TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
公開番号2019131891
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190808
出願番号2019058603
出願日20190326
発明の名称基板上に少粒子層を形成するための方法および装置
出願人フラオンホファー-ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファオ
代理人個人,個人全 5 件を表示,個人,個人,個人
主分類C23C 14/34 20060101AFI20190712BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング全 4 件を表示,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】成膜粒子が重力の影響を受けない、高品質な光学薄膜を形成できる製造方法の提供。
【解決手段】光学層は円筒形の原料物質からマグネトロンスパッタリング装置2,3,4によって、スパッタアップ法で回転台に配置の基板上に堆積される。堆積を実施する間に、あるいは装置の中で、プラズマ源12を用いて光学層の構造または光学層の化学量論的原子組成を任意に調整することができる。異なる原料物質を有する複数のスパッタ供給源5,6,7を装置の中に設けることができ、それにより、異なる組成からなる複数の層を1つのプロセスにおいて高速度で基板上に堆積させることができる。
【選択図】図1
特許請求の範囲約 3,200 文字を表示【請求項1】
真空チャンバー(1)の中で移動される基板の上に少なくとも1つのマグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)によって少粒子層を形成させる方法であって、
少なくとも1つのマグネトロン電極(5、6、7)からなる円筒形の原料物質から当該層が形成され、下記の工程:
− 回転台(10)の上で基板ホルダー(9)によって基板を固定する工程;
− 少なくとも1つのマグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)の中でスパッタリングガス(11)を用いて基板の上に原料物質(5、6、7)からなる少なくとも1つの層を堆積させる工程;
が行われ、ここで、回転台(10)を回転させることによって、マグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)を制御することができ、マグネトロン電極(5、6、7)からなる円筒形の原料物質が重力に逆らって上向きに基板上に堆積させられ、
マグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)における加工圧力が、3×10
−4
ミリバール〜5×10
−2
ミリバールまでの範囲であり、マグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)の中のスパッタリングガス(11)および/または反応性ガス(8)の分圧が発生器によって調整および/または安定化され、基板上の層厚をモニタリングしてプロセスを制御する、上記方法。
【請求項2】
少なくとも1つのプラズマ源(12)が用いられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのプラズマ源(12)によるプラズマの効果によって基板の表面を予備処理する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのプラズマ源(12)によるプラズマの効果のもとに層の構造および/または化学量論組成を調整する、請求項2または3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つのプラズマ源(12)が回転台(10)によって制御される、請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
マグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)の中のスパッタリングガス(11)および/または反応性ガス(8)の分圧が、発生器の出力、発生器の電圧および/または発生器の電流を調整することによって行われることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
マグネトロンスパッタリング装置が、直流電力の供給(DC)、パルス化した直流電力の供給(DCパルスド)、HIPIMS、中程度周波数または高周波放電を用いて操作されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
プロセスを制御するために、
a)光透過率のモニタリング;
b)光反射率のモニタリング;
c)光吸収量のモニタリング;
d)単波長偏光解析またはスペクトル偏光解析;および/または
e)結晶石英測定;
によって基板上の層の厚さがモニタリングされることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
カバー(13)における加熱可能な要素の温度が、製造すべき層に応じて設定され、お
よび/または、その温度が被覆工程を行う間に調整される、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
真空中で移動される少なくとも1つの基板の上にマグネトロン噴霧によって少粒子層を形成するための装置であって、この装置は、
(a)円筒形の原料物質からなる少なくとも1つのマグネトロン電極(5、6、7)、発生器、スパッタリングガス(11)を有する少なくとも1つのマグネトロンスパッタリング装置(2、3、4);
(b)カバー(13);および
(c)少なくとも1つの基板ホルダー(9)を有する回転台(10);
を含み、カバー(13)は装置を気密式に塞ぎ、そして回転台(10)はマグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)を気密式に塞ぐものであり、
マグネトロン電極(5、6、7)と基板の間隔が2〜10cmであり、マグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)はマグネトロン電極(5、6、7)の物質を重力に逆らって基板の方向に堆積させるように配置され、
マグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)における加工圧力が、3×10
−4
ミリバール〜5×10
−2
ミリバールまでの範囲である、上記装置。
【請求項11】
前記装置が少なくとも1つのプラズマ源(12)を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
回転台(10)が、マグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)の上に配置されていることを特徴とする、請求項10または11に記載の装置。
【請求項13】
マグネトロン電極(5、6、7)が、
a)セラミック材料またはセラミック材料の混合物;
b)溶射材料または溶射材料の混合物;
c)結晶質材料;
d)金属材料または金属材料の混合物;および/または
e)酸化物を含む材料;
またはこれらの混合物;
を含むかまたはこれらからなるターゲットを有するか、または、そのようなターゲットからなることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
マグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)の回転台(10)と境界壁(14、15)の間の間隔が0.1〜5mmである、請求項10〜13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
マグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)が、単一のマグネトロンの配置(2)または二重のマグネトロンの配置(3、4)で構成されていることを特徴とする、請求項10〜14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
直流電力の供給器(DC)、パルス化した直流電力の供給器(DCパルスド)、またはHIPIMS、中程度周波数または高周波放電を生成するための装置を有することを特徴とする、請求項10〜15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
二つまたは三つのマグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)を有することを特徴とする、請求項10〜16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
マグネトロンスパッタリング装置(2、3、4)が、真空中での1:25のガスに対しての有効なガスの区画分離を有することを特徴とする、請求項10〜17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
スパッタリングガス(11)が、希ガスを含むか、および/または、希ガスからなる、請求項10〜18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
反応性ガス(8)が、酸素、窒素、テトラフルオロメタン、オクタフルオロシクロブタン、二酸化炭素およびフッ化水素からなる群のガスを含むか、またはこれらのガスからなることを特徴とする、請求項10〜18のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
光度計(16)、偏光測定用フランジ(17)および/または偏光の効果を用いる要素を含むことを特徴とする、請求項10〜20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
回転台(10)の基板ホルダー(9)が、ポリエーテルエーテルケトンを含むか、またはポリエーテルエーテルケトンからなることを特徴とする、請求項10〜21のいずれかに記載の装置。

発明の詳細な説明約 17,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、真空中で基板上に1つ以上の少粒子層を形成するための方法および装置に関する。層は円筒形の原料物質からマグネトロンスパッタリングによって、場合により反応性ガスの成分とともに、基板に付着される。層の付着は、いわゆる「スパッタアップ」プロセスにおいて重力に逆らって起こる。層は場合により、プロセスの中または装置の中のプラズマ源によって、それらの構造またはそれらの化学量論的原子組成を調正することができる。異なる原料物質を有する複数のスパッタ供給源を装置の中に設けることができ、それにより、異なる組成からなる複数の層を1つのプロセスにおいて高速度で基板に付着させることができる。
【背景技術】
【0002】
光学精密フィルターは光学技術の中の多くの工業製品の重要な構成要素である。その応用範囲はレーザー工学から医療工学や生体工学まで、またディスプレー産業や自動車産業、さらにはソーラー産業にまで及ぶ。絶えず増大する技術上の要求のために、また低賃金国との増大する競争のために、光学精密コーティングについてのより良好でより撓みやすく、また同時に経済的な製造プロセスに対する要求は増大しつつある。現行のプロセスは、特に高い要求がなされるときに、技術的な限界に対してますます向上しつつある。廃棄物の増加、長期安定性の低下、技術的仕様の非実現性によって、費用対効果が低下し、新製品の導入が妨げられる。
【0003】
この点において、例えばレーザー工学、医療工学および生体工学、ディスプレー工学や自動車工学、さらにはソーラー産業のための、干渉の原理を利用する光学薄膜系は、できるだけ精密で光学フィルターの中での吸収性と損失が低い特定のフィルター特性が実測されることを必要とする。特に、必要とされる最小限の損失を遵守するために、粒子による表面の汚染を最小限にすることが絶対的に必要であり、何故ならば、それらの粒子は(例えば、レーザーを適用する領域における)散乱、吸収および低い破壊閾値の原因となりうるからである。
【0004】
これに関して達成すべき層の特性は、互いに相いれない加工条件を必要とする場合がある。例えば、(端部の温度依存性の無い)高い層硬度および極めて滑らかな表面を有する安定したコーティングは、概して、層の圧縮応力と関連するが、一方、応力の無い層は通常は粗く、また温度と湿度に対する高い依存性を示す(スペクトル的な変化)。
【0005】
活性粒子(イオン、中性粒子、ラジカル)の層成長プロセスとの関係、ひいては層の特性との関係の大きな重要性は、早い時期に認められていた。プラズマコーティング加工における形態および層の特性は実質的に、イオンと中性粒子の両者のタイプとエネルギー分布によって決定し、イオンと中性粒子の粒子エネルギーはプラズマ条件に応じて大きく変化しうる。
【0006】
光学的特性は、成長しつつある層への(例えば、スパッタリングガス粒子による)粒子の衝撃によっても影響を受ける。例えば、酸化物またはフッ化物の層の中へのアルゴンの導入は吸収性の増大をもたらす。
【0007】
イオンのエネルギーと中性粒子のエネルギーおよびそれらの密度が影響する可能性は、光学的な層の製造と最適化のためにかなり重要である。例えば、成長する層に衝突する活性中性粒子はフレンケル欠陥を誘導する場合がある(Hisashi Arakaki、Kazutoshi OhashiおよびTomoko Sudou、「ZnドープドGaAsショットキーダイオードにおけるスパッタ誘導欠陥」Semicond. Sci. Technol. 19, No.1(2004年1月)、p. 127−132)。ナノ欠陥は、超短パルスレーザーの適用またはUVレーザーの適用のための高性能光学素子において、より一層大きな役割を果たしている。
【0008】
米国特許5525199号(Corning OCA;「反応性マグネトロンスパッタリング装置
および方法」)は、5×10
−5
〜1.5×10
−4
トル(=6.7×10
−5
〜2.0×10
−4
ミリバール)の加工圧力を有する真空中でのスパッタリング方法とスパッタリング装置を記載している。基板からターゲットまでの間隔は16インチ(=40cm)になる。
【0009】
同じことは米国特許5851356号(Corning OCA;「低圧反応性マグネトロンスパ
ッタリングおよび方法」)にも適用され、これは同様の装置と同様の方法を記載している。この装置の加工圧力の範囲は5×10
−5
〜4.2×10
−4
トル(=6.7×10
−5
〜5.6×10
−4
ミリバール)の間にある。ターゲットからの距離は同様に16インチである。
【0010】
先行技術に従ってプロセスを調整すると、およそ20〜30ミリ秒の時定数(time constant)を達成することができる。
この動力学的な安定化の一つの不利益は、理想的な調整を行ったとしても、プロセス条件の残りのものの小さな変動、ひいては層の化学量論組成の小さな変動は避けられず、そのため小さな不均一さ、ひいてはメカニズムの損失が生じうる、ということである。例えば、これらの不均一さのために、光損失(例えば、強さの損失)、分散の偏り、および/または吸収の偏りが生じうる。特に、そのような不均一さは、極めて高品質の光学層を用いるときには重大な問題を起こす。
【0011】
従って、極めて薄い準化学量論的な層または金属層をスパッタリングして、次にそれらを酸素プラズマ中で単独に酸化する解決策が、先行技術において行われている。この方法の利点は同様に、主としてターゲットの金属表面にある。この製造プロセスは、分離したプラズマ源を用いる設備技術とプロセスにおける基板の移動を必要とする(Scherer M.、J. Pistner他(2004)、「光学素子および光学電子素子において適用するための高品質の光学コーティングの革新的な製造」、47
th
Annual Technical Conference Proceedings of the Society of Vacuum Coaters, 179, 2004)。このプロセスにおいて、各々の場合において、極めて薄い層(1〜2Å)が酸化される。
【0012】
特に、ドイツ特許公開10347521号(A1)に記載されているような回転台装置は、これにおいて被覆のための位置と後酸化のための位置を交互に移動することができるために、このプロセスに適している。ドイツ特許公開10347521号(A1)に係る装置と方法は「スパッタリングダウン」のために提供される。この構成において、原料物質は重力を用いて頂部から底部へと基板上に堆積される。粒子の流れは実質的に、原料物質からの粒子の始動パルス、衝撃および拡散によって特徴づけられる。粒子が重いほど、粒子に及ぼす重力の影響は大きい。この「スパッタダウン」プロセスにおいては、重い粒子は重力によって基板上により一層加速される。従って、「スパッタダウン」プロセスの一つの不利な点は、粒子は重力によって基板に向けて加速されるが、基板から離れた位置では加速されないことである。「スパッタダウン」プロセスにおける粒子は妨害を受けずに基板上に到達できる。この点で、製品の品質に及ぼす粒子の影響は無視される。
【0013】
しかし、粒子の問題は被覆プロセスにおいてかなり実際的な重要性を有する。一般に、基板上の欠陥を伴う粒子はコーティングを劣化させ、一般的に認められないことになる。この問題は、増大している需要と拡大している小型化の一部として、ますます重要になりつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
米国特許5525199号
米国特許5851356号
ドイツ特許公開10347521号(A1)
【非特許文献】
【0015】
Hisashi Arakaki、Kazutoshi OhashiおよびTomoko Sudou、「ZnドープドGaAsショットキーダイオードにおけるスパッタ誘導欠陥」Semicond. Sci. Technol. 19, No.1(2004年1月)、p. 127−132
Scherer M.、J. Pistner他(2004)、「光学素子および光学電子素子において適用するための高品質の光学コーティングの革新的な製造」、47th Annual Technical Conference Proceedings of the Society of Vacuum Coaters, 179, 2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の目的は、基板を被覆するための改良された方法と改良された装置を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的は、請求項1の特徴を有する方法および請求項10の特徴を有する装置によって満たされる。さらなる従属請求項は、さらに有利な展開を示している。
本発明によれば、真空チャンバーの中で移動される基板の上に少なくとも1つのマグネトロンスパッタリング装置によって少粒子層を形成するための方法が提供され、この層は円筒形の原料物質から、場合により反応性ガスの成分とともに形成され、この方法において、下記の工程:
− 回転台の上で基板ホルダーによって基板を固定する工程;
− 少なくとも1つのマグネトロンスパッタリング装置の中でスパッタリングガスを用いて、基板の上に原料物質からなる少なくとも1つの層を、場合により反応性ガスの成分とともに堆積させる工程;
が行われ、ここで、マグネトロンスパッタリング装置を制御し、円筒形の原料物質が重力に逆らって(すなわち、上向きに)基板上に堆積されるように、回転台を回転させる。
【0018】
本発明に係る方法においては、少なくとも1つのプラズマ源を用いることができる。プラズマ源によりプラズマの作用によって基板の表面を予備処理する(例えば、表面を清浄にする)ことができて、場合によりこれを反応性ガスとともに行う。場合により、プラズマ源のプラズマの作用を用いて層の構造および/または化学量論組成を調正することができて、場合によりこれを反応性ガスとともに行う。
【0019】
この方法の好ましい態様においては、少なくとも1つのプラズマ源が用いられ、その少なくとも1つのプラズマ源を、回転台を用いて制御することができる。
過去の数年間において、マグネトロンスパッタリング源は工業的な規模で薄膜系を製作するための極めて効率的な被覆手段であることが証明されている。
【0020】
本発明に係る方法においては、円筒形の原料物質を有するマグネトロンスパッタリング源が用いられる。円筒形の原料物質(すなわち、円筒形のターゲット)は、好ましくは円筒形の電極の形であるが、これは特に、光学的な被覆のために、また結合している粒子を含まない層の均質性が求められる場合に、特に有利である。
【0021】
円筒形の原料を用いると、平坦なターゲットの問題、すなわち、ターゲットの表面に浸蝕溝が形成し、その結果、層の厚さの分布が変化する、という問題は存在しない。原理的には、円筒形の原料によって、ターゲットの使用寿命の全体にわたって理想的な層厚の分布を維持することができる。さらに、円筒形の原料を用いた場合の処理量は平坦な原料よりも増大し、またプロセスは高い長期安定性を示す。
【0022】
マグネトロンスパッタリング源は、いわゆる「スパッタアップ」の構成において用いられる。「スパッタアップ」とは、円筒形の原料物質が重力に逆らって、すなわち、上向きになって基板の上に堆積されることを意味する。この方法の利点は、重力が軽い粒子よりも重い粒子に対して大きな作用を及ぼすことである。従って、重い粒子は重力の方向、すなわち下方に向けてより加速される。従って、それらの粒子は基板から離れた所で加速され、ターゲット(基板)に対する妨害要因として堆積するのを妨げられる。
【0023】
「スパッタアップ」の構成によって被覆プロセスの生産性は増大し、従って、特に被覆される要素の品質は向上する。円筒形のマグネトロン電極(ターゲット)を用いる「スパッタアップ」の構成についてのさらに重要な理由は、スパッタリングプロセスの長期安定性、およびターゲットの表面上に電荷が無いことによるアークの無い環境である。平坦なターゲットを用いると、ターゲットの領域だけがスパッタリングによって除去され、さらに、再堆積が起こる。絶縁破壊(アーク放電)が起こるまでは、堆積した誘電体層の上に電荷が蓄積しうる。円筒形の原料(ターゲット)は再堆積する領域を持たない。これは、より高いプロセスの清浄性が得られるという、反応性のプロセスを用いるさらなる利点である。さらに、円筒形のターゲットが均一に除去されるために、ターゲットのこのスパッタリングオフ(sputtering off)特性は変化しない。このことにより、シールド(遮蔽)の使用がより簡便になり、このシールドをターゲットの使用寿命の全体にわたって用いることができる(より高い長期安定性)。
【0024】
「スパッタアップ」の構成においては、平坦なターゲットは特に円筒形のターゲットよりもさらに不利な点を有する。平坦な原料物質(ターゲット)によって発生する粒子は短絡を誘発する場合があり、それらはターゲットの暗部(dark space)になりやすい。これにより、特に、回転台の配置に基づく被覆の概念を用いるバッチの全体が破壊するだろう。円筒形の原料は暗部を有していないので、それらは本質的に、回転台の配置を伴う「スパッタアップ」の構成において平坦な原料よりも好ましい。
【0025】
本発明に係る方法および本発明に係る装置において、基板を処理するために少なくとも1つのプラズマ源が選択的に用いられる。このプラズマ処理の重要な目的は、基板上に有機化合物を直接に堆積させて実際の被覆を行う前に、基板を予備処理することである。その目的は、基板を予備処理して、異質の粒子ができるだけ無いようにすることである。従って、スパッタした層の品質を、散乱、吸収および破壊閾値に関して実質的に改善することができる。その結果、本発明に係る方法によって、平坦な基板(例えばレンズ)に実質的に改善された特性を付与することができる。本発明に係る方法は、レーザー装置、エッジフィルター、蛍光フィルター、バンドパスフィルター、様々な波長に対する反射板、反射防止膜、ミラーコーティング、空洞フィルターおよび/またはUV-IRカットのために特に有利である。
【0026】
複数の層を有する基板の被覆層の間に境界層を形成することができる。本発明に係る方法において、境界層をO

で過飽和させることができ、および/または、層を十分に反応させて堆積させることができる。この処理によって、二つの層の間で境界層が立ち上がるのを防ぐことができる。さらに、プラズマで選択的に処理することによって、二つの層の間の境界層のサイズを小さくすることが企図され、二つの物質の混合物は、二つの層において境界層が形成することに影響を与える。プラズマ源の作用によって、境界面の膨張を
防ぐこともできる。これによって光損失が低減するだけでなく、より良好な「設計の正確さ」も保証される。
【0027】
本発明に係る方法および/または本発明に係る装置において、マグネトロンスパッタリング装置の中の真空チャンバーは、3×10
−4
ミリバールから5×10
−2
ミリバールまでの範囲の加工圧力を有することができる。
【0028】
スパッタリングガスおよび/または反応性ガスの分圧はマグネトロンスパッタリング装置における発生器(generator)によって調整または安定化させることができ、好ましく
はこれが、発生器の出力、発生器の電圧および/または発生器の電流を調整することによって行われる。
【0029】
この調整の利点は、本発明に係る方法においてはターゲットから誘電体層が何らも除去されないことよりもむしろ、どの時点においてもターゲットは誘電体層によって被覆されない、ということである。これは例えば、金属ターゲットがいわゆる「移行モード(transition mode)」で操作されることで実現することができる。発生器を適切に調整することにより、ここでの円筒形の原料物質(ターゲット)は常に金属質で酸素を含まない状態にあり、一方、加工空間には成長する層を酸化するための十分な酸素が存在する。上で挙げた制御変数は一般に、酸素の分圧または発生器もしくはターゲットの電圧について得られる。従って、化学量論組成の層の堆積を、このプロセスにおいて高い堆積速度で達成することができ、一方、粒子の妨害の影響は最小限にされる、すなわち、粒子の数は極めて少なくなる。
【0030】
本プロセスにおいて装置の回転台は1〜500r.p.m
−1
の速度、好ましくは150〜300r.p.m
−1
の速度で回転することができる。150〜300r.p.m
−1
の範囲の回転台の速い回転は、高い処理量と高い正確さのために有利であるかもしれない。高い回転速度によって、約500μs(マイクロ秒)から数ミリ秒までの時定数(time constant)を実現することができる。
【0031】
この方法のさらなる態様において、プラズマ源は基板上の層の中の層応力を減少させるのに役立ち、これを好ましくは基板上の個々の層の間の境界層の厚さおよび/または境界層の大きさを最小限にすることによって行う。
【0032】
層の応力または層の張力は、「原子のピーニングモデル」(Windischmann, H., (1992), “Intrinsic Stress in Sputter-Deposited Thin Films(スパッタ堆積した薄膜における固有応力)”, Critical Reviews in Solid State and Materials Sciences, 17(6), p.547-596)の理論の中で、活性な粒子による層の衝撃によって説明することができる。特に反応性のプロセスにおいて生じるような負に帯電した酸素イオンも、層の成長にかなりの影響を及ぼす場合がある。層の成長における負イオンの重要性については近年ますます議論されている(R. Dodd, S. You, P. Bryant, J. W. Bradley, “Negative Ion Density Measurements in Reactive Magnetron Sputtering(反応性マグネトロンスパッタリングにおける負イオンの密度の測定)”, Plasma Process. Polym. 2009, 6, p.615-619)。
【0033】
Windischmann, H., (1992), “Intrinsic Stress in Sputter-Deposited Thin Films(スパッタ堆積した薄膜における固有応力)”, Critical Reviews in Solid State and Materials Sciences, 17(6), p.547-596によってAlN層において、ならびにJacobsohn(L. G. Jacobsohn, R. D. Averitt, M. Nastasi, “The role of trapped Ar atoms in the mechanical properties of boron carbide films deposited by dc-magnetron Sputtering(dcマグネトロンスパッタリングによって堆積した炭化ホウ素膜の機械的特性における捕捉Ar原子の役割)”, J. Vac. Sci. Technol. A 21(5) (2003), p.1639)によってBC層において、反射アルゴン粒子が層応力の原因であると認められた。他のガス(例えば、アルゴンの代わりにもっと軽いクリプトン)によれば、応力が明らかに低くなるものの、硬度が低下する。
【0034】
さらに好ましい態様において、プラズマ源は下記の機能のうちの1つを満たす:
− 基板の温度を設定すること;
− 基板上の層のミクロ構造を設定すること;
− 基板を清浄にし、これを好ましくは基板上の有機汚染物質を減少させることによって行うこと;
− 基板の表面および/または基板上の層の表面を活性化すること。
【0035】
本発明に係る方法において、基板上の層の厚さは、光透過率のモニタリング、場合により偏光透過率の測定による光透過率のモニタリング、光反射率のモニタリング、場合により偏光反射率の測定による光反射率のモニタリング、光吸収量のモニタリングおよび/または単波長偏光解析またはスペクトル偏光解析によってモニタリングすることができる。
【0036】
特定の層を堆積するために、高い堆積温度または基板の温度が必要である。この目的のために、好ましい態様において、加熱可能な要素が装置のカバーに取り付けられる。これについて、装置のカバーにおける加熱可能な要素の温度は好ましくは、製造すべき層に応じて設定される。この点における温度は、特定の層の要件に応じて被覆工程を行う間に変化させてもよく、カバーにおける加熱可能な要素の温度は50℃から450℃までの値で設定してもよい。従って、基板の温度は室温(約20℃)から300℃までの範囲に設定することができる。カバーは装置の他の部分から断熱される。
【0037】
真空中で移動される少なくとも1つの基板の上にマグネトロン噴霧によって少粒子層を形成するための本発明に係る装置は、下記の特徴を有する:
− 円筒形の原料物質、発生器、スパッタリングガス、および場合により反応性ガスを有する少なくとも1つのマグネトロンスパッタリング装置;
− カバー、好ましくは加熱可能な要素を有するカバー;および
− 少なくとも1つの基板ホルダーを有する回転台。
【0038】
この装置は、カバーが装置を気密式に塞ぎ、そして回転台が少なくとも1つのマグネトロンスパッタリング装置を気密式に塞ぐものであることによって特徴づけられる。少なくとも1つのマグネトロンスパッタリング装置はさらに、この装置が原料物質を重力に逆らって基板の方向に(場合により反応性ガスの成分とともに)堆積させるように配置される。
【0039】
好ましい態様において、装置は少なくとも1つのプラズマ源を含み、場合によりこのプラズマ源は反応性ガスを有する。この場合、少なくとも1つのプラズマ源は、ガスに対しての有効なガスの区画分離を1:25、好ましくは1:100とする装置の回転台によって気密式に塞ぐことができる。この装置の好ましい態様において、回転台はプラズマ源の上に配置されている。
【0040】
回転台は好ましくはマグネトロンスパッタリング装置の上に配置され、そして好ましい態様においては、回転台は重力に逆らって基板の方向に原料物質を堆積させるためのプラズマ源の上に配置されている。
【0041】
さらに、本発明に係る装置は、マグネトロンスパッタリング装置が原料物質からなる少なくとも1つのマグネトロン電極(すなわち、ターゲット)を有することで特徴づけられ
る。マグネトロン電極は、セラミック材料またはセラミック材料の混合物、溶射(thermal spray)材料またはそのような材料の混合物、結晶質材料、金属材料または金属材料の
混合物、および/または酸化物を含む材料、またはこれらの混合物を含む群から選択される材料を含むかまたはこれらからなるターゲットを有するか、またはそのようなターゲットからなっていてもよい。
【0042】
好ましくは、マグネトロン電極はセラミック材料を含むかまたはセラミック材料からなるターゲットを有する。すでに言及した光学層における圧縮応力は、かなり重要なことである。それらは光学素子において屈折を生じさせ、あるいはまた、層の分離あるいは基板の破壊さえも生じさせる。光学素子において層の張力を低下させるための方策は、セラミックのターゲットによって与えられる。金属のターゲットを用いる純水に反応性のプロセスにおいては、負に帯電した酸素イオンの影響によって高い層応力が生じることが見いだされるが(J. M. Ngaruiya, “Fundamental Processes in Growth of Reactive DC Magnetron Sputtered Thin Films(反応性DCマグネトロンスパッタリングした薄膜の成長における基本的プロセス)” Dissertation, RWTH Aachen (2004))、セラミックのターゲット(例えば、AZO、アルミニウムでドープした酸化亜鉛)においては増大した分子のスパッタリングが見いだされ(F. Richter, T. Welzel, R. Kleinhempel, T. Dunger, T. Knoth, M. Dimer. F. Milde, “Ion energy distributions in AZO magnetron sputtering from planer and rotatable magnetrons(平坦で回転可能なマグネトロンによるAZOのマグネトロンスパッタリングにおけるイオンエネルギーの分布)” Surface & Coatings Technology 204 (2009), p.845-849)、従って、エネルギーの投入量が最適化され、そして層の応力が低減することが期待できる。
【0043】
マグネトロン電極は、酸化物を含む材料を含むかまたはそのような材料からなるターゲットを含むか、またはそのようなターゲットからなっていてもよい。酸化物を含む材料は、それらが酸素源を提供するという利点を有する。スパッタリング領域において、余分の酸素がしばしば必要となる。その理由は例えば、プラズマ源の酸素は酸化のために十分ではないからであり、あるいは、より高い被覆速度(coating rates)が達成されるべきだからである。この場合、酸素をターゲットから(すなわち、マグネトロン電極から)直接受け取るのが有利であり、これは、それにより金属のターゲットや反応性ガスとしての酸素と比較して、より高い安定性が得られるからである。通常は、酸素の分圧が正確に一定に保たれない場合は、反応性ガスを用いる金属(またはシリコン)のターゲットの反応性被覆は速度の不安定さを伴うのであり、これは、金属のターゲットの速度は対応する酸化物の速度とはかなり異なる場合があるからである。ターゲット中に反応性ガス(酸素、窒素)が含まれている場合、その速度は酸化物層で被覆することとは無関係である(それには依存しない)。
【0044】
酸化物を含む好ましい材料はTiO

、TaO

、NbO

、ZrO

、ZrO

:Y、HfO

、AlO

、SiO

、ZnO

、InSnO

および/またはSnO

であり、ここでxは、ターゲットそのものが導電性を有するように選択されるのが特に好ましく、しかし同時に、xは化学量論量に近い。
【0045】
基板からマグネトロン電極までの間隔は2〜10cmとすることができ、好ましくは6〜8cm、特に好ましくは7cmである。この間隔の利点は、高い密度と高い正確さを伴ってわずかな成分の均一な被覆を形成することが可能になることである。被覆プロセスの正確さは、マグネトロン電極から基板までの間隔が大きいほど低下する。
【0046】
本発明によれば、マグネトロンスパッタリング装置の境界壁と回転台の間に0.1〜5mm、好ましくは1〜3mm、特に好ましくは2mmの間隔が設けられる。この間隔は、気密性のマグネトロンスパッタリング装置を設計するために、すなわち、装置の内部で有
効なガスの区画分離を確実に行うために、特に有利であることが証明されている。
【0047】
マグネトロンスパッタリング装置は単一のマグネトロンの配置を有していてもよい。マグネトロンスパッタリング装置は好ましくは二重のマグネトロンの配置を有する。この配置の利点は、単一のマグネトロンの配置と比較して、基板がマグネトロンスパッタリング装置の中に置かれている時間当りにつき、より多くの原料物質を堆積させることができることである。その結果、スパッタリングプロセスの効率が実質的に高くなる。さらに、両極性励起を伴う二重のマグネトロンの配置を用いることによって、「非消失性アノード」のために、より良好で長期間の安定性が保証され、また高密度の層(しかし、より強い応力を受けた層)と組み合わせた高いプラズマ密度も保証されうる。
【0048】
ある場合には、他の放電を用いることも有利であるかもしれない。例えば、ポリマーのような温度感受性の基板を被覆するには、単極パルス化(DCパルスド)を用いる直流電力の供給器が特に適している。この場合、パルスの周波数も中程度周波数の範囲にある。その理由は、MFプラズマと比較して、パルス化DCプラズマの方がイオンエネルギーとイオン電流の密度が低いことである。
【0049】
他方において、RF(高周波)放電を用いて操作することも可能であることが知られている。13.56MHzの周波数が通例である。このタイプの発生器についてはコストが高いので、それらは通常は好ましくない。しかし、ターゲットの材料を絶縁するためにRFスパッタリングを用いることもできるのは有利である。これは例えば、SiO

、AlO

についての場合であるが、しかしその他の酸化物、窒化物、あるいはフッ化物のターゲットについても当てはまる。従って、例えばMgF

またはその他のフッ化物をスパッタすることができる。従って、化学量論組成のターゲットを用いて操作を行うことができるので、プロセスの安定性を高めることができる。この点において、放電(アーク放電)によるいかなる問題ももたらさないものである裏面被覆領域(絶縁領域)は有利であり、粒子の極めて少ない層を堆積することができる。
【0050】
従って、装置は直流電力の供給器(DC、パルス化した直流電力の供給器(DCパルスド))、またはHIPIMS、中程度周波数または高周波放電を生成するための装置を有することが有利であるかもしれない。
【0051】
さらに好ましい態様において、この装置は二つの、場合により三つのマグネトロンスパッタリング装置を有するのが好ましい。このような態様の利点は、多層被覆が得られること、すなわち、複数の異なる層を有する基板上の被覆が得られることである。この場合、異なる物質(原料物質)で構成される二層タイプの積層は二つのマグネトロンスパッタリング装置を用いて形成することができる。従って、三つのマグネトロンスパッタリング装置の場合は、異なる物質で構成される基板上の三種類の層からなるスパッタリングによる積層の可能性が与えられる。さらに、それぞれの原料物質からなる物質の混合物を形成することもできる、すなわち、混合した層を堆積することができる。層の特性を最適化するための二つのマグネトロンスパッタリング装置を用いることは、100を超える単一の層を有する極めて複雑な光学多層フィルターの領域において特にかなり有利である。要求(例えば、特殊な設計)に応じて、三つ以上のマグネトロンスパッタリング装置が有利であることを実証することもできる。
【0052】
マグネトロンスパッタリング装置は、真空中で1:25のガスに対しての有効なガスの区画分離を有していてもよく、1:100がより良好である。被覆位置の間での1:100の有効なガスの区画分離は、明確に規定された共スパッタ物質(co-sputtered materials)の製造を可能にする。この理由は、マグネトロンスパッタリング装置の希ガスおよび/または反応性ガスがさらに先のマグネトロンスパッタリング装置の中に移動するのが防がれるためである。さらに、希ガスおよび/または反応性ガスの量を特定の決められた値により正確に設定することができ、および/または、その量を有効なガスの区画分離によって一定に維持することができる。
【0053】
マグネトロン放電に基づくプラズマは、一般に、非イオン化粒子を99%以上含む。それらは高いエネルギーを有することができて、従って、層の応力に高く寄与する。それらは、例えば、電界の構成を変えることによって、あるいは代わりのスパッタリングガスを用いることによって、間接的に影響されうる。本発明によれば、スパッタリングガスは希ガスを含むか、または希ガスからなっていてよい。好ましい希ガスはアルゴン、ネオン、キセノンおよびクリプトンである。希ガスの混合物も可能である。
【0054】
本発明によれば、反応性ガスは酸化性ガスを含むか、または酸化性ガスからなっていてよい。酸素、窒素、テトラフルオロメタン、オクタフルオロシクロブタン、二酸化炭素およびフッ化水素が好ましい反応性ガスである。これらのガスの混合物を用いることもできる。
【0055】
この装置は好ましくは、光度計および/または偏光測定用フランジを有する。それにより、スパッタリングの工程を行う間に基板上の層の厚さを測光によりモニタリングすることが可能になる。この目的のために、透過率または反射率の迅速な広帯域測定(例えば、300〜1000nm)を実施することができる。層の厚さは、理論的に予期されるスペクトルと比較することによって決定し、モニタリングすることができる。ある場合には、さらに石英結晶も用いることができ、例えば、特定の層を用いて透過率の小さな信号変化だけを予期するものである空洞フィルターを用いる。
【0056】
あるいは、偏光測定法を実施することもできる。それは、垂直線に対しておよそ55°と75°の間、好ましくは65°の入射角において実施しなければならない。屈折率(また場合により吸収率)の分散を測定するためには、その場での(in situ)偏光解析も非
常に有利であり、というのは、透過率の測定または反射率の測定を用いる広帯域モニタリングにおいてこれを正確に知る必要があるからである。堆積した最終的な層のそれぞれを測定するために、その場での偏光測定においてそれを静止状態で(例えば、停止した回転台を用いて)用いることも十分である場合がある。従って、この方法は較正のために適している。
【0057】
偏光の効果を用いる要素をしばしば利用しなければならない。これに関して、例えば、偏光に対する反射率または透過率について初期設定が行われる。これに関して、TpとTsは入射面に対して平行または垂直に偏光した透過光の要素であり、RpとRsは入射面に対して平行または垂直に偏光した反射光の要素である。従って、これらの要素は、本発明に係る装置への入射傾斜角(例えば45°、60°など)とともに用いることができる。
【0058】
入射傾斜角において層のモニタリングが行われる場合は、やはり入射傾斜角において機能する被覆を製造することが有利である。偏光解析は迅速な測定を行うには遅すぎる場合が多く、特にここでの目的である高い回転数においてそうである。従って、RpとRs(またはTpとTs)の要素の測定は、ここでは極めて有利に用いることができる。これにおける測定は、静止して配置される偏光子を用いて45°の入射角において行われる。二つの偏光に対して二つのビーム経路を用いることができる。
【0059】
あるいは、偏光の要素を選択することもでき、また垂直な入射において測定される透過率とともにスペクトルを組み合わせることができる。そのようにして、同様の短い(ミリ秒の範囲での)測定時間が、透過率の測定の場合と同様に達成される。
【0060】
偏光との測定の組み合わせもまた、薄い金属の層(例えば、銀またはアルミニウム)をモニタリングするのに特に適していて、そのような組み合わせは、例えば偏光ビームスプリッターとともに用いられる。
【0061】
この装置のさらに好ましい態様において、回転台の基板ホルダーはポリエーテルエーテルケトンを含むか、またはポリエーテルエーテルケトンからなる。ポリエーテルエーテルケトンの使用は、粒子の形成が低減するという利点を有する。
【0062】
本発明に係る内容を以下の図面と実施例を参照してさらに詳しく説明するが、本発明をここで示す特定の態様に限定することは意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1は回転台を除いた本発明に係る好ましい装置の概略を平面図として示す。
図2は回転台を伴う本発明に係る好ましい装置の概略を平面図として示す。
図3は回転台を伴う本発明に係る好ましい装置の概略を側面図として示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1は回転台を除いた本発明に係る好ましい装置を平面図として概略的に示す。この装置は3つのマグネトロンスパッタリング装置2、3、4を有し、そのうちの1つは単一のマグネトロンの配置2として構成され、そして2つは二重のマグネトロンの配置3、4として構成されている。マグネトロンスパッタリング装置2はマグネトロン電極5、スパッタリングガス11、および選択的に反応性ガス8を含み、この装置は真空1の中にある。マグネトロンスパッタリング装置3、4は、各々が2つのマグネトロン電極6、7、スパッタリングガス11、および選択的に反応性ガス8を含み、これらの装置は真空1の中にある。マグネトロンスパッタリング装置2、3、4の近傍に、プラズマ源12と光度計16および/または偏光測定用フランジ17が配置されている。
【0065】
図2は回転台の好ましい態様を平面図として概略的に示す。回転台10が装置の中に配置されていて、この例においては10個の同一の基板ホルダー9を有する。
図3は回転台10を伴う装置の好ましい態様を側面図として概略的に示す。マグネトロンスパッタリング装置の断面が見えていて、この装置は2つの円筒形の原料物質6、7を有する(二重のマグネトロンの配置)。マグネトロンスパッタリング装置は、境界壁14、15の側面および回転台10の傍の頂部において装置の残りの部分から気密式に画定されていて、この装置はスパッタリングガス11と選択的に反応性ガス8を含み、装置は真空1の中にある。回転台10の2つの基板ホルダー9が断面で示されている(すなわち、見えている)。カバー13が回転台10の上に配置されていて、このカバーは回転台10の側部に配置された境界壁を有する。回転台は装置を気密式に閉じている。
【符号の説明】
【0066】
1 真空チャンバー、 2、3、4 マグネトロンスパッタリング装置、 5、6、7
マグネトロン電極(原料物質)、 8 反応性ガス、 9 基板ホルダー、 10 回転台、 11 スパッタリングガス、 12 プラズマ源、 13 カバー、 14、15 境界壁、 16 光度計、 17 偏光測定用フランジ。

関連特許

フラオンホファー-ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・アンゲヴァンテン・フォルシュング・エー・ファオ
基板上に少粒子層を形成するための方法および装置
株式会社カネカ
蒸着装置
センカ株式会社
水溶性防錆剤
新光機器株式会社
位置決めピン
漢民科技股分有限公司
成膜装置
株式会社ダイヘン
溶射ガン
トヨタ自動車株式会社
鋼部材の製造方法
トヨタ自動車株式会社
鋼部材の製造方法
株式会社リンテック
流体の加熱装置
大日本印刷株式会社
防水・防湿性積層体
株式会社村田製作所
原子層堆積阻害材料
ユニチカ株式会社
めっき下地剤およびそれを用いた積層体
株式会社駒形亜鉛鍍金所
めっき製品の製造方法
積水化学工業株式会社
防食部材、及び防食方法
マクセルホールディングス株式会社
メッキ部品
株式会社アルバック
蒸着装置及び蒸着方法
株式会社アルバック
蒸着装置及び蒸着方法
威測國際能源材料有限公司
メッキ方法
威測國際能源材料有限公司
メッキ装置
日本製鉄株式会社
摺動部材およびその製造方法
キヤノン株式会社
堆積膜形成装置および電子写真感光体の製造方法
日立オートモティブシステムズ株式会社
摺動部材
日本製鉄株式会社
方向性電磁鋼板とその製造方法
学校法人 芝浦工業大学
YF3成膜体の製造方法