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公開番号2019135823
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190815
出願番号2018018641
出願日20180205
発明の名称フィーダリンクを利用した無線中継装置の監視
出願人ソフトバンク株式会社
代理人個人,個人
主分類H04B 7/185 20060101AFI20190719BHJP(電気通信技術)
要約【課題】3次元化したネットワークを実現する無線中継装置の状態を、専用回線を設けることなく監視することができる無線中継装置を提供する。
【解決手段】上空を飛行して移動可能な無線中継装置であって、地上又は海上に設けられた通信網側のゲートウェイ局との間でフィーダリンクの無線信号を送受信するための第一アンテナと、端末装置との間でサービスリンクの無線信号を送受信するための第二アンテナと、第一アンテナと第二アンテナとの間に設けられ、フィーダリンクの無線信号とサービスリンクの無線信号とを中継する中継処理部と、当該無線中継装置の状態に関する監視情報を取得する情報取得部と、フィーダリンクを介してゲートウェイ局に監視情報を送信する情報通信部と、を備える。
【選択図】図10
特許請求の範囲約 1,700 文字を表示【請求項1】
上空を飛行して移動可能な無線中継装置であって、
地上又は海上に設けられた通信網側のゲートウェイ局との間でフィーダリンクの無線信号を送受信するための第一アンテナと、
端末装置との間でサービスリンクの無線信号を送受信するための第二アンテナと、
前記第一アンテナと前記第二アンテナとの間に設けられ、前記フィーダリンクの無線信号と前記サービスリンクの無線信号とを中継する中継処理部と、
当該無線中継装置の状態に関する監視情報を取得する情報取得部と、
前記フィーダリンクを介して通信網側に前記監視情報を送信する情報通信部と、を備えることを特徴とする無線中継装置。
【請求項2】
請求項1の無線中継装置において、
制御情報に基づいて当該無線中継装置を制御する制御部を更に備え、
前記情報通信部は、前記フィーダリンクを介して前記制御情報を受信することを特徴とする無線中継装置。
【請求項3】
請求項2の無線中継装置において、
前記制御情報は、目標飛行ルート情報を含むことを特徴とする無線中継装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかの無線中継装置において、
前記情報通信部は、
前記第二アンテナと前記中継処理部との間のサービスリンク信号経路に対して前記サービスリンクの無線信号の送受信するための監視用アンテナと、
前記監視用アンテナを介して送受信されるサービスリンクのリバースリンク信号又はフォワードリンク信号と、前記監視情報のデータ信号又は前記制御情報のデータ信号との間の変換を行う信号変換部と、を有することを特徴とする無線中継装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかの無線中継装置において、
前記情報通信部は、
前記第二アンテナと前記中継処理部との間のサービスリンク信号経路に設けられた方向性結合器又は分配合成器と、
前記方向性結合器又は分配合成器を介して送受信されるサービスリンクのリバースリンク信号又はフォワードリンク信号と、前記監視情報のデータ信号又は前記制御情報のデータ信号との間の変換を行う信号変換部と、を有することを特徴とする無線中継装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかの無線中継装置において、
前記監視情報は、当該無線中継装置の現在位置、飛行ルート履歴情報、対気速度、対地速度及び推進方向、当該無線中継装置の周辺の気流の風速及び風向、並びに、当該無線中継装置の周辺の気圧及び気温の少なくとも一つの情報を含むことを特徴とする無線中継装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかの無線中継装置において、
前記監視情報は、前記ゲートウェイ局との間のフィーダリンクの通信品質の情報及び前記端末装置との間のサービスリンクの通信品質の情報の少なくとも一方を含むことを特徴とする無線中継装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかの無線中継装置において、
前記フィーダリンクの周波数と前記サービスリンクの周波数は互いに異なり、
前記中継処理部は、前記フィーダリンクの周波数と前記サービスリンクの周波数との間の周波数変換機能を有することを特徴とする無線中継装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかの無線中継装置において、
前記ゲートウェイ局は、移動通信の基地局に接続されたリピーター親機であり、
当該無線中継装置は、前記リピーター親機と無線通信するリピーター子機であることを特徴とする無線中継装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかの無線中継装置において、
当該無線中継装置は、移動体通信の基地局であることを特徴とする無線中継装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかの無線中継装置と、前記無線中継装置とフィーダリンクを介して通信する通信網側のゲートウェイ局と、前記監視情報を受信する通信網側の監視装置と、を備える通信システム。

発明の詳細な説明約 24,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、第5世代通信の3次元化ネットワークの構築に適したHAPS(高高度プラットフォーム局)等の無線中継装置及び通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、移動通信システムの通信規格である3GPPのLTE(Long Term Evolution)−Advanced(非特許文献1参照)を発展させたLTE−AdvancedProと呼ばれる通信規格が知られている(非特許文献2参照)。このLTE−AdvancedProでは、近年のIoT(Internet of Things)向けデバイスへの通信を提供するための仕様が策定された。更に、IoT向けデバイス等の多数の端末装置(「UE(ユーザ装置)」、「移動局」、「通信端末」ともいう。)への同時接続や低遅延化などに対応する第5世代の移動通信が検討されている(例えば、非特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
3GPP TS 36.300 V10.12.0(2014−12).
3GPP TS 36.300 V13.5.0(2016−09).
G. Romano,「3GPP RAN progress on “5G”」,3GPP,2016.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記第5世代移動通信等においてIoT向けデバイスを含む端末装置との間の無線通信にて3次元化したネットワークを実現する無線中継装置の状態を、専用回線を設けることなく監視するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る無線中継装置は、上空を飛行して移動可能な無線中継装置であって、地上又は海上に設けられた通信網側のゲートウェイ局との間でフィーダリンクの無線信号を送受信するための第一アンテナと、端末装置との間でサービスリンクの無線信号を送受信するための第二アンテナと、前記第一アンテナと前記第二アンテナとの間に設けられ、前記フィーダリンクの無線信号と前記サービスリンクの無線信号とを中継する中継処理部と、当該無線中継装置の状態に関する監視情報を取得する情報取得部と、前記フィーダリンクを介して通信網側に前記監視情報を送信する情報通信部と、を備える。
前記無線中継装置において、制御情報に基づいて当該無線中継装置を制御する制御部を更に備え、前記情報通信部は、前記フィーダリンクを介して前記制御情報を受信してもよい。ここで、前記制御情報は、目標飛行ルート情報を含んでもよい。
また、前記無線中継装置において、前記情報通信部は、前記第二アンテナと前記中継処理部との間のサービスリンク信号経路に対して前記サービスリンクの無線信号の送受信するための監視用アンテナと、前記監視用アンテナを介して送受信されるサービスリンクのリバースリンク信号又はフォワードリンク信号と、前記監視情報のデータ信号又は前記制御情報のデータ信号との間の変換を行う信号変換部と、を有してもよい。
また、前記無線中継装置において、前記情報通信部は、前記第二アンテナと前記中継処理部との間のサービスリンク信号経路に設けられた方向性結合器又は分配合成器と、前記方向性結合器又は分配合成器を介して送受信されるサービスリンクのリバースリンク信号又はフォワードリンク信号と、前記監視情報のデータ信号又は前記制御情報のデータ信号との間の変換を行う信号変換部と、を有してもよい。
また、前記無線中継装置において、前記監視情報は、当該無線中継装置の現在位置、飛行ルート履歴情報、対気速度、対地速度及び推進方向、当該無線中継装置の周辺の気流の風速及び風向、並びに、当該無線中継装置の周辺の気圧及び気温の少なくとも一つの情報を含んでもよいし、前記ゲートウェイ局との間のフィーダリンクの通信品質の情報及び前記端末装置との間のサービスリンクの通信品質の情報の少なくとも一方を含んでもよい。
また、前記無線中継装置において、前記フィーダリンクの周波数と前記サービスリンクの周波数は互いに異なり、前記中継処理部は、前記フィーダリンクの周波数と前記サービスリンクの周波数との間の周波数変換機能を有してもよい。
また、前記無線中継装置において、前記ゲートウェイ局は、移動通信の基地局に接続されたリピーター親機であり、当該無線中継装置は、前記リピーター親機と無線通信するリピーター子機であってもよい。
また、前記無線中継装置は、移動体通信の基地局であってもよい。
【0006】
本発明の一態様に係る通信システムは、いずれかの無線中継装置と、前記無線中継装置とフィーダリンクを介して通信する通信網側のゲートウェイ局と、前記監視情報を受信する通信網側の監視装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、3次元化したネットワークを実現する無線中継装置の状態に関する監視情報を、その無線中継装置で利用されるフィーダリンクを介して通信網側に送信することができるので、専用回線を設けることなく無線中継装置の状態を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一実施形態に係る3次元化ネットワークを実現する通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図。
実施形態の通信システムに用いられるHAPSの一例を示す斜視図。
実施形態の通信システムに用いられるHAPSの他の例を示す側面図。
実施形態の複数のHAPSで上空に形成される無線ネットワークの一例を示す説明図。
更に他の実施形態に係る3次元化ネットワークを実現する通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図。
実施形態のHAPSの無線中継局の一構成例を示すブロック図。
実施形態のHAPSの無線中継局の他の構成例を示すブロック図。
実施形態のHAPSの無線中継局の更に他の構成例を示すブロック図。
参考例に係るHAPS監視システムの構成を示すブロック図。
実施形態に係るHAPS監視システムの一構成例を示すブロック図。
図10のHAPS監視システムにおけるデータの流れの一例を示すシーケンス図。
実施形態に係るHAPS監視システムの他の構成例を示すブロック図。
図12のHAPS監視システムにおけるデータの流れの一例を示すシーケンス図。
実施形態に係るHAPS監視システムの更に他の構成例を示すブロック図。
図14のHAPS監視システムにおけるデータの流れの一例を示すシーケンス図。
実施形態に係るHAPS監視システムの更に他の構成例を示すブロック図。
図16のHAPS監視システムにおけるデータの流れの一例を示すシーケンス図。
実施形態に係るHAPS監視システムにおけるHAPSの他の構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る通信システムは、多数の端末装置への同時接続や低遅延化などに対応する第5世代移動通信の3次元化ネットワークの実現に適する。
【0010】
図1に示すように、通信システムは、複数の空中浮揚型の通信中継装置(無線中継装置)としての高高度プラットフォーム局(HAPS)10,20を備えている。HAPS10,20は、所定高度の空域に位置して、所定高度のセル形成目標空域40に図中ハッチング領域で示すような3次元セル(3次元エリア)41,42を形成する。HAPS10,20は、自律制御又は外部から制御により地面又は海面から100[km]以下の高高度の空域(浮揚空域)50に浮遊あるいは飛行して位置するように制御される浮揚体(例えば、ソーラープレーン、飛行船)に、無線中継局が搭載されたものである。
【0011】
HAPS10,20の位置する空域50は、例えば、高度が11[km]以上及び50[km]以下の成層圏の空域である。この空域50は、気象条件が比較的安定している高度15[km]以上25[km]以下の空域であってもよく、特に高度がほぼ20[km]の空域であってもよい。図中のHrsl及びHrsuはそれぞれ、地面(GL)を基準にしたHAPS10,20の位置する空域50の下端及び上端の相対的な高度を示している。
【0012】
セル形成目標空域40は、本実施形態の通信システムにおける1又は2以上のHAPSで3次元セルを形成する目標の空域である。セル形成目標空域40は、HAPS10,20が位置する空域50と従来のマクロセル基地局等の基地局(例えばLTEのeNodeB)90がカバーする地面近傍のセル形成領域との間に位置する、所定高度範囲(例えば、50[m]以上1000[m]以下の高度範囲)の空域である。図中のHcl及びHcuはそれぞれ、地面(GL)を基準にしたセル形成目標空域40の下端及び上端の相対的な高度を示している。
【0013】
なお、本実施形態の3次元セルが形成されるセル形成目標空域40は、海、川又は湖の上空であってもよい。
【0014】
HAPS10,20の無線中継局はそれぞれ、移動局である端末装置と無線通信するためのビーム100,200を地面に向けて形成する。端末装置は、遠隔操縦可能な小型のヘリコプター等の航空機であるドローン60に組み込まれた通信端末モジュールでもよいし、飛行機65の中でユーザが使用するユーザ装置であってもよい。セル形成目標空域40においてビーム100,200が通過する領域が3次元セル41,42である。セル形成目標空域40において互いに隣り合う複数のビーム100,200は部分的に重なってもよい。
【0015】
HAPS10,20の無線中継局はそれぞれ、例えば、地上(又は海上)側のコアネットワークに接続された中継局としてのゲートウェイ局(「フィーダ局」ともいう。)70と無線通信する基地局、又は、地上(又は海上)側の基地局に接続された中継局としてのフィーダ局(リピーター親機)70と無線通信するリピーター子機である。HAPS10,20の無線中継局はそれぞれ、地上又は海上に設置されたフィーダ局70を介して、移動通信網80のコアネットワークに接続されている。HAPS10,20とフィーダ局70との間の通信は、マイクロ波などの電波による無線通信で行ってもよいし、レーザ光などを用いた光通信で行ってもよい。
【0016】
HAPS10,20はそれぞれ、内部に組み込まれたコンピュータ等で構成された制御部が制御プログラムを実行することにより、自身の浮揚移動(飛行)や無線中継局での処理を自律制御してもよい。例えば、HAPS10,20はそれぞれ、自身の現在位置情報(例えばGPS位置情報)、予め記憶した位置制御情報(例えば、飛行スケジュール情報)、周辺に位置する他のHAPSの位置情報などを取得し、それらの情報に基づいて浮揚移動(飛行)や無線中継局での処理を自律制御してもよい。
【0017】
また、HAPS10,20それぞれの浮揚移動(飛行)や無線中継局での処理は、移動通信網80の通信センター等に設けられた管理装置としての監視装置(「遠隔制御装置」ともいう。)85によって制御できるようにしてもよい。監視装置85は、例えば、PCなどのコンピュータ装置やサーバ等で構成することができる。この場合、HAPS10,20は、監視装置85からの制御情報を受信したり監視装置85に監視情報などの各種情報を送信したりできるように制御用通信端末装置(例えば、移動通信モジュール)が組み込まれ、監視装置85から識別できるように端末識別情報(例えば、IPアドレス、電話番号など)が割り当てられるようにしてもよい。制御用通信端末装置の識別には通信インターフェースのMACアドレスを用いてもよい。また、HAPS10,20はそれぞれ、自身又は周辺のHAPSの浮揚移動(飛行)や無線中継局での処理に関する情報、HAPS10,20の状態に関する情報や各種センサなどで取得した観測データなどの監視情報を、監視装置85等の所定の送信先に送信するようにしてもよい。制御情報は、HAPSの目標飛行ルート情報を含んでもよい。監視情報は、HAPS10,20の現在位置、飛行ルート履歴情報、対気速度、対地速度及び推進方向、HAPS10,20の周辺の気流の風速及び風向、並びに、HAPS10,20の周辺の気圧及び気温の少なくとも一つの情報を含んでもよい。
【0018】
セル形成目標空域40では、HAPS10,20のビーム100,200が通過していない領域(3次元セル41,42が形成されない領域)が発生するおそれがある。この領域を補完するため、図1の構成例のように、地上側又は海上側から上方に向かって放射状のビーム300を形成して3次元セル43を形成してATG(Air To Ground)接続を行う基地局(以下「ATG局」という。)30を備えてもよい。
【0019】
また、ATG局30を用いずに、HAPS10,20の位置やビーム100,200の発散角(ビーム幅)等を調整することにより、HAPS10,20の無線中継局が、セル形成目標空域40に3次元セルがくまなく形成されるように、セル形成目標空域40の上端面の全体をカバーするビーム100,200を形成してもよい。
【0020】
なお、前記HAPS10,20で形成する3次元セルは、地上又は海上に位置する端末装置との間でも通信できるよう地面又は海面に達するように形成してもよい。
【0021】
図2は、実施形態の通信システムに用いられるHAPS10の一例を示す斜視図である。
図2のHAPS10は、ソーラープレーンタイプのHAPSであり、長手方向の両端部側が上方に沿った主翼部101と、主翼部101の短手方向の一端縁部にバス動力系の推進装置としての複数のモータ駆動のプロペラ103とを備える。主翼部101の上面には、太陽光発電機能を有する太陽光発電部としての太陽光発電パネル(以下「ソーラーパネル」という。)102が設けられている。また、主翼部101の下面の長手方向の2箇所には、板状の連結部104を介して、ミッション機器が収容される複数の機器収容部としてのポッド105が連結されている。各ポッド105の内部には、ミッション機器としての無線中継局110と、バッテリー106とが収容されている。また、各ポッド105の下面側には離発着時に使用される車輪107が設けられている。ソーラーパネル102で発電された電力はバッテリー106に蓄電され、バッテリー106から供給される電力により、プロペラ103のモータが回転駆動され、無線中継局110による無線中継処理が実行される。
【0022】
ソーラープレーンタイプのHAPS10は、例えば旋回飛行を行ったり8の字飛行を行ったりすることにより揚力で浮揚し、所定の高度で水平方向の所定の範囲に滞在するように浮揚することができる。なお、ソーラープレーンタイプのHAPS10は、プロペラ103が回転駆動されていないときは、グライダーのように飛ぶこともできる。例えば、昼間などのソーラーパネル102の発電によってバッテリー106の電力が余っているときに高い位置に上昇し、夜間などのソーラーパネル102で発電できないときにバッテリー106からモータへの給電を停止してグライダーのように飛ぶことができる。
【0023】
また、HAPS10は、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部としての3次元対応指向性の光アンテナ装置130を備えている。なお、図2の例では主翼部101の長手方向の両端部に光アンテナ装置130を配置しているが、HAPS10の他の箇所に光アンテナ装置130を配置してもよい。なお、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部は、このような光通信を行うものに限らず、マイクロ波などの電波による無線通信などの他の方式による無線通信であってもよい。
【0024】
図3は、実施形態の通信システムに用いられるHAPS20の他の例を示す斜視図である。
図3のHAPS20は、無人飛行船タイプのHAPSであり、ペイロードが大きいため大容量のバッテリーを搭載することができる。HAPS20は、浮力で浮揚するためのヘリウムガス等の気体が充填された飛行船本体201と、バス動力系の推進装置としてのモータ駆動のプロペラ202と、ミッション機器が収容される機器収容部203とを備える。機器収容部203の内部には、無線中継局210とバッテリー204とが収容されている。バッテリー204から供給される電力により、プロペラ202のモータが回転駆動され、無線中継局210による無線中継処理が実行される。
【0025】
なお、飛行船本体201の上面に、太陽光発電機能を有するソーラーパネルを設け、ソーラーパネルで発電された電力をバッテリー204に蓄電するようにしてもよい。
【0026】
また、無人飛行船タイプのHAPS20も、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部としての3次元対応指向性の光アンテナ装置230を備えている。なお、図3の例では飛行船本体201の上面部及び機器収容部203の下面部に光アンテナ装置230を配置しているが、HAPS20の他の部分に光アンテナ装置230を配置してもよい。なお、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部は、このような光通信を行うものに限らず、マイクロ波などの電波による無線通信などの他の方式による無線通信を行うものであってもよい。
【0027】
図4は、実施形態の複数のHAPS10,20で上空に形成される無線ネットワークの一例を示す説明図である。
複数のHAPS10,20は、上空で互いに光通信によるHAPS間通信ができるように構成され、3次元化したネットワークを広域にわたって安定に実現することができるロバスト性に優れた無線通信ネットワークを形成する。この無線通信ネットワークは、各種環境や各種情報に応じたダイナミックルーティングによるアドホックネットワークとして機能することもできる。前記無線通信ネットワークは、2次元又は3次元の各種トポロジーを有するように形成することができ、例えば、図4に示すようにメッシュ型の無線通信ネットワークであってもよい。
【0028】
図5は、他の実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図である。
なお、図5において、前述の図1と共通する部分については同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0029】
図5の実施形態では、HAPS10と移動通信網80のコアネットワークとの間の通信を、フィーダ局70及び低軌道の人工衛星72を介して行っている。この場合、人工衛星72とフィーダ局70との間の通信は、マイクロ波などの電波による無線通信で行ってもよいし、レーザ光などを用いた光通信で行ってもよい。また、HAPS10と人工衛星72との間の通信については、レーザ光などを用いた光通信で行っている。
【0030】
図6は、実施形態のHAPS10,20の無線中継局110,210の一構成例を示すブロック図である。
図5の無線中継局110,210はリピータータイプの無線中継局の例である。無線中継局110,210はそれぞれ、3Dセル形成アンテナ部111と、送受信部112と、フィード用アンテナ部113と、送受信部114と、リピーター部115と、監視制御部116と、電源部117とを備える。更に、無線中継局110,210はそれぞれ、HAPS間通信などに用いる光通信部125と、ビーム制御部126とを備える。
【0031】
3Dセル形成アンテナ部111は、セル形成目標空域40に向けて放射状のビーム100,200を形成するアンテナを有し、端末装置と通信可能な3次元セル41,42を形成する。送受信部112は、3Dセル形成アンテナ部111とともに第一無線通信部を構成し、送受共用器(DUP:DUPlexer)や増幅器などを有し、3Dセル形成アンテナ部111を介して、3次元セル41,42に在圏する端末装置に無線信号を送信したり端末装置から無線信号を受信したりする。
【0032】
フィード用アンテナ部113は、地上又は海上のフィーダ局70と無線通信するための指向性アンテナを有する。送受信部114は、フィード用アンテナ部113とともに第二無線通信部を構成し、送受共用器(DUP:DUPlexer)や増幅器などを有し、フィード用アンテナ部113を介して、フィーダ局70に無線信号を送信したりフィーダ局70から無線信号を受信したりする。
【0033】
リピーター部115は、端末装置との間で送受信される送受信部112の信号と、フィーダ局70との間で送受信される送受信部114の信号とを中継する。リピーター部115は、所定周波数の中継対象信号を所定のレベルまで増幅するアンプ機能を有する。リピーター部115は、中継対象信号の周波数を変換する周波数変換機能を有してもよい。
【0034】
監視制御部116は、例えばCPU及びメモリ等で構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、HAPS10,20内の各部の動作処理状況を監視したり各部を制御したりする。特に、監視制御部116は、制御プログラムを実行することにより、プロペラ103,202を駆動するモータ駆動部141を制御して、HAPS10,20を目標位置へ移動させ、また、目標位置近辺に留まるように制御する。
【0035】
電源部117は、バッテリー106,204から出力された電力をHAPS10,20内の各部に供給する。電源部117は、太陽光発電パネル等で発電した電力や外部から給電された電力をバッテリー106,204に蓄電させる機能を有してもよい。
【0036】
光通信部125は、レーザ光等の光通信媒体を介して周辺の他のHAPS10,20や人工衛星72と通信する。この通信により、ドローン60等の端末装置と移動通信網80との間の無線通信を動的に中継するダイナミックルーティングが可能になるとともに、いずれかのHAPSが故障したときに他のHAPSがバックアップして無線中継することにより移動通信システムのロバスト性を高めることができる。
【0037】
ビーム制御部126は、HAPS間通信や人工衛星72との通信に用いるレーザ光などのビームの方向及び強度を制御したり、周辺の他のHAPS(無線中継局)との間の相対的な位置の変化に応じてレーザ光等の光ビームによる通信を行う他のHAPS(無線中継局)を切り替えるように制御したりする。この制御は、例えば、HAPS自身の位置及び姿勢、周辺のHAPSの位置などに基づいて行ってもよい。HAPS自身の位置及び姿勢の情報は、そのHAPSに組み込んだGPS受信装置、ジャイロセンサ、加速度センサなどの出力に基づいて取得し、周辺のHAPSの位置の情報は、移動通信網80に設けた監視装置85、又は、HAPS管理サーバやアプリケーションサーバ等のサーバ86から取得してもよい。
【0038】
図7は、実施形態のHAPS10,20の無線中継局110,210の他の構成例を示すブロック図である。
図7の無線中継局110,210は基地局タイプの無線中継局の例である。
なお、図7において、図6と同様な構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。図7の無線中継局110,210はそれぞれ、モデム部118を更に備え、リピーター部115の代わりに基地局処理部119を備える。更に、無線中継局110,210はそれぞれ、光通信部125とビーム制御部126とを備える。
【0039】
モデム部118は、例えば、フィーダ局70からフィード用アンテナ部113及び送受信部114を介して受信した受信信号に対して復調処理及び復号処理を実行し、基地局処理部119側に出力するデータ信号を生成する。また、モデム部118は、基地局処理部119側から受けたデータ信号に対して符号化処理及び変調処理を実行し、フィード用アンテナ部113及び送受信部114を介してフィーダ局70に送信する送信信号を生成する。
【0040】
基地局処理部119は、例えば、LTE/LTE−Advancedの標準規格に準拠した方式に基づいてベースバンド処理を行うe−NodeBとしての機能を有する。基地局処理部119は、第5世代等の将来の移動通信の標準規格に準拠する方式で処理するものであってもよい。
【0041】
基地局処理部119は、例えば、3次元セル41,42に在圏する端末装置から3Dセル形成アンテナ部111及び送受信部112を介して受信した受信信号に対して復調処理及び復号処理を実行し、モデム部118側に出力するデータ信号を生成する。また、基地局処理部119は、モデム部118側から受けたデータ信号に対して符号化処理及び変調処理を実行し、3Dセル形成アンテナ部111及び送受信部112を介して3次元セル41,42の端末装置に送信する送信信号を生成する。
【0042】
図8は、実施形態のHAPS10,20の無線中継局110,210の更に他の構成例を示すブロック図である。
図8の無線中継局110,210はエッジコンピューティング機能を有する高機能の基地局タイプの無線中継局の例である。なお、図8において、図6及び図7と同様な構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。図8の無線中継局110,210はそれぞれ、図7の構成要素に加えてエッジコンピューティング部120を更に備える。
【0043】
エッジコンピューティング部120は、例えば小型のコンピュータで構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、HAPS10,20の無線中継局110,210における無線中継などに関する各種の情報処理を実行することができる。
【0044】
例えば、エッジコンピューティング部120は、3次元セル41,42に在圏する端末装置から受信したデータ信号に基づいて、そのデータ信号の送信先を判定し、その判定結果に基づいて通信の中継先を切り換える処理を実行する。より具体的には、基地局処理部119から出力されたデータ信号の送信先が自身の3次元セル41,42に在圏する端末装置の場合は、そのデータ信号をモデム部118に渡さずに、基地局処理部119に戻して自身の3次元セル41,42に在圏する送信先の端末装置に送信するようにする。一方、基地局処理部119から出力されたデータ信号の送信先が自身の3次元セル41,42以外の他のセルに在圏する端末装置の場合は、そのデータ信号をモデム部118に渡してフィーダ局70に送信し、移動通信網80を介して送信先の他のセルに在圏する送信先の端末装置に送信するようにする。
【0045】
エッジコンピューティング部120は、3次元セル41,42に在圏する多数の端末装置から受信した情報を分析する処理を実行してもよい。この分析結果は3次元セル41,42に在圏する多数の端末装置に送信したり、移動通信網80に設けた監視装置85、又は、管理装置としてのHAPS管理サーバやアプリケーションサーバ(アプリサーバ)等のサーバ86などに送信したりしてもよい。
【0046】
無線中継局110、210を介した端末装置との無線通信の上りリンク及び下りリンクの複信方式は、特定の方式に限定されず、例えば、時分割複信(Time Division Duplex:TDD)方式でもよいし、周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)方式でもよい。また、無線中継局110、210を介した端末装置との無線通信のアクセス方式は、特定の方式に限定されず、例えば、FDMA(Frequency Division Multiple Access)方式、TDMA(Time Division Multiple Access)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、又は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)であってもよい。また、前記無線通信には、ダイバーシティ・コーディング、送信ビームフォーミング、空間分割多重化(SDM:Spatial Division Multiplexing)等の機能を有し、送受信両方で複数のアンテナを同時に利用することにより、単位周波数当たりの伝送容量を増やすことができるMIMO(多入力多出力:Multi−Input and Multi−Output)技術を用いてもよい。また、前記MIMO技術は、1つの基地局が1つの端末装置と同一時刻・同一周波数で複数の信号を送信するSU−MIMO(Single−User MIMO)技術でもよいし、1つの基地局が複数の異なる端末装置に同一時刻・同一周波数で信号を送信又は複数の異なる基地局が1つの端末装置に同一時刻・同一周波数で信号を送信するMU−MIMO(Multi−User MIMO)技術であってもよい。
【0047】
以下、端末装置と無線通信する無線中継装置が、無線中継局110を有するソーラープレーンタイプのHAPS10である場合について説明するが、以下の実施形態は、無線中継局210を有する無人飛行船タイプのHAPS20等の上空を移動可能な他の無線中継装置にも同様に適用できる。
【0048】
また、無線中継局110を有するHAPS10とフィーダ局としてのゲートウェイ局(以下「GW局」と略す。)70との間のリンクを「フィーダリンク」といい、HAPS10と端末装置61の間のリンクを「サービスリンク」という。また、GW局70からHAPS10を経由して端末装置61に向かう通信を「フォワードリンク」といい、端末装置61からHAPS10を経由してGW局70に向かう通信を「リバースリンク」という。
【0049】
図9は、参考例に係るHAPS監視システムの構成を示すブロック図である。図9の例では、HAPS10と通信網側との間にフィーダリンクとは別の専用回線である監視用回線を構築するために、監視用無線機75を通信網側に設けるとともにHAPS10側に監視用無線機76を設けている。HAPS10の無線中継局(リピーター子機)110や各種センサなどの情報取得装置77で取得され監視用無線機76で送信された監視情報は、監視用回線を介して監視用無線機75で受信され、監視装置85に送信される。図9の例では、HAPS10と移動通信網側との間に専用回線である監視用回線を構築するために周波数を確保するとともに、監視用無線機75を通信網側に設ける必要がある。
【0050】
そこで、以下に示す各実施形態では、HAPS10の無線中継局110で利用されるフィーダリンクを介して移動通信網側に監視情報を送信することにより、監視用の周波数及び通信網側の監視用無線機75を必要とする専用回線(監視用回線)を設けることなく、HAPS10の無線中継局110の状態を監視できるようにしている。
【0051】
図10は、実施形態に係るHAPS監視システムの一例を示すブロック図である。図10において、GW側に設けられた監視装置85は、移動通信網のコアネットワーク80aに接続され、基地局(eNodeB)80及びGW局(リピーター親機)70を介して、HAPS10の中継処理部としての無線中継局(リピーター子機)110と通信することができる。例えば、監視装置85は、HAPS10に設けられたモデム151を介して監視制御部150に制御データを送信したり、監視制御部150からモデム151を介して監視データを受信したりすることができる。
【0052】
GW局70は、基地局90との間で周波数f1の信号を送受信することができる。また、GW局70は、周波数f2のフィーダリンクを介してHAPS10の無線中継局110と無線通信するためのフィーダリンクアンテナ70aを備える。GW局70は、基地局側の周波数f1とフィーダリンクの周波数f2との間の周波数変換機能を有し、基地局側の周波数f1の信号とHAPS側の周波数f2のフィーダリンク信号との間の中継を行う。
【0053】
HAPS10は、無線中継局(リピーター子機)110を備える。無線中継局110は、周波数f2のフィーダリンクを介してGW局70と無線通信するための第一アンテナとしてのフィーダリンクアンテナ110aと、周波数f1のサービスリンクを介して端末装置61と無線通信するための第二アンテナとしてのサービスリンクアンテナ110bとを備える。無線中継局110は、サービスリンクの周波数f1とフィーダリンクの周波数f2との間の周波数変換機能を有し、端末装置側の周波数f1のサービスリンク信号とGW局側の周波数f2のフィーダリンク信号との間の中継を行う。
【0054】
HAPS10は、無線中継局(リピーター子機)110のほか、監視装置85からHAPS10を遠隔的に監視制御できるように、監視制御部150と、モデム151及びアンテナ152を含む情報通信部と、各種センサ等を含む情報取得部153とを備える。監視制御部150は、例えば、プロセッサ等のデータ処理部やメモリなどのデータ記憶部などで構成され、所定のプログラムが実行されることにより、情報取得部153や無線中継局110から監視情報を取得し、その監視情報を含む監視データを情報通信部のモデム151に送ることができる。また、監視制御部150は、モデム151から出力された監視装置85からの制御データを受け取り、その制御データに含まれる制御情報に基づいて、無線中継局110や情報取得部153を制御することができる。
【0055】
モデム151は、例えばLTE、5G等の無線通信の中継を行う通信システムに対応したモデムである。モデム151には、通常の端末装置と同様に、監視装置85などの外部装置からデータを送受信できるように端末識別番号(例えば、電話番号、IPアドレス)を付与してもよい。モデム151は、監視制御部150から受け取った監視データについてデータ処理や変調などの信号処理を行い、サービスリンクのリバースリンク信号(周波数:f2)としてアンテナ152から送信する。また、モデム151は、アンテナ152を介して受信したサービスリンクのフォワードリンク信号の復調等の信号処理やデータ処理を行い、監視装置85から送信された制御データを復元して監視制御部150に渡す。
【0056】
また、モデム151で送受信される信号は、無線中継局(リピーター子機)110がフィーダリンクを介してGW局70と通信するときの通信品質の影響を受けるため、モデム151は、監視データや制御データの送受信するときにフィーダリンクの通信品質を測定してもよい。このフィーダリンクの通信品質の測定結果は監視データの一つとして監視制御部150が取得する。
【0057】
アンテナ152は、例えば、無線中継局110とサービスリンクアンテナ110bとの間のサービスリンク信号経路110cや、サービスリンクアンテナ110bに対して、非接触状態で近づけて配置されている。アンテナ152は、モデム151から受けた監視データを含むサービスリンクのリバースリンク信号(周波数:f1)を、サービスリンク信号経路110cに向けて送信したり、サービスリンクアンテナ110bに向けて送信したりする。また、アンテナ152は、サービスリンク信号経路110cから漏れたサービスリンクのフォワードリンク信号の漏れ電波(周波数:f1)を受信したり、サービスリンクアンテナ110bから漏れたり回り込んできたサービスリンクのフォワードリンク信号の漏れ電波(回り込み電波)を受信したりする。
【0058】
情報取得部153は、例えば、HAPS10の現在位置や姿勢などを測定するGPS受信機、加速度センサ、重力センサ、ジャイロセンサ、高度計の少なくとも一つを含んでもよい。情報取得部153は、HAPS10の周辺の気流の風速及び風向を検知するセンサ、HAPS10の周辺の気圧を検知する気圧センサ、周辺の温度及び湿度を検知するセンサの少なくとも一つを含んでもよい。
【0059】
前記制御情報は、HAPS10が予め設定された飛行経路を飛行するように制御するための目標飛行ルート情報を含んでもよい。前記監視情報は、HAPS10の現在位置、飛行ルート履歴情報、対気速度、対地速度及び推進方向、HAPS10の周辺の気流の風速及び風向、並びに、HAPS10の周辺の気圧及び気温の少なくとも一つの情報を含んでもよい。また、前記監視情報は、GW局70との間のフィーダリンクの通信品質の情報及び端末装置61との間のサービスリンクの通信品質の情報の少なくとも一方を含んでもよい。これらの通信品質の情報は、例えば監視制御部150が無線中継局110から取得してもよい。
【0060】
図11は、図10のHAPS監視システムにおけるデータの流れの一例を示すシーケンス図である。
図11のHAPS10の遠隔制御において、監視装置85は、コアネットワーク80aを介して基地局90に制御情報を含む制御データを送信する(S101,S102)。基地局90は、監視装置85から制御データを受信すると、その制御データに基づいて生成した周波数f1のフォワードリンク(FL)信号をGW局(リピーター親機)70に送信する(S103)。GW局70は、フォワードリンク(FL)信号の周波数f1をフィードリンクの周波数f2に変換し、周波数変換後の周波数f2のフォワードリンク(FL)信号をフィーダリンクアンテナ70aからHAPS10に向けて送信する(S104,S105)。
【0061】
HAPS10の無線中継局(リピーター子機)110は、GW局70からフィーダリンクアンテナ110aを介して周波数f2のフィーダリンクのフォワードリンク(FL)信号を受信すると、そのフォワードリンク(FL)信号の周波数f2を周波数f1に変換し、サービスリンクのフォワードリンク(FL)信号としてサービスリンクアンテナ110bに向けて送信する(S106,S107)。モデム151は、無線中継局110から送信されサービスリンク信号経路110cを伝送されているサービスリンクのフォワードリンク(FL)信号を、アンテナ152を介して受信する(S107)。モデム151は、受信したサービスリンクのフォワードリンク(FL)信号について復調処理及びデータ処理を行い、フォワードリンク(FL)信号に含まれる制御データを復元し、監視制御部150に送る(S108)。監視制御部150は、モデム151から制御データを受けると、その制御データについてルーティング処理又はインターフェース処理を行い、無線中継局110及び情報取得部153の少なくとも一方に制御データを送る(S109〜S111)。無線中継局110及び情報取得部153は、監視制御部150からの制御データに含まれる制御情報に基づいて各種の制御を行うことができる。
【0062】
図11のHAPS10の遠隔監視において、HAPS10の監視制御部150は、無線中継局110及び情報取得部153の少なくとも一方から監視情報を含む監視データを受けると、その監視データについてルーティング処理又はインターフェース処理を行い、モデム151に監視データを送る(S121〜S124)。モデム151は、監視制御部150から監視データを受けると、その監視データについてデータ処理及び変調処理を行い、周波数f1のサービスリンクのリバースリンク(RL)信号を生成し、アンテナ152を介して、サービスリンク信号経路110c又はサービスリンクアンテナ110bに向けて送信する(S125)。サービスリンク信号経路110c又はサービスリンクアンテナ110bで受信されたモデム151からのサービスリンクのリバースリンク(RL)信号は、サービスリンク信号経路110cを伝送され、無線中継局(リピーター子機)110で受信される。無線中継局110は、サービスリンクのリバースリンク(RL)信号の周波数f1をフィーダリンクの周波数f2に変換し、周波数変換後の周波数f2のリバースリンク(RL)信号をフィーダリンクアンテナ110aからGW局70に向けて送信する(S126,S127)。
【0063】
GW局70は、HAPS10の無線中継局(リピーター子機)110からフィーダリンクアンテナを介して、周波数f2のフィーダリンクのリバースリンク(RL)信号を受信すると、そのリバースリンク(RL)信号の周波数f2を周波数f1に変換し、周波数変換後の周波数f1のリバースリンク(RL)信号を基地局90に送信する(S128,S129)。基地局90は、GW局70から受信したリバースリンク(RL)信号について復調処理及びデータ処理を行い、リバースリンク(RL)信号に含まれる監視データを復元し、コアネットワーク80aを介して監視装置85に送る(S130,S131)。監視装置85は、基地局90から監視データを受信すると、例えば、その監視データに含まれる監視情報を表示したり、監視情報に基づいて制御情報の更新又は新規作成を行ったり、監視情報を所定の送信先に送信したりすることができる。
【0064】
以上、図10及び図11の実施形態によれば、3次元化したネットワークを実現するリピーター子機として機能する無線中継局110を有するHAPS10の状態に関する監視情報を、そのHAPS10で利用されるフィーダリンクを介して、コアネットワーク80aに接続された監視装置85に送信することができるので、専用回線を設けることなく通信網側からHAPS10の状態を監視することができる。
特に、本実施形態によれば、監視データ及び制御データの通信に大容量のフィーダリンクを利用しているので、監視装置85とHAPS10との間で大容量の監視データ及び制御データの送受信が可能である。
また、本実施形態によれば、HAPS10に組み込んだモデム151のアンテナ152を、無線中継局110のサービスリンク信号経路110cやサービスリンクアンテナ110bに対して非接触状態で近づけて配置しているため、サービスリンク信号経路110cやサービスリンクアンテナ110bの構成を変更する必要がない。
また、本実施形態によれば、モデム151のアンテナ152から監視データ及び制御データの無線信号が送受信されるサービスリンクの周波数f1が、フィーダリンクの周波数f2と異なるので、監視データ及び制御データの無線信号のフィーダリンクに対する干渉を回避することができる。
以上のように、上空を飛行して移動可能なHAPS10の構成を大きく変更することなく、フィーダリンクに対する干渉を回避しつつ、移動通信網80側からHAPS10を監視することができる。
【0065】
図12は、実施形態に係るHAPS監視システムの他の構成例を示すブロック図であり、図13は、図12のHAPS監視システムにおけるデータの流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図12及び図13において、前述の図10及び図11と共通する部分については説明を省略する。
【0066】
図12のHAPS監視システムでは、GW側の監視装置85を、通信制御装置91及びモデム92を介して基地局90に接続している。通信制御装置91は、例えば、VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)サーバ又はRT(ルータ)である。
【0067】
図13のHAPS10の遠隔制御において、監視装置85から送信された制御データは、通信制御装置91を介してモデム92に送信される(S201,S202)。モデム92は、監視装置85から制御データを受信すると、その制御データに基づいて生成した周波数f1の信号を、アップリンク(UL)信号として基地局90に送信する(S203)。基地局90は、制御データを含むアップリンク(UL)信号をモデム92から受信すると、周波数f1のフォワードリンク(FL)信号に変換してGW局(リピーター親機)70に送信する(S204)。
【0068】
図13のHAPS10の遠隔監視において、基地局90は、監視データを含むリバースリンク(RL)信号をGW局70から受信すると、周波数f1のダウンリンク(DL)信号に変換してモデム92に送信する(S229,S230)。モデム92は、基地局90から受信したダウンリンク(DL)信号について復調処理及びデータ処理を行い、ダウンリンク信号に含まれる監視データを復元し、通信制御装置91を介して監視装置85に送る(S231,S232)。
【0069】
以上、図12及び図13の実施形態によれば、3次元化したネットワークを実現するリピーター子機として機能する無線中継局110を有するHAPS10の状態に関する監視情報を、そのHAPS10で利用されるフィーダリンクを介して、通信制御装置91及びモデム92により基地局90に接続された監視装置85に送信することができるので、専用回線を設けることなく通信網側からHAPS10の状態を監視することができる。
【0070】
図14は、実施形態に係るHAPS監視システムの更に他の構成例を示すブロック図であり、図15は、図14のHAPS監視システムにおけるデータの流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図14及び図15において、前述の図10及び図11と共通する部分については説明を省略する。
【0071】
図14のHAPS監視システムでは、GW側の監視装置85を、通信制御装置82、インターネット81及びコアネットワーク80aを介して基地局90に接続している。通信制御装置82は、例えば、VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)サーバ又はRT(ルータ)である。
【0072】
図15のHAPS10の遠隔制御において、監視装置85から送信された制御データは、通信制御装置82、インターネット81及びコアネットワーク80aを介して基地局90に送信される(S301〜S303)。基地局90は、監視装置85から制御データを受信すると、その制御データに基づいて生成した周波数f1の信号を、フォワードリンク(FL)信号としてGW局(リピーター親機)70に送信する(S304)。
【0073】
図15のHAPS10の遠隔監視において、基地局90は、監視データを含むリバースリンク(RL)信号をGW局70から受信すると、そのリバースリンク(RL)信号について復調処理及びデータ処理を行い、リバースリンク(RL)信号に含まれる監視データを復元し、コアネットワーク80a、インターネット81及び通信制御装置82を介して監視装置85に送る(S329〜S332)。
【0074】
以上、図14及び図15の実施形態によれば、3次元化したネットワークを実現するリピーター子機として機能する無線中継局110を有するHAPS10の状態に関する監視情報を、そのHAPS10で利用されるフィーダリンクを介して、インターネット81に接続された監視装置85に送信することができるので、専用回線を設けることなく通信網側からHAPS10の状態を監視することができる。
【0075】
図16は、実施形態に係るHAPS監視システムの更に他の構成例を示すブロック図であり、図17は、図16のHAPS監視システムにおけるデータの流れの一例を示すシーケンス図である。なお、図16及び図17において、前述の図10及び図11と共通する部分については説明を省略する。
【0076】
図16のHAPS監視システムでは、基地局を介さずに監視装置85との間でデータの送受信が可能なGW局71が設けられている。また、HAPS10に設けられた無線中継局110は、リピーター子機ではなく基地局(eNodeB)として機能する。
【0077】
図17のHAPS10の遠隔制御において、監視装置85から送信された制御データは、コアネットワーク80aを介してGW局71に送信される(S401、S402)。GW局71は、監視装置85から制御データを受信すると、その制御データに基づいて生成した周波数f2の信号を、フィーダリンクのフォワードリンク(FL)信号として、HAPS10の無線中継局110に送信する(S403)。無線中継局110は、GW局71からフィーダリンクのフォワードリンク(FL)信号を受信すると、そのフォワードリンク(FL)信号に含まれる制御データに基づいて生成した周波数f1の信号を、サービスリンクのフォワードリンク(FL)信号として、サービスリンク信号経路110cを介してサービスリンクアンテナ110bに送信する(S404)。
【0078】
図17のHAPS10の遠隔監視において、HAPS10の無線中継局(基地局)110は、サービスリンク信号経路110c又はサービスリンクアンテナ110bを介して受信されたサービスリンクのリバースリンク(RL)信号について復調処理及びデータ処理を行い、リバースリンク(RL)信号に含まれる監視データを復元し、その監視データに基づいて周波数f2のフィーダリンクのリバースリンク(RL)信号を生成してフィーダリンクアンテナ110aからGW局71に向けて送信する(S426)。GW局71は、HAPS10の無線中継局(リピーター子機)110からフィーダリンクアンテナ71aを介して、周波数f2のフィーダリンクのリバースリンク(RL)信号を受信すると、そのリバースリンク(RL)信号について復調処理及びデータ処理を行い、リバースリンク(RL)信号に含まれる監視データを復元し、コアネットワーク80aを介して監視装置85に送信する(S427,S428)。
【0079】
以上、図16及び図17の実施形態によれば、3次元化したネットワークを実現する基地局として機能する無線中継局110を有するHAPS10の状態に関する監視情報を、そのHAPS10で利用されるフィーダリンクを介して、コアネットワーク80aに接続された監視装置85に送信することができるので、専用回線を設けることなく通信網側からHAPS10の状態を監視することができる。
【0080】
図18は、実施形態に係るHAPS監視システムにおけるHAPS10の他の構成例を示すブロック図である。なお、図18のHAPS10において、前述の図10と共通する部分については説明を省略する。
【0081】
図18のHAPS10において、モデム151は、アンテナ152ではなく、無線中継局110とサービスリンクアンテナ110bとの間のサービスリンク信号経路110cに設けられた方向性結合器154に接続されている。ここで、方向性結合器154の代わりに分配合成器を設けてもよい。
【0082】
なお、本明細書で説明された処理工程並びにHAPS10,20等の通信中継装置の無線中継局、フィーダ局、遠隔制御装置、サーバ、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、基地局及び基地局装置の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0083】
ハードウェア実装については、実体(例えば、無線中継局、フィーダ局、基地局、基地局装置、無線中継局装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、遠隔制御装置、サーバ、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0084】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0085】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
【符号の説明】
【0086】
10 HAPS(ソーラープレーンタイプ)
20 HAPS(飛行船タイプ)
40 セル形成目標空域
41,42,43 3次元セル
50 HAPSが位置する空域
60 ドローン
61 端末装置
65 飛行機
70 ゲートウェイ局(リピーター親機)
71 ゲートウェイ局
70a,71a フィーダリンクアンテナ
72 人工衛星
80 移動通信網
80a コアネットワーク
81 インターネット
82 通信制御装置
85 監視装置(管制センター)
86 サーバ
90 基地局(eNodeB)
91 通信制御装置
92 モデム
100,200、300 ビーム
110,210 無線中継局
110a フィーダリンクアンテナ
110b サービスリンクアンテナ
110c サービスリンク信号経路
150 監視制御部
151 モデム
152 アンテナ
153 情報取得部
154 方向性結合器

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