリコールジカルボキシレート系の化合物、炭化水素系溶剤、芳香族系溶剤等が挙げられる。
【0102】
上記活性水素を分子内に2個以上有する化合物、上記実施形態のポリイソシアネート組成物、及び、本実施形態の塗料組成物は、いずれも、その目的や用途に応じて、本実施形態の所望の効果を損なわない範囲で、硬化促進用の触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等の当該技術分野で使用されている各種添加剤を混合して使用することもできる。
【0103】
[硬化促進用の触媒]
硬化促進用の触媒の例としては、以下に限定されないが、例えば、金属塩、3級アミン類等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、2−エチルヘキサン酸スズ、2−エチルヘキサン酸亜鉛、コバルト塩等が挙げられる。
3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ベンジルジメチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルピペリジン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N’−エンドエチレンピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン等が挙げられる。
【0104】
[顔料]
顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、インジゴ、キナクリドン、パールマイカ等が挙げられる。
【0105】
[レベリング剤]
レベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン、エアロジル、ワックス、ステアリン酸塩、ポリシロキサン等が挙げられる。
【0106】
[酸化防止剤、紫外線吸収剤及び光安定剤]
酸化防止剤、紫外線吸収剤及び光安定剤としては、例えば、燐酸若しくは亜燐酸の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステルや次亜燐酸誘導体、リン化合物、フェノール系誘導体(特に、ヒンダードフェノール化合物)、イオウを含む化合物、スズ系化合物等が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
リン化合物としては、例えば、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等が挙げられる。
イオウを含む化合物としては、例えば、チオエーテル系化合物、ジチオ酸塩系化合物、メルカプトベンズイミダゾール系化合物、チオカルバニリド系化合物、チオジプロピオン酸エステル等が挙げられる。
スズ系化合物としては、例えば、スズマレート、ジブチルスズモノオキシド等が挙げられる。
【0107】
[可塑剤]
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸エステル類、燐酸エステル類、脂肪酸エステル類、ピロメリット酸エステル、エポキシ系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤、液状ゴム、非芳香族系パラフィンオイル等が挙げられる。
フタル酸エステル類としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジイソノニルフタレート等が挙げられる。
燐酸エステル類としては、例えば、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリメチルヘキシルホスフェート、トリス−クロロエチルホスフェート、トリス−ジクロロプロピルホスフェート等が挙げられる。
脂肪酸エステル類としては、例えば、トリメリット酸オクチルエステル、トリメ リット酸イソデシルエステル、トリメリット酸エステル類、ジペンタエリスリトールエステル類、ジオクチルアジペート、ジメチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチルアセチルリシノケート等が挙げられる。
ピロメリット酸エステルとしては、例えば、ピロメリット酸オクチルエステル等が挙げられる。
エポキシ系可塑剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等が挙げられる。
ポリエーテル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸エーテルエステル、ポリエーテル等が挙げられる。
液状ゴムとしては、例えば、液状NBR、液状アクリルゴム、液状ポリブタジエン等が挙げられる。
【0108】
[界面活性剤]
界面活性剤としては、例えば、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
【0109】
<塗料組成物の製造方法>
本実施形態の塗料組成物は、溶剤ベース、水系ベースのどちらにも使用可能である。
【0110】
本実施形態の塗料組成物が溶剤ベースの塗料組成物である場合には、例えば、まず、活性水素を分子内に2個以上有する化合物を含有する樹脂又はその溶剤希釈物に、必要に応じて、他の樹脂、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を加えたものに、本実施形態のポリイソシアネート組成物を硬化剤として添加する。次いで、必要に応じて、更に溶剤を添加して、粘度を調整する。次いで、手攪拌又はマゼラー等の攪拌機器を用いて攪拌することによって、溶剤ベースの塗料組成物を得ることができる。
【0111】
本実施形態の塗料組成物が水系ベースの塗料組成物である場合には、例えば、まず、活性水素を分子内に2個以上有する化合物を含有する樹脂の水分散体又は水溶物に、必要に応じて、他の樹脂、触媒、顔料、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を加えたものに、本実施形態のポリイソシアネート組成物を硬化剤として添加する。次いで、必要に応じて、水や溶剤を更に添加して、粘度を調整する。次いで、攪拌機器により強制攪拌することによって、水系ベースの塗料組成物を得ることができる。
【0112】
<塗料組成物の使用用途>
本実施形態の塗料組成物は、以下に限定されないが、例えば、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の塗料として用いることができる。また、例えば、金属(鋼板、表面処理鋼板等)、プラスチック、木材、フィルム、無機材料等の素材に対するプライマーや上中塗り塗料としても有用である。また、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装等に美粧性、耐候性、耐酸性、防錆性、耐チッピング性等を付与するための塗料としても有用である。また、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等のウレタン原料としても有用である。
【0113】
≪塗膜≫
本実施形態の塗膜は、上記実施形態に係る塗料組成物を硬化させてなる。
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を硬化させてなるものであるため、常に、安定した品質を発現し、且つ、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性に優れる。
【0114】
<塗膜の製造方法>
本実施形態の塗膜の製造方法は、上記実施形態に係る塗料組成物を硬化させる工程を有する方法である。
【0115】
本実施形態の塗膜は、上記塗料組成物を、例えば、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の公知の塗装方法を用いて、被塗物上に塗装した後に硬化させることで製造することができる。
被塗物としては、上記「<塗料組成物の使用用途>」において例示された素材と同様のものが挙げられる。
【実施例】
【0116】
以下、本実施形態を実施例及び比較例に基づいてさらに詳しく説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例における、ポリイソシアネート組成物の各物性は、以下のとおり測定した。また、塗膜の各評価は以下の方法を用いて行った。なお、特に明記しない場合は、「部」及び「%」は、「質量部」及び「質量%」を意味する。
【0117】
<物性の測定方法>
[物性1]粘度
ポリイソシアネート組成物を試料として、粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりとした。なお、後述する実施例及び比較例で製造した各ポリイソシアネート組成物の不揮発分を後述の「[物性2]」に記載の方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定に供した。
(回転数)
100rpm(128mPa・s未満の場合)
50rpm(128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20rpm(256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10rpm(640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5.0rpm(1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
【0118】
[物性2]不揮発分
ポリイソシアネート組成物を試料として、アルミニウム製カップの質量を精秤し、試料約1gを入れて、加熱乾燥前のカップ質量を精秤した。上記試料を入れたカップを105℃の乾燥機中で3時間加熱した。上記加熱後のカップを室温まで冷却した後、再度カップの質量を精秤した。試料中の乾燥残分の質量%を不揮発分とした。不揮発分の計算方法は以下のとおりである。なお、溶剤希釈なしの場合には、不揮発分は実質的に100%であるものとして扱った。
不揮発分(質量%)=(加熱乾燥後のカップ質量−アルミニウム製カップ質量)/(加熱乾燥前のカップ質量−アルミニウム製カップ質量)×100%
【0119】
[物性3]イソシアネート基含有率(NCO含有率)
イソシアネート基含有率(NCO含有率)(質量%)は、各ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。なお、各ポリイソシアネート組成物の不揮発分を上述した方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定した。
【0120】
[物性4]HDIモノマー質量濃度
まず、20mLサンプル瓶をデジタル天秤に乗せ、ポリイソシアネート組成物を試料として、約1g精秤した。次に、ニトロベンゼン(内部標準液)を0.03g以上0.04g以下程度加え精秤した。さらに、酢酸エチルを約9mL加えた後、蓋をしっかりしてよく混合し、サンプルを調整した。上記調整液を以下の条件で、ガスクロマトグラフィー分析し、試料中のHDIモノマーを定量した。
(測定条件)
装置:SHIMADZU(株)GC−8A
カラム:信和化工(株)Silicone OV−17
カラムオーブン温度;120℃
インジェクション/ディテクター温度;160℃
【0121】
[物性5]ポリイソシアネート組成物中の各種官能基のモル比率
(1)各種官能基のモル比率の測定
Bruker社製Biospin Avance600(商品名)を用いた、

H−NMR、
13
C−NMRの測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))、ウレトジオン基/イソシアヌレート基、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率をそれぞれ求めた。具体的な測定条件は以下の通りとした。


H−NMR装置の測定条件)

H−NMR装置:AVANCE600(ブルカー社製)
クライオプローブ(ブルカー社製)
Cryo Probe(295K)
共鳴周波数:600MHz
濃度:5wt/vol%
シフト基準:CDCl

(7.26ppm)
積算回数:256回
パルスプログラム:zg30
パルス待ち時間:1.0sec
【0122】
なお、上記測定においては、以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除し、その値から各モル比率を求めた。なお、以下のシグナルの積分値の比をモル比とした。
イソシアヌレート構造:3.8ppm付近の積分値÷6
アロファネート構造:8.5ppm付近の積分値÷1
【0123】

13
C−NMR装置の測定条件)
13
C−NMR装置:AVANCE600(ブルカー社製)
クライオプローブ(ブルカー社製)
Cryo Probe(295K)
共鳴周波数:150MHz
濃度:60wt/vol%
シフト基準:CDCl

(77ppm)
積算回数:10000回
パルスプログラム:zgpg30(プロトン完全デカップリング法)
パルス待ち時間:2sec
【0124】
なお、上記測定においては、以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除し、その値から各モル比率を求めた。なお、以下のシグナルの積分値の比をモル比とした。
イソシアヌレート基:148.6ppm付近の積分値÷3
ウレトジオン基:157.5ppm付近の積分値÷2
アロファネート基+基(I)の和:154ppm付近の積分値÷1
【0125】
(2)基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率の算出
13
C−NMRにより得られた(154ppm付近の積分値÷1)/(148.6ppm付近の積分値÷3)から

H−NMRにより得られた(8.5ppm付近の積分値÷1)/(3.8ppm付近の積分値÷6)を引くことにより、基(I)/イソシアヌレート基を算出した。次いで、これに、(148.6ppm付近の積分値÷3)をかけることで、基(I)のモル比を算出した。次いで、(算出した基(I)のモル比)/{(148.6ppm付近の積分値÷3)+(157.5ppm付近の積分値÷2)+(算出した基(I)のモル比)}を計算することで、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率を算出した。
【0126】
(3)ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率の算出
13
C−NMRにより得られた(157.5ppm付近の積分値÷2)/(148.6ppm付近の積分値÷3)のモル比率から算出した。
【0127】
(4)アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率の算出

H−NMRにより得られた(8.5ppm付近の積分値÷1)/(3.8ppm付近の積分値÷6)のモル比率より算出した。
【0128】
<塗膜の評価方法>
[塗料組成物の製造]
各ポリイソシアネート組成物を用いて、以下のとおり塗料組成物を製造した。
具体的には、まず、アクリルポリオール(Allnex社の製品名、Setalux1903、樹脂固形分濃度75%、水酸基価150mgKOH/樹脂g)とポリイソシアネート組成物とを、水酸基とイソシアネート基との当量比率が1:1になるように配合した。その後、酢酸ブチルで塗料粘度がフォードカップNo.4で20秒になるように調整し、各塗料組成物を得た。
【0129】
[評価1]塗膜硬度
各塗料組成物を乾燥膜厚が30μmになるようにガラス板に塗装し、室温で15分放置後、60℃のオーブン内に180分硬化させて塗膜を得た。室温で冷却後、この塗膜の塗膜硬度をISO 1522−2007に準じて行った。評価基準としては、ケーニッヒ硬度が60以上の場合を◎、40以上60未満であった場合を〇、40未満であった場合を×とした。
【0130】
[評価2]耐水性
各塗料組成物を乾燥膜厚が30μmになるようにガラス板に塗装し、室温で15分放置後、60℃のオーブン内に120分硬化させて塗膜を得た。室温で冷却後、この塗膜を60℃、湿度87%の条件で、72時間保持した。その後、室温で、60分放置し、試験後の塗膜を目視で観察した。評価基準としては、白化、ブツ等が見られなかったものを◎、ごく一部白化、ブツが観察されたものを〇、数か所以上白化、ブツが見られた場合を×とした。
【0131】
[評価3]下地密着性
軟鋼板にアクリルポリオール(樹脂固形分濃度55%、水酸基価30mgKOH/樹脂g)を樹脂膜厚40μmになるように塗装し、60℃で30分放置して塗膜1を形成した。その後、各塗料組成物を、前記塗膜1上に、樹脂膜厚30μmになるように塗装した。室温で15分放置後、90℃のオーブン内に30分硬化させて塗膜2を得た。室温で冷却後、この塗膜1及び塗膜2の密着性試験を、JIS K5600−5−6に準じて行った。評価基準としては、剥離塗膜及び浮きが無い、又は、カット部に一部浮きのみがあったものを○、剥離した箇所があったものを×とした。
【0132】
<ポリイソシアネート組成物の製造>
[実施例1]ポリイソシアネート組成物P−1の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 6000g及びイソブタノール7.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃で2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒トリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液5.0gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。次いで、反応液のNCO含有率が45.2質量%になった時点でリン酸を添加し反応を停止した。この反応で増加したウレトジオン2量体濃度は1質量%以下であった。反応液を更に150℃で1時間保持した。この加熱によりウレトジオン基が生成した(ここで得られた反応液を「反応液X1」とする)。
上記とは別に、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチルジシラサン3.6g及びn−ブタノール1.8gを添加して、80℃で1時間撹拌した。その後、HDI 160gを添加し、160℃に昇温し、2時間撹拌し、ビウレット化反応を行った。反応液のNCO含有率を測定したところ、48.7質量%であった(ここで得られた反応液を「反応液Y1」とする)。
反応液X1及び反応液Y1を混合後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%、粘度520mPa・s(25℃)、NCO含有率23.1質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%のポリイソシアネート組成物P−1を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。なお、表1において、「A」は基(I)のモル量、「B」はイソシアヌレート基のモル量、「C」はウレトジオン基のモル量、「D」はアロファネート基のモル量を示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0133】
[実施例2]ポリイソシアネート組成物P−2の製造
反応液Y1の代わりに、反応液Y2を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物P−2を製造した。
反応液Y2の製造方法としては、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチルジシラサン5.9g及びn−ブタノール3.0gを添加して、80℃で1時間撹拌した。その後、HDI 300gを添加し、160℃に昇温し、2時間撹拌し、ビウレット化反応を行い、反応液Y2を得た。反応液Y2のNCO含有率を測定したところ、48.7質量%であった。
反応液X1及び反応液Y2を混合後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、粘度510mPa・s(25℃)、NCO含有率23.1質量%、HDIモノマー濃度0.12質量%のポリイソシアネート組成物P−2を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0134】
[実施例3]ポリイソシアネート組成物P−3の製造
反応液Y1の代わりに、反応液Y3を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物P−3を製造した。
反応液Y3の製造方法としては、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチルジシラサン15.1g及びn−ブタノール7.6gを添加して、80℃で1時間撹拌した。その後、HDI 650gを添加し、160℃に昇温し、2時間撹拌し、ビウレット化反応を行い、反応液Y3を得た。反応液Y3のNCO含有率を測定したところ、48.7質量%であった。
反応液X1及び反応液Y3を混合後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、粘度500mPa・s(25℃)、NCO含有率23.1質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%のポリイソシアネート組成物P−3を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0135】
[実施例4]ポリイソシアネート組成物P−4の製造
反応液Y1の代わりに、反応液Y4を用いた以外は、実施例1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物P−4を製造した。
反応液Y4の製造方法としては、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチルジシラサン31.9g及びn−ブタノール16.0gを添加して、80℃で1時間撹拌した。その後、HDI 1370gを添加し、160℃に昇温し、2時間撹拌し、ビウレット化反応を行い、反応液Y4を得た。反応液Y4のNCO含有率を測定したところ、48.7質量%であった。
反応液X1及び反応液Y4を混合後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、粘度500mPa・s(25℃)、NCO含有率23.0質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%のポリイソシアネート組成物P−4を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0136】
[実施例5]ポリイソシアネート組成物P−5の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 6000g、イソブタノール7.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒トリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液5.0gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液のNCO含有率が45.9質量%になった時点でリン酸を添加し反応を停止した。この反応で増加したウレトジオン2量体濃度は1質量%以下であった。反応液を更に150℃、1時間保持した。この加熱によりウレトジオン基が生成した(ここで得られた反応液を「反応液X2」とする)。
上記とは別に、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチルジシラサン11.4g及びn−ブタノール5.7gを添加して、80℃で1時間撹拌した。その後、HDI 490gを添加し、160℃に昇温し、2時間撹拌し、ビウレット化反応を行った。反応液のNCO含有率を測定したところ、48.7質量%であった(ここで得られた反応液を「反応液Y5」とする)。
反応液X2及び反応液Y5を混合後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%、粘度320mPa・s(25℃)、NCO含有率23.4質量%、HDIモノマー濃度0.13質量%のポリイソシアネート組成物P−5を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0137】
[実施例6]ポリイソシアネート組成物P−6の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 6000g、イソブタノール7.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒トリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液5.0gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液のNCO含有率が43.2質量%になった時点でリン酸を添加し反応を停止した。この反応で増加したウレトジオン2量体濃度は1質量%以下であった。反応液を更に150℃、1時間保持した。この加熱によりウレトジオン基が生成した(ここで得られた反応液を「反応液X3」とする)。
上記とは別に、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチルジシラサン17.4g及びn−ブタノール8.7gを添加して、80℃で1時間撹拌した。その後、HDI 750gを添加し、160℃に昇温し、2時間撹拌し、ビウレット化反応を行った。反応液のNCO含有率を測定したところ、48.7質量%であった(ここで得られた反応液を「反応液Y6」とする)。
反応液X3及び反応液Y6を混合後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%、粘度1030mPa・s(25℃)、NCO含有率23.2質量%、HDIモノマー濃度0.10質量%のポリイソシアネート組成物P−6を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0138】
[実施例7]ポリイソシアネート組成物P−7の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 6000g、イソブタノール7.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒トリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液5.0gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液のNCO含有率が46.5質量%になった時点でリン酸を添加し反応を停止した(ここで得られた反応液を「反応液X4」とする)。
上記とは別に、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチルジシラサン8.2g及びn−ブタノール4.1gを添加して、80℃で1時間撹拌した。その後、HDI 360gを添加し、160℃に昇温し、2時間撹拌し、ビウレット化反応を行った。反応液のNCO含有率を測定したところ、48.7質量%であった(ここで得られた反応液を「反応液Y7」とする)。
反応液X4及び反応液Y7を混合後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、粘度530mPa・s(25℃)、NCO含有率23.3質量%、HDIモノマー濃度0.14質量%のポリイソシアネート組成物P−7を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0139】
[実施例8]ポリイソシアネート組成物P−8の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 6000g、イソブタノール19.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒トリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液5.0gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液のNCO含有率が43.0質量%になった時点でリン酸を添加し反応を停止した。反応液を更に150℃、1Hr保持した。この加熱によりウレトジオン基が生成した(ここで得られた反応液を「反応液X5」とする)。
上記とは別に、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチルジシラサン15.6g及びn−ブタノール7.8gを添加して、80℃で1時間撹拌した。その後、HDI 690gを添加し、160℃に昇温し、2時間撹拌し、ビウレット化反応を行った。反応液のNCO含有率を測定したところ、48.7質量%であった(ここで得られた反応液を「反応液Y8」とする)。
反応液X5及び反応液Y8を混合後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.3質量%、粘度480mPa・s(25℃)、NCO含有率22.2質量%、HDIモノマー濃度0.09質量%のポリイソシアネート組成物P−8を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0140】
[実施例9]ポリイソシアネート組成物P−9の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 6000g、イソブタノール4.5gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒トリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液5.0gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液のNCO含有率が46.7質量%になった時点でリン酸を添加し反応を停止した。この反応で増加したウレトジオン2量体濃度は1質量%以下であった。反応液を更に160℃、1時間保持した(ここで得られた反応液を「反応液X6」とする)。
上記とは別に、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチルジシラサン8.4g及びn−ブタノール4.1gを添加して、80℃で1時間撹拌した。その後、HDI 370gを添加し、160℃に昇温し、2時間撹拌し、ビウレット化反応を行った。反応液のNCO含有率を測定したところ、48.7質量%であった(ここで得られた反応液を「反応液Y9」とする)。
反応液X6及び反応液Y9を混合後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%、粘度270mPa・s(25℃)、NCO含有率22.9質量%、HDIモノマー濃度0.14質量%のポリイソシアネート組成物P−9を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0141】
[実施例10]ポリイソシアネート組成物P−10の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 6000gを仕込み、撹拌下反応器内温度を160℃、1.5時間保持した。次に、140℃に冷却し、36gのヘキサメチルジシラザンを添加し、30分間保持した。その後、90℃まで冷却し、n−ブタノール18gを添加し、30分保持した。その後、再び、160℃まで昇温し、2時間保持した。得られた反応液を、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%、粘度500mPa・s(25℃)、NCO含有率23.0質量%、HDIモノマー濃度0.12質量%のポリイソシアネート組成物P−10を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
【0142】
[実施例11]ポリイソシアネート組成物P−16の製造
反応液Y1を以下のように変えた以外は、実施例1と同様に行った。
上記とは別に、撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチルジシラサン54.7g、n−ブタノール27.3gを添加して、80℃で1時間撹拌した。その後、HDI 2350gを添加し、160℃に昇温し、2時間撹拌し、ビュレット化反応を行った。反応液のNCO含有率を測定したところ、48.7質量%であった。(反応液Y16)
反応液X1、反応液Y16を混合後、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、粘度480mPa・s(25℃)、NCO含有率22.9質量%、HDIモノマー濃度0.12質量%のポリイソシアネート組成物P−16を得た。
また、その後の測定、評価は実施例1と同様に行った。評価結果を表2に示す。
【0143】
[比較例1]ポリイソシアネート組成物P−11の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 6000g及びイソブタノール60.0gを仕込み、撹拌下反応器内温度を80℃、2時間保持した。その後、イソシアヌレート化触媒トリメチル−2−メチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシドをイソブタノールで5質量%に希釈した溶液5.0gを加え、イソシアヌレート化反応を行った。反応液のNCO含有率が41.3質量%になった時点でリン酸を添加し反応を停止した。得られた反応液を、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.4質量%、粘度460mPa・s(25℃)、NCO含有率21.1質量%、HDIモノマー濃度0.09質量%のポリイソシアネート組成物P−11を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表2に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0144】
[比較例2]ポリイソシアネート組成物P−12の製造
反応液X1の代わりに、実施例9で得られた反応液X6を、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製して用いた以外は実施例1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物P−12を製造した。得られたポリイソシアネート組成物P−12は、不揮発分99.5質量%、粘度290mPa・s(25℃)、NCO含有率23.0質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表2に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0145】
[比較例3]ポリイソシアネート組成物P−13の製造
実施例1で得られた反応液X1を、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製して用いた以外は実施例1と同様の方法を用いて、ポリイソシアネート組成物P−13を製造した。得られたポリイソシアネート組成物P−13は、不揮発分99.5質量%、粘度520mPa・s(25℃)、NCO含有率23.2質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%であった。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表2に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0146】
[比較例4]ポリイソシアネート組成物P−14の製造
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管及び滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HDI 6000gを仕込み、撹拌下反応器内温度を160℃、1.5時間保持した。次に、140℃に冷却し、36gのヘキサメチルジシラザンを添加し、30分間保持した。その後、90℃まで冷却し、n−ブタノール18gを添加し、30分間保持した。得られた反応液を、薄膜蒸発缶を用いて、160℃、0.2Torrの条件で2回精製し、不揮発分99.5質量%、粘度510mPa・s(25℃)、NCO含有率23.2質量%、HDIモノマー濃度0.12質量%のポリイソシアネート組成物P−14を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表2に示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0147】
[比較例5]ポリイソシアネート組成物P−15の製造
比較例3で得られたポリイソシアネート組成物P−13 100gに対し、ジメチルジメトキシシラン 0.8g(信越化学工業製、製品名「KBM−22」)を添加し、不揮発分99.5質量%、粘度500mPa・s(25℃)、NCO含有率23.1質量%、HDIモノマー濃度0.11質量%のポリイソシアネート組成物P−15を得た。
また、

H−NMR、
13
C−NMR測定により、基(I)/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基+基(I))のモル比率、ウレトジオン基/イソシアヌレート基のモル比率、及び、アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比率を測定した。得られた結果を表1に示す。なお、表2において、「※1」は、ジメチルメトキシシラン(信越化学工業製、製品名「KBM−22」)を示す。
その後、得られたポリイソシアネート組成物を用いて上記記載の方法を用いて、塗料組成物及び塗膜を製造し、塗膜硬度、耐水性及び下地密着性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0148】
【0149】
【0150】
表1から、ポリイソシアネート組成物P−1〜P−10(実施例1〜10)及びP−16(実施例11)は、低粘度であり、且つ、硬度及び耐水性に優れる塗膜を形成可能であることが確認された。
一方、表2から、ポリイソシアネート組成物P−11〜P−15(比較例1〜5)は、基(I)を有さず、低粘度であったが、硬度及び耐水性の両方に優れる塗膜は得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、低粘度であり、且つ、硬度及び耐水性に優れる塗膜を形成可能である。本実施形態の塗料組成物は、硬化剤成分として、前記ポリイソシアネート組成物を含み、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、ベル塗装、静電塗装等の塗料として利用することができる。また、本実施形態の塗料組成物は、鋼板、表面処理鋼板等の金属、プラスチック、木材、フィルム、無機材料等の素材へのプライマーや上中塗り塗料として用いることができる。また、本実施形態の塗料組成物は、防錆鋼板を含むプレコートメタル、自動車塗装等に耐熱性、美粧性(表面平滑性、鮮鋭性)等を付与する塗料としても有用である。また、本実施形態の塗料組成物は、接着剤、粘着剤、エラストマー、フォーム、表面処理剤等のウレタン原料としても有用である。また、本実施形態の塗料組成物が水系塗料組成物である場合、VOC成分を減らすことも可能となるため、水系のプラスチック用塗料、水系の自動車塗料の原料等として、幅広い分野において利用できる。

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