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公開番号2019133131
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190808
出願番号2018201565
出願日20181026
発明の名称プロジェクター及び動作制御方法
出願人セイコーエプソン株式会社
代理人個人,個人
主分類G03B 21/00 20060101AFI20190712BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】フォーカスずれの発生を抑制できるプロジェクター及び動作制御方法を提供すること。
【解決手段】プロジェクターは、光源装置と、光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、光変調装置の少なくとも一部を収容し、内部に冷却液体が充填された筐体と、光変調装置における変調部位の少なくとも光出射側に冷却液体を流通させる流通装置と、流通装置の動作を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、流通装置の動作レベルを変化させる。
【選択図】図3
特許請求の範囲約 1,500 文字を表示【請求項1】
光源装置と、
前記光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、
前記光変調装置の少なくとも一部を収容し、内部に冷却液体が充填された筐体と、
前記光変調装置における変調部位の少なくとも光出射側に前記冷却液体を流通させる流通装置と、
前記流通装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記流通装置の動作レベルを変化させることを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御装置は、第1動作レベルで前記流通装置の動作を制御する第1制御と、第2動作レベルで前記流通装置の動作を制御する第2制御と、を交互に実行し、
前記第2動作レベルで前記流通装置を制御する場合に前記変調部位の前記光出射側を流通する前記冷却液体の速度は、前記第1動作レベルで前記流通装置を制御する場合に前記変調部位の前記光出射側を流通する前記冷却液体の速度よりも大きいことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御装置は、前記光源装置の点灯開始から所定期間の間、前記第1制御を実行することを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御装置は、前記所定期間において実行される前記第1制御において、前記流通装置の動作を停止させることを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御装置は、前記光変調装置に入力される画像情報に応じた画像の階調に基づいて、前記所定期間の長さを変化させることを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御装置は、前記光源装置の点灯開始から経過した経過時間に基づいて、前記動作レベルを変化させることを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項6に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御装置は、前記経過時間と、前記光変調装置に入力される画像情報に応じた画像の階調との両方に基づいて、前記動作レベルを変化させることを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記冷却液体の温度を検出する検出装置を備え、
前記制御装置は、前記検出装置によって検出された前記冷却液体の温度に基づいて、前記動作レベルを変化させることを特徴とするプロジェクター。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
前記制御装置は、前記冷却液体の温度が所定の温度範囲内に収まるように前記動作レベルを変化させることを特徴とするプロジェクター。
【請求項10】
光源装置と、前記光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置の少なくとも一部を収容し、内部に冷却液体が充填された筐体と、前記光変調装置における変調部位の少なくとも光出射側に前記冷却液体を流通させる流通装置と、を備えるプロジェクターの動作制御方法であって、
前記流通装置の動作レベルを変化させることを特徴とする動作制御方法。

発明の詳細な説明約 36,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクター及び動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源装置と、当該光源装置から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成する光変調装置と、形成された画像を拡大投射する投射光学装置と、を備えたプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターとして、液体である冷媒によって冷却対象を冷却する冷却構造を備えたプロジェクターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載のプロジェクターは、赤、緑及び青の各色光が入射される3つの液晶表示部と、当該3つの液晶表示部により形成された画像を合成するプリズムと、これらが内部に配置される四角箱状の冷却容器と、当該冷却容器内に封入される冷媒と、当該冷媒を強制的に循環させる撹拌手段と、を備える。
これらのうち、それぞれの液晶表示部は、液晶パネルと、入射側偏光素子及び出射側偏光素子と、を有する。入射側偏光素子は、液晶パネルの光入射側に位置し、出射側偏光素子は、当該液晶パネルの光出射側に位置して、プリズムにおいて対応する色光の入射面(側面)に配置される。
このようなプロジェクターでは、冷媒は、入射側偏光素子、液晶パネル及び出射側偏光素子にて発生した熱を吸収しながら、撹拌手段が発生させた流れによって移動される。このようにして、冷媒がそれぞれ冷却対象である各偏光素子及び液晶パネルに沿って流通することによって、各液晶表示部が冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2002−131737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、冷媒の屈折率は、当該冷媒の温度によって変化する。一方、プロジェクターの使用開始時では、冷媒の温度は低く、使用開始時から時間が経過すると冷媒の温度は高くなる。すなわち、プロジェクターの使用開始時と、当該使用開始時から時間が経過したタイミングとでは、冷媒の屈折率が異なる。このため、プロジェクターの使用開始時から比較的近い時点にて、プロジェクターにより投射された画像のフォーカス調整を実施しても、冷媒の温度上昇に伴う屈折率の変化によって、フォーカスがずれて、投射画像がぼやけるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、フォーカスずれの発生を抑制できるプロジェクター及び動作制御方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係るプロジェクターは、光源装置と、前記光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、前記光変調装置の少なくとも一部を収容し、内部に冷却液体が充填された筐体と、前記光変調装置における変調部位の少なくとも光出射側に前記冷却液体を流通させる流通装置と、前記流通装置の動作を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記流通装置の動作レベルを変化させることを特徴とする。
【0008】
なお、流通装置の動作レベルが高い場合には、筐体内の冷却液体が比較的速い流速にて流通し、当該動作レベルが低い場合には、比較的遅い流速にて流通する。
上記構成によれば、例えば制御装置が、光源装置の点灯開始時に流通装置の動作レベルを下げ、筐体内の冷却液体が大きく流動しないようにすることによって、光源装置からの光が入射されて温度が上昇する変調部位近傍の冷却液体の温度を速やかに上昇させることができる。このため、当該点灯開始時に近いタイミングにて、投射光学装置による投射画像のフォーカス調整が行われた場合でも、当該タイミングでの冷却液体の温度と、光変調装置を安定して冷却しているタイミングでの冷却液体の温度との差を小さくすることができる。これにより、それぞれのタイミングでの冷却液体の屈折率の差を小さくすることができる。従って、投射光学装置に入射される光が通過する領域における、それぞれのタイミングでの冷却液体の屈折率の差を小さくすることができるので、上記フォーカスずれが顕著に発生することを抑制できる。
【0009】
上記第1態様では、前記制御装置は、第1動作レベルで前記流通装置の動作を制御する第1制御と、第2動作レベルで前記流通装置の動作を制御する第2制御と、を交互に実行し、前記第2動作レベルで前記流通装置を制御する場合に前記変調部位の前記光出射側を流通する前記冷却液体の速度は、前記第1動作レベルで前記流通装置を制御する場合に前記変調部位の前記光出射側を流通する前記冷却液体の速度よりも大きいことが好ましい。
このような構成によれば、制御装置によって第1制御と第2制御とが交互に実行されて、流通装置によって流通される冷却液体の速度が変更されるので、環境温度等に依らずに、変調部位の温度、ひいては、変調部位近傍の冷却液体の温度を維持しやすくすることができる。従って、光変調装置を安定して動作させることができる。
【0010】
上記第1態様では、前記制御装置は、前記光源装置の点灯開始から所定期間の間、前記第1制御を実行することが好ましい。
このような構成によれば、光変調装置の変調部位には、低い流速の冷却液体が流通するので、変調部位近傍の冷却液体の温度を上昇させやすくすることができる。従って、変調部位近傍の冷却液体の温度を速やかに上昇させることができ、上記フォーカスずれの発生を抑制できる。
【0011】
上記第1態様では、前記制御装置は、前記所定期間において実行される前記第1制御において、前記流通装置の動作を停止させることが好ましい。
このような構成によれば、変調部位近傍の冷却液体の温度を上昇させやすくすることができる。従って、上記フォーカスずれの発生を抑制できる。
【0012】
上記第1態様では、前記制御装置は、前記光変調装置に入力される画像情報に応じた画像の階調に基づいて、前記所定期間の長さを変化させることが好ましい。
ここで、光変調装置として、液晶パネルと、当該液晶パネルの光路後段に配置される偏光板とを備える構成が採用される場合、当該光変調装置の温度は、入射される光束の光量だけでなく、形成される画像の階調によっても変化する。例えば、形成される画像の階調が黒に近い階調である場合には、偏光板によって吸収される光量が大きくなるので、光変調装置の温度は高くなりやすく、ひいては、変調部位近傍の冷却液体の温度は高くなりやすい。一方、形成される画像の階調が白に近い階調である場合には、偏光板によって吸収される光量が小さくなるので、光変調装置の温度は高くなりにくく、ひいては、変調部位近傍の冷却液体の温度は高くなりにくい。
これに対し、上記構成によれば、例えば、光変調装置によって形成される画像の階調が白に近い階調である場合に、上記所定期間の長さを長くでき、これにより、光源装置の点灯開始から流通装置の動作レベルが第1動作レベルである期間を長くすることができる。この場合、上記のように、冷却液体の温度を上昇させやすくすることができ、上記フォーカスずれの発生を抑制できる。
【0013】
上記第1態様では、前記制御装置は、前記光源装置の点灯開始から経過した経過時間に基づいて、前記動作レベルを変化させることが好ましい。
ここで、光源装置の点灯開始時からの冷却液体の温度上昇率は、実験等に基づいて予め取得できる。
このため、上記構成によれば、経過時間を計時することによって、冷却液体の温度を推測できる。従って、冷却液体の状態や投射画像の状態を計測するセンサー等の検出装置を設けることなく、当該冷却液体の温度を管理できる。
【0014】
上記第1態様では、前記制御装置は、前記経過時間と、前記光変調装置に入力される画像情報に応じた画像の階調との両方に基づいて、前記動作レベルを変化させることが好ましい。
このような構成によれば、例えば、形成される画像の階調が白に近い階調である場合には、光源装置の点灯開始から、流通装置の動作レベルが第1動作レベルである期間を長くすることにより、冷却液体の温度を上昇させやすくすることができる。従って、上記フォーカスずれの発生を抑制できる。
【0015】
上記第1態様では、前記冷却液体の温度を検出する検出装置を備え、前記制御装置は、前記検出装置によって検出された前記冷却液体の温度に基づいて、前記動作レベルを変化させることが好ましい。
このような構成によれば、冷却液体の温度に応じて流通装置の動作を制御できるので、当該冷却液体の温度管理を適切に実施できる。従って、上記フォーカスずれの発生を抑制できるだけでなく、光変調装置の冷却を実施できる。
【0016】
上記第1態様では、前記制御装置は、前記冷却液体の温度が所定の温度範囲内に収まるように前記動作レベルを変化させることが好ましい。
このような構成によれば、冷却液体によって冷却される光変調装置の温度を略一定に維持できる。従って、当該光変調装置、ひいては、プロジェクターを安定して動作させることができる。
【0017】
本発明の第2態様に係る動作制御方法は、光源装置と、前記光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置の少なくとも一部を収容し、内部に冷却液体が充填された筐体と、前記光変調装置における変調部位の少なくとも光出射側に前記冷却液体を流通させる流通装置と、を備えるプロジェクターの動作制御方法であって、前記流通装置の動作レベルを変化させることを特徴とする。
上記第2態様によれば、上記構成を有するプロジェクターが当該動作制御方法を実施することにより、上記第1態様に係るプロジェクターと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の第1実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。
上記第1実施形態における冷却装置の構成を示す模式図。
上記第1実施形態における制御装置の構成を示すブロック図。
上記第1実施形態における動作制御処理を示すフローチャート。
上記第1実施形態における冷却液体の温度変化の一例、及び、流通装置に印加される電圧変化の一例を示すグラフ。
本発明の第2実施形態に係るプロジェクターが備える制御装置の構成を示すブロック図。
上記第2実施形態における動作制御処理を示すフローチャート。
本発明の第3実施形態に係るプロジェクターが備える制御装置及び検出装置の構成を示すブロック図。
上記第3実施形態における動作制御処理を示すフローチャート。
本発明の第4実施形態に係るプロジェクターが備える冷却装置及び制御装置の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、内部に設けられた光源装置41から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射型表示装置である。このプロジェクター1は、図1に示すように、外観を構成する外装筐体2と、当該外装筐体2内に収容される装置本体3と、を備える。
このようなプロジェクター1は、詳しくは後述するが、冷却装置5Aの構成に特徴の1つを有する。
以下、プロジェクター1の構成について詳述する。
【0020】
[外装筐体の構成]
外装筐体2は、略直方体形状に形成されている。この外装筐体2は、正面部23、背面部24、左側面部25及び右側面部26を有する他、それぞれ図示を省略するが、これら面部23〜26の一端側を接続する天面部と、これら面部23〜26の他端側を接続する底面部と、を有する。なお、底面部は、プロジェクター1の設置面に対向する面であり、複数の脚部が配設されている。
また、正面部23は、開口部231を有する。この開口部231を介して、後述する投射光学装置46の一部が露出され、当該投射光学装置46によって画像が投射される。
【0021】
[装置本体の構成]
装置本体3は、画像投射装置4、冷却装置5A及び制御装置6A(図3参照)を備える。この他、図示を省略するが、装置本体3は、プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
【0022】
[画像投射装置の構成]
画像投射装置4は、制御装置から入力される画像情報(画像信号を含む)に応じて形成される画像光を上記被投射面上に投射して、当該画像光に応じた画像を表示する。この画像投射装置4は、光源装置41、均一化装置42、色分離装置43、リレー装置44、画像形成装置45、投射光学装置46及び光学部品用筐体47を備える。
【0023】
光源装置41は、均一化装置42に照明光を出射する。このような光源装置41の構成としては、例えば、励起光である青色光を出射するLD(Laser Diode)等の固体光源と、当該固体光源から出射された青色光のうち一部の青色光を、緑色光及び赤色光を含む蛍光に波長変換する波長変換素子と、を有する構成を例示できる。なお、光源装置41の他の構成としては、超高圧水銀ランプ等の光源ランプを光源として有する構成や、LED(Light Emitting Diode)等の他の固体光源を有する構成を例示できる。
【0024】
均一化装置42は、光源装置41から入射される光束の中心軸に対する直交面内の照度を均一化する。この均一化装置42は、第1レンズアレイ421、第2レンズアレイ422、偏光変換素子423及び重畳レンズ424を備える。なお、均一化装置42は、均一化装置42を通過する光束の一部を遮蔽して透過光量を調整する調光装置を更に備えていてもよい。
これらのうち、偏光変換素子423は、第2レンズアレイ422から入射される光束を、1種類の直線偏光に揃えて出射する。
【0025】
色分離装置43は、均一化装置42から入射される光束を、赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBに分離する。この色分離装置43は、赤色光LR及び緑色光LGを反射させて、青色光LBを透過させるダイクロイックミラー431と、赤色光LRを透過させて、緑色光LGを反射させるダイクロイックミラー432と、分離された青色光LBを後述する青用のフィールドレンズ451に向けて反射させる反射ミラー433と、を有する。なお、ダイクロイックミラー432にて反射された緑色光LGは、緑用のフィールドレンズ451に入射される。
リレー装置44は、分離された赤色光LRの光路上にそれぞれ設けられる入射側レンズ441、反射ミラー442、リレーレンズ443及び反射ミラー444を備え、当該赤色光LRを赤用のフィールドレンズ451に導く。なお、本実施形態では、画像投射装置4は、リレー装置44に赤色光LRを通す構成としたが、これに限らず、例えば青色光LBを通す構成としてもよい。
【0026】
画像形成装置45は、入射される光を色光毎に変調し、変調された各色光を合成して、上記画像情報に応じた画像を形成する。この画像形成装置45は、上記した3つの色光LR,LG,LB毎にそれぞれ設けられるフィールドレンズ451、入射側偏光板452、液晶パネル453及び出射側偏光板454と、1つの光合成装置455と、を備える。
入射側偏光板452及び出射側偏光板454は、本実施形態では、ワイヤーグリッド型の無機偏光板である。しかしながら、これに限らず、偏光板452,454として採用される偏光板は、他の偏光板であってもよい。
【0027】
液晶パネル453は、光源装置41から出射された光を画像情報に応じて変調する。液晶パネル453は、赤色光LRに対応する液晶パネル453R、緑色光LGに対応する液晶パネル453G、及び、青色光LBに対応する液晶パネル453Bを含む。液晶パネル453は、本実施形態では、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルが採用されている。
そして、光変調装置LVは、液晶パネル453と、当該液晶パネル453を光入射側及び光出射側にて挟む位置に配置された入射側偏光板452及び出射側偏光板454とを備えて構成される。光変調装置LVは、赤色光LRに対応する光変調装置LVR、緑色光LGに対応する光変調装置LVG、及び、青色光LBに対応する光変調装置LVBを含む。本実施形態では、光変調装置LVにおける変調部位とは、液晶パネル453における変調部位(液晶分子が封入された部位)を指す。なお、変調部位は、液晶パネル453の内部に位置しているため、光変調装置LVにおける変調部位は、液晶パネル453における光出射面と言うことができる。
【0028】
光合成装置455は、各液晶パネル453によって変調されて出射側偏光板454を通過した各色光を合成する。この光合成装置455は、本実施形態では、略直方体形状のクロスダイクロイックプリズムにより構成されており、各液晶パネル453よって変調された色光がそれぞれ入射される3つの光入射面455B,455G,455R(図2参照)と、これら色光を合成した画像を形成する画像光が出射される1つの光出射面455E(図2参照)と、を有する。この光出射面455Eから出射された画像光は、投射光学装置46に入射される。
【0029】
このような画像形成装置45を構成する3つの液晶パネル453及び3つの出射側偏光板454は、光合成装置455において対応する光入射面455B,455G,455Rに、図示しない保持部材によって保持され、一体化されている。
なお、以下の説明では、入射側偏光板452、液晶パネル453、出射側偏光板454及び光合成装置455を、画像形成ユニットFUと呼称する。この画像形成ユニットFUは、後述する冷却装置5Aの筐体51内に配置される。
【0030】
投射光学装置46は、光合成装置455から入射される画像光を上記被投射面上に拡大投射して、当該画像光により形成される画像を当該被投射面上に表示させる。すなわち、投射光学装置46は、光変調装置LVR,LVG,LVBによって変調された光を投射する。この投射光学装置46は、複数のレンズが鏡筒内に配置された組レンズとして構成されている。
これらのうち、複数のレンズには、投射される画像光のフォーカスを調整するフォーカスレンズが含まれており、当該フォーカスレンズは、鏡筒の中心軸に沿って移動可能に当該鏡筒に保持されている。そして、ユーザーは、当該フォーカスレンズの位置を調整することによって、画像光のフォーカスを手動にて調整できる。
【0031】
光学部品用筐体47は、上記した装置42〜44及びフィールドレンズ451を保持する。
ここで、画像投射装置4には、設計上の光軸である照明光軸Axが設定されており、光学部品用筐体47は、当該照明光軸Axにおける所定位置に、各装置42〜44及びフィールドレンズ451を保持する。この光学部品用筐体47には、各フィールドレンズ451によって三方が囲まれる位置に、上記画像形成ユニットFUと冷却装置5Aの筐体51とが配置される空間Sが形成されている。
また、光源装置41及び投射光学装置46は、当該照明光軸Axにおける所定位置に配置される。
【0032】
以下の説明においては、背面部24から正面部23に向かう方向を+Z方向とし、当該+Z方向に交差し、かつ、互いに交差する方向を+X方向及び+Y方向とする。これら+X方向及び+Y方向のうち、+X方向を左側面部25から右側面部26に向かう方向とし、+Y方向を、上記底面部から上記天面部に向かう方向とする。すなわち、+Z方向は、+Y方向側から見た場合に、投射光学装置46の中心軸に沿って、当該投射光学装置46が画像光を投射する方向である。また、図示を省略するが、+Z方向の反対方向を−Z方向とする。−X方向及び−Y方向も同様である。なお、本実施形態では、+X方向、+Y方向及び+Z方向は、互いに直交する方向として規定している。
【0033】
[冷却装置の構成]
図2は、冷却装置5Aの構成を示す模式図であり、XZ平面に沿う冷却装置5Aの断面を模式的に示す図である。
冷却装置5Aは、プロジェクター1の冷却対象の1つである画像形成ユニットFUを冷却する。この冷却装置5Aは、図1及び図2に示すように、上記空間S内に配置される筐体51を有する他、図2に示すように、流通装置52を有する。
【0034】
[筐体の構成]
筐体51は、図2に示すように、画像形成ユニットFUが内部に配置される筐体であり、略直方体形状に形成されている。すなわち、筐体51は、入射側偏光板452、液晶パネル453及び出射側偏光板454を有する光変調装置LVと、光合成装置455と、を収容する。この筐体51は、それぞれ異なる側面部に、開口部511B,511G,511R,511Eを有する。
開口部511B,511G,511Rは、それぞれ対応する入射側偏光板452に対向する位置に形成されている。これら開口部511B,511G,511Rは、それぞれ対応するフィールドレンズ451(図1参照)を透過した青色光LB、緑色光LG及び赤色光LRが通過する開口部である。
【0035】
開口部511Eは、光合成装置455の光出射面455Eに対向する位置に形成されている。この開口部511Eは、当該光出射面455Eから出射された上記画像光が通過する開口部である。
これら開口部511B,511G,511R,511Eには、透光性部材512が嵌め込まれており、これら開口部511B,511G,511R,511Eは、当該透光性部材512によって閉塞されている。なお、透光性部材512は、対応する開口部を筐体51の内側から閉塞してもよく、筐体51の外側から閉塞してもよい。
【0036】
このような筐体51は、内部に冷却液体が封入される密閉筐体として構成されている。すなわち、筐体51の内部には、当該冷却液体が充填されており、上記画像形成ユニットFUは、当該冷却液体に浸漬される。
なお、密閉筐体とは、例えば、パッキン等を介して筐体51の一部の側面部が着脱可能に取り付けられている構造等、筐体51内の冷却液体が筐体51の外部に漏れ出ることが抑制されている範囲内で、簡素な密閉構造も含む。
また、冷却液体としては、電源及び画像情報が供給されて駆動される液晶パネル453の動作に影響を与えない不活性液体(特に、フッ素系の不活性液体)を利用できる。このような不活性液体としては、例えば、フロリナート(スリーエム社の商標)やNOVEC(スリーエム社の登録商標)を採用できる。
【0037】
[流通装置の構成]
流通装置52は、後述する制御装置6Aによって動作が制御される。この流通装置52は、筐体51内の冷却液体を撹拌して、当該筐体51内にて冷却液体を循環させる。これにより、流通装置52は、当該冷却液体を画像形成ユニットFUに流通させる。
このような流通装置52は、本実施形態では、モーター(図示省略)と、当該モーターによって回転されるシャフト521と、当該シャフト521の外周に設けられたインペラ522と、を有する。このような構成であれば、冷却液体を撹拌するシャフト521及びインペラ522を筐体51内に配置し、発熱源となるモーターを筐体51外に配置することも可能である。この場合には、冷却液体の温度が流通装置52によって上昇することが抑制される。しかしながら、流通装置52の構成は、上記に限定されない。
【0038】
本実施形態では、シャフト521及びインペラ522は、筐体51内のデッドスペースに複数設けられている。具体的に、各シャフト521及びインペラ522は、+Y方向側から筐体51内を見た場合に、略正方形状の筐体51において投射光学装置46に入射される画像光がほぼ通過しない四隅部分に配設されている。
すなわち、4つの流通装置52のうちの2つの流通装置52が有するシャフト521及びインペラ522は、液晶パネル453Bを+Z方向において挟む位置に配置され、他の2つの流通装置52が有するシャフト521及びインペラ522は、液晶パネル453Rを+Z方向において挟む位置に配置されている。換言すると、4つの流通装置52のうちの2つの流通装置52が有するシャフト521及びインペラ522は、液晶パネル453Gを+X方向において挟む位置に配置され、他の2つの流通装置52が有するシャフト521及びインペラ522は、光合成装置455の光出射面455Eを+X方向において挟む位置に配置されている。なお、これに限らず、流通装置52の位置及び数は、適宜変更可能である。
【0039】
[冷却液体の流れ]
このような冷却装置5Aにおいて、流通装置52が駆動されると、筐体51内の冷却液体は、図2に示すように、筐体51の内面と入射側偏光板452との間、入射側偏光板452と液晶パネル453との間、液晶パネル453と出射側偏光板454との間、及び、出射側偏光板454と光合成装置455との間を、これらに沿って流通する。これにより、入射側偏光板452、液晶パネル453及び出射側偏光板454が冷却される。
すなわち、筐体51内には、各液晶パネル453B,453G,453Rに対する色光の光路後段において、当該液晶パネル453と出射側偏光板454との間、出射側偏光板454と光合成装置455の光入射面455B,455G,455Rとの間、及び、光合成装置455の光出射面455Eと開口部511Eを閉塞する透光性部材512との間、のそれぞれに冷却液体が流通可能な流路が形成されている。
【0040】
なお、流通装置52が動作することによって入射側偏光板452のそれぞれ、液晶パネル453のそれぞれ、及び、出射側偏光板454のそれぞれに沿って流通する冷却液体の流速は、略同じである。すなわち、各入射側偏光板452に流通する冷却液体の流速は、それぞれ略同じであり、各液晶パネル453に流通する冷却液体の流速は、それぞれ略同じである。同様に、各出射側偏光板454に流通する冷却液体の流速は、それぞれ略同じである。このため、それぞれの入射側偏光板452、液晶パネル453及び出射側偏光板454は、略同じ冷却効率で冷却される。しかしながら、これに限らず、例えば温度が高くなりやすい構成や、熱によって劣化しやすい構成に流通する冷却液体の流速を、他の構成に比べて高くしてもよい。
【0041】
[投射画像に生じるフォーカスずれの要因]
上記のように、画像形成ユニットFUは、筐体51内の冷却液体に浸漬されて冷却される。そして、当該冷却液体は、筐体51に設けられた流通装置52が動作することによって撹拌されて、当該筐体51内を循環する。
このような冷却液体は、温度によって密度が変化し、これに伴って屈折率が変化する。例えば、上記フッ素系の不活性液体は、温度が高くなるに従って屈折率が低下する特性を有する。
【0042】
ここで、プロジェクター1の使用開始時には、画像形成ユニットFUだけでなく、冷却液体の温度も低いことが考えられる。すなわち、プロジェクター1の使用開始時には、冷却液体の温度は低く、当該冷却液体の屈折率が高い。一方、プロジェクター1を使用し続けると、液晶パネル453及び偏光板452,454の温度は上昇することから、液晶パネル453及び偏光板452,454を冷却することによって冷却液体の温度は高くなり、当該冷却液体の屈折率は低下する。
このため、プロジェクター1の使用開始時に近いタイミング、すなわち、冷却液体の屈折率が比較的高いタイミングにて、ユーザーが上記フォーカスレンズを操作して投射画像のフォーカスを調整した場合、時間経過とともに冷却液体の温度が高くなると、当該冷却液体の屈折率が低下して、投射画像のフォーカスがずれてくる。
【0043】
これに対し、本実施形態に係るプロジェクター1では、制御装置6Aが、上記流通装置52の動作を制御して、プロジェクター1の使用開始時から冷却液体の温度を速やかに上昇させることで、時間経過に伴う冷却液体の温度の変化量を小さくし、時間経過に伴う冷却液体の屈折率の変化を小さくする。これにより、投射画像のフォーカスずれが発生することを抑制する。
このような制御を行う制御装置6Aについて、以下に説明する。
【0044】
[制御装置の構成]
図3は、制御装置6Aの構成を示すブロック図である。
制御装置6Aは、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路を有し、プロジェクター1全体の動作を制御する。例えば、制御装置6Aは、ユーザーによる電源投入操作に応じてプロジェクター1を起動させる。そして、制御装置6Aは、上記光源装置41の点灯を制御する他、外部から入力される画像情報を処理し、処理した画像情報に応じた画像信号を上記液晶パネル453に出力する。
この他、制御装置6Aは、図3に示すように、記憶部61、計時部62及び動作制御部63Aを有する。
【0045】
記憶部61は、制御装置6Aによるプロジェクター1の動作制御に必要なプログラム及びデータを記憶している。そして、制御装置6Aは、記憶部61に記憶された駆動制御プログラム及びデータに基づいて、計時部62及び動作制御部63Aによって、プロジェクター1の電源投入時からの経過時間を計時するとともに、当該経過時間に応じて冷却装置5Aの流通装置52を動作させる動作制御処理を実行する。すなわち、制御装置6Aは、本発明の動作制御方法が含まれる動作制御処理を実施する。
【0046】
本実施形態において、制御装置6Aは、上記動作制御処理において、低レベル制御と、高レベル制御と、を実行可能である。
低レベル制御は、流通装置52の動作レベルを低レベルである第1動作レベルとする制御方式である。すなわち、制御装置6Aは、低レベル制御において、第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する。低レベル制御は、第1制御に相当する。
高レベル制御は、流通装置52の動作レベルを高レベルである第2動作レベルとする制御方式である。すなわち、制御装置6Aは、高レベル制御において、第2動作レベルで流通装置52の動作を制御する。高レベル制御は、第2制御に相当する。
ここで、動作レベルとは、例えば、流通装置52のモーターに印加される電圧に基づく流通装置52の動作状態の度合いを示す。換言すると、動作レベルは、流通装置52によって冷却対象に沿って流通する冷却液体の速度を示す。そして、第2動作レベルは、冷却対象に沿って流通する冷却液体の速度が第1動作レベルでの速度よりも大きい流通装置52の動作レベルを示す。詳述すると、第2動作レベルは、液晶パネル453の変調部位の光出射側を流通する冷却液体の速度が第1動作レベルでの速度よりも大きい動作レベルである。
【0047】
図4は、制御装置6Aによる流通装置52の動作制御処理を示すフローチャートである。
制御装置6Aによって実行される動作制御処理は、例えばプロジェクター1の電源投入時に実行される。動作制御処理では、図4に示すように、まず、制御装置6Aは、ユーザーによるプロジェクター1の電源投入操作に応じて、光源装置41の点灯を開始する(ステップSA1)。この時、計時部62は、光源装置41の点灯開始からの経過時間を計時する。
【0048】
動作制御部63Aは、流通装置52の動作を制御する。
具体的に、動作制御部63Aは、計時部62によって計時される計時時間(上記経過時間)に基づいて、記憶部61に記憶された所定期間である始動期間が経過したか否かを判定する。すなわち、動作制御部63Aは、光源装置41の点灯開始から所定時間が経過したか否かを判定する(ステップSA2)。ここで、所定時間は、始動期間(所定期間)の長さを示す。
そして、動作制御部63Aは、光源装置41の点灯開始からの始動期間が経過していないと判定した場合(ステップSA2:YES)、動作制御部63Aは、低レベル(第1動作レベル)で流通装置52の動作を制御する低レベル制御を実行する(ステップSA3)。すなわち、動作制御部63Aは、光源装置41の点灯開始から所定時間が経過するまでの始動期間(所定期間)において、低レベル制御を実行する。本実施形態において、制御装置6Aの動作制御部63Aは、始動期間(所定期間)において実行される低レベル制御において、流通装置52の動作を停止させる。この後、動作制御部63Aは、処理をステップSA2に戻す。
【0049】
一方、動作制御部63Aは、光源装置41の点灯開始から始動期間が経過したと判定した場合(ステップSA2:NO)、動作制御部63Aは、高レベル制御と低レベル制御とを交互に繰り返す交互制御を実行する(ステップSA4)。交互制御では、動作制御部63Aによって、流通装置52の動作レベルが、高レベルである第2動作レベルと低レベルである第1動作レベルとの間で交互に切り替えられ、切り替えられた動作レベルに応じて流通装置52の動作が制御される。
このように、制御装置6の動作制御部63Aは、流通装置52の動作レベルを変化させる。本実施形態において、動作制御部63Aは、光源装置41の点灯開始から経過した経過時間に基づいて、流通装置52の動作レベルを変化させる。
【0050】
なお、ステップSA4にて交互制御が実行される期間を、交互制御期間とする。交互制御期間には、ステップSA4にて動作制御部63Aが第2動作レベルで流通装置52の動作を制御する期間である高レベル制御期間(第2制御期間)と、ステップSA4にて動作制御部63Aが第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する低レベル制御期間(第1制御期間)とが含まれる。そして、交互制御期間は、プロジェクター1の電源がONである間、継続される。
【0051】
第1動作レベル及び第2動作レベル、並びに、高レベル制御期間の長さ及び低レベル制御期間の長さは、上記記憶部61に記憶されている。
このため、交互制御期間において、流通装置52の動作レベルが第2動作レベルとなる高レベル制御期間と、流通装置52の動作レベルが第1動作レベルとなる低レベル制御期間との切替周期は、適宜設定できる。しかしながら、切替周期は、画像形成ユニットFUを冷却する冷却液体の温度を予め設定された一定の温度範囲内に維持できる周期であることが好ましい。なお、高レベル制御期間と低レベル制御期間とは、同じ長さの期間であってもよく、高レベル制御期間及び低レベル制御期間のうちの一方が、他方に比べて長くてもよい。
【0052】
また、上記始動期間は、例えば、上記低レベル制御が実行されることによって、光源装置41の点灯開始から上昇する冷却液体の温度が上記温度範囲に達するまでの期間とすることができる。このような始動期間は、冷却液体の温度上昇率を実験等によって算出可能であることから、当該温度上昇率及び液晶パネル453のサイズ等に基づいて同様に算出可能である。なお、上記温度範囲に含まれる目標温度は、液晶パネル453を含む光変調装置LVが安定して動作可能な冷却液体の温度を例示できる。また、所定の温度範囲としては、目標温度を含む10℃程度の幅を有する温度範囲を例示できるが、これに限らず、適宜変更可能である。
更に、高レベルである第2動作レベルでの流通装置52の動作状態は、低レベルである第1動作レベルでの流通装置52の動作状態に比べて、流通装置52によって流通される冷却液体の流量が大きい動作状態であればよい。一方、第1動作レベルでの流通装置52の動作状態には、流通装置52の動作が停止されることも含まれる。本実施形態では、動作制御部63Aによって行われる低レベル制御は、上記のように、流通装置52を停止させることである。
【0053】
図5は、光源装置41の点灯開始からの冷却液体の温度Tの変化の一例、及び、光源装置41の点灯開始から流通装置52に印加される電圧の変化の一例を示すグラフである。具体的に、図5の上段には、光源装置41の点灯開始からの冷却液体の温度Tの変化の一例を示す温度変化グラフが示されている。温度変化グラフの縦軸は冷却液体の温度Tを示し、温度変化グラフの横軸は時間tを示している。また、図5の下段には、光源装置41の点灯開始からの流通装置52のモーターに印加される電圧の変化の一例を示す電圧変化グラフが示されている。電圧変化グラフの縦軸は流通装置52のモーターに印加する電圧Vを示し、電圧変化グラフの横軸は時間tを示している。
まず、図5の上段に示される温度変化グラフにおいて、時間t0は、光源装置41の点灯が開始されるタイミング、例えばユーザーによってプロジェクター1の電源がOFFからONに切り替えられるタイミングを示している。時間t0における冷却液体の温度Tは、例えば、プロジェクター1が設置される環境の温度に応じた所定の温度となっている。更に、図5の下段に示される電圧変化グラフにおいて、時間t0における電圧Vは、0Vとなっている。本実施形態において、時間t0は0秒を示す。
【0054】
ここで、光源装置41が点灯されると、光源装置41から出射された光束が冷却液体を通過する他、冷却液体に浸漬された光学部品に光束が入射されて熱を帯びることから、冷却液体の温度は徐々に上昇する。
これに対し、図5上段の温度変化グラフに点線にて示すように、光源装置41の点灯開始からの流通装置52の動作レベルが高レベルである場合には、冷却液体の温度Tは、所定の温度上昇率にて上昇し、時間taにおいて上記温度範囲に含まれる目標温度Tsに達し、その後、当該温度範囲内の温度に維持される。この場合、画像形成ユニットFUの冷却を充分に行うことができる。
しかしながら、流通装置52の動作レベルが高レベルである間の冷却液体の温度上昇率は、比較的小さいことから、冷却液体の温度Tが、例えば目標温度Tsに達するまでの時間が長い。換言すると、冷却液体の温度Tが光源装置41の点灯開始から目標温度Tsに達するまでに、時間taを要する。このため、光源装置41の点灯開始時に近いタイミングにて投射画像のフォーカス調整を行うと、当該タイミングでの冷却液体の温度Tと目標温度Tsとの温度差が大きく、冷却液体の屈折率の差も大きいので、光源装置41の点灯開始からの時間経過に伴って、フォーカスにずれが生じる。
【0055】
一方、図5上段の温度変化グラフに一点鎖線にて示すように、光源装置41の点灯開始から流通装置52の動作レベルが第1動作レベルである場合、すなわち、流通装置52が停止されている場合には、冷却液体の温度Tは、流通装置52の動作レベルが第2動作レベルである場合の温度上昇率より大きい温度上昇率にて上昇する。そして、光源装置41の点灯開始から或る時間が経過した時点で、冷却液体の温度Tは、上記所定の温度範囲より高い温度T0に到達する。
流通装置52の動作レベルが第1動作レベルである間の冷却液体の温度上昇率は、比較的高いことから、光源装置41の点灯開始から流通装置52の動作レベルが第2動作レベルより低い第1動作レベルである場合には、冷却液体の温度Tを上記目標温度Tsに比較的短時間で到達させることができる。しかしながら、光源装置41の点灯開始から流通装置52の動作レベルが第1動作レベルのままであると、上記或る時間後に、冷却液体の温度Tは、上記温度範囲より高い温度T0で維持されてしまう。そして、光源装置41の点灯開始時に近いタイミングにて投射画像のフォーカス調整を行うと、上記の場合と同様に、当該タイミングでの冷却液体の温度Tと上記温度T0との温度差が大きく、冷却液体の屈折率の差も大きいことから、光源装置41の点灯開始からの時間経過に伴って、フォーカスにずれが生じる。更に、この場合には、冷却液体の温度Tが高いことから、画像形成ユニットFUの冷却を充分に行うことができない可能性がある。
【0056】
これに対し、動作制御部63Aは、光源装置41の点灯開始から時間t1が経過するまでの期間である始動期間PAの間、低レベルである第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する低レベル制御を実行する。
本実施形態において、始動期間PAでの低レベル制御は、上記のように、流通装置52を停止させることである。すなわち、図5下段の電圧変化グラフに示されるように、始動期間PAにて実行される低レベル制御において流通装置52に印加される電圧は、0Vである。これにより、図5上段の温度変化グラフに実線にて示すように、始動期間PAにおいて、冷却液体の温度Tは速やかに上昇する。これにより、冷却液体の温度Tは、時間t1において目標温度Tsより高い温度T1となる。
【0057】
そして、始動期間PAが経過すると、すなわち、光源装置41の点灯開始から時間t1が経過すると、動作制御部63Aは、高レベルである第2動作レベルで流通装置52の動作を制御する高レベル制御と、低レベルである第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する低レベル制御とを交互に行う交互制御を実行して、冷却液体の温度Tを、目標温度Tsが含まれる上記温度範囲内に維持する。すなわち、始動期間PAの経過後の期間は、流通装置52の動作が第2動作レベルで制御される高レベル制御期間PHと、流通装置52の動作が第1動作レベルで制御される低レベル制御期間PLとが交互に繰り返される交互制御期間PBである。
【0058】
具体的に、始動期間PAが経過して交互制御期間PBに入ると、動作制御部63Aは、始動期間PAの後に設定された高レベル制御期間PH1の間、高レベルである第2動作レベルで流通装置52の動作を制御する高レベル制御を実行する。すなわち、交互制御期間PBの最初には高レベル制御期間PH1が設けられ、時間t1から時間t1より長い時間t2までの高レベル制御期間PH1の間、動作制御部63Aは、流通装置52の動作レベルを第2動作レベルにする。更に換言すると、動作制御部63Aは、始動期間PAから交互制御期間PBへ移行した場合に、低レベルである第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する低レベル制御から、高レベルである第2動作レベルで流通装置52の動作を制御する高レベル制御へ切り替える。本実施形態において、高レベル制御期間PH1にて実行される高レベル制御において流通装置52に印加される電圧は、0Vよりも大きい電圧V1である。これにより、冷却液体の温度Tは、時間t1において始動期間PAの経過時に到達していた温度T1から、時間t2において、温度T1より低く、更に、目標温度Tsより低い温度T2に到達する。なお、高レベル制御期間PH1は、始動期間PAより短い。
【0059】
高レベル制御期間PH1が経過すると、動作制御部63Aは、高レベル制御期間PH1の後に設定された低レベル制御期間PL1の間、低レベルである第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する低レベル制御を実行する。すなわち、時間t2から時間t2より長い時間t3までの低レベル制御期間PL1の間、動作制御部63Aは、流通装置52の動作レベルを第1動作レベルにする。本実施形態において、低レベル制御期間PL1にて実行される低レベル制御において流通装置52に印加される電圧は、0Vである。これにより、冷却液体の温度Tは、時間t2において高レベル制御期間PH1の経過時に到達していた温度T2から、時間t3において、温度T1より低く、目標温度Tsより高い温度T3に到達する。なお、期間PL1は、期間PH1より短い。
【0060】
低レベル制御期間PL1が経過すると、動作制御部63Aは、低レベル制御期間PL1の後に設定された高レベル制御期間PH2の間、高レベルである第2動作レベルで流通装置52の動作を制御する高レベル制御を実行する。すなわち、時間t3から時間t3より長い時間t4までの高レベル制御期間PH2の間、動作制御部63Aは、流通装置52の動作レベルを第2動作レベルにする。本実施形態において、高レベル制御期間PH2にて実行される高レベル制御において流通装置52に印加される電圧は、上記電圧V1である。これにより、冷却液体の温度Tは、時間t3において低レベル制御期間PL1の経過時に到達していた温度T3から、時間t4において、温度T2より高く、目標温度Tsより低い温度T4に到達する。なお、期間PH2は、期間PL1より短い。
【0061】
高レベル制御期間PH2が経過すると、動作制御部63Aは、高レベル制御期間PH2の後に設定された低レベル制御期間PL2の間、低レベルである第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する低レベル制御を実行する。すなわち、時間t4から時間t4より長い時間t5までの低レベル制御期間PL2の間、動作制御部63Aは、流通装置52の動作レベルを第1動作レベルにする。本実施形態において、低レベル制御期間PL2にて実行される低レベル制御において流通装置52に印加される電圧は0Vである。これにより、冷却液体の温度Tは、時間t4において高レベル制御期間PH2の経過時に到達していた温度T4から、時間t5において、目標温度Tsと略一致する温度に到達する。なお、期間PL2は、期間PH2より短い。
【0062】
図5では、詳しい図示を省略するが、低レベル制御期間PL2の後、動作制御部63Aは、引き続き、高レベル制御と、低レベル制御とを、所定周期で交互に切り替える。すなわち、図5上段に示した温度変化グラフにおいて、低レベル制御期間PL2の後も、高レベル制御期間PHと低レベル制御期間PLとが、所定周期で交互に繰り返される。このため、図5下段に示した電圧変化グラフでは太い点線にて示したが、低レベル制御期間PL2の後に流通装置52に印加される電圧は、電圧V1と0Vとの間で交互に切り替わる。なお、低レベル制御期間PL2の後に繰り返される高レベル制御期間PH及び低レベル制御期間PLのそれぞれの長さは、低レベル制御期間PL2の長さより短い。
【0063】
これによれば、光源装置41の点灯開始に近いタイミングにて投射画像のフォーカス調整を行った場合でも、当該タイミングでの冷却液体の温度と目標温度Tsとの差は小さく、冷却液体の屈折率の差も小さい。このため、光源装置41の点灯開始から時間が経過しても、投射画像のフォーカスにずれが生じることを抑制できる。更に、この場合には、冷却液体の温度が目標温度Tsを含む上記温度範囲内に保たれることから、画像形成ユニットFUを充分に冷却できる。
【0064】
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果を奏することができる。
制御装置6Aにおいて、流通装置52の動作を制御する動作制御部63Aは、流通装置52の動作レベルを変化させる。すなわち、動作制御部63Aは、光源装置41の点灯開始から所定期間である始動期間PAが経過するまでの間、流通装置52の動作レベルが高レベルである第2動作レベルである場合に比べて、流通装置52の動作レベルを下げる。これにより、筐体51内の冷却液体が大きく流動しないことから、光源装置41からの光が入射されて温度が上昇する光変調装置LVの変調部位近傍の冷却液体の温度を速やかに上昇させることができる。このため、当該点灯開始時に近いタイミングにて、投射画像のフォーカス調整が行われた場合でも、当該タイミングでの冷却液体の温度Tと、目標温度Tsとの温度差を小さくすることができる。これにより、それぞれのタイミングでの冷却液体の屈折率の差を小さくすることができる。従って、上記フォーカスずれが発生することを抑制できる。
【0065】
制御装置6Aの動作制御部63Aは、第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する第1制御である低レベル制御と、第2動作レベルで流通装置52の動作を制御する第2制御である高レベル制御と、を交互に実行する。第2動作レベルで流通装置52を制御する場合に光変調装置LVの変調部位の光出射側を流通する冷却液体の速度は、第1動作レベルで流通装置52を制御する場合に光変調装置LVの変調部位の光出射側を流通する冷却液体の速度よりも大きい。これによれば、制御装置6Aによって低レベル制御と高レベル制御とが交互に実行されて、流通装置52によって流通される冷却液体の速度が変更されるので、環境温度等に依らずに、変調部位近傍の冷却液体の温度を上記温度範囲内に維持できる。従って、光変調装置LVを安定して動作させることができる。
【0066】
制御装置6Aの動作制御部63Aは、光源装置41の点灯開始から所定期間である始動期間PAの間、流通装置52の動作レベルを低レベルである第1動作レベルとする低レベル制御を実行する。これによれば、光変調装置LVの変調部位には、低い流速の冷却液体が流通するので、変調部位近傍の冷却液体の温度を上昇させやすくすることができる。従って、変調部位近傍の冷却液体の温度を速やかに上昇させることができ、上記フォーカスずれの発生を抑制できる。
【0067】
制御装置6Aの動作制御部63Aは、上記始動期間において実行される低レベル制御において、流通装置52を停止させる。これによれば、光変調装置LVの変調部位近傍の冷却液体の温度を上昇させやすくすることができる。従って、上記フォーカスずれの発生を抑制できる。
【0068】
制御装置6Aの動作制御部63Aは、光源装置41の点灯開始からの経過時間に基づいて、流通装置52の動作レベルを変化させる。これによれば、冷却液体の状態や投射画像の状態を計測するセンサー等の検出装置を設けることなく、当該冷却液体の温度を管理できる。
【0069】
制御装置6Aの動作制御部63Aは、目標温度Tsを含む上記温度範囲内に冷却液体の温度が収まるように、流通装置52の動作レベルを変化させる。これによれば、冷却液体の温度を略一定に維持でき、冷却液体によって冷却される光変調装置LVの温度を略一定に維持できる。従って、当該光変調装置LV、ひいては、プロジェクターを安定して動作させることができる。
【0070】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有する。しかしながら、本実施形態に係るプロジェクターでは、制御装置が、光源装置41の点灯開始からの経過時間と、光変調装置LVによって形成される画像の階調との両方に基づいて、流通装置52の動作を制御する。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと上記プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0071】
図6は、本実施形態に係るプロジェクターが備える制御装置6Bの構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、制御装置6Aに代えて制御装置6Bを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成を有する。
【0072】
[制御装置の構成]
制御装置6Bは、上記制御装置6Aと同様の機能を有する。この他、制御装置6Bは、後述する動作制御処理を実行するために、図6に示すように、記憶部61、計時部62、階調取得部64及び動作制御部63Bを有する。
【0073】
ここで、出射側偏光板454は、液晶パネル453を通過した光のうち、画像を形成しない光を吸収する。このため、例えば白に近い階調の画像が形成される場合には、出射側偏光板454を通過する光量が大きく、吸収される光量が小さいので、当該出射側偏光板454にて生じる熱量は相対的に小さく、冷却液体の温度上昇は小さくなる。一方、例えば黒に近い階調の画像が形成される場合には、出射側偏光板454を通過する光量は小さく、吸収される光量は大きくなるため、当該出射側偏光板454にて生じる熱量は相対的に大きく、冷却液体の温度上昇は大きくなる。
【0074】
これに対し、制御装置6Bは、上記経過時間に加えて、各液晶パネル453によって形成される画像の階調に基づいて、上記始動期間PAの長さを補正する。すなわち、制御装置6Bは、経過時間と、光変調装置LVの液晶パネル453に入力される画像情報に応じた画像の階調との両方に基づいて、流通装置52の動作レベルを変化させる。
具体的に、制御装置6Bの構成のうち、階調取得部64は、各光変調装置LVに入力される画像情報に基づいて、当該各光変調装置LVによって形成される画像の階調を取得する。詳述すると、階調取得部64は、1フレームの階調を取得する。この1フレームの階調は、例えば、1フレームの階調の平均値であり、以下で平均階調と呼ぶ場合がある。
【0075】
動作制御部63Bは、上記動作制御部63Aと同様に、流通装置52の動作を制御する。この他、動作制御部63Bは、始動期間PAの長さを補正する。
具体的に、動作制御部63Bは、階調取得部64によって取得された平均階調に基づく係数を予め設定された上記始動期間PAの長さに乗算して、当該始動期間PAの長さを補正する。このような係数は、例えば、平均階調が白に近い階調である場合には、始動期間PAは長くなり、平均階調が黒に近い階調である場合には、始動期間PAは短くなる係数である。すなわち、当該係数は、例えば、平均階調が白に近い階調である場合には1.0よりも大きい数値に設定され、平均階調が黒に近い階調である場合には1.0よりも小さい数値が設定される。このように、制御装置6Bは、形成される画像の階調に基づいて、上記始動期間PA(所定期間)の長さを変化させる。
【0076】
そして、動作制御部63Bは、光源装置41の点灯開始から、補正された始動期間PA(所定期間)が経過していない場合、すなわち、光源装置41の点灯開始から所定時間が経過していない場合には、低レベル制御を実行する。
一方で、動作制御部63Bは、光源装置41の点灯開始から、補正された始動期間PAが経過した場合、すなわち、光源装置41の点灯開始から所定時間が経過した場合には、上記のように、高レベル制御と低レベル制御とを交互に繰り返す交互制御を実行する。
なお、上記のように、低レベル制御は、動作制御部63Bが、流通装置52の動作レベルを低レベルである第1動作レベルとし、設定された第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する制御方式である。また、高レベル制御は、動作制御部63Bが、流通装置52の動作レベルを高レベルである第2動作レベルとし、設定された第2動作レベルで流通装置52の動作を制御する制御方式である。そして、第2動作レベルは、冷却対象である液晶パネル453の変調部位の光出射側を流通する冷却液体の速度が第1動作レベルでの速度よりも大きい流通装置52の動作レベルである。
【0077】
なお、動作制御部63Bは、交互制御期間PBにおける高レベル制御期間PHと低レベル制御期間PLとの周期も、平均階調、及び、光源装置41の点灯開始からの経過時間に応じて変化させてもよい。また、動作制御部63Bは、高レベル制御時の動作レベルである第2動作レベル及び低レベル制御時の動作レベルである第1動作レベルも、平均階調及び経過時間に応じて変化させてもよい。更に、動作制御部63Bは、高レベル制御期間PH及び低レベル制御期間PLの各長さ、及び、高レベル制御期間PHと低レベル制御期間PLとの比率も、平均階調及び経過時間に応じて変化させてもよい。
【0078】
[動作制御処理]
図7は、制御装置6Bによる動作制御処理を示すフローチャートである。
制御装置6Bは、記憶部61に記憶された駆動制御プログラム及びデータに基づいて、以下の動作制御処理を実行する。すなわち、制御装置6Bは、本発明の動作制御方法を含む動作制御処理を実施する。
この動作制御処理では、図7に示すように、まず、制御装置6Bが、例えばユーザーによるプロジェクターの電源投入操作に応じて、光源装置41の点灯を開始する(ステップSA1)。この時、計時部62が、上記と同様に、光源装置41の点灯開始時からの経過時間を計時する。
また、階調取得部64が、光変調装置LVに入力される画像情報に応じた画像の平均階調を取得する(ステップSB1)。
次に、動作制御部63Bが、取得された平均階調に基づいて、上記始動期間(所定期間)の長さを補正する(ステップSB2)。
【0079】
この後、動作制御部63Bは、上記ステップSA2〜SA4を実行する。なお、本実施形態における動作制御処理では、動作制御部63Bは、ステップSA3の後、処理をステップSB1に戻す。
このように、制御装置6Bの動作制御部63Bは、光源装置41の点灯開始からの経過時間と、光変調装置LVに入力される画像情報に応じた画像の階調と、の両方に基づいて、流通装置52の動作レベルを変化させる。
このような動作制御処理により、上記プロジェクター1での動作制御処理と同様に、光源装置41の点灯開始から速やかに冷却液体の温度を上昇させることができるだけでなく、冷却液体の温度を、上記目標温度Tsを中心とした所定の温度範囲内に収めることができるので、画像形成ユニットFU(特に光変調装置LV)を略一定の温度に維持できる。
【0080】
[第2実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記プロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
制御装置6Bの動作制御部63Bは、光変調装置LVによって形成される画像の階調に基づいて、所定期間である始動期間PAの長さを変化させる。具体的に、動作制御部63Bは、形成される画像の階調が白に近い階調である場合には、上記始動期間PAを長くする。これによれば、光源装置41の点灯開始から冷却液体の温度を上昇させやすくすることができる。従って、上記フォーカスずれの発生を抑制できる。
【0081】
制御装置6Bの動作制御部63Bは、光源装置41の点灯開始からの経過時間と、光変調装置LVに入力される画像情報に応じた画像の階調との両方に基づいて、流通装置52の動作レベルを変化させる。これによれば、形成される画像の階調が白に近い階調である場合には、光源装置41の点灯開始から、流通装置52の動作レベルを低レベルである第1動作レベルにする始動期間PAを長くすることにより、冷却液体の温度を上昇させやすくすることができる。従って、上記フォーカスずれの発生を抑制できる。
なお、動作制御部63Bは、交互制御期間における低レベル制御期間にて流通装置52に印加される電圧より低い電圧を、始動期間PAにて流通装置52に印加することによって、始動期間PAでの流通装置52の動作レベルを低下させてもよい。この場合でも、始動期間PAにおいて、光変調装置LVの変調部位近傍の冷却液体の温度を上昇させやすくすることができるので、上記と同様の効果を奏することができる。
【0082】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有する。ここで、当該プロジェクター1における制御装置6Aは、光源装置41の点灯開始からの経過時間に基づいて、流通装置52の動作レベルを制御した。これに対し、本実施形態に係るプロジェクターでは、制御装置は、筐体51内の冷却液体の温度に基づいて、流通装置52の動作レベルを変化させる。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと上記プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
図8は、本実施形態に係るプロジェクターが備える制御装置6C及び検出装置7Cの構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、図8に示すように、制御装置6Aに代えて制御装置6Cを備え、更に検出装置7Cを備える他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
【0084】
[検出装置の構成]
検出装置7Cは、筐体51に設けられて、当該筐体51内の冷却液体の温度を検出するセンサーを備えて構成され、当該センサーによる検出結果を制御装置6Cに出力する。なお、検出装置7Cが冷却液体の温度を検出する部位は、当該冷却液体の温度を検出可能であれば、いずれの部位でもよい。しかしながら、当該部位は、液晶パネル453から投射光学装置46に入射される光の光路上の部位であることが、投射光学装置46のバックフォーカス位置のずれに影響する冷却液体の温度を検出する上で、より好ましい。
【0085】
[制御装置の構成]
制御装置6Cは、上記制御装置6A,6Bと同様に、プロジェクター全体の動作を制御する。制御装置6Cは、記憶部61、温度取得部65及び動作制御部63Cを有する。
温度取得部65は、検出装置7Cのセンサーによる検出結果、すなわち、筐体51内の冷却液体の温度を取得する。
【0086】
動作制御部63Cは、上記動作制御部63A,63Bと同様に、上記流通装置52の動作レベルを変化させて、当該流通装置52の動作を制御する。換言すると、動作制御部63Cは、筐体51内の冷却液体の温度が速やかに目標温度Tsに達し、かつ、当該目標温度Tsを中心とする所定の温度範囲内に冷却液体の温度が維持されるように、流通装置52の動作を制御する。
具体的に、上記した図5を参照して動作制御部63Cの機能を説明すると、温度取得部65によって取得された冷却液体の温度が目標温度Ts未満である場合には、当該動作制御部63Cは、流通装置52の動作レベルを低レベルである第1動作レベルとし、第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する低レベル制御を実行して、変調部位近傍の冷却液体の温度を上昇させる。
【0087】
一方、取得された冷却液体の温度が目標温度Ts以上である場合には、動作制御部63Cは、流通装置52の動作レベルを高レベルである第2動作レベルとし、第2動作レベルで流通装置52の動作を制御する高レベル制御を実行して、変調部位近傍の冷却液体の温度を低下させる。これにより、冷却液体の温度が目標温度Tsを含む所定の温度範囲より大きくなることを抑制する。そして、動作制御部63Cが高レベル制御を実行することによって、冷却液体の温度が目標温度Ts未満となると、動作制御部63Cは、低レベル制御を実行する。これにより、冷却液体の温度が、目標温度Tsに近い値、すなわち、所定の温度範囲内となる。
【0088】
このような動作制御部63Cによる動作制御によって、光源装置41の点灯開始から第1動作レベルで流通装置52の動作が制御されるので、冷却液体の温度は、速やかに目標温度Tsに達する。そして、冷却液体の温度が目標温度Tsに達した後、動作制御部63Cは、高レベル制御及び低レベル制御を交互に繰り返す交互制御を実行するので、冷却液体の温度を、目標温度Tsを含む所定の温度範囲内に維持できる。
なお、上記のように、第2動作レベルは、冷却対象である液晶パネル453の変調部位に沿って流通する冷却液体の速度が第1動作レベルでの速度よりも大きい流通装置52の動作レベルである。詳述すると、第2動作レベルは、液晶パネル453の変調部位の光出射側を流通する冷却液体の速度が、第1動作レベルでの速度よりも大きい流通装置52の動作レベルである。また、本実施形態においても、動作制御部63Cは、低レベル制御において流通装置52の動作を停止させる。
【0089】
[動作制御処理]
図9は、制御装置6Cによる動作制御処理を示すフローチャートである。
制御装置6Cは、上記と同様に、記憶部61に記憶された駆動制御プログラム及びデータに基づいて、以下の動作制御処理を実行する。すなわち、制御装置6Cは、本発明の動作制御方法を含む動作制御処理を実施する。
この動作制御処理では、図9に示すように、まず、制御装置6Cが、例えばユーザーによるプロジェクターの電源投入操作に応じて、光源装置41の点灯を開始する(ステップSA1)。次に、検出装置7Cが、冷却液体の温度を検出する(ステップSC1)。そして、温度取得部65が、検出装置7Cによって検出された冷却液体の温度を取得する。
【0090】
この後、動作制御部63Cが、取得された冷却液体の温度が上記目標温度Tsよりも低いか否かを判定する(ステップSC2)。
ここで、動作制御部63Cが、冷却液体の温度が目標温度Tsよりも低いと判定した場合(ステップSC2:YES)、動作制御部63Cは、低レベルである第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する低レベル制御を実行する(ステップSC3)。この後、制御装置6Bは、処理をステップSC1に戻す。
一方、動作制御部63Cが、冷却液体の温度が目標温度Ts以上であると判定した場合(ステップSC2:NO)、動作制御部63Cは、高レベルである第2動作レベルで流通装置52の動作を制御する高レベル制御を実行する(ステップSC4)。この後、制御装置6Cは、処理をステップSC1に戻す。
このように、制御装置6Cの動作制御部63Cは、検出装置7Cによって検出された冷却液体の温度に基づいて、流通装置52の動作レベルを変化させる。このような動作制御処理は、プロジェクターの電源がオンされてからオフされるまでの間、繰り返し実行される。なお、制御装置6Cは、ステップSC2の判定処理にて、取得された冷却液体の温度が所定の温度範囲より低いか否かを判定し、所定の温度範囲より低い場合には、ステップSC3を実行し、所定の温度範囲以上である場合には、ステップSC4を実行してもよい。
【0091】
[第3実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記プロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
本実施形態に係るプロジェクターは、冷却液体の温度を検出する検出装置7Cを備える。そして、制御装置6Cの動作制御部63Cは、検出装置7Cによって検出された冷却液体に温度に基づいて、流通装置52の動作レベルを変化させる。これによれば、冷却液体の温度に応じて流通装置52の動作を制御できるので、当該冷却液体の温度管理を適切に実施できる。従って、上記フォーカスずれの発生を抑制できるだけでなく、光変調装置LVの冷却を実施できる。
【0092】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有する他、筐体51内の冷却液体を当該筐体51の外部にて冷却する外部冷却機構を有する。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと当該プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0093】
図10は、本実施形態に係るプロジェクターが備える冷却装置5D及び制御装置6Aを示すブロック図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、冷却装置5Aに代えて冷却装置5Dを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
冷却装置5Dは、上記冷却装置5Aと同様に、上記冷却液体が充填された筐体51及び流通装置52を有する他、図10に示すように、当該筐体51内の冷却液体を当該筐体51の外部にて冷却する外部冷却機構53を有する。
この外部冷却機構53は、複数の配管531、貯留部532、圧送部533及び受熱部534を有する。
【0094】
複数の配管531(5311〜5314)は、内部を冷却液体が流通し、筐体51、貯留部532、圧送部533及び受熱部534を、冷却液体が流通可能に接続する。具体的に、配管5311は、筐体51と貯留部532とを接続し、配管5312は、貯留部532と圧送部533とを接続する。また、配管5313は、圧送部533と受熱部534とを接続し、配管5314は、受熱部534と筐体51とを接続する。
【0095】
貯留部532は、いわゆるタンクであり、筐体51の外部に設けられ、筐体51から配管5311を介して流入する冷却液体を内部に一時的に貯留する。この貯留部532は、冷却液体中に気泡が混入した場合に、当該気泡を確保する機能も有する。
圧送部533は、いわゆるポンプであり、筐体51の外部に設けられ、貯留部532に貯留された冷却液体を、配管5313を介して受熱部534に圧送する。
受熱部534は、いわゆる熱交換器(ラジエーター)であり、筐体51の外部に設けられ、配管5313を介して流入される冷却液体の熱を受熱し、当該熱を外部に放熱することによって当該冷却液体を冷却する。このような受熱部534によって冷却された冷却液体は、配管5314を介して筐体51に流通される。なお、受熱部534を冷却する冷却ファンを設けてもよい。
【0096】
ここで、詳しい図示を省略するが、例えば、一端が受熱部534に接続される配管5314の他端は、筐体51における−Y方向の側面部に接続される。また、一端が貯留部532に接続される配管5311の他端は、筐体51における+Y方向の側面部に接続される。このため、受熱部534によって冷却された冷却液体は、筐体51における−Y方向の側面部から供給されて、当該筐体51における+Y方向の側面部から外部冷却機構53に排出される。従って、筐体51内を冷却液体にて満たすことができ、画像形成ユニットFUを冷却液体中に浸漬させることができる。
【0097】
このような冷却装置5Dにおいて、圧送部533が駆動されると、筐体51から貯留部532に流入されて貯留された冷却液体が、受熱部534に供給される。この受熱部534によって冷却された冷却液体は、筐体51に供給される。これにより、温度が低い冷却液体が筐体51内に供給され、当該冷却液体は、流通装置52によって画像形成ユニットFUの各構成に流通して、当該画像形成ユニットFUを冷却する。
このように、受熱部534にて冷却された冷却液体によって画像形成ユニットFUを冷却できるので、当該画像形成ユニットFUをより効果的に冷却できる。
【0098】
なお、筐体51から配管531によって当該筐体51の外部を流通する外部冷却機構53における貯留部532、圧送部533及び受熱部534を冷却液体が流通する順序は、適宜変更可能である。また、筐体51内の構成は、上記した構成のいずれかと同じであってもよく、冷却液体の流通方向も、上記した構成のいずれと同じであってもよく、異なっていてもよい。また、筐体51内の流通装置52の数及び配置も適宜変更可能である。
【0099】
また、例えば、一端が受熱部534に接続される配管5314の他端は、筐体51の±X方向及び±Z方向の側面部のうちいずれかの側面部の−Y方向側の部位に接続され、一端が貯留部532に接続される配管5311の他端は、筐体51の±X方向及び±Z方向の側面部のうちいずれかの側面部の+Y方向側の部位に接続されてもよい。この場合、配管5314の上記他端が、±X方向及び±Z方向の側面部のうち1つの側面部の−Y方向側の部位に接続され、配管5311の上記他端が、±X方向及び±Z方向の側面部のうち当該1つの側面部以外の側面部の+Y方向側の部位に接続されてもよい。また、配管5314の上記他端が接続される側面部と同じ側面部であって、配管5314の上記他端が接続される部位より+Y方向側の部位に、配管5311の上記他端が接続されてもよい。更に例えば、−Y方向が鉛直方向と平行である場合に、筐体51に冷却液体を流入させる配管5314は、筐体51における鉛直方向における下方側の部位に接続され、筐体51から冷却液体を流出させる配管5311は、筐体51における鉛直方向における上方側の部位に接続されていてもよい。
【0100】
そして、本実施形態では、上記始動期間PAの間、及び、交互制御期間PBにおける低レベル制御期間PLの間、動作制御部63Aは、圧送部533の動作レベルを低レベルとし、低レベルで圧送部533の動作を制御する。また、上記高レベル制御期間の間、動作制御部63Aは、圧送部533の動作レベルを高レベルとし、高レベルで圧送部533の動作を制御する。すなわち、動作制御部63Aは、流通装置52及び圧送部533の動作を制御し、流通装置52の動作レベルと、圧送部533の動作レベルとを対応させる。これにより、高レベル制御期間PHでは、圧送部533が高レベルで動作されて、圧送部533から送出される冷却液体の流量は、低レベル制御期間PLにて圧送部533が低レベルで動作されて、圧送部533から送出される冷却液体の流量より大きくなる。
なお、本実施形態では、動作制御部63Aは、圧送部533を低レベルで動作させる際に、当該圧送部533を停止させるが、高レベル動作時の冷却液体の圧送量より低ければ、動作制御部63Aは、必ずしも圧送部533を停止させなくてもよい。
また、本実施形態では、プロジェクターは、制御装置6Aを備えることとしたが、制御装置6B又は制御装置6Cを備えていてもよい。この場合でも、動作制御部63B,63Cが、上記のように、流通装置52の動作レベルと圧送部533の動作レベルとを対応させればよい。なお、上記検出装置7Cが設けられる場合、当該検出装置7Cは、筐体51内を流通する冷却液体の温度を検出可能であれば、外部冷却機構53に設けられていてもよい。
【0101】
[第4実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記プロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
冷却装置5Dが、上記外部冷却機構53を備えることにより、筐体51内に流通する冷却液体の温度を下げることができる。従って、筐体51内に配置される画像形成ユニットFU(特に光変調装置LV)を効果的に冷却できる。
また、当該外部冷却機構53を構成する圧送部533は、流通装置52とともに、動作制御部63Aによって動作が制御される。これによれば、冷却液体の温度を上昇させる際に、圧送部533によって冷却液体が外部冷却機構53及び筐体51内を循環して、冷却液体の温度上昇を妨げてしまうことを抑制できる。従って、冷却液体の温度上昇を速やかに実施できる。
【0102】
[実施形態の変形]
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記第1及び第4実施形態では、動作制御部63Aは、光源装置41の点灯開始からの経過時間に基づいて、流通装置52の動作を制御した。また、上記第2実施形態では、動作制御部63Bは、当該経過時間と、形成される画像の階調(平均階調)とに基づいて、流通装置52の動作を制御した。更に、上記第3実施形態では、動作制御部63Cは、冷却液体の温度に基づいて、流通装置52の動作を制御した。しかしながら、動作制御部が流通装置52の動作を制御する際の指標は、これらに限定されない。
【0103】
例えば、プロジェクターが投射画像を撮像するカメラ等の撮像装置を備える場合には、当該投射画像の撮像画像における画素サイズの変化、すなわち、投射画像における画素サイズの変化に基づいて、流通装置52の動作を制御してもよい。
ここで、上記のように、冷却液体の温度変化に応じて屈折率変化が生じることから、当該冷却液体の温度が比較的高い場合には、画素サイズが大きくなり、当該冷却液体の温度が比較的低い場合には、画素サイズが小さくなる。
このため、当該画素サイズが大きくなったと判定される場合には、動作制御部は、冷却液体の温度が高くなっていると判断して、制御装置は、第2制御である上記高レベル制御を実行し、当該画素サイズが小さくなったと判定される場合には、冷却液体の温度が低くなっていると判断して、制御装置は、第1制御である上記低レベル制御を実行してもよい。
【0104】
上記各実施形態では、冷却液体の温度が相対的に低くなっていると判定される場合には、動作制御部63A,63B,63Cは、第1制御である低レベル制御を実行することによって、当該冷却液体の温度を上昇させた。しかしながら、これに限らず、筐体51内にヒーター等の加熱装置を設け、動作制御部が、当該加熱装置を動作させることによって、冷却液体の温度を上昇させてもよい。この場合の加熱装置の位置は、筐体51に設けられていてもよく、第4実施形態にて示した外部冷却機構53が設けられる場合には、当該外部冷却機構53に設けてもよい。また、加熱装置による冷却液体の加熱と併せて、上記のような流通装置52の動作制御を実施してもよい。
【0105】
上記各実施形態では、目標温度Tsは、上記温度範囲における中心の温度とした。しかしながら、これに限らず、目標温度Tsは、所定の温度範囲に含まれていれば、必ずしも当該所定の温度範囲に中心の温度である必要はない。換言すると、目標温度Tsが含まれるように、上記温度範囲が設定されていればよく、目標温度Tsが、所定の温度範囲における中心の温度より高くてもよく、低くてもよい。
【0106】
上記各実施形態では、画像形成ユニットFUは、入射側偏光板452、液晶パネル453及び出射側偏光板454を有する光変調装置LVと、光合成装置455とを備えて構成され、当該画像形成ユニットFUは、筐体51内に配置されて、冷却液体に浸漬されるとした。しかしながら、これに限らず、入射側偏光板452や光合成装置455は、必ずしも筐体内に配置されて冷却液体に浸漬されていなくてもよい。
【0107】
また、光変調装置LVは、1つでもよい。この場合、光合成装置455を省略できる。なお、複数の光変調装置LVが設けられる場合でも、上記冷却液体が光出射側を流通する光変調装置LVは、複数の光変調装置LVのうち全てに限らず、例えば1つでもよい。
更に、流通装置52の駆動によって、冷却液体は、筐体51の内面と入射側偏光板452との間、入射側偏光板452と液晶パネル453との間、液晶パネル453と出射側偏光板454との間、出射側偏光板454と光合成装置455との間、及び、光合成装置455(光出射面455E)と筐体51の内面との間を、それぞれに沿って流通するとした。しかしながら、これに限らず、光変調装置LVから投射光学装置46までの間に位置する2つの部品間、特に、液晶パネル453に対する光出射側に位置する2つの部品間に冷却液体が流通すればよく、必ずしもこれらの全て部品間に冷却液体が流通しなくてもよい。
【0108】
上記各実施形態では、動作制御部63A,63B,63Cは、光源装置41の点灯開始から流通装置52の動作レベルを低レベルである第1動作レベルとし、第1動作レベルで流通装置52の動作を制御する、第1制御としての低レベル制御を実行するとした。具体的には、動作制御部63A,63B,63Cは、当該点灯開始から流通装置52を停止させるとした。しかしながら、これに限らず、光源装置41の点灯開始から冷却液体の温度が上記目標温度Tsに達するまでの間に、動作制御部は、流通装置52の動作レベルを一時的に第1動作レベルより高いレベルに設定し、設定されたレベルで流通装置52の動作を制御してもよい。なお、光源装置41の点灯開始から、例えば冷却液体の温度が上記目標温度Tsに達するまでの間、低レベル制御期間PLの長さの合計が高レベル制御期間PHの長さの合計より長ければ、上記のように、冷却液体の温度を速やかに上昇させることができる。
また、上記のように、動作制御部は、始動期間PA及び低レベル制御期間PLに実行される低レベル制御において、流通装置52を停止させる構成に限らない。例えば、動作制御部は、流通装置52の停止を含まない動作レベルであり、かつ、高レベル制御時の動作レベル(第2動作レベル)より低い動作レベルで、流通装置52の動作を制御してもよい。
【0109】
上記各実施形態では、動作制御部63A,63B,63Cは、流通装置52の低レベル制御において、1つの第1動作レベルで流通装置52の動作を制御するとした。具体的には、動作制御部63A,63B,63Cは、低レベル制御では、流通装置52の動作を停止させるとした。しかしながら、これに限らず、始動期間PA及び各低レベル制御期間PLの間で、設定される動作レベルが、高レベル制御期間PHにて設定される動作レベルよりも小さい範囲で、互いに異なっていてもよい。
また、上記各実施形態では、動作制御部63A,63B,63Cは、流通装置52の高レベル制御において、1つの第2動作レベルで流通装置52の動作を制御するとした。しかしながら、これに限らず、各高レベル制御期間PHの間で、設定される動作レベルが、始動期間PA及び低レベル制御期間PLにて設定される動作レベルよりも大きい範囲で、互いに異なっていてもよい。
【0110】
上記各実施形態では、筐体51の開口部511B,511G,511Rは、透光性部材512によって閉塞されているとした。しかしながら、これに限らず、当該開口部511B,511G,511Rは、フィールドレンズ451や入射側偏光板452、更には、カラーフィルター等の他の光学部品によって閉塞されていてもよい。開口部511Eにおいても同様である。
【0111】
上記各実施形態において採用される光変調装置LVの液晶パネル453は、制御装置6A,6B,6Cと接続されるそれぞれの信号線に、当該液晶パネル453に入力される画像情報に応じて液晶パネル453における複数の表示素子(画素)を駆動させる駆動部(例えば、駆動IC(Integrated Circuit))を有していてもよい。特に、4Kや8K等の高解像度の画像を形成可能な液晶パネルは、このような構成を有している場合がある。これらの駆動部は、液晶パネルの表示素子を駆動させる際に発熱する。従って、上記各実施形態における冷却装置によれば、このような液晶パネルが上記液晶パネル453として採用されている場合でも、当該液晶パネル453の信号線に取り付けられた駆動部も効率的に冷却することができる。
【0112】
上記各実施形態では、プロジェクターは、それぞれ3つの液晶パネル453(453B,453G,453R)を備えるとした。しかしながら、これに限らず、2つ以下、あるいは、4つ以上の液晶パネルを備えるプロジェクターにも、本発明を適用可能である。
上記各実施形態では、画像投射装置4は、図1に示すレイアウト及び光学部品を有する構成を例示した。しかしながら、これに限らず、他のレイアウト及び光学部品を有する画像投射装置4を採用してもよい。
【0113】
上記各実施形態では、液晶パネル453は、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルであるとした。しかしながら、これに限らず、液晶パネル453は、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の液晶パネルであってもよい。
また、光変調装置LVは、入射側偏光板452、液晶パネル453及び出射側偏光板454を備えて構成されるとした。しかしながら、これに限らず、光変調装置LVは、更に光学補償板等の他の光学素子を備えていてもよい。
更に、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
【符号の説明】
【0114】
1…プロジェクター、41…光源装置、46…投射光学装置、51…筐体、52…流通装置、6A,6B,6C…制御装置、61…記憶部、62…計時部、63A,63B,63C…動作制御部、64…階調取得部、65…温度取得部、7C…検出装置、LV(LVB,LVG,LVR)…光変調装置。

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