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公開番号2019137270
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190822
出願番号2018023189
出願日20180213
発明の名称車両のエンジン始動制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類B60W 10/06 20060101AFI20190726BHJP(車両一般)
要約【課題】モータジェネレータを使用したエンジンの始動の際、燃料噴射弁からの燃料噴射量に過不足が生じるおそれがある。
【解決手段】電子制御装置は、モータジェネレータがクランクシャフトに出力できる最大の回転トルクである最大MGトルクTQmgを算出する(ステップS12)。また、電子制御装置は、エンジンを始動するのに必要な要求始動トルクTQstaを算出する(ステップS14)。要求始動トルクTQstaが最大MGトルクTQmg以下であるとき(ステップS15でNO)、電子制御装置は、アシスト噴射量Qfをゼロとして算出し、燃料噴射弁からの燃料が噴射されないように制御する。
【選択図】図3
特許請求の範囲約 1,100 文字を表示【請求項1】
車両の駆動源としてエンジンと当該エンジンに駆動連結されたモータジェネレータとを備えているとともに、前記エンジンを始動させるスタータを備えている車両に搭載されるエンジン始動制御装置であって、
前記エンジンの機関回転数がゼロから予め定められた始動回転数を超えるまでのエンジンの始動期間中に、前記エンジンの燃料噴射弁から噴射する燃料の燃料噴射量をアシスト噴射量として算出する噴射量算出部を備え、
前記噴射量算出部は、前記モータジェネレータを使用してエンジンを始動する際、前記エンジンの機関回転数が、前記始動回転数未満の値である閾値以上である場合には、前記アシスト噴射量を、前記スタータを使用して前記エンジンを始動する際のアシスト噴射量よりも少なく算出する
ことを特徴とするエンジン始動制御装置。
【請求項2】
前記エンジンの状態に応じて、当該エンジンを始動するためにクランクシャフトに与える必要のある回転トルクを始動トルクとして算出する始動トルク算出部と、
前記モータジェネレータの状態に応じて、当該モータジェネレータが前記クランクシャフトに与えることができる回転トルクをモータジェネレータトルクとして算出するモータジェネレータトルク算出部とを備え、
前記噴射量算出部は、前記モータジェネレータトルクが前記始動トルクに一致するときの機関回転数を前記閾値とし、前記機関回転数が前記閾値未満であるときには、前記アシスト噴射量を正の値として算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御装置。
【請求項3】
前記噴射量算出部は、前記機関回転数が前記閾値未満であるときには、前記モータジェネレータトルクと前記始動トルクとの差が大きいほど、前記アシスト噴射量を大きな値として算出する
ことを特徴とする請求項2に記載のエンジン始動制御装置。
【請求項4】
前記噴射量算出部は、前記機関回転数が前記閾値以上であるときには、前記アシスト噴射量をゼロとして算出する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のエンジン始動制御装置。
【請求項5】
前記閾値は、前記モータジェネレータがクランクシャフトに与えることができる回転トルクが前記エンジンを始動するためにクランクシャフトに与える必要のある回転トルクに一致するときの機関回転数以上の回転数として予め定められており、
前記噴射量算出部は、前記機関回転数が前記閾値未満であるときには前記アシスト噴射量を正の値として算出し、前記機関回転数が前記閾値以上であるときには前記アシスト噴射量をゼロとして算出する
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン始動制御装置。

発明の詳細な説明約 17,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のエンジン始動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1における車両のハイブリッドシステムには、当該車両の駆動源として、エンジンと当該エンジンに駆動連結されたモータジェネレータとが設けられている。また、特許文献1のハイブリッドシステムには、エンジンを始動させるためのスタータが設けられている。このハイブリッドシステムにおいては、スタータを使用したエンジンの始動だけでなく、モータジェネレータを使用したエンジンの始動も可能になっている。また、特許文献1のハイブリッドシステムには、エンジンの始動時における燃料噴射量を制御するエンジン始動制御装置が適用されている。このエンジン始動制御装置は、予め定められたマップに従い、エンジンの機関回転数に応じて燃料噴射量を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012−236568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなハイブリッドシステムにおいては、スタータとモータジェネレータとで別種の電動機が採用される。具体的には、例えば、スタータとしては直流電動機が、モータジェネレータとしては交流電動機が採用されることが一般的である。そのため、スタータとモータジェネレータとでは出力特性に違いがあり、エンジンの始動時にエンジンのクランクシャフトに与えることができる回転トルクの大きさにも違いが生じる。このような出力特性の違いがあるにも拘らず、スタータを使用したエンジンの始動の際の燃料噴射制御を、モータジェネレータを使用したエンジンの始動の際にも適用すると、燃料噴射量に過不足が生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、車両の駆動源としてエンジンと当該エンジンに駆動連結されたモータジェネレータとを備えているとともに、前記エンジンを始動させるスタータを備えている車両に搭載されるエンジン始動制御装置であって、前記エンジンの機関回転数がゼロから予め定められた始動回転数を超えるまでのエンジンの始動期間中に、前記エンジンの燃料噴射弁から噴射する燃料の燃料噴射量をアシスト噴射量として算出する噴射量算出部を備え、前記噴射量算出部は、前記モータジェネレータを使用してエンジンを始動する際、前記エンジンの機関回転数が、前記始動回転数未満の値である閾値以上である場合には、前記アシスト噴射量を、前記スタータを使用して前記エンジンを始動する際のアシスト噴射量よりも少なく算出する。
【0006】
上記構成において、スタータは、エンジンの始動に特化した電動機であるため、エンジンの機関回転数が極小さいときには、クランクシャフトに大きな回転トルクを付与できる一方で、エンジンの機関回転数が大きくなるとクランクシャフトに付与できる回転トルクは小さくなる。したがって、スタータを使用してエンジンを始動する際には、エンジンの機関回転数が極小さいエンジンの始動初期を除けば、スタータからの回転トルクのみでは始動トルクを賄うことができない。そこで、従来、スタータを使用したエンジンの始動時には、相応の量の燃料を噴射して、当該燃料の燃焼によって回転トルクを補っている。
【0007】
一方、モータジェネレータは、車両の駆動源としても機能するものであるため、機関回転数が相応に高くても、クランクシャフトに回転トルクを付与できる。したがって、モータジェネレータを使用してエンジンを始動する際には、アシスト噴射量が少なくても、始動トルクをクランクシャフトに付与できる。
【0008】
上記の構成によれば、このようなスタータとモータジェネレータとの出力特性の違いを考慮してアシスト噴射量を算出できる。すなわち、モータジェネレータを使用してエンジンを始動する際には、エンジンの機関回転数が閾値に達した以後は、アシスト噴射量が、スタータを使用したときのアシスト噴射量よりも少なくなる。したがって、スタータを使用してエンジンを始動するときのアシスト噴射量を、そのままモータジェネレータを使用してエンジンを始動する場合に適用するのに比較して、エンジンの始動に要する燃料消費量を低減できる。
【0009】
上記の発明において、前記エンジンの状態に応じて、当該エンジンを始動するためにクランクシャフトに与える必要のある回転トルクを始動トルクとして算出する始動トルク算出部と、前記モータジェネレータの状態に応じて、当該モータジェネレータが前記クランクシャフトに与えることができる回転トルクをモータジェネレータトルクとして算出するモータジェネレータトルク算出部とを備え、前記噴射量算出部は、前記モータジェネレータトルクが前記始動トルクに一致するときの機関回転数を前記閾値とし、前記機関回転数が前記閾値未満であるときには、前記アシスト噴射量を正の値として算出してもよい。
【0010】
上記構成によれば、機関回転数が閾値未満であるとき、すなわち、モータジェネレータトルクが始動トルクよりも小さいときには、燃料噴射が行われて当該燃料の燃焼によって回転トルクが補われる。したがって、確実且つ速やかにモータジェネレータを使用してエンジンを始動できる。
【0011】
上記の発明において、前記噴射量算出部は、前記機関回転数が前記閾値未満であるときには、前記モータジェネレータトルクと前記始動トルクとの差が大きいほど、前記アシスト噴射量を大きな値として算出してもよい。
【0012】
上記構成によれば、始動トルクに対するモータジェネレータトルクの不足分に応じてアシスト噴射量を算出できる。したがって、燃料の噴射によって回転トルクを補うにあたって、アシスト噴射量の過不足をより小さくできる。
【0013】
上記の発明において、前記噴射量算出部は、前記機関回転数が前記閾値以上であるときには、前記アシスト噴射量をゼロとして算出してもよい。
上記構成によれば、機関回転数が閾値以上であるとき、すなわちモータジェネレータトルクが始動トルクを上回っている場合には、燃料噴射が行われない。したがって、モータジェネレータを使用した確実なエンジンの始動を確保しつつも、エンジンの始動機関中の燃料消費量を最小限にできる。
【0014】
上記の発明において、前記閾値は、前記モータジェネレータが前記クランクシャフトに与えることができる回転トルクが前記エンジンを始動するためにクランクシャフトに与える必要のある回転トルクに一致するときの機関回転数以上の回転数として予め定められており、前記噴射量算出部は、前記機関回転数が前記閾値未満であるときには前記アシスト噴射量を正の値として算出し、前記機関回転数が前記閾値以上であるときには前記アシスト噴射量をゼロとして算出してもよい。
【0015】
上記構成によれば、機関回転数と予め定められた閾値との比較に基づき、アシスト噴射量を正の値とするかゼロにするかを決定できる。したがって、エンジン始動時のアシスト噴射量の算出に要する処理負担を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
車両のハイブリッドシステムの概略構成図。
機関回転数と最大MGトルク及び要求始動トルクとの関係性を示すグラフ。
エンジン始動制御処理を示すフローチャート。
機関回転数とスタータトルク及び要求始動トルクとの関係性を示すグラフ。
モータジェネレータを使用したエンジンの始動時に、仮にスタータを使用してエンジンを始動するときのアシスト噴射量を適用した場合の機関回転数と各トルクとの関係性を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を説明する。先ず、図1に従って、車両のハイブリッドシステムの概略構成を説明する。
図1に示すように、ハイブリッドシステムは、駆動源としてエンジン10を備えている。エンジン10のクランクシャフト10aは、トランスミッション11等を介して駆動輪に駆動連結されている。また、エンジン10のクランクシャフト10aは、第1プーリ12に駆動連結されている。第1プーリ12には、伝達ベルト13が掛け回されている。なお、図示は省略するが、エンジン10のクランクシャフト10aは、ベルト、プーリ、ギア(スプロケット)、チェーン等を介して、油圧を発生するための油圧ポンプやエアコンのコンプレッサ等にも駆動連結されている。
【0018】
ハイブリッドシステムは、上記エンジン10とは別の駆動源として、モータジェネレータ20を備えている。モータジェネレータ20は、いわゆる三相交流電動機である。モータジェネレータ20の出力軸20aは、第2プーリ14に駆動連結されている。第2プーリ14には、伝達ベルト13が掛け回されている。すなわち、モータジェネレータ20は、第2プーリ14、伝達ベルト13、及び第1プーリ12を介して、エンジン10のクランクシャフト10aに駆動連結されている。
【0019】
モータジェネレータ20は、電動モータとして機能する場合には、第2プーリ14に回転トルクを与え、その回転トルクが伝達ベルト13及び第1プーリ12を介してエンジン10のクランクシャフト10aに入力される。すなわち、この場合には、モータジェネレータ20は、エンジン10の駆動をアシストする。一方、モータジェネレータ20は、発電機として機能する場合には、エンジン10のクランクシャフト10aの回転トルクが、第1プーリ12、伝達ベルト13、及び第2プーリ14を介して、モータジェネレータ20の出力軸20aに入力される。そして、出力軸20aの回転に応じて、モータジェネレータ20が発電する。
【0020】
モータジェネレータ20には、インバータ21を介して、高圧バッテリ22が接続されている。インバータ21は、いわゆる双方向インバータであり、モータジェネレータ20が発電した交流電圧を直流電圧に変換して高圧バッテリ22に出力し、高圧バッテリ22が出力した直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ20に出力する。なお、図1では、インバータ21をモータジェネレータ20とは別のものとして描いているが、インバータ21がモータジェネレータ20の筐体内に内蔵されていることもある。
【0021】
高圧バッテリ22は、48Vのリチウムイオン電池である。高圧バッテリ22は、モータジェネレータ20が電動モータとして機能するときには、当該モータジェネレータ20に電力を供給する。また、高圧バッテリ22は、モータジェネレータ20が発電機として機能するときには、当該モータジェネレータ20から電力の供給を受けて充電される。
【0022】
モータジェネレータ20には、インバータ21を介してDC/DCコンバータ23が接続されている。また、DC/DCコンバータ23は、高圧バッテリ22にも接続されている。DC/DCコンバータ23は、インバータ21や高圧バッテリ22から出力される直流電圧を12V〜15Vに降圧して出力する。DC/DCコンバータ23には、低圧バッテリ24が接続されている。
【0023】
低圧バッテリ24は、高圧バッテリ22よりも電圧の低い12Vの鉛蓄電池である。低圧バッテリ24は、DC/DCコンバータ23が駆動していないときやDC/DCコンバータ23の出力電圧が12Vであるときには、12Vの直流電圧を出力する。低圧バッテリ24は、DC/DCコンバータ23の出力電圧が低圧バッテリ24の開回路電圧(OCV)よりも大きいときには、DC/DCコンバータ23から電力の供給を受けて充電される。
【0024】
DC/DCコンバータ23及び低圧バッテリ24には、各種の補機25が接続されている。補機25の例としては、例えば、車両の前照灯、方向指示灯、室内灯などのライト関係や、カーナビゲーション装置やスピーカ等の車室内装備が挙げられる。補機25は、DC/DCコンバータ23が駆動していないときには、低圧バッテリ24から電力の供給を受ける。補機25は、DC/DCコンバータ23の出力電圧が低圧バッテリ24の開回路電圧(OCV)よりも大きいときには、当該DC/DCコンバータ23から電力の供給を受ける。
【0025】
また、DC/DCコンバータ23及び低圧バッテリ24には、上述した補機25の1つとして、エンジン10を始動するためのスタータ25Aが接続されている。スタータ25Aは直流電動機であり、当該スタータ25Aの出力軸がエンジン10のクランクシャフト10aに駆動連結されている。スタータ25Aは、低圧バッテリ24やDC/DCコンバータ23からの電力供給を受けて駆動する。
【0026】
ハイブリッドシステムは、エンジン10やモータジェネレータ20等を制御する電子制御装置30を備えている。電子制御装置30は、各種のプログラム(アプリケーション)を実行する演算部、プログラム等が記憶されている不揮発性の記憶部、及びプログラムの実行にあたってデータが一時的に記憶される揮発性メモリ等を備えた処理回路(コンピュータ)である。
【0027】
電子制御装置30には、車両に搭載されている各種のセンサ等から、エンジン10の状態を示す信号が入力される。具体的には、電子制御装置30には、クランク角センサ35からクランクシャフト10aの回転位置CAを示す信号が入力される。クランク角センサ35は、単位時間毎にエンジン10におけるクランクシャフト10aの回転位置CAを検出する。
【0028】
電子制御装置30には、冷却水温センサ36からエンジン10の冷却水温度THWを示す信号が入力される。冷却水温センサ36は、エンジン10におけるシリンダブロックやシリンダヘッド内に区画されているウォータジャケットの出口部に取り付けられており、このウォータジャケットの出口部における冷却水の温度を、冷却水温度THWとして検出する。
【0029】
また、電子制御装置30には、高圧バッテリ22から当該高圧バッテリ22の状態情報IHを示す信号が入力される。高圧バッテリ22の状態情報IHは、高圧バッテリ22の出力電圧値、出力電流値及び温度等である。電子制御装置30は、高圧バッテリ22の状態情報IHに基づいて、高圧バッテリ22の充電容量(SOC:State of charge)を算出する。なお、この実施形態において、高圧バッテリ22の充電容量とは、状態情報IHが入力された時点で高圧バッテリ22に充電されている電力量を、当該高圧バッテリ22の満充電の電力量に対する割合として示したものであり、例えば百分率(%)で表される。なお、図示は省略するが、電子制御装置30には、低圧バッテリ24から当該低圧バッテリ24の状態情報(出力電圧値、出力電流値及び温度等)を示す信号が入力される。電子制御装置30は、低圧バッテリ24の状態情報に基づいて、低圧バッテリ24の充電容量等を算出する。
【0030】
上記の電子制御装置30は、入力される各種の信号に基づいてモータジェネレータ20を制御するための操作信号MSmgを生成し、その操作信号MSmgをモータジェネレータ20に出力する。また、電子制御装置30は、入力される各種の信号に基づいてエンジン10の燃料噴射弁を制御するための操作信号MSinjを出力する。エンジン10の燃料噴射弁は、操作信号MSinjに応じた期間で開弁し、開弁期間に応じた量の燃料を噴射する。すなわち、電子制御装置30は、操作信号MSinjにより、エンジン10の燃料噴射弁からの1噴射あたりの燃料噴射量を制御している。
【0031】
また、電子制御装置30は、エンジン10が停止している状態において、当該エンジン10の始動要求があった場合には、スタータ25A及びモータジェネレータ20のどちらを使用してエンジン10を始動するかを決定する。具体的には、電子制御装置30は、車両の運転者がイグニッションスイッチ(エンジンスタートスイッチ、システム起動スイッチ等と呼称されることもある。)をオン操作したのに伴う始動要求のときには、スタータ25Aを使用したエンジン10の始動を決定する。また、電子制御装置30は、信号待ち等でエンジン10が一時停止(アイドルストップ)した後の自動再始動要求のときには、モータジェネレータ20を使用したエンジン10の始動を決定する。
【0032】
電子制御装置30は、スタータ25Aを使用したエンジン10の始動を決定した場合、エンジン10の始動期間中におけるエンジン10の燃料噴射弁からの燃料噴射量を、アシスト噴射量Qfとして算出する。この実施形態では、スタータ25Aを使用してエンジン10を始動する際には、エンジン10の始動期間の全期間に亘って、予め定められた一定のアシスト噴射量Qfが算出される。また、電子制御装置30は、モータジェネレータ20を使用したエンジン10の始動を決定した場合、エンジン10の始動期間中におけるエンジン10の燃料噴射弁からの燃料噴射量を、アシスト噴射量Qfとして算出する。このように、電子制御装置30は、車両のエンジン10に対する始動制御装置として機能する。
【0033】
次に、上記実施形態におけるモータジェネレータ20が出力できる最大モータジェネレータトルクTQmg(以下、最大MGトルクTQmgと略記する。)と、エンジン10を始動するのに必要な要求始動トルクTQstaとの関係について説明する。
【0034】
エンジン10を始動する際には、機関回転数Neが所定の期間内で始動回転数Nstaへと至るように制御される。そして、上記のように機関回転数Neが上昇するためにエンジン10のクランクシャフト10aに対して付与する必要がある要求始動トルクTQstaが、機関回転数Neに対する関数として定められている。図2に示すように、この要求始動トルクTQstaは、機関回転数Neがゼロであるときに最大で、機関回転数Neがゼロから増加していくに連れて小さくなる。そして、要求始動トルクTQstaは、機関回転数Neがある程度高くなって始動回転数Nstaに至るまでは、概ね一定の値となる。
【0035】
一方、モータジェネレータ20が、その時々で、エンジン10のクランクシャフト10aに付与できる最大のトルクである最大MGトルクTQmgは、機関回転数Neがゼロのときに最大で、機関回転数Neがゼロから増加していくに連れて小さくなる。とはいえ、最大MGトルクTQmgの低下割合は、機関回転数Neが小さいときの要求始動トルクTQstaの低下割合に比べると緩やかである。そのため、機関回転数Neが小さいときには、最大MGトルクTQmgは要求始動トルクTQstaよりも小さく、機関回転数Neが大きいときには、最大MGトルクTQmgは要求始動トルクTQstaよりも大きくなる。
【0036】
すなわち、最大MGトルクTQmgと要求始動トルクTQstaとが一致するときの機関回転数Neを閾値Nxとしたとき、機関回転数Neが閾値Nx未満であるときには、最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQstaに対して不足して不足トルクTQshtが発生する。その一方で、機関回転数Neが閾値Nx以上であるときには、最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQstaを満足している。
【0037】
次に、モータジェネレータ20を使用してエンジン10を始動する際の始動制御処理を図3に従って説明する。
電子制御装置30は、自動再始動要求があってモータジェネレータ20を使用したエンジン10の始動を決定すると、一連の始動制御処理を開始して、ステップS11の処理を実行する。
【0038】
ステップS11では、電子制御装置30は、モータジェネレータ20に対して操作信号MSmgを出力することにより、モータジェネレータ20の駆動を開始する。これにより、モータジェネレータ20からエンジン10のクランクシャフト10aに回転トルクが入力され、機関回転数Neが上昇していく。その後、電子制御装置30の処理は、ステップS12に移行する。
【0039】
ステップS12では、電子制御装置30は、当該ステップS12の実行時点において、モータジェネレータ20がエンジン10のクランクシャフト10aに付与できる最大の回転トルクである最大MGトルクTQmgを算出する。具体的には、電子制御装置30は、高圧バッテリ22からの状態情報IHに基づいて、高圧バッテリ22の充電容量を算出する。そして、高圧バッテリ22の充電容量が一定の値(例えば30〜40%)以上である場合には、高圧バッテリ22からモータジェネレータ20への入力電流が、当該モータジェネレータ20の最大定格入力であるものとする。また、高圧バッテリ22の充電容量が上記一定の値未満である場合には、充電容量が低いほど高圧バッテリ22からモータジェネレータ20への入力電流が小さくなるものとする。さらに、電子制御装置30は、クランク角センサ35が検出したステップS12の処理時点での最新の回転位置CAと、その1つ前に検出した回転位置CAとの差に基づいて単位時間あたりのクランクシャフト10aの回転数を算出し、それをエンジン10の機関回転数Neとする。そして、上記のようにして求められた入力電流でモータジェネレータ20が駆動した場合に、クランクシャフト10aに付与できる回転トルクを、機関回転数Neに応じて、最大MGトルクTQmgとして算出する。
【0040】
なお、最大MGトルクTQmgと機関回転数Neとの関係性については、上述したとおりである。したがって、高圧バッテリ22の充電容量が低くて高圧バッテリ22に対する入力電流が低いほど、図2のグラフにおいて最大MGトルクTQmgの曲線が下側へと平行移動したような状態になる。このように電子制御装置30は、モータジェネレータトルク算出部として機能する。ステップS12の処理の後、電子制御装置30の処理はステップS13に移行する。
【0041】
ステップS13では、電子制御装置30は、当該ステップS13の実行時点において、エンジン10を始動するためにクランクシャフト10aに付与する必要のある回転トルクの理論上(計算上)の最小値を、最小始動トルクTQminとして算出する。具体的には、電子制御装置30は、冷却水温センサ36が検出した冷却水温度THWに応じて、フリクショントルクTQfrec及び補機トルクTQauxを算出する。フリクショントルクTQfrecは、ピストンと気筒の内周面との間の摩擦やクランクシャフト10aと軸受との間の摩擦など、クランクシャフト10aが回転するのに伴って摺動する各種部材間の摩擦力に抗してクランクシャフト10aを回転させるのに必要なトルクであり、冷却水温度THWが低いほど大きな値として算出される。補機トルクTQauxは、クランクシャフト10aに駆動連結された油圧ポンプやコンプレッサ等を駆動するために必要なトルクであり、冷却水温度THWが低いほど大きな値として算出される。そして、電子制御装置30は、これらフリクショントルクTQfrecと補機トルクTQauxとを加算した値を、最小始動トルクTQminとして算出する。その後、電子制御装置30の処理はステップS14に移行する。
【0042】
ステップS14では、電子制御装置30は、ステップS13で算出した最小始動トルクTQminに、加算トルクTQaddを加算することにより、要求始動トルクTQstaを算出する。なお、加算トルクTQaddは、例えば、エンジン10の経時変化等によって、実際にクランクシャフト10aに付与する必要のある回転トルクと、理論上の最小始動トルクTQminとの間のずれを補償するものであり、予め定められた正の固定値である。このように、電子制御装置30は、エンジン10の状態に応じて、当該エンジン10を始動するためにクランクシャフト10aに与える必要のある回転トルクを始動トルク(要求始動トルクTQsta)として算出する始動トルク算出部として機能する。要求始動トルクTQstaの算出後、電子制御装置30の処理は、ステップS15に移行する。
【0043】
ステップS15では、電子制御装置30は、要求始動トルクTQstaが、最大MGトルクTQmgよりも大きいか否かを判定する。要求始動トルクTQstaが、最大MGトルクTQmg以下であると判定された場合(ステップS15においてNO)には、電子制御装置30の処理はステップS16に移行する。なお、図2に示すように、要求始動トルクTQstaと最大MGトルクTQmgとが一致するときの機関回転数Neを閾値Nxとしたとき、要求始動トルクTQstaが最大MGトルクTQmg以下であることは、機関回転数Neが閾値Nx以上であることと同義である。
【0044】
ステップS16では、電子制御装置30は、操作信号MSmgをモータジェネレータ20に出力して、エンジン10のクランクシャフト10aに要求始動トルクTQstaを付与するように、モータジェネレータ20を制御する。また、電子制御装置30は、アシスト噴射量Qfをゼロとして算出する。すなわち、電子制御装置30は、エンジン10の燃料噴射弁に操作信号MSinjを出力して、当該燃料噴射弁から燃料が噴射されないように制御する。
【0045】
一方、ステップS15において、要求始動トルクTQstaが、最大MGトルクTQmgよりも大きいと判定された場合(ステップS15においてYES)には、電子制御装置30の処理はステップS17に移行する。なお、図2に示すように、要求始動トルクTQstaと最大MGトルクTQmgとが一致するときの機関回転数Neを閾値Nxとしたとき、要求始動トルクTQstaが最大MGトルクTQmgよりも大きいということは、機関回転数Neが閾値Nx未満であることと同義である。
【0046】
ステップS17では、電子制御装置30は、要求始動トルクTQstaから最大MGトルクTQmgを減算することにより、不足トルクTQshtを算出する。その後、電子制御装置30の処理は、ステップS18に移行する。
【0047】
ステップS18では、電子制御装置30は、ステップS17において算出した不足トルクTQshtに応じて、当該不足トルクTQshtを補うのに必要なアシスト噴射量Qfを算出する。アシスト噴射量Qfは、吸気温度や吸気圧等の吸気に関するパラメータ及び不足トルクTQshtに対する関数として定められており、不足トルクTQshtが大きくなるほどアシスト噴射量Qfが大きな値として算出される。このように、電子制御装置30は、エンジン10の始動期間中に、エンジン10の燃料噴射弁から噴射するアシスト噴射量を算出する噴射量算出部として機能する。ステップS18の後、電子制御装置30の処理は、ステップS19に移行する。
【0048】
ステップS19では、電子制御装置30は、操作信号MSmgをモータジェネレータ20に出力して、エンジン10のクランクシャフト10aに最大MGトルクTQmgを付与するように、モータジェネレータ20を制御する。また、電子制御装置30は、エンジン10の燃料噴射弁に操作信号MSinjを出力して、当該燃料噴射弁からステップS18で算出したアシスト噴射量Qfの燃料が噴射されるように制御する。その後、電子制御装置30の処理は、ステップS20に移行する。
【0049】
ステップS20では、電子制御装置30は、ステップS20の実行時点での機関回転数Neが予め定められた始動回転数Nstaよりも大きいか否かを判定する。なお、始動回転数Nstaは、エンジン10がスタータ25A及びモータジェネレータ20からのトルクの付与を受けずに自立して駆動を維持できる最低限度の回転数として定められており、例えば数百rpmである。機関回転数Neが始動回転数Nsta以下であると判定された場合(ステップS20においてNO)、電子制御装置30の処理は、ステップS12に戻り、再びその後の処理が行われる。機関回転数Neが始動回転数Nstaよりも大きいと判定された場合(ステップS20においてYES)、一連の始動制御処理は終了する。
【0050】
なお、始動制御処理の終了後は、電子制御装置30は、エンジン10の状態や車両の運転者の操作に応じて、エンジン10の燃料噴射弁からの燃料噴射量やモータジェネレータ20の出力を制御する。
【0051】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
先ず、本実施形態のスタータ25Aの特性について説明する。本実施形態のスタータ25Aは、エンジン10の始動のために設けられた直流電動機である。そのため、図4に示すように、スタータ25Aが、クランクシャフト10aに与えることのできる回転トルクであるスタータトルクTQsmは、エンジン10の機関回転数Neが極小さいときに相応に大きい。その一方で、エンジン10の機関回転数Neが大きくなるに従ってスタータ25AのスタータトルクTQsmは急激に小さくなり、ある程度の機関回転数Ne(例えば200〜300rpm)を超えると、クランクシャフト10aに対してほとんど回転トルクを与えることができなくなる。したがって、要求始動トルクTQstaに対するスタータトルクTQsmの不足分である不足トルクTQshtを補うべく、アシスト噴射量Qfが算出される。本実施形態では、機関回転数Neが始動回転数Nstaに達するまで、一定のアシスト噴射量Qfが算出される。
【0052】
一方、図5に示すように、モータジェネレータ20の最大MGトルクTQmgは、機関回転数Neが小さいときには、スタータ25AのスタータトルクTQsmほどには大きくないものの、機関回転数Neが相応に高くなっても相応の大きさを維持している。このようなモータジェネレータ20を使用したエンジン10の始動時に、スタータ25Aを使用したエンジン10の始動時と同様に一定のアシスト噴射量Qfの燃料を噴射したとする。この場合、クランクシャフト10aに付与される回転トルクは、最大MGトルクTQmgに、アシスト噴射量Qfの燃料を噴射することによって得られる噴射トルクTQfを加算したものとなる。すると、機関回転数Neが閾値Nx以上で最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQsta以上になっているにも拘らず、燃料が噴射されることにより余剰トルクTQsurが発生することになる。したがって、余剰トルクTQsurを発生させるのに要した燃料が、エンジン10の始動させるのに対しては過剰であったことになる。
【0053】
これに対して、本実施形態では、図2に示すように、機関回転数Neが閾値Nx以上で最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQsta以上になっている場合には、アシスト噴射量Qfがゼロに算出される。すなわち、モータジェネレータ20の最大MGトルクTQmgが、エンジン10の始動に十分なトルクであれば、燃料噴射弁からの燃料噴射が行われない。したがって、上述したように、エンジン10の始動の際に過剰な量の燃料を噴射することは抑制できる。
【0054】
また、本実施形態では、機関回転数Neが閾値Nx以上で最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQsta未満になっている場合には、アシスト噴射量Qfが正の値に算出されて燃料噴射弁からの燃料噴射が行われる。すなわち、モータジェネレータ20の最大MGトルクTQmgが、エンジン10の始動に必要なトルクに満たないので、燃料噴射弁からの燃料噴射により回転トルクを補う。したがって、エンジン10のクランクシャフト10aに付与する回転トルクが小さすぎてエンジン10の始動に時間がかかったり、エンジン10の始動ができなくなったりすることは抑制できる。すなわち、確実且つ速やかにモータジェネレータ20を使用してエンジン10を始動できる。
【0055】
しかも、本実施形態では、機関回転数Neが閾値Nx以上で最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQsta未満になっている場合のアシスト噴射量Qfは、要求始動トルクTQstaから最大MGトルクTQmgを減算した不足トルクTQshtに応じて算出される。したがって、燃料の噴射によって回転トルクを補うにあたって、アシスト噴射量Qfの過不足をより小さくできる。
【0056】
さらに、本実施形態では、機関回転数Neが閾値Nx以上で最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQsta以上になっている場合には、要求始動トルクTQstaでモータジェネレータ20を制御する。したがって、モータジェネレータ20を使用してエンジン10を始動する際に、常に最大MGトルクTQmgでモータジェネレータ20を制御する場合に比較して、高圧バッテリ22の消費電力を低減できる。
【0057】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・エンジン10とモータジェネレータ20との駆動連結の態様は、上記実施形態に限らない。例えば、エンジン10とモータジェネレータ20との間に、第1プーリ12、伝達ベルト13、及び第2プーリ14に加えて、複数のギア等で構成される減速機構や、駆動力伝達経路の断接を行うクラッチ等が介在されていてもよい。
【0058】
・高圧バッテリ22及び低圧バッテリ24の出力電圧は、問わない。高圧バッテリ22として、48Vよりも低い出力電圧のバッテリを採用してもよいし、48Vよりも高い出力電圧のバッテリを採用してもよい。また、必ずしも、低圧バッテリ24の出力電圧が高圧バッテリ22の出力電圧よりも低くなくてもよく、両者の出力電圧が同じであってもよい。
【0059】
・高圧バッテリ22及び低圧バッテリ24の種類は、上記実施形態の例に限らない。例えば、高圧バッテリ22や低圧バッテリ24として、リチウムイオン電池や鉛蓄電池以外に、ニッケル水素電池やNAS電池を採用してもよい。
【0060】
・主としてエンジン10の走行トルクをアシストするモータジェネレータと、主としてエンジン10からのトルクにより発電するモータジェネレータとを別々に備えていてもよい。この場合、エンジン10の走行トルクをアシストするモータジェネレータを使用してエンジン10の始動を行えばよい。
【0061】
・上記実施形態では、機関回転数Neが閾値Nx以上(要求始動トルクTQstaが最大MGトルクTQmg以下)になっている場合に、アシスト噴射量Qfをゼロとして算出したが、必ずしもゼロでなくてもよい。少なくともスタータ25Aを使用したエンジン10の始動時におけるアシスト噴射量Qfよりも少ない量であれば、モータジェネレータ20を使用してエンジン10を始動する際の燃料消費量は低減できる。この変更例のように、最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQsta以上になっている場合であってもある程度の量の燃料を噴射しておけば、何らかの原因により一時的に最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQsta未満になっても、エンジン10の確実且つ速やかな始動が実現できる。
【0062】
・スタータ25Aを使用したエンジン10の始動時におけるアシスト噴射量Qfが機関回転数Neによって変動してもよい。この場合、同一の機関回転数Neでの比較で、スタータ25Aを使用したエンジン10の始動時におけるアシスト噴射量Qfよりも、モータジェネレータ20を使用したエンジン10の始動時におけるアシスト噴射量Qfの方が小さければよい。
【0063】
・機関回転数Neが閾値Nx以上である場合において、モータジェネレータ20は、要求始動トルクTQsta以上のトルクをクランクシャフト10aに与えられればよい。例えば、モータジェネレータ20を、常に、クランクシャフト10aに最大MGトルクmgが与えられるように制御してもよい。
【0064】
・機関回転数Neが閾値Nx未満(要求始動トルクTQstaが最大MGトルクTQmgより大きい)になっている場合に、アシスト噴射量Qfを正の一定値として算出してもよい。この場合、機関回転数Neがゼロから閾値Nxまでの間における不足トルクTQshtの最大値(一般的には、機関回転数Neがゼロのときの不足トルクQsht)を補うことができるアシスト噴射量Qfであればよい。
【0065】
・上記実施形態では、要求始動トルクTQstaが最大MGトルクTQm大きいか否かを判定することで、機関回転数Neが閾値Nx未満であるか否かを判定したが、機関回転数Neを予め定められた固定の閾値Nxと直接比較して、当該閾値Nx未満であるか否かを判定してもよい。この変更例の場合、例えば、試験やシミュレーション等を行なって、最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQstaに一致するときの機関回転数Neを求める。そして、求められた機関回転数Nx以上の回転数を閾値Nxとする。このように予め閾値Nxを定めておけば、上記実施形態のように、最大MGトルクTQmgや要求始動トルクTQstaを算出したり、これらを比較したりする処理は省略できる。その結果、エンジン10の始動時におけるアシスト噴射量Qfの算出に要する処理負担を小さくできる。
【0066】
・閾値Nxを、最大MGトルクTQmgが要求始動トルクTQstaに一致するときの機関回転数Neよりも小さな固定値として定めることもできる。この変更例の場合、機関回転数Neが閾値Nx以上になったときに、最大MGトルクTQmgと噴射トルクTQfとを加算した値が要求始動トルクTQsta以上となるように、アシスト噴射量Qfを算出すればよい。この変更例の場合であっても、モータジェネレータ20を使用したエンジン10の始動時における燃料消費量は、スタータ25Aを使用したエンジン10の始動時における燃料消費量より低減できる。
【0067】
・最大MGトルクTQmgの算出態様は、上記実施形態に限らない。例えば、最大MGトルクTQmgを、高圧バッテリ22の充電容量に拘らず、常に、最大定格入力が入力されたとした場合の最大MGトルクTQmgとして算出してもよい。この変更例の場合、例えば、高圧バッテリ22の充電容量がある一定の値よりも低くてモータジェネレータ20に最大定格入力を入力できない場合には、モータジェネレータ20ではなくスタータ25Aを使用したエンジン10の始動を行えばよい。
【0068】
・一連の始動制御処理のうちのステップS12等において、必ずしもモータジェネレータ20がクランクシャフト10aに与えることのできる最大のトルク(最大MGトルクTQmg)を算出しなくてもよい。例えば、モータジェネレータ20に、最大定格入力とは別に、モータジェネレータ20の駆動効率や劣化の抑制を勘案して常用の定格入力が設定されているのであれば、その常用の定格入力に基づいてモータジェネレータトルクを算出してもよい。
【0069】
・最小始動トルクTQminの算出態様は、上記実施形態に限らない。例えば、フリクショントルクTQfrec及び補機トルクTQauxに加えて他のトルクを加算してもよい。
【0070】
・また、補機がクラッチ等を介してエンジン10のクランクシャフト10aに駆動連結されていて、エンジン10の始動時に補機とクランクシャフト10aとの駆動連結が解除されている場合には、その補機の駆動に要するトルク分を減算して補機トルクTQauxからを算出すればよい。
【0071】
・最小始動トルクTQminに加算トルクTQaddを加算する処理(ステップS14)を省略して、最小始動トルクTQminをそのまま要求始動トルクTQstaとしてもよい。
【符号の説明】
【0072】
10…エンジン、10a…クランクシャフト、11…トランスミッション、12…第1プーリ、13…伝達ベルト、14…第2プーリ、20…モータジェネレータ、20a…出力軸、21…インバータ、22…高圧バッテリ、23…DC/DCコンバータ、24…低圧バッテリ、25…補機、25A…スタータ、30…電子制御装置、35…クランク角センサ、36…冷却水温センサ、CA…回転位置、THW…冷却水温度、IH…状態情報、MSmg…操作信号、MSinj…操作信号、Qf…アシスト噴射量、Ne…機関回転数、Nsta…始動回転数、TQsta…要求始動トルク、TQadd…加算トルク、TQsht…不足トルク、TQf…噴射トルク、TQsur…余剰トルク。

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