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公開番号2019131613
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190808
出願番号2019084882
出願日20190426
発明の名称微生物農薬組成物、その製造方法及び微生物農薬の安定化方法
出願人株式会社エス・ディー・エス バイオテック,出光興産株式会社
代理人個人,個人
主分類A01N 63/00 20060101AFI20190712BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】室温で長期間保存しても有効成分が安定で、十分な植物病害防除効果を持続する微生物農薬組成物を提供する。
【解決手段】バチルス(<u style="single">Bacillus)属細菌の培養液について、pHを3.0〜5.0に調整する工程と、<u style="single">塩化カルシウムを微生物農薬に対して1質量%以上5質量%未満混合する工程と、凍結乾燥またはスプレードライする工程を含む微生物農薬の安定化方法、バチルス(Bacillus)属の細菌と<u style="single">塩化カルシウムを含有する微生物農薬組成物及びその製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲約 1,100 文字を表示【請求項1】
バチルス(
Bacillus
)属細菌の菌体乾燥物と
塩化カルシウム
を含有する微生物農薬組成物であって、前記組成物中の
塩化カルシウム
の含量が
1質量%以上5質量%未満である
ことを特徴とする微生物農薬組成物。
【請求項2】
バチルス(
Bacillus
)属細菌が、バチルス・サブティリス(
Bacillus
subtilis
)、バチルス・アミロリケファシエンス(
Bacillus
amyloliquefaciens
)、またはそれらの変異株である請求項

に記載の微生物農薬組成物。
【請求項3】
バチルス(
Bacillus
)属細菌が、バチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株、またはその変異株である請求項
1または2
に記載の微生物農薬組成物。
【請求項4】
農薬組成物を蒸留水に懸濁した懸濁水溶液のpHが3.0〜5.0である請求項1〜

のいずれかに記載の微生物農薬組成物。
【請求項5】
バチルス(
Bacillus
)属細菌の培養液について、pHを3.0〜5.0に調整する工程(pH調整工程)と、
塩化カルシウムを農薬組成物に対して1質量%以上5質量%未満
混合する工程(混合工程)と、凍結乾燥またはスプレードライする工程(乾燥工程)を含むことを特徴とする微生物農薬組成物の製造方法。
【請求項6】
pH調整工程の後に混合工程を実施するか、pH調整工程と混合工程を同時に実施するか、または混合工程の後にpH調整工程を実施した後に乾燥工程を実施する請求項

に記載の微生物農薬組成物の製造方法。
【請求項7】
バチルス(
Bacillus
)属細菌の培養液について、pHを3.0〜5.0に調整する工程(pH調整工程)と、
塩化カルシウムを微生物農薬に対して1質量%以上5質量%未満
混合する工程(混合工程)と、凍結乾燥またはスプレードライする工程(乾燥工程)を含むことを特徴とする微生物農薬の安定化方法。
【請求項8】
pH調整工程の後に混合工程を実施するか、pH調整工程と混合工程を同時に実施するか、または混合工程の後にpH調整工程を実施した後に乾燥工程を実施する請求項

記載の微生物農薬の安定化方法。

発明の詳細な説明約 19,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、微生物農薬の安定化に関する。さらに詳しく言えば、バチルス(
Bacillus
)属の細菌の植物
病害
防除効果を長期間保持する微生物農薬組成物、その製造方法、及びバチルス(
Bacillus
)属の細菌を有効成分とする微生物農薬の安定化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、植物を各種病害から保護する方法として、安全性と効果の持続面を考慮して各種病害を引き起こす病原菌と拮抗する微生物を用いた微生物農薬が広く使用されている。通常、微生物農薬では、組成物中の有効成分の効果低下防止と保存安定性の向上を図るために、製剤中に補助剤が添加されている。例えば、胞子を形成するバチルス(
Bacillus
)属細菌において、特開2011−184370号公報(特許文献1)には、菌体乾燥物と硫酸カルシウム、界面活性剤を含有する水和性組成物を添加することが提案されている。
また、特開2004−35421号公報(特許文献2)には、微生物、粘土鉱物、界面活性剤及び乾燥剤を含有する微生物
農薬
が提案されている。乾燥剤としては、シリカゲル、塩化カルシウム、III型無水石膏が具体的に示されている。
【0003】
一方、胞子形成をしない微生物を用いた微生物農薬製剤においても、菌体乾燥物の長期保存安定性の向上を図るため、補助剤の検討がなされている。例えば、特開2005−325077号公報(特許文献3)は、シュードモナス(
Pseudomonas
)属細菌にトレハロースを混合した後に凍結乾燥することによって、生菌回収率や保存性も良好な微生物乾燥物を得る方法が示されている。さらにこの方法を改良した方法として、特開2009−196920号公報(特許文献4)にはシュードモナス(
Pseudomonas
)属細菌にトレハロースまたはショ糖を混合し、かつ塩化ナトリウム及び、塩化カリウムを混合した後に凍結乾燥することによって、包材における保存安定性が改善する方法が開示されている。
【0004】
また、特開2000−264807号公報(特許文献5)及び特開2000−264808号公報(特許文献6)はいずれも、アンモニア吸着能を有する吸着剤として、ゼオライト、モレキュラーシーブス、シリカゲル等を添加することにより、エルビニア(
Erwinia
)属細菌、シュードモナス(
Pseudomonas
)属細菌を安定した状態で保存することを示している。
【0005】
さらに、糸状菌胞子を有効成分とし、保存安定性の改善された微生物農薬製剤の例として、特開2010−143856号公報(特許文献7)には、フザリウム(
Fusarium
)属菌の生菌体に、非晶質シリカを含み、さらに炭酸カルシウム
及び
/または硫酸マグネシウムを添加することによって保存安定性を改善する方法が示されている。
【0006】
しかしながら、これらの特許文献の発明では、微生物農薬製剤の安定性は十分に改善されているとは言えず、製造時の植物病害防除効果を長期間維持できないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2011−184370号公報
特開2004−35421号公報
特開2005−325077号公報
特開2009−196920号公報
特開2000−264807号公報
特開2000−264808号公報
特開2010−143856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、室温で長期間保存しても有効成分が安定で、十分な植物病害防除効果を持続する微生物農薬組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、植物の病害を防除する微生物であるバチルス(
Bacillus
)属細菌の培養液に塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを添加混合して、凍結乾燥またはスプレードライすることによって得られる菌体乾燥物が保存安定性に優れ、十分な植物
病害
防除効果を長期間保持することを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は下記(1)〜(9)の微生物農薬組成物、(10)〜(11)の微生物農薬組成物の製造方法、及び(12)〜(13)の微生物農薬組成物の安定化方法に関する。
(1) バチルス(
Bacillus
)属細菌の菌体乾燥物と塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを含有することを特徴とする微生物農薬組成物。
(2) バチルス(
Bacillus
)属細菌の菌体乾燥物と塩化カルシウムを含有する(1)に記載の微生物農薬組成物。
(3) バチルス(
Bacillus
)属細菌の菌体乾燥物と硫酸マグネシウムを含有する(1)に記載の微生物農薬組成物。
(4) 塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを1〜5質量%含有する(1)〜(3)のいずれかに記載の微生物農薬組成物。
(5) バチルス(
Bacillus
)属細菌が、バチルス・サブティリス(
Bacillus
subtilis
)、バチルス・アミロリケファシエンス(
Bacillus
amyloliquefaciens
)、またはそれらの変異株である(1)〜(4)のいずれかに記載の微生物農薬組成物。
(6) バチルス(
Bacillus
)属細菌が、バチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株、またはその変異株である(1)〜(5)のいずれかに記載の微生物農薬組成物。
(7) バチルス(
Bacillus
)属細菌の培養液について、pHを3.0〜5.0に調整する工程(pH調整工程)と、塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを混合する工程(混合工程)と、凍結乾燥またはスプレードライする工程(乾燥工程)を含む方法によって得られる(1)〜(6)のいずれかに記載の微生物農薬組成物。
(8) pH調整工程の後に混合工程を実施するか、pH調整工程と混合工程を同時に実施するか、または混合工程の後にpH調整工程を実施した後に乾燥工程を実施する方法によって得られる(7)に記載の微生物農薬組成物。
(9) 農薬組成物を蒸留水に懸濁した懸濁水溶液のpHが3.0〜5.0である(1)〜(8)のいずれかに記載の微生物農薬組成物。
(10) バチルス(
Bacillus
)属細菌の培養液について、pHを3.0〜5.0に調整する工程(pH調整工程)と、塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを混合する工程(混合工程)と、凍結乾燥またはスプレードライする工程(乾燥工程)を含むことを特徴とする微生物農薬組成物の製造方法。
(11) pH調整工程の後に混合工程を実施するか、pH調整工程と混合工程を同時に実施するか、または混合工程の後にpH調整工程を実施した後に乾燥工程を実施する(10)に記載の微生物農薬組成物の製造方法。
(12) バチルス(
Bacillus
)属細菌の培養液について、pHを3.0〜5.0に調整する工程(pH調整工程)と、塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを混合する工程(混合工程)と、凍結乾燥またはスプレードライする工程(乾燥工程)を含むことを特徴とする微生物農薬の安定化方法。
(13) pH調整工程の後に混合工程を実施するか、pH調整工程と混合工程を同時に実施するか、または混合工程の後にpH調整工程を実施した後に乾燥工程を実施する(12)に記載の微生物農薬の安定化方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、微生物農薬組成物中の有効成分(バチルス(
Bacillus
)属細菌の菌体乾燥物)を安定に保つことができ、十分な植物病害防除効果を有する状態を長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
A〜Dは、本発明の微生物農薬組成物(製剤)のキュウリうどんこ病に対する防除効果試験(実施例2)の結果を示す写真である。A:対照区1(製剤投与なし)、B:対照区2(塩化カルシウム無添加製剤区)、C:塩化カルシウム5%添加・pH未調整区、D:塩化カルシウム5%添加・pH4.0区。
A〜Dは、本発明の微生物農薬組成物(製剤)のキュウリうどんこ病に対する防除効果試験(実施例3)の結果を示す写真である。A:対照区(塩化カルシウム無添加区)、B:塩化カルシウム1%添加区、C:塩化カルシウム2.5%添加区、D:塩化カルシウム5%添加区。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の微生物農薬組成物は、有効成分のバチルス(
Bacillus
)属細菌の菌体乾燥物を含み、さらに塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを含有することを特徴とする。以下詳細に説明する。
【0014】
[バチルス(
Bacillus
)属の細菌]
本発明の微生物農薬組成物に菌体乾燥物として用いるバチルス(
Bacillus
)属の細菌は、特に限定されるものではないが、植物病害に対する防除能を有するバチルス(
Bacillus
)属の細菌であることが好ましい。例えば、バチルス・サブティリス(
Bacillus
subtilis
)、バチルス・アミロリケファシエンス(
Bacillus
amyloliquefaciens
)、バチルス・プミルス(
Bacillus
pumilus
)、バチルス・セレウス(
Bacillus
cereus
)、バチルス・リケニフォルミス(
Bacillus
licheniformis
)、バチルス・ベレゼンシス(
Bacillus
velezensis
)、バチルス・エスピー(
Bacillus
sp.)、及びこれらの変異株などが挙げられる。中でも植物病害に対する防除能が高いバチルス・サブティリス(
Bacillus
subtilis
)、バチルス・アミロリケファシエンス(
Bacillus
amyloliquefaciens
)及びその変異株が好ましく、さらに好ましくは、バチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株、及びその変異株が挙げられる。
【0015】
バチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株は、2011年5月2日に独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292−0818 日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に国際寄託され、受託番号:NITE BP−1095が付与されている。
【0016】
本発明に使用できるバチルス(
Bacillus
)属の細菌はこれらの例示に限定されるものではなく、他のバチルス(
Bacillus
)属の細菌であってもよい。また1種または2種以上の細菌を併用しても何ら問題はない。
【0017】
[微生物農薬製剤]
本発明で用いる微生物農薬組成物は、微生物培養液を凍結乾燥またはスプレードライのいずれかの方法で得られた菌体乾燥物を含有する。
微生物培養液の乾燥は、塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムの添加及びpH3.0〜5.0の調整を行った後に行うことができる。
本発明の微生物農薬組成物は、pHを3.0〜5.0に調整する工程(pH調整工程)と、塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを混合する工程(混合工程)と、凍結乾燥またはスプレードライする工程(乾燥工程)を含む方法によって調製される菌体乾燥物を含む。菌体乾燥物は、具体的には、(1)微生物培養液に塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを混合し、pH3.0〜5.0に調整した後乾燥するか、(2)微生物培養液をpH3.0〜5.0に調整した後に、塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを混合し、次いで乾燥するか、または(3)微生物培養液のpH3.0〜5.0に調整しながら塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを混合した後乾燥するかして得ることができる。
【0018】
塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムは、微生物農薬組成物(以下、「微生物農薬製剤」と表記することがある。)に対し1〜5質量%の濃度に添加することが好ましく、微生物農薬製剤に対し、2.5〜5質量%の濃度に添加することがさらに好ましい。塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムの添加量が、微生物農薬製剤に対し1質量%未満の場合は、添加量の不足により、充分な保存安定性改善効果は得られない。また、微生物農薬製剤に対して5質量%を超える量添加した製剤は、塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムの吸湿性により製剤が固結しやすく、本来の微生物農薬製剤の効果を得られないため不適である。
塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムは、各々を単独で、もしくは両者を組み合わせて用いることができる。
【0019】
本発明の微生物農薬製剤には、所望の剤形や効果に応じて他の任意成分を含んでいても良い。
剤形としては、粒剤、粉剤、顆粒水和剤、水和剤、水溶剤、懸濁製剤、乳剤等が挙げられ、中でも顆粒水和剤、水和剤、水溶剤、粒剤が好ましく、水和剤がより好ましい。
任意成分としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、担体、界面活性剤、分散剤、補助剤、保護剤等が挙げられる。これらの任意成分は、バチルス(
Bacillus
)属細菌の培養液のpH調整に影響を与えないものであれば、微生物農薬組成物を製造する際、凍結乾燥前に塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムと共に添加することができるが、通常は菌体乾燥物に添加し混合した後、所望の剤形に加工する。
【0020】
担体の例としては、タルク、ベントナイト、カオリン、クレー、珪藻土、ホワイトカーボン、バーミキュライト、消石灰、硫安、珪砂、尿素等の多孔質な固体担体、水、イソプロピルアルコール、メチルナフタレン、キシレン、シクロヘキサノン、アルキレングリコールなどの液体担体等が挙げられる。
【0021】
界面活性剤及び分散剤としては、例えばジナフチルメタンスルホン酸塩、アルコール硫酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ポリオキシエチレングリコールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル等が挙げられる。
【0022】
補助剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、アラビアゴム、キサンタンガム等が挙げられ、保護剤としてはスキムミルク、pH緩衝剤等が挙げられる。
【0023】
[微生物農薬組成物の製造]
本発明の微生物農薬組成物は、微生物を菌体乾燥物として含有する。微生物の菌体乾燥物は公知の装置及び条件によって得ることができる。
例えば、微生物がバチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株である場合、液体標準培地(ポリペプトン0.5%、グルコース0.1%、酵母エキス0.5%、pH7.0)で当該微生物を振とう培養した後、塩化カルシウム及び/または硫酸マグネシウムを混合、かつpHを3.0〜5.0に調整し、凍結乾燥またはスプレードライを行うことによって得られる。
凍結乾燥またはスプレードライは公知の装置の条件によって行い、粉末の菌体乾燥物を得ることができる。
得られた菌体乾燥物に所望の剤形に応じた任意成分を選択して混合することより、微生物農薬組成物(製剤)とすることができる。
【0024】
[微生物農薬組成物(製剤)の使用]
本発明の微生物農薬組成物は、そのまま直接施用するか、あるいは水などで希釈して施用することができる。本発明の微生物農薬組成物は、蒸留水に懸濁した懸濁水溶液のpHが3.0〜5.0であることが好ましい。
微生物農薬組成物の施用方法は、特に限定されず、例えば、直接植物に散布する方法、土壌に散布する方法、植物の種子に直接塗布する方法、植物や土壌に添加する水や肥料に添加する方法などが挙げられる。その他、製剤の施用量は、対象病害、対象作物、施用方法、発生傾向、被害の程度、環境条件、使用する剤形などによって変動するので、適宜調整することが好ましい。
【0025】
本発明の微生物農薬組成物は、広範囲の種類の細菌及び糸状菌に対し、優れた防除力を発揮する。本発明の微生物農薬組成物により防除できる植物の
病原菌
としては、例えば、
「イネ」のいもち病菌(
Pyricularia
oryzae
)、ごま葉枯病菌(
Cochliobolus
miyabeanus
)、紋枯病菌(
Rhizoctonia
solani
)、馬鹿苗病菌(
Gibberella
fujikuroi
)、
「ムギ類」のうどんこ病菌(
Erysiphe
graminis
f.sp.
hordei
,
Erysiphe
graminis
f.sp.
tritici
)、さび病菌(
Puccinia
striiformis
,
Puccinia
graminis
,
Puccinia
recondita
f.sp.
tritici
,
Puccinia
hordei
)、赤かび病菌(
Gibberella
zeae
)、網斑病菌(
Pyrenophora
teres
)、雪腐病菌(
Typhula
incarnata
,
Typhula
ishikariensis
,
Sclerotinia borealis
,
Micronectriella
nivalis
)、裸黒穂病菌(
Ustilago
nuda
)、なまぐさ黒穂病菌(
Tilletia
caries
,
Tilletia
foetida
)、眼紋病菌(
Tapesia
yallundea
)、雲形病菌(
Phynchosporium
secalis
f.sp.
hordei
)、葉枯病菌(
Septoria
tritici
)、ふ枯病菌(
Leptoshaeria
nodorum
)、
「カンキツ」の黒点病菌(
Diaporthe
citri
)、そうか病菌(
Elsinoe
fawcettii
)、褐色腐敗病菌(
Phytophthora
citrophthora
)、緑かび病菌(
Penicillium
digitatum
)、青かび病菌(
Penicillium
italicum
)、
「リンゴ」のモニリア病菌(
Monilinia
mali
)、腐らん病菌(
Valsa
ceratosperma
)、うどんこ病菌(
Podosphaera
leucotricha
)、斑点落葉病菌(
Alternaria
alternate
pathotype
apple
)、黒星病菌(
Venturia
inaequalis
)、赤星病菌(
Gymnosporangium
yamadae
)、輪紋病菌(
Botriophaeria
berengeriana
f.sp.
piricola
)、すす点病菌(
Zygophiala
jamaicensis
)、すす斑病菌(
Gloeodes
pomigena
)、黒点病菌(
Mycosphaerella
pomi
)、炭そ病菌(
Glomerella
cingulata
)、褐斑病菌(
Diplocarpon
mali
)、
「ナシ」の黒星病菌(
Venturia
nashicola
)、黒斑病菌(
Alternaria
alternata Japanese
pear
pathotype
)、輪紋病菌(
Physalospora
piricola
)、赤星病菌(
Gymnosporangium
asiaticum
)、
「モモ」の灰星病菌(
Monilinia
fructicola
)、黒星病菌(
Cladosporium
carpophilum
)、フォモプシス腐敗病菌(
Phomopsis
sp.)、
「ブドウ」の褐斑病菌(
Pseudocercospora
vitis
)、輪紋病菌(
Marssonina
viticola
)、黒とう病菌(
Elsinoe
ampelina
)、晩腐病菌(
Glomerella
cingulata
)、うどんこ病菌(
Uncinula
necator
)、さび病菌(
Phakopsora
ampelopsidis
)、枝膨病菌(
Phomopsis
sp.)、
「カキ」のうどんこ病菌(
Phyllactinia
kakicola
)、炭そ病菌(
Colletotrichum
gloeosporioides
)、角斑落葉病菌(
Cercospora
kaki
)、丸星落葉病菌(
Mycosphaerella
nawae
)、
「ウメ」の黒星病菌(
Cladosporium
carpophilum
)、
「オウトウ」の灰星病菌(
Monilinia
fructicola
)、
「ウリ類」のうどんこ病菌(
Sphaerotheca
fuliginea
)、つる枯病菌(
Didymella
bryoniae
)、炭そ病菌(
Colletotrichum
lagenarium
)、
「トマト」の輪紋病菌(
Alternaria
solani
)、葉かび病菌(
Cladosporium
fulvum
)、
「ナス」の褐紋病菌(
Phomopsis
vexans
)、うどんこ病菌(
Erysiphe
cichoracearum
)、
「アブラナ科野菜」 の黒斑病菌(
Alternaria
japonica
,
Alternaria
bracicae
,
Alternaria
brassicicola
)、白斑病菌(
Cercosporella
brassicae
)、
「ネギ」のさび病菌(
Puccinia allii
)、
「ショウガ」の根茎腐敗病菌(
Pythium
ultimum
,
Pythium
zingiberis
)、
「イチゴ」のうどんこ病菌(
Sphaerotheca
humuli
)、炭そ病菌(
Glomerella
cingulata
)、
「ダイズ」の紫斑病菌(
Cercospora
kikuchii
)、黒とう病菌(
Elsinoe
glycines
)、黒点病菌(
Diaporthe
phaseolorum
var.
sojae
)、
「アズキ」の褐斑病菌(
Cercospora
canescens
)、さび病菌(
Uromyces
phaseoli
var.
azukicola
)、
「インゲン」の炭そ病菌(
Colletotrichum
lindemuthianum
)、
「ラッカセイ」の黒渋病菌(
Cercosporidium
personatum
)、褐斑病菌(
Cercospora
arachidicola
)、そうか病菌(
Sphaceloma
arachidis
)、
「エンドウ」のうどんこ病菌(
Erysiphe
pisi
)、
「ジャガイモ」の夏疫病菌(
Alternaria
solani
)、
「チャ」の網もち病菌(
Exobasidium
reticulatum
)、白星病菌(
Elsinoe
leucospila
)、輪斑病菌(
Pestalotiopsis
theae
,
Pestalotiopsis
longiseta
)、
「タバコ」の赤星病菌(
Alternaria
longipes
)、うどんこ病菌(
Erysiphe
cichoracearum
)、炭そ病菌(
Colletotrichum
gloeosporioides
)、
「テンサイ」の褐斑病菌(
Cercospora
beticola
)、
「シバ」のカーブラリア葉枯病菌(
Curvularia
geniculata
)、疑似葉枯病菌(
Ceratobasidium
spp.)、
「バラ」の黒星病菌(
Diplocarpon
rosae
)、うどんこ病菌(
Shaerotheca
pannosa
)、
「キク」の褐斑病菌(
Septoria
obesa
)、白さび病菌(
Puccinia
horiana
)、
「種々の作物」の灰色かび病菌(
Botrytis
cinerea
)、菌核病菌(
Sclerotinia
sclerotiorum
)等を挙げることができるが、これらの例により限定されるものではない。
【実施例】
【0026】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】
実施例1:
バチルス(
Bacillus
)属細菌を用い、培養終了後の微生物培養液に各種のカルシウム化合物またはマグネシウム化合物を添加することによって製造した微生物農薬製剤の保存安定性改善効果を調べた。
[微生物農薬製剤の製造]
1.微生物培養液の調製
500ml

三角フラスコに100mlの液体標準培地(ポリペプトン0.5質量%、グルコース0.1質量%、酵母エキス0.5質量%、pH7.0)を入れ、加熱滅菌した。バチルス(
Bacillus
)属の細菌(バチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株)の前培養物100μlを植菌し、30℃、150rpmで64hr振とう培養した。
【0028】
2.培養液の乾燥及び製剤
バチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株の培養液に、表1に示したカルシウム化合物(塩化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、クエン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、シュウ酸カルシウム、及びパントテン酸カルシウム)またはマグネシウム化合物(硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、及びステアリン酸マグネシウム)を製剤中に終濃度5質量%になるように加え、5Nの塩酸を用いて、pH5.7に調整し、凍結乾燥機を用いて乾燥した。比較例として、カルシウム化合物またはマグネシウム化合物を添加しない培養液乾燥物を調製した。この培養液の乾燥物75.1質量%に、クエン酸三ナトリウム4質量%、クエン酸ナトリウム2質量%、塩化ナトリウム15.9質量%、アルキルサルフェート金属塩3質量%を混合粉砕し、微生物農薬組成物からなる製剤を得た。
【0029】
[保存安定性試験]
アルミラミネート袋に上記で調製した5gの製剤を入れ、ヒートシールで密栓した。これを54℃で静置し、静置開始から3週間経過時にアルミラミネート袋から取り出し、各製剤の各種病害に対する防除効果を比較した。比較例として、4℃で3週間保存した製剤を調製した。
【0030】
[キュウリうどんこ病に対する生物効果試験]
各製剤を水道水で所定倍率に希釈調整し、薬液を調製した。調製後の希釈溶液をキュウリ3ポット当たり40mlの割合でハンドスプレーヤーを用いて散布し、風乾後温室内にて管理した。翌日、キュウリ葉上で継代培養したキュウリうどんこ病菌の分生胞子をTween(TWEEN;登録商標)20の10000倍希釈溶液に懸濁し、同溶液で5×10
3
cell/mlに調整した。この胞子懸濁液を1ポット当たり約8mlハンドスプレーヤーを用いて噴霧接種した。接種後、室内にて風乾させ、調査まで温室内にて管理した。接種10〜14日後に発病面積率を調査し、平均発病率を算出した。発病面積率は目視により判定した。また、防除価は下記式(数1)により算出し、また表

に示した残存活性は、下記式(数2)により算出した。残存活性は、製剤中にカルシウム化合物またはマグネシウム化合物を添加せず調製した微生物農薬製剤を、4℃、3週間処理した際の防除価を100とした時の比である。生物効果試験の結果を表1に示す。
【0031】
【0032】
【0033】
表1からカルシウム化合物またはマグネシウム化合物を添加していない製剤を、54℃、3週間の保存安定性試験に供すると、キュウリうどんこ病に対する防除価をもとに算出した残存活性は12%まで低下した。そこで、表1に示したカルシウム化合物、またはマグネシウム化合物を終濃度5質量%になるよう添加し、54℃、3週間の保存安定性試験に供した製剤を用いて、キュウリうどんこ病に対する防除効果を比較した。微生物農薬製剤の保存安定性に効果を示す物質として、特許文献1に記載されている硫酸カルシウム、特許文献2に乾燥剤として用いられている塩化カルシウム、特許文献7に記載されている炭酸カルシウム、硫酸マグネシウムを添加した微生物農薬製剤は、表1に示す通り54℃、3週間の熱処理により、残存活性30〜65%を示し、比較例の残存活性12%と比較して、保存安定性改善効果を示した。中でも、残存活性60%以上を示した塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウムは、製剤中に添加することによって54℃、3週間の熱処理でも、本来の微生物農薬製剤の効果を保持しており、保存安定性改善効果と病害に対する防除効果が得られることが示された。
【0034】
そこで、保存安定性の更なる向上を目的として実施例1において高い効果を示した塩化カルシウムと硫酸マグネシウムの2種類の化合物を製剤中に添加した際に、54℃、3週間の熱処理後も生物効果試験における残存活性が90%以上を示す条件を探索した。
【0035】
実施例2:
塩化カルシウムと硫酸マグネシウムの2種類の化合物を微生物農薬製剤中に添加し、かつpHを調整することによって、どのような保存安定性改善効果が得られるかについて調べた。
バチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株の培養液に、塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウムを製剤中に5%になるように加え、培養液のpHを5Nの塩酸または5Nの水酸化ナトリウムを用いて、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、9.0に調整し、凍結乾燥した。その他の操作は実施例1と同じ手法により調製し、得られた製剤をキュウリうどんこ病に対して評価した。結果を表2に示す。
【0036】
【0037】
表2から、従来の技術である塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウムを添加した製剤を54℃、3週間の保存安定性試験に供すると、残存活性はそれぞれ59%、57%を示した。一方、培養終了後の培養液中にこれらの塩を添加し、かつ低pHにした微生物農薬製剤を54℃、3週間の保存安定性試験に供すると、残存活性は塩化カルシウム、pH4.0で最大の97%を示し、塩を添加したのみの製剤に比べ、キュウリうどんこ病に対する活性は最大で1.6倍程度高くなることが示された。pH調整による保存安定性改善効果は、pH5.0以下に調整した製剤で顕著に見られた。pH3.0
未満
に調整した際の改善効果については検討を行っていないが、微生物農薬としての使用性を考慮した場合、刺激性など安全上の問題により不適であると考えられる。このことから、培養終了後の培養液に製剤中の終濃度が5%になるように塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウムを添加し、かつpHを3.0〜5.0に調整した後、培養液を乾燥し、製剤した微生物農薬製剤は、54℃、3週間の熱処理後も高い保存安定性効果を保持しており、キュウリうどんこ病に対して高活性を示し、塩化カルシウムがより好ましく、特に塩化カルシウム、pH3.5〜4.5の範囲で優れた効果を示した。
【0038】
図1に、実施例2の結果のうち、製剤中に塩化カルシウムを添加し、かつpHを4.0に調整した製剤を54℃、3週間の保存安定性試験に供した後、キュウリうどんこ病に対する防除効果を比較した試験結果の写真を示す。Aは、無処理区、Bは、塩化カルシウムの添加及びpH調整をしていない製剤を54℃、3週間の保存安定性試験に供した後、評価した試験区、Cは、塩化カルシウムを製剤中に終濃度5%になるように添加し、pH調整を行っていない製剤を54℃、3週間の保存安定性試験に供した試験区、Dは、製剤中に塩化カルシウムを終濃度5%になるように添加し、かつpHを4.0に調整した製剤を54℃、3週間の保存安定性試験に供した後、評価した試験区の結果をそれぞれ示した。Bでは無処理区と同等の病斑が観察された一方で、塩化カルシウムを添加したC、塩化カルシウムを添加し、かつpH4.0に調整したDの試験区では病斑数も少なく、キュウリうどんこ病に対する防除効果が改善されていることが示された。このことから、塩化カルシウムの添加とpH4.0の調整により、防除効果が改善されることが明らかになった。
【0039】
実施例3:
保存安定性効果と植物病害防除効果が充分に得られる塩化カルシウムの濃度を検討した。
バチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株の培養液に、塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウムを製剤中の終濃度(質量%)が0.5%、1.0%、2.5%、5%になるように加え、培養液のpHを5Nの塩酸を用いて4.0に調整し、凍結乾燥した。その他の操作は実施例1と同じ手法により調製し、得られた製剤をキュウリうどんこ病に対して評価した。結果を表3に示す。
【0040】
【0041】
その結果、製剤中に添加した塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウムの濃度が終濃度0.5質量%以下では50%以上の残存活性は得られないことが示された。このことから、保存安定性改善効果に必要な製剤中の塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウムは、1.0質量%以上が望ましいことが示された。また表3には示していないが、製剤中に終濃度5%より多い塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウムを添加すると、保存安定性試験中に製剤が固結することから、不適である。このことから、安定した保存安定性効果を得るためには、塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウムを製剤中に終濃度1〜5質量%になるよう添加することが望ましいことが示された。
【0042】
図2に、実施例3の事例のうち、培養液に塩化カルシウムを終濃度(質量%)で1%、2.5%、5%になるように加え、5Nの塩酸を用いてpHを4.0に調整した後、凍結乾燥した菌体乾燥物を用いて製剤した微生物農薬製剤を54℃、3週間の保存安定性試験に供した後の製剤を用いて、キュウリうどんこ病に対する防除効果を比較した写真を示す。Aの写真は培養液中に塩化カルシウムの添加及びpH調整を行っておらず、かつ54℃、3週間保存した際の製剤を用いて行った結果を示した。B
は培
養液に塩化カルシウムを終濃度1%になるように加え、pH4.0に調整した製剤

、C
は培
養液に製剤中の終濃度が2.5質量%になるように塩化カルシウムを加え、pH4.0に調整した製剤

、Dは培養液に製剤中の終濃度が5質量%になるように塩化カルシウムを加え、pH4.0に調整し
た製剤をそれぞれ用いて行った結果を示す。
Aでは、無処理区と同程度まで活性が低下しており、B、C、Dと製剤中の塩化カルシウム濃度が増加するにつれて、キュウリうどんこ病に対する防除効果が改善されていることがわかる。このことから、塩化カルシウムの添加によって保存安定性の改善効果を得るには、製剤中に少なくとも1質量%以上の塩化カルシウムを添加するが望ましいことが示された。
【0043】
実施例4:
キュウリうどんこ病以外の病害について、同様の保存安定性改善効果が得られるかどうかを検討した。
保存安定性試験に供した製剤をキュウリ灰色かび病による生物効果を評価した以外は、実施例1と同様の方法を用いた。以下にキュウリ灰色かび病による生物効果試験の詳細を示した。
製剤を水道水で所定倍率に希釈調整した。希釈溶液50μlを抗生物質検定用のペーパーディスクにドロップし、溶液の染み込んだ面を下にしてキュウリ子葉表面に静置した。次にPDA寒天培地上で生育させた灰色かび病菌(
Botrytis
cinerea
)から分生胞子を採取し、蒸留水で4×10
5
/mlに調整した。この胞子懸濁液に対して栄養液(2%スクロース、0.4%酵母エキス)を等量加え、最終的には2×10
5
/mlに調整した。この胞子懸濁液50μlをキュウリ子葉上に並べたペーパーディスクにドロップし、21℃で3日間保温後、各病斑の直径を測定した。無処理区病斑直径と比較することによって、各薬剤の防除価を下記式(数3)により算出した。残存活性率は、製剤中に補助剤を添加せず、4℃、3週間処理した製剤の防除価を100とした時の比として、下記式(数4)により算出した。結果を表4に示す。
【0044】
【0045】
その結果、塩化カルシウムを添加し、pHを4.0に調整した培養液を乾燥し、得られた製剤を54℃、3週間の保存安定性試験に供した微生物農薬製剤の残存活性は100%であった。このことから、本発明から得られた微生物農薬製剤は、54℃、3週間の熱処理後もキュウリうどんこ病だけでなく、キュウリ灰色かび病に対する防除効果も有しており、病害の種類によって限定されるものではないことが明らかとなった。
【0046】
実施例5:
バチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株以外のバチルス(
Bacillus
)属の細菌について、同様の効果が得られるか否か検討した。
Bacillus
subtilis
QST-713 株(SDS社製インプレッションより分離)、
Bacillus
subtilis
MBI-600株(出光興産社製ボトキラーより分離)、
Bacillus
subtilis
HAI-0404株(日本曹達社製アグロケアから分離)及び
Bacillus
amyloliquefaciens
D747株(クミアイ化学工業社製エコショットより分離)の培養液に、塩化カルシウムを製剤中に終濃度5%になるように加え、pHを5Nの塩酸を用いて4.0に調整し、凍結乾燥した。その他の操作は実施例1と同じ手法により調製し、得られた製剤をキュウリうどんこ病に対して評価した。結果を表5に示す。
【0047】
【0048】
その結果、
Bacillus
subtilis
QST-713 株、
Bacillus
subtilis
MBI-600株、
Bacillus
subtilis
HAI-0404株及び
Bacillus
amyloliquefaciens
D747株を用いた試験においても、バチルス・アミロリケファシエンスAT−332(
Bacillus
amyloliquefaciens
AT-332)株と同様の保存安定性改善効果が認められた。このことから、バチルス(
Bacillus
)属の細菌において、塩化カルシウムまたは硫酸マグネシウムを添加し、かつpHを4.0〜5.0に調整した微生物農薬製剤は、54℃、3週間の熱処理後も高い保存安定性効果を示し、植物病害に対する防除効果も充分保持されることが明らかとなった。

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