TOP特許意匠商標
特許ウォッチ DM通知 Twitter
24個以上の画像は省略されています。
公開番号2019131457
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190808
出願番号2019015212
出願日20190131
発明の名称X線不透過性ガラスおよびその使用
出願人ショット アクチエンゲゼルシャフト,Schott AG
代理人アインゼル・フェリックス=ラインハルト,個人全 4 件を表示,個人,個人
主分類C03C 3/091 20060101AFI20190712BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約【課題】鉛不含であり、X線不透過性であって屈折性が比較的低く、かつX線不透過性が改善されたガラスを提供する。
【解決手段】不可避不純物を除いてSrOおよびPbO不含であり、かつ1.480〜1.561の屈折率ndを示すX線不透過性ガラスであり、該ガラスは、SiO2、Al2O3およびB2O3系をベースとする。X線不透過性の調節のために、Cs2Oを、ことにBaOおよび/またはSnO2と、任意にフッ素と一緒に組み合わせて使用する。該ガラスは、ことに歯科用ガラスとしてまたは光学ガラスとして使用できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲約 4,900 文字を表示【請求項1】
X線不透過性ガラスであって、酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

35〜75




2〜16
Al



0.8〜7.5


O 0〜14
BaO 0〜24
Cs

O 1〜30
SnO

0〜15
F 0〜8
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧10
であり、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.480〜1.561の屈折率n

を示す、X線不透過性ガラス。
【請求項2】
酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

35〜75




4〜15
Al



0.8〜7.5


O 0〜10
BaO 0.6〜24
Cs

O 1〜30
SnO

0〜15
F ≧0.3
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧ 10
であり、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.480〜1.561の屈折率n

を示す、請求項1記載のX線不透過性ガラス。
【請求項3】
酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

35〜75




4〜15
Al



0.8〜7.5


O 0〜10
BaO 0〜24、ことに0.6〜24
Cs

O 1〜30
SnO

0〜15
F 0以上0.3未満
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧ 10
であり、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.480〜1.561の屈折率n

を示す、請求項1記載のX線不透過性ガラス。
【請求項4】
Fを最大5.5質量%、好ましくは最大2.5質量%の割合で含み、かつ/またはLa



を0〜19質量%、好ましくは0〜16質量%の含有率で含み、かつ/またはB



を5〜15質量%の含有率で含む、請求項1から3までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項5】
酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

38〜70




6〜15
Al



1〜7


O 0〜7
BaO 0.8〜20
Cs

O 1〜28
SnO

1〜15、好ましくは4超15以下
F 0.75〜2.5
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧ 10
である、請求項1または2記載のX線不透過性ガラス。
【請求項6】
BaOおよびCs

OおよびSnO

およびFの割合の合計は、酸化物ベースの質量%で12%以上、好ましくは14%以上、特に好ましくは17%以上である、請求項1から5までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項7】
SnO

のFに対するモル比率は、少なくとも0.4、有利に少なくとも0.45、好ましくは少なくとも0.49、特に好ましくは少なくとも0.5であり、かつ/または最大で0.85、好ましくは最大で0.79、さらに好ましくは最大で0.77、同様に好ましくは最大で0.75、特に好ましくは最大で0.72、さらに好ましくは最大で0.7である、請求項1から6までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項8】
Cs

Oの、Cs

O+BaO+SnO

の合計に対するモル比率は、少なくとも0.05、好ましくは少なくとも0.07、特に好ましくは少なくとも0.1であり、かつ/または最大で0.48、好ましくは最大で0.45、特に好ましくは最大で0.41である、請求項1から7までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項9】
さらに、酸化物ベースの質量%で、次の成分
ZrO

0〜2
ZnO 0〜2
MgO 0〜2
CaO 0〜2
WO

0〜2
Nb



0〜2
HfO

0〜2
Ta



0〜2
Gd



0〜2
Sc



0〜2




0〜2
Yb



0〜2
La



0〜2
の少なくとも1つを含む、請求項1から8までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項10】
不可避不純物を除いて、Na

Oおよび/またはLi

Oおよび/またはMgOおよび/またはCeO

および/またはTiO

および/またはLa



および/またはZrO

不含である、請求項1から9までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項11】
1.480〜1.561の屈折率範囲の屈折率n

を示す前記ガラスは、最小の相対的アルミニウム相当厚(最小の相対的ALGWD)と同じかまたはそれを上回る相対的アルミニウム相当厚ALGWD(%)を示し、ここで、前記最小の相対的ALGWDは、方程式:
最小の相対的ALGWD(%)=C・n

−D(ここで、C=11000でありかつD=16160である)
により求められる、請求項1から10までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項12】
1.480〜1.561の屈折率範囲の屈折率n

を示す前記ガラスは、最大の相対的アルミニウム相当厚(最大の相対的ALGWD)と同じかまたはそれを下回る相対的アルミニウム相当厚ALGWD(%)を示し、ここで、前記最大の相対的ALGWDは、方程式:
最大の相対的ALGWD(%)=A・n

−B(ここで、A=11430でありかつB=16230である)
により求められる、請求項11記載のX線不透過性ガラス。
【請求項13】
1.480〜1.561の屈折率範囲において、前記ガラスの屈折率n

と前記相対的アルミニウム相当厚ALGWD(%)との間に、次の割り当て:


最小ALGWD および好ましくは 最大ALGWD
1.480以上1.490未満 120% および好ましくは 700%
1.490以上1.510未満 260% および好ましくは 1000%
1.510以上1.530未満 520% および好ましくは 1200%
1.530以上1.550未満 780% および好ましくは 1500%
1.550〜1.561 850%、好ましくは910% および好ましくは 1600%
が当てはまる、請求項1から10までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項14】
1.480〜1.561の屈折率範囲において、前記ガラスの屈折率n

と前記相対的アルミニウム相当厚ALGWD(%)との間に、次の割り当て:


最小ALGWD および好ましくは 最大ALGWD
1.480以上1.490未満 120% および好ましくは 760%
1.490以上1.500未満 240% および好ましくは 875%
1.500以上1.510未満 360% および好ましくは 990%
1.510以上1.520未満 475% および好ましくは 1105%
1.520以上1.530未満 590% および好ましくは 1220%
1.530以上1.540未満 705% および好ましくは 1335%
1.540以上1.550未満 820% および好ましくは 1450%
1.550〜1.561 935% および好ましくは 1565%
が当てはまる、請求項1から10までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項15】
酸化物ベースの質量%で少なくとも95質量%が請求項1から14までのいずれか1項記載のガラスからなる、X線不透過性ガラス。
【請求項16】
医学分野、ことに歯科医学分野で歯科用ガラスとして使用するため、および/または診断目的のための、請求項1から15までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項17】
ヒトおよび/もしくは動物の歯における窩洞の治療、ことに充填のための、ならびに/または歯の修復のための歯科用ガラスとして使用するための、請求項1から15までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラス。
【請求項18】
前記歯科用ガラスは、表面が有利にシラン化されている、粉末粒子の形で存在し、かつ歯科用プラスチックを含む歯科用プラスチックコンパウンドの成分であり、ことに充填コンポジットの充填材の形の、または歯科用セメント中の充填材または不活性添加材の形の、好ましくはレジン強化型グラスアイオノマーセメント中の不活性添加材の形の成分である、請求項16または17記載のX線不透過性ガラス。
【請求項19】
− 歯科用プラスチックコンパウンド中のX線不透過材としての、ならびに/または
− 光学用途の素子としての、ならびに/または
− 陰極線管(CRT)でのディスプレイ技術におけるカバーガラスおよび/もしくは基板ガラスとしての、ならびに/または
− 光起電力装置におけるカバーガラスおよび/もしくは基板ガラスとしての、ならびに/または
− X線管中のガラスとしての、ならびに/または
− 放射性材料の埋め込み用の材料としての、
請求項1から15までのいずれか1項記載のX線不透過性ガラスの使用。

発明の詳細な説明約 40,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛不含のX線不透過性ガラスおよびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科分野において、歯の修復のために歯科用プラスチックコンパウンドを使用することが次第に増えている。この歯科用プラスチックコンパウンドは、通常では、有機樹脂からなるマトリックスと、多様な無機充填材とからなる。無機充填材は主に、ガラス、(ガラス)セラミック、石英または他の結晶質物質(例えばYbF

)、ゾルゲル材料および/またはエアロジルの粉末からなり、プラスチックコンパウンドに充填材として添加される。
【0003】
歯科用プラスチックコンパウンドを使用することによって、生じ得るアマルガムの有害な副作用を回避するとともに、審美的印象の改善を達成する。歯科用プラスチックコンパウンドの選択に応じて、この歯科用プラスチックコンパウンドを多様な歯の修復措置に使用することができ、例えば歯科充填物またはインレー、アンレーなどに使用することができ、またクラウンやブリッジにも使用することができる。
【0004】
充填材自体は、硬化の際に、樹脂マトリックスの重合により生じる収縮を最小限に抑え、またそれと同時に耐摩耗性を高める。例えば歯壁と充填物との間に強い接着性が存在する場合、重合収縮が大きすぎると歯壁の破壊を引き起こしかねない。接着性がこのために十分でない場合には、重合収縮が大きすぎると、歯壁と充填物との間で周縁部の隙間が形成することがあり、これによって二次カリエスが助長されかねない。
【0005】
さらに充填材には、特定の物理的および化学的要求が課せられている:
充填材を、できる限り微細な粉末に加工しなければならない。粉末が微細になるほど、充填物の外観もより均質となる。同時に充填物の研磨性が改善され、これによって攻撃を受ける面積が減少することから耐摩耗性が改善され、それによって充填物の耐久性が延長される。粉末を良好に加工され得るためにはさらに、粉末が凝集しないことが望ましい。
【0006】
さらに、充填材が官能化シランで被覆されていることが好ましい。なぜならば、それにより歯科用コンパウンドの易調製性(Formulierbarkeit)が達成され、かつ機械的特性が改善されるためである。その際、通常は、充填材粒子の表面は少なくとも部分的に官能化されたシランで覆われる。
【0007】
充填材としての歯科用ガラスは、その透明度および場合により屈折率に関して、樹脂マトリックスに可能な限り良好に適合されていることが望ましい。さらに、歯科用プラスチックコンパウンド全体が、ひいては充填材も、天然歯の材料に審美的に適合されており、そうすることで、歯科用プラスチックコンパウンドと周辺の健全な歯の材料との差ができる限り少なくなるようにすることができる。この審美的基準に関しては、粉末化された充填材の粒度をできる限り小さくすることも同様に役割を担う。
【0008】
充填材の化学的耐久性、ことに水に対する化学的耐久性が良好であることは、さらに、歯の修復措置の寿命を長くすることに寄与し得る。
【0009】
患者の治療のために、さらに、歯の修復措置はX線画像で可視であることが無条件に必要である。樹脂マトリックスは一般にX線画像では不可視であるため、充填材が必要なX線吸収性を示すことを配慮しなければならない。X線を十分に吸収する充填材を、X線不透過性という。一般には、充填材の成分、例えばガラスの特定の成分、または添加剤がX線不透過性を担う。このような添加剤は、X線不透過材ともいう。歯科用ガラス充填材の他に慣用のX線不透過材はYbF

であり、これは結晶質の粉砕された形で添加することができる。
【0010】
歯科用ガラスまたは歯科用材料のX線不透過性は、DIN ISO 4049に準拠して、アルミニウム相当厚(Aluminiumgleichwertdicke)(ALGWD)として、アルミニウムのX線吸収に対して相対的に記載される。相対的ALGWDは、2mmの試料厚を基準とする。相対的ALGWDが200%であるとはつまり、平行平面表面を備えた厚さ2mmのガラス板によって、厚さ4mmのアルミニウム板と同等のX線減弱が生じることを意味する。同様に、相対的ALGWDが500%であるとは、平行平面表面を備えた厚さ2mmのガラス板によって、厚さ10mmのアルミニウム板と同等のX線減弱が生じることを意味する。以下で、ガラスのX線不透過性を相対的ALGWD(%で表す)のデータにより記述する。
【0011】
歯科用プラスチックコンパウンドは、適用時に通常はカートリッジから窩洞に充填されてそこで造形されるため、未硬化の状態ではしばしば揺変性である。つまり、圧力が印加されるとその粘性が低下し、圧力の作用がなければ形状安定性である。
【0012】
充填物材料において、不活性材料と反応性歯科用材料とが区別される。歯科用セメントは反応性歯科用材料に属する。歯科用セメント、例えばグラスアイオノマーセメントの場合には、充填材と有機酸との化学反応によって歯科用材料の硬化が生じるため、充填材の反応性が、歯科用材料の硬化特性、ひいてはその加工性に影響を及ぼす。これは、しばしば凝結過程であり、この凝結過程の前に、例えばUV光の作用下での、ラジカルによる表面硬化が先行することがある。この場合、ガラスは、化学反応を開始するまたはこれに関与する充填材として用いられる場合もあるし、反応に関与しない不活性添加材として用いられる場合もある。この化学反応はそうすると、他の、同様にグラスアイオノマーセメント中に含まれる充填材によって生じる。
【0013】
純粋な不活性の充填材および純粋な反応性の充填材の他に、本明細書では詳細に説明することができない多様な中間体が存在する。この中間体の例としては、「コンポマー」および「レジン強化型グラスアイオノマーセメント」(RMGIC)が挙げられる。
【0014】
それに対して、コンポジット(充填コンポジットともいう)は、より十分な、化学的に非常に不活性な充填材を含む。なぜならば、その硬化挙動は、樹脂マトリックス自体の成分によって、したがって初めに決まり、これに対して充填材および/または添加材の化学反応がしばしば障害となるためである。
【0015】
ガラスは、その様々な組成に基づき多様な特性を示す原材料の種類であり得ることから、歯科用プラスチックコンパウンドのための充填材としてしばしば使用される。歯科用原材料としての他の適用も可能であり、これは純粋な形であってもよいし、材料混合物の成分としてでもよく、例えばインレー、アンレー、クラウン用前装材料およびブリッジ、人工歯用の材料、またはそれ以外の、補綴的、保存的および/もしくは予防的な歯科治療用の材料への適用も可能である。歯科原材料としての適用におけるこのようなガラスは、一般に歯科用ガラスという。
【0016】
歯科用ガラスの上記の特性の他に、有毒な酸化鉛(PbO)を含まないことも望ましい。
【0017】
したがって、歯科用ガラスは特に高価値のガラスである。このようなガラスは、光学用途でも、ことにガラスのX線不透過性の適用が有益である場合にも、同様に使用可能である。X線不透過性とは、ガラスがX線スペクトル領域の電磁放射線を吸収することを意味するため、相応するガラスは同時にX線用のフィルタである。X線によって、敏感な電子部品が損なわれる場合がある。電子画像センサの場合に、X線量子の透過が例えばセンサの相応する領域を破壊するかまたは例えば画像損傷および/またはノイズピクセルとして知覚可能な望ましくないセンサシグナルを引き起こすことがある。したがって、入射放射線のスペクトルから相応するガラスによりフィルタリングによってX線を除くことで電子部品をX線から保護することが、特定の用途には必要であるかまたは少なくとも好ましい。
【0018】
多数の歯科用ガラスおよび類似の光学層を有するかまたは比較可能な化学組成を示す他の光学ガラスが先行技術において記載されているが、これらのガラスは、製造および/または適用の際に重大な欠点を示す。ことに、これらのガラスの多くは、比較的多量のフッ化物および/またはLi

Oを含み、これらは溶融過程または融解過程の間に極めて容易に気化し、それによりガラス組成の正確な調節が困難となる。
【0019】
コンポジット中の充填材として使用するための、バリウム不含の化学的に不活性な歯科用ガラスは、独国特許出願公開第19849388号明細書(DE 198 49 388 A1)の主題である。該文献に提案されているガラスは、低屈折性ガラスにおいて必然的にZnOおよびFの割合を含む。後者は、樹脂マトリックスとの反応を引き起こすことがあり、このことがまたその重合挙動に影響を与えかねない。さらに、SiO

割合は20〜45質量%に制限されているため、記載されたガラスにはX線不透過材およびFが十分に含まれ得る。ことに、ZnOおよびZrO

含有率が低い場合には、SrOを27質量%まで添加することが推奨されている。
【0020】
国際公開第2005/060921号(WO2005/060921 A1)には、ことに歯科用コンポジットに適しているとされるガラス充填材が記載されている。このガラス充填材は、アルカリ酸化物を9〜20モル%含む。この文献の目的は、粒子の中心部よりも粒子の周辺部の方がアルカリイオン濃度が低いガラス粒子を提供することである。このことは、記載されたガラスが、意図的な化学的不安定性を示すことを意味している。なぜならば、そうでないとこの濃度挙動は達成されないためである。このことは、こうした必要な低い化学的耐久性が、出発ガラス中のアルカリ金属の割合を上述の通りとすることによって達成されることを前提としている。
【0021】
欧州特許第0885606号明細書(EP 0885606 B1)には、歯科用材料の充填材として利用されるアルカリケイ酸塩ガラスが記載されている。Al



割合を少なくとも5質量%とすることで、高SiO

含有ガラスにおいて粘度が高まり、それによって極めて高い溶融温度が生じる。必須成分として、酸化ナトリウムおよび酸化カリウムが含まれている。さらにこのガラスは、X線不透過性を付与する成分を含んでいない。
【0022】
独国特許出願公開第4443173号明細書(DE 4443173 A1)は、12質量%を超えるZrO

含有率を示しかつ他の酸化物を含む、バリウム不含の高ジルコニウム含有ガラスを含む。この種の充填材は、ことに、例えばアクリラートベースの、近代的な歯科用コンパウンドにとっては反応性が高すぎ、この場合に、制御できない速すぎる硬化が生じかねない。この量での酸化ジルコニウムは、失透を生じる傾向がある。これによって、場合により核生成および引き続く結晶化を伴う相分離が生じる。さらに、このようなガラスの製造は、溶融温度が高すぎないこと(溶融温度が高すぎると、溶融装置に過度に負担をかけかねない)を保証するために、アルカリ含有率を高くしないと行うことができない。このように高いアルカリ含有率ももちろん、ガラスの化学的耐久性にとって不利に作用する。
【0023】
独国特許出願公開第19945517号明細書(DE 199 45 517 A1)には同様に、歯科分野で適用する際に上記文献のガラスと同様の問題を示す高ジルコニウム含有ガラスが記載されている。
【0024】
独国特許発明第102005051387号明細書(DE 10 2005 051 387 B3)には、歯科用ガラスとして、X線不透過性および1.50〜1.549の屈折値を達成するために、La



および/またはY



の高い含有率ならびにWO

およびZrO

を示すマグネシウム−アルミノケイ酸塩ガラスが記載されている。この場合、このガラスは、酸化バリウム不含、酸化ストロンチウム不含ならびにアルカリ金属酸化物不含である。酸化マグネシウムの含有率が高いことから、このようなガラスは相分離する傾向がある。さらに、WO

およびZrO

を含有することから、著しく結晶化しやすいという欠点がある。さらに、これらを含有することによって溶融温度が高まる。La



は原料として費用がかさみ、したがって避けることが望ましい。
【0025】
独国特許出願公開第102009008951号明細書(DE 10 2009 008 951 A1)には、X線不透過性のバリウム不含のガラス、および歯科用ガラスとしてのその使用が開示されており、このガラスは必然的に酸化ジルコニウムを含む。1.518〜1.533という狭い屈折値範囲を達成するために、ZrO

とCs

Oおよび/またはLa



とが一緒に使用される。このようなガラスを溶融できるようにするためには、さらに、高いK

O割合が必要である。このようなガラスの場合に問題なのは、ここでも、溶融温度が比較的高いことと共に結晶化傾向にあり、そしてLa



の使用による原料コストである。屈折値が低いガラスは、この先行技術には記載されていない。
【0026】
独国特許発明第102011084501号明細書(DE 10 2011 084 501 B3)には、1.50〜1.58の屈折値を示すバリウム不含のX線不透過性ガラスが開示されている。このガラスは、X線不透過材としてSrOおよびLa



およびZrO

の組合せをベースとする。さらに、X線不透過性を高めるためにCs

Oを添加することができる。このガラスの場合の欠点は、溶融温度が高く、かつ結晶化傾向を示すことである。上述のように、La



は極めて費用がかさむ。
【0027】
特開2004−002062号公報(JP 2004-002062 A)には、フラットディスプレイ用のガラス基板が開示されている。開示されたガラスは、SrOの他に、主にBaOならびに全体として高い割合のAl



およびMgOを含む。成分Al



、SrO、BaOおよびMgOは、ガラスの溶融性を保証するために、網目修飾成分として必要とされる。これらのガラスも、歯科用ガラスとしての適用について考慮していない。なぜならば、必要なX線不透過性を示すには程遠いためである。このことを別としても、Al



を含有することで、高SiO

含有ガラスにおいて粘度が高まり、それによって、製造に高い溶融温度が必要となる。MgOの含有率が高いことは、屈折値が低くかつ同時にX線不透過性が高い、歯科用途のガラスにおいて不利である。MgOは、他のアルカリ土類酸化物CaO、SrOおよびBaOと同じ程度でX線不透過性を高めず、主に屈折値n

の上昇を顕著にし、したがって低い屈折値と高いX線不透過性との間で目指されるバランスを困難にしかねない。
【0028】
先行技術で挙げられたガラスには、耐水性が低いか、または反応性が高すぎかつ/もしくはX線不透過性でないか、または環境および/もしくは健康に有害な成分を含むという点で共通している。多くの公知の歯科用ガラスは、さらにSrOを含み、これによって溶融温度が著しく高まる。こうした経済的な欠点の他に、SrO割合が高いと、多くのガラスの製造プロセスの間に制御困難な結晶化過程を引き起こす。さらに、単独でまたは公知の組合せ(大抵はLa



と組合せ)で使用される公知のX線不透過材は、屈折率を著しく高めることなしに、達成可能なX線不透過性を任意にかつ十分には向上することができないことが判明した。1.65より高い屈折率を示すガラス(例えば国際公開第2007/034258号(WO 2007/034258 A1)に記載)は、実際には、歯科用ガラス、歯科用プラスチックコンパウンド用の充填材等として使用するために現在のところ十分ではない。さらに、酸化ランタンは高コストであり、これによって、酸化ランタンを用いて製造されたガラスの経済性が低下するという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
独国特許出願公開第19849388号明細書
国際公開第2005/060921号
欧州特許第0885606号明細書
独国特許出願公開第19945517号明細書
独国特許出願公開第19945517号明細書
独国特許発明第102005051387号明細書
独国特許出願公開第102009008951号明細書
独国特許発明第102011084501号明細書
特開2004−002062号公報
国際公開第2007/034258号
独国特許発明第4100604号明細書
独国特許発明第10222964号明細書
米国特許第5641347号明細書
欧州特許出願公開第1547572号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
本発明の課題は、鉛不含であり、X線不透過性であって屈折性が比較的低く、かつX線不透過性が改善されたガラスを提供することである。ことに本発明の課題は、改善された生産性のためにも、所与の屈折値範囲で正確に定義された屈折値を示し、かつこの屈折値を基準として改善されたX線不透過性を示すガラスをより簡単に製造することが可能であるガラス系を提供することでもある。このガラスは、好ましくは、医学分野で、ことに歯科医学分野で歯科用ガラスとして、および光学ガラスとして使用するためにも適しているべきである。この場合、効率的に製造することができ、かつそれにもかかわらず高価値でかつ生体適合性であり、かつ受動的および能動的な歯の保護に適していて、かつ加工性、取り囲むプラスチックマトリックスの凝結挙動ならびに長期間安定性および強度に関して抜群の特性を示すべきである。近代的な歯の治療および歯科技術における要求を満たすために、本発明によるガラスは、さらに少なくとも良好な耐水性を示さなければならない。
【0031】
本発明によるガラスは、その基本マトリックス中に、さらに、不可避不純物または工業的製造において避けることが困難な混入物および/または残留成分を除いて、Fe



、CoO、NiO、CuOなどのような着色成分不含であるべきであり、それにより、歯の色調に合わせることができる最適な出発色度座標を可能にし、かつ/または光学用途の際には電磁放射線の透過スペクトルに合わせることを可能にする。さらに、散乱を引き起こしかつ同様に色の印象を変化させる第2のガラス相および/または着色性粒子は不含であるべきである。1つまたはそれ以上の他のガラス相は、ガラスの耐久性を低下させかねない。
【課題を解決するための手段】
【0032】
この課題は、独立請求項に記載のガラスにより解決される。好ましい実施形態および用途は、従属請求項から明らかである。
【0033】
ことに、酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

35〜75




2〜16
Al



0.8〜7.5


O 0〜14
BaO 0〜24
Cs

O 1〜30
SnO

0〜15
F 0〜8
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧10
であり、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.480〜1.561の屈折率n

を示すX線不透過性ガラスが提供される。
【0034】
Cs

Oは、X線不透過材として本発明によるガラス中に常に含まれている。有利な実施形態において、これは、ガラスの良好なX線不透過性のために、少なくとも1つの他のX線不透過材と組み合わせて使用される。特に有利な態様において、Cs

Oの他にさらに少なくともBaOまたはSnO

がX線不透過材として含まれていて、任意にまたLa



も含まれている。さらに有利なSnO

含有X線不透過性ガラスは、SnO

を、Cs

OおよびBaOの他に有し、任意にまたLa



も有する。他の有利な実施形態は、X線不透過性成分としてCs

OおよびLa



の組合せを含み、ここで、この実施形態の有利な態様は、BaO不含であってよい。
【0035】
上述のX線不透過性ガラスの多くの有利な態様は、フッ素を含んでよい(フッ素含有の態様)。成分のフッ素は、屈折率を、使用されたX線不透過材に依存してより良好に調節するために含まれていてよい。フッ素が含まれている場合、その含有率は、有利に0.3質量%以上、好ましくは0.5質量%以上である。有利な上限は、6質量%、有利に5.5質量%、好ましくは2.5質量%であってよい。他の有利な態様は、フッ素含有率において、0質量%以上0.3質量%未満の範囲で明らかに低減されていて、つまりこのような態様は、フッ素貧有(フッ素貧有の態様)かそれどころかフッ素不含(フッ素不含の態様)であってよい。
【0036】
本発明の有利なフッ素含有の実施形態は、酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

35〜75




4〜15、ことに5〜15
Al



0.8〜7.5


O 0〜10
BaO 0.6〜24
Cs

O 1〜30
SnO

0〜15、ことに1〜15
F ≧0.3、ことに≧0.5
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧ 10
であり、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.480〜1.561の屈折率n

を示すX線不透過性ガラスである。
【0037】
本発明の範囲内で、フッ素含有の態様の場合、有利な下位態様、つまりSnO

含有の有利な下位態様およびSnO

不含の有利な下位態様が可能である。有利なSnO

含有の下位態様は、SnO

を、好ましくは0超〜15質量%、有利に0.3〜15質量%または0.5〜15質量%、また有利に1〜15質量%の含有率で含む。
【0038】
SnO

の同様に有利な含有率は、4質量%超〜15質量%である。あるいは、フッ素含有X線不透過性ガラスは、有利にSnO

不含であってもよい(SnO

不含の下位態様)。
【0039】
本発明の有利なフッ素が低減された実施形態(フッ素貧有またはフッ素不含の態様)は、酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

35〜75




4〜15、ことに5〜15
Al



0.8〜7.5


O 0〜10
BaO 0〜24、ことに0.6〜24
Cs

O 1〜30
SnO

0〜15
F 0以上0.3未満
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧ 10
であり、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.480〜1.561の屈折率n

を示すX線不透過性ガラスである。
【0040】
本発明の範囲内で、フッ素が低減された態様の場合でも、有利な下位態様が区別されてもよく、つまりSnO

含有の有利な下位態様と、SnO

不含の有利な下位態様とが区別されてもよい。有利なSnO

含有の下位態様は、SnO

を、好ましくは0超〜15質量%、有利に0.3〜15質量%または0.5〜15質量%、また有利に1〜15質量%の含有率で含む。SnO

の同様に有利な含有率は、4質量%超〜15質量%である。あるいは、フッ素貧有のおよび/またはフッ素不含のX線不透過性ガラスは、有利にSnO

不含であってもよい(SnO

不含の下位態様)。
【0041】
本発明によるガラスは、1.480〜1.561の屈折率n

(屈折値ともいう)を示す。それにより、本発明によるガラスは、この屈折率範囲において、提供される歯科用プラスチックおよび/またはアクリラートベースの樹脂に極めて良好に適合されており、それにより、本発明によるガラスは、歯科用プラスチックコンパウンド、ことに歯科用ガラス−プラスチックコンポジットに関して課せられる、自然な外観に関する審美的要求を特別に満たす。
【0042】
本発明によるガラスは、要求されるX線吸収性に関する鉛含有歯科用ガラスの特性を、鉛または他の健康に懸念のある物質を使用せずに達成する。本発明によるガラスは鉛不含である。この場合、「不含」という概念は、例えば空気汚染および/または使用した原料の不純物に基づくことがあり、あったとしても不可避な汚染を除いて、この物質を含んでいないことを意味する。望ましくない物質によるガラスの汚染の場合でさえも、ことに歯科用ガラスの場合には、一般にFe



について、300ppm、好ましくは最大で100ppm、PbOについて、30ppm、As



について、20ppm、Sb



について、20ppm、および他の不純物について100ppmを越えるべきではない。SrOは、原料中でBaOと常に密接に共存している。BaO原料の純度に応じて、本発明によるガラス中で、SrOは0.7質量%まで含まれていてよい。この限界値は、「不可避不純物を除いて…不含」の表現により含まれている。特に好ましくは、もちろん、本発明によるガラスには、上述の望ましくない物質は全く含まれない。好ましくは、本発明によるガラスには、成分としてSrOは積極的には添加されない。
【0043】
X線吸収性およびそれによるX線不透過性は、好ましくは、X線不透過材の組合せにより達成される。
【0044】
本発明の有利な態様において、X線不透過性は、Cs

O、BaOおよび/またはSnO

の組合せにより、つまり、これらの成分の少なくとも2つの存在により、有利にこれらの3つの成分の存在により達成される。X線不透過性を、大抵は高吸収性成分の含有率をできる限り高くすることにより達成することを試みるか、またはLa



との組合せにより達成することを試みる以前の歯科用ガラスとは対照的に、本発明のこの態様の場合には、X線不透過性は、X線不透過性に有効な成分BaO、SnO

および/またはCs

Oの少なくとも2つの適切な組合せにより達成される。このようにして、ガラスの光学特性についてならびに極めて良好な耐水性および/または化学的耐久性に関する特に厳格な要求を達成することができる。好ましくは、BaO、SnO

およびCs

Oの含有率については、合計で少なくとも8質量%、さらに好ましくは少なくとも10質量%、特に好ましくは少なくとも12質量%である。これらの成分が少なすぎる場合には、X線吸収性が低すぎてしまう。ガラス中のこれらのX線不透過材の合計が高ければそれだけ、X線不透過性もより高くなる。BaO、SnO

およびCs

Oの合計について好ましい上限は、51質量%、有利に49質量%、好ましくは47質量%、同様に好ましくは45質量%、さらに好ましくは43質量%であってよい。
【0045】
ことに、フッ素含有の有利な態様の場合には、このX線不透過性ガラスは、さらに定義された量のフッ素を含み、このフッ素は、X線不透過材のそれぞれの量に依存してガラスの屈折率を意図的に調節するために用いられる。それによって、ガラスにおいてX線不透過材を比較的多量に使用することで確かにX線不透過性を高めることができるが、それと同時に得られるガラスの屈折率も高まってしまうという効果が打ち消される。フッ素の添加により、屈折率の上昇を、限界値内に保持することができるかそれどころか抑制することができる。
【0046】
X線不透過材として作用する成分BaO、Cs

Oおよび/またはSnO

を、任意にFと組み合わせることは、意外にも、1.480〜1.561の比較的広い屈折率範囲で高いX線不透過性を示すガラスを製造するのに特に適していることが判明した。このため、本発明の範囲内で、BaO、Cs

O、SnO

およびFの合計は、酸化物ベースの質量%で、少なくとも8質量%または少なくとも9質量%、好ましくは少なくとも10質量%であることを意図するものである。好ましくは、この合計は、少なくとも11質量%または少なくとも12質量%、多くの有利な態様の場合には好ましくは13質量%または少なくとも14質量%、他の有利な態様の場合には、少なくとも15質量%または少なくとも16質量%または少なくとも17質量%であってよい。BaO、Cs

O、SnO

およびFの合計についての好ましい上限は、56質量%、有利に54質量%、好ましくは52質量%、さらに好ましくは50質量%、さらに好ましくは48質量%であってよい。多くの有利な態様の場合には、42質量%または36質量%または35質量%が、この合計についての適切な上限であってよい。より低い屈折値を示すガラスは、より高い屈折値を示すガラスよりも、低いX線不透過性を達成し得る傾向があり、かつ相応してより低い値のアルミニウム相当厚を達成し得る傾向があることは一般に公知である。これは、低屈折性のガラスについて、X線不透過材を比較的僅かな量しか使用できないことが要因である。X線不透過材の割合が高められる場合には、屈折率はより高い値にシフトされることになる。BaO、Cs

Oおよび/またはSnO

と、ことにFとの有利な組合せにより、本発明による全屈折率範囲にわたり、ガラスのX線不透過性、および相応するアルミニウム相当厚をより高い値にシフトすることが可能である。このことは、同じ屈折値で、今まで可能であったものよりもはるかに高い値のX線可視性を達成できることを意味する。さらに、X線不透過性ガラスにおいて、屈折値を意図的に調節することが可能である。
【0047】
フッ素と、3つのX線不透過材の有利な組合せとを有するX線不透過性ガラスの特に有利な実施形態は、次のもの:
SiO

38〜70




6〜15
Al



1〜7


O 0〜7
BaO 0.8〜20
Cs

O 1〜28
SnO

1〜15、好ましくは4超15以下
F 0.75〜2.5
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧10である。
【0048】
全体として、本発明により、記載された系内で成分の割合を変えることにより、ガラスの屈折率を相応してそれぞれの要求に意図的に調節することが可能となり、その際、ガラスが所与の屈折率で改善されたX線不透過性を示すガラス系を提供することが達成される。それにより、高いX線不透過性を示す多様な屈折性のガラスの製造が容易となる。
【0049】
次に、全ての本発明によるガラスおよび有利な態様についてのガラス成分を記載する:
基本的に、本発明によるガラスは、ガラス形成成分として35〜75質量%の割合でSiO

を含む。この上限は、本発明の場合には75質量%である。SiO

について含有率がより高いと、好ましくない高い溶融温度を生じさせかねず、さらに要求されたX線不透過性を達成できなくなりかねない。SiO

上限として、有利な実施形態の場合には、73質量%、好ましくは70質量%、特に好ましくは68.5質量%または65質量%を選択してよい。多くの有利な態様は、64質量%、好ましくは61質量%または59質量%または56質量%または53質量%のSiO

上限を有する。本発明の場合に、下限は35質量%である。含有率がこれより低いと、化学的耐久性および失透傾向に関して不利に作用することがある。SiO

下限は、好ましいガラス組成の場合に36質量%、有利に37質量%、好ましくは38質量%、さらに好ましくは39質量%であってよい。多くの態様は、SiO

を、好ましくは少なくとも40質量%、好ましくは少なくとも42質量%または少なくとも45質量%または少なくとも47質量%または少なくとも50質量%有してよい。本発明によるガラスの好ましい実施形態は、SiO

の38〜70質量%、特に好ましくは39〜70質量%の含有率を意図するものとする。
【0050】




は、本発明によるガラス中で、2〜16質量%、有利に4〜15質量%、好ましくは5〜15質量%の含有率を意図するものとする。好ましくは、これは、6〜15質量%または7〜15質量%の範囲で含まれていてよい。多くの有利な態様は、この成分について3〜14質量%の範囲を有する。B



は、ガラス形成および溶融挙動に関して好ましい影響を及ぼす。さらに、これは融剤として利用される。溶融温度を低下する作用の他に、B



の使用は、同時に本発明によるガラスの結晶化安定性の改善を引き起こす。したがって、本発明の場合に、下限は2質量%である。多くのガラスの場合に、酸化ホウ素についての好ましい下限として、3質量%または4質量%、好ましくは5質量%、有利に6質量%も、好ましくは7質量%も選択してよい。酸化ホウ素についての上限は、本発明の場合に16質量%、好ましくは15質量%である。割合がこれよりも高いと、この系中では、化学的耐久性が脅かされるために推奨されない。好ましくは最大14.5質量%、有利に最大14質量%の酸化ホウ素が含まれていてもよい。B



含有率が高すぎるとガラス中で凝離が生じることがあり、この凝離はそれ自体望ましくない屈折値の不均一性を生じ、かつ他方でまた化学的耐久性に不利な影響を及ぼす。
【0051】
本発明によるガラスにおいて、Al



は必然的に0.8〜7.5質量%の範囲で含まれる。好ましくは、これは、0.8〜6質量%または1〜7質量%の範囲で含まれていてよい。Al



によって、ガラスの化学的耐久性が改善される。したがって、これは、本発明の場合に、ガラス中に少なくとも0.8質量%含まれる。好ましくは、酸化アルミニウムを、少なくとも1質量%、好ましくは少なくとも1.2質量%使用してもよい。しかしながら、ガラスの粘度をとりわけ熱間加工範囲内で、このガラスを溶融することが困難になるほど高めないように、約7.5質量%のAl



含有率を越えることは好ましくない。さらに、酸化アルミニウムの量が多すぎると、失透傾向および酸に対するガラスの耐性が悪化する。好ましくは、Al



の上限は7質量%、特に好ましくはそれどころか6.5質量%または6質量%である。
【0052】
Li

O、Na

O、K

Oの群からなるアルカリ酸化物は、ガラスを大体において溶融できるようにするために必要であり得る。K

Oは、溶融温度の調節のために利用され、かつ同時にガラスの網目構造を強化する。したがって、これは、本発明の場合には、ガラス組成中で0〜14質量%、有利に0〜12質量%、好ましくは0〜10質量%の割合で存在する。多くの有利な態様についてのK

Oについて、0〜7質量%、特に0〜5質量%の範囲が好ましいことがある。K

Oについて14質量%の本発明による上限を越えることは好ましくない。なぜならばアルカリ酸化物の含有率は、化学的耐久性を低下させるためである。好ましくは上限として、12質量%または11質量%、好ましくは10質量%、有利に7質量%、有利に6質量%も選択してよい。特に有利な態様は、K

Oを最大5質量%、特に好ましくは最大4質量%有する。好ましいK

Oの下限は、多くの態様にとって、0.5質量%、1質量%、1.5質量%または2質量%であってよい。K

O不含の実施形態は、本発明の範囲内で可能である。
【0053】
ナトリウムイオンおよびリチウムイオンは、そのサイズが小さいことからガラスマトリックスからより容易に溶け出すことがあり、それにより、化学的耐久性、ことに耐水性を低下させる。本発明の有利な実施形態の場合に、X線不透過性ガラスは、不可避不純物を除いてNa

Oおよび/またはLi

O不含である。
【0054】
不純物は、ガラス製造のために使用される原料の汚染によりおよび/または使用される溶融装置の汚染および/または腐食によりガラス中に導入されることがある。このような不純物は、一般に0.2質量%、ことに0.1質量%の割合を越えない。これは、もちろんそれぞれの成分が完全に不含であることも含む。つまり、「成分不含」とは、ガラスがこれらの成分を実質的に含まないことを意味する、つまりこれらの成分は、不可避不純物としてガラス中に存在するが、ガラス組成には個々の成分として添加されないことを意味する。
【0055】
酸化バリウムの含有率は、0〜24質量%、好ましくは0.6〜24質量%である。0.8〜20質量%の範囲が好ましく、多くの態様の場合に1〜18.5質量%の範囲が特に好ましい。BaOの量が高すぎると、化学的耐久性の悪化を引き起こす。したがって、24質量%の上限を越えることは好ましくない。上限として、多くの態様の場合に、好ましくは22質量%または21質量%、特に好ましくは20質量%、好ましくは18.5質量%または18質量%も選択してよい。他の有利な上限は、17質量%、15質量%、14質量%、12質量%または10質量%であってよい。有利な態様の場合に、他の物質と一緒になってX線吸収性を達成するために、少なくとも0.6質量%のBaOがガラス中に含まれていることが好ましい。好ましくは、BaOは、少なくとも0.8質量%で、好ましくは少なくとも1質量%で、特に好ましくは少なくとも1.1質量%でガラス中に含まれていてよい。いくつかの有利な態様は、2質量%、4質量%または6質量%のBaOの下限を有してよい。しかしながら、本発明の範囲内で、BaO不含のX線不透過性ガラスも可能であり、これは次に記載される。
【0056】
X線不透過性ガラスの有利な実施形態は、BaO不含であってもよい。このようなガラスの場合、X線不透過性はCs

Oだけに基づいていてよい。X線のより高い吸収を達成するために、付加的なX線不透過材として、ガラス中に含まれるCs

Oの他に、La



および/またはSnO

を有利に使用してよい。不可避不純物を除いてPbOおよびBaO不含である、1.480〜1.561の屈折率n

を示すX線不透過性ガラスの、本発明により含まれる有利な態様は、酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

35〜75、ことに38〜70




2〜16、ことに5〜15、好ましくは6〜15
Al



0.8〜7.5、ことに0.8〜6


O 0〜14、ことに0〜10、好ましくは0〜7
Cs

O 1〜30、ことに6〜28、好ましくは7〜24
SnO

0〜15、ことに0〜6、好ましくは0〜3
F 0〜8、ことに0〜6、好ましくは0〜3
La



0〜19、ことに0〜16
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧10
である。
【0057】
BaO不含の態様の場合、X線不透過材として、成分Cs

OまたはCs

OとLa



および/またはSnO

の組合せが、所望の屈折率範囲で所望のX線不透過性を得るために十分であり得る。医学分野、ことに歯科分野におけるガラスにとってはまさに、BaO不含の態様は、公知のBaO含有および/またはSrO含有のX線不透過性ガラスに代わる有利な代替品である。BaO不含の態様は、有利には低いフッ素含有率、ことに2質量%未満、好ましくは1質量%未満、有利に0.5質量%未満または0.3質量%未満の低いフッ素含有率も有する。有利なBaO不含の実施形態は、フッ素不含であってもよい。
【0058】
Cs

Oは、本発明の場合に、同様に、X線可視性の調節のために利用されるが、同時に溶融性の改善にも寄与する。本発明の場合に、1〜30質量%、好ましくは1〜28質量%、特に好ましくは1.5〜26質量%、全く特に好ましくは2〜25質量%のCs

Oがガラス組成中に含まれている。アルカリ金属Csは、ガラスマトリックス中で、アルカリ金属Li、Na、KおよびRbと比べてより不動である。したがって、これは余り著しくは溶け出さず、したがって上述のアルカリ金属よりも化学的耐久性を余り悪化させない。少なすぎる量のCs

Oは、X線可視性の悪化を引き起こし、かつ溶融温度の上昇を引き起こすため、本発明による下限は1質量%である。好ましいガラス組成の場合に、この下限は、1.5質量%、特に好ましくは2質量%、好ましくは2.5質量%、特に好ましくは3質量%であってもよい。多くの有利な態様は、Cs

Oを少なくとも5質量%または少なくとも6質量%または少なくとも7質量%含んでいてもよい。他の有利な態様の場合に、Cs

Oについての下限は9質量%または10質量%であってよい。本発明の場合に、30質量%以下のCs

Oが含まれることが好ましい。なぜならば、そうでないと化学的耐久性が悪化するためである。好ましいガラス組成は、最大28質量%のCs

O、有利に最大26質量%のCs

O、好ましくは最大25質量%または最大24質量%のCs

Oを含む。多くの有利な態様は、Cs

Oを最大22質量%、好ましくは最大20質量%または最大19質量%含んでいてもよい。
【0059】
SnO

は、好ましくは、同様にX線可視性を調節するために用いられてよい。これは高いX線不透過性に寄与し、この場合、屈折値は、他のX線不透過材の場合よりも余り著しくは上昇しない。この成分は、0〜15質量%の割合でガラス組成に含まれている。本発明によるガラスの多くの態様は、SnO

不含である。
【0060】
SnO

含有の態様の場合に、これは有利に0.5〜15質量%、好ましくは1〜15質量%、好ましくは3〜15質量%、好ましくは4〜15質量%、より好ましくは4質量%超〜15質量%、特に好ましくは4〜12質量%、全く好ましくは4〜10質量%の割合でガラス組成に含まれている。SnO

の量が少なすぎると、X線可視性の悪化を引き起こすことがあるため、この成分は、SnO

含有の有利な態様の場合に、少なくとも0.1質量%または0.3質量%、好ましくは少なくとも0.5質量%または少なくとも1質量%で含まれているのが好ましい。さらに、SnO

は、Cs

O含有ガラスの化学的耐久性を改善しかつ保証する。SnO

の下限として、有利に3質量%、好ましくは4質量%、特に好ましくは4質量%超も意図し得るものとする。SnO

の量が多すぎると、著しい失透または結晶化傾向を引き起こす。したがって、15質量%の上限を越えないことが好ましい。上限として、好ましくは13質量%、有利に12質量%、好ましくは10質量%、特に好ましくは9質量%のSnO

も選択してよい。SnO

貧有の態様は、6質量%または3質量%の上限を有していてよい。
【0061】
本発明の有利なフッ素含有の態様の範囲内で、X線不透過性ガラスは、フッ素を少なくとも0.3質量%、有利に少なくとも0.5質量%の割合で含む。有利に、フッ素に関して、最大8質量%、好ましくは最大5.5質量%、好ましくは最大5質量%、またはいくつかの態様については、最大2.5質量%が含まれている。多くの態様は、6質量%または3質量%のFについての上限を有する。Fについての有利な範囲は、有利な実施形態の場合に、0.75〜2.5質量%、特に有利に0.75〜2.25質量%、好ましくは1〜2質量%であってもよい。この場合、この組成中でフッ素は、質量に対して原子で記載される。これは、X線不透過材の上述の組合せとの相互作用で、屈折率の調節のために用いられ、かつ溶融温度を低下させることによりガラス混合物の溶融挙動を改善する。したがって、これは、有利に少なくとも0.3質量%、好ましくは0.5質量%で組成中に含まれていてよい。有利な下限として、0.75質量%、好ましくは1質量%も選択してよい。8質量%、好ましくは6質量%、有利に5.5質量%、有利に5質量%の上限を越えることは好ましくない。なぜならば、そうでないとこの成分は、溶融過程の間に気化し、ガラス中に不均一な屈折値分布が生じかねないためである。有利に、フッ素は、多くの態様の場合に、最大2.5質量%、有利に最大2.25質量%、好ましくは最大2質量%の割合で含まれていてもよい。
【0062】
本発明のフッ素貧有の態様は、0.3質量%未満のFを含む。フッ素不含の態様は、F不含である。
【0063】
ここで、一方の成分の述べられた上限および/または下限の各々は、他方の成分の各々の述べられた上限および/または下限と任意に組み合わせることができることは、当業者には明白でありかつ本明細書により含まれていることを注記する。
【0064】
SnO

とFとを有する相応する態様のガラスの有利な実施形態の場合に、SnO

のFに対するモル比率は少なくとも0.4、好ましくは少なくとも0.45、好ましくは少なくとも0.49、特に好ましくは少なくとも0.5であることを意図するものとする。SnO

のFに対するモル比率は、有利な実施形態の場合に、最大で0.85、有利に最大で0.79、好ましくは最大で0.77、さらに好ましくは最大で0.75、同様に好ましくは最大で0.72、特に好ましくは最大で0.7である。この措置により、同時に相対的に高いX線吸収で、ガラスの屈折値を正確に調節することができる。さらに、この正確な比率によって、ガラスの溶融性が保証されるという利点も生じる。値が高すぎると、不均一な溶融物を生じる。
【0065】
X線不透過性ガラス中で、屈折値およびX線不透過性、つまり高いアルミニウム相当厚の調節をさらに改善するために、Cs

Oの、上述の不透過材のCs

O、BaOおよびSnO

の合計に対するモル比率が、少なくとも0.05、好ましくは少なくとも0.07、特に好ましくは少なくとも0.1である場合が有利である。0.48、好ましくは0.45、特に好ましくは0.41の上限を越えないことが有利である。比率が低すぎると、X線吸収性が低すぎてしまう。比率が高すぎると、化学的耐久性が低下する。
【0066】
X線不透過性ガラスは、任意にZrO

を0〜2質量%、有利に0〜1質量%の割合で含んでよい。このジルコニウム含有率により、機械的特性、ここでは特に引張強度および圧縮強度が改善され、かつガラスの脆性は低減する。ただし、含有率が高すぎると、ガラスが、ことに歯科用プラスチックの環境中で反応性になることが生じかねない。それに対して、このガラスは、歯科用プラスチック、ことにコンポジットに対して少なくとも十分に不活性であるべきであり、かつ例えばその重合挙動を妨害すべきでない。有利な態様の場合に、ガラスはジルコニウム不含である(ZrO

不含)。
【0067】
X線不透過性ガラスの有利な実施形態は、CaOおよびMgOの群からなるアルカリ土類の制限された割合を含んでよい。CaOの割合は0〜2質量%であってよい。MgOは、同様に任意であり、0〜2質量%で含まれていてよい。全く特に好ましい実施形態は、本発明のガラスが、不可避不純物を除いてMgO不含であることを意図するものである。MgOは、ガラス中で、低い屈折値および同時に高いX線不透過性を示すべきである歯科適用にとって不利となりかねない。MgOは、他のアルカリ土類酸化物CaO、SrOおよびBaOと同じ程度でX線不透過性を高めない。なぜならばMgOのX線吸収端は、他のアルカリ土類酸化物の吸収端を遙かに下回り、医学分野で使用するタングステンX線管の範囲内で余り影響を及ぼさないためである。MgOは屈折値を高めるだけであり、それにより低い屈折値と高いX線不透過性との間のバランスを困難にしかねない。
【0068】
本発明によるガラスは、任意に、不可避不純物を除いてCeO

およびTiO

不含であることを意図するものである。CeO

およびTiO

は、UV領域内でのその吸収に基づき、ガラスのUV端をシフトさせるため、望ましくない黄色がかった着色が得られることがある。好ましい実施形態の場合に、本発明によるガラスはTiO

不含である。
【0069】
ガラスの特に好ましい実施形態は、TiO

およびZrO

不含である。
【0070】
ZnOおよび/またはWO

および/またはNb



および/またはHfO

および/またはTa



および/またはGd



および/またはSc



および/またはY



および/またはYb



は、好ましくはかつ任意に、単独でまたは任意な組合せで、それぞれ0〜2質量%、付加的に含まれていてよい。
【0071】
本発明の範囲内で、このガラスにおいて所望のX線不透過性を調節するために、有利に、La



は、0〜19質量%、好ましくは0〜16質量%または0〜15質量%の割合で使用されてよい。La



が含まれている場合、ガラスは、一般に、有利に少なくとも0.1質量%、好ましくは少なくとも0.2質量%、好ましくは少なくとも0.5質量%または少なくとも1質量%有する。好ましくは、La



含有ガラスは、この成分を2質量%より多く含む。多くの有利な態様の場合、適切な下限は、4質量%であってもよい。La



についての有利な上限は、19質量%または18質量%、好ましくは17質量%または16質量%または15質量%であってよい。多くの有利な態様の場合、La



についての適切な上限は、13質量%または11質量%または10質量%または9質量%または8質量%または7.5質量%または6質量%または5質量%であってよい。
【0072】
La



含有実施態様に代えて、本発明は、La



の明らかに低減された含有率を有する有利な態様を含む。この態様は、La



を最大2質量%、有利に最大1.5質量%または最大1質量%含む(ランタン貧有の態様)。この態様にLa



が含まれている場合には、有利な下限は、0.1質量%であってよい。La



含有率の制限により、有利に、ガラスの屈折率が著しく上昇しすぎることを引き起こすことはない。ガラスの好ましい実施形態は、La



不含である(La



不含の態様)。これは、コストの利点を提供し、かつ高いX線不透過性を示す低屈折性のガラスの製造を可能にする。
【0073】
X線不透過性ガラスが工業的または光学的適用のために少なくとも1種の清澄剤、例えば塩化物または硫酸塩の群から選択される清澄剤を、0〜2質量%、有利に0〜1質量%の割合で含む場合も可能である。SnO

を清澄剤として使用してもよく、この使用は、As



およびSb



のような同様に可能な清澄剤ならびに上述の塩化物および硫酸塩と比べて、溶融装置内に他の清澄剤により汚染物が導入されないという利点を有する。このことは、工業ガラスに引き続きさらに歯科用ガラスを生産する場合に有利である。
【0074】
20℃〜300℃の温度区間で測定された、本発明によるガラスの線熱膨張係数α
(20−300)
は、好ましくは7・10
−6

−1
未満である。この低い熱膨張係数により、本発明によるガラスは、ことにプラスチック中の充填材としての適用の際に、プラスチックの当然著しい熱膨張を補償することができるので、歯科用プラスチックコンパウンドは、結果として生じる、天然歯の材料により良好に適合されている熱膨張を示す。
【0075】
既に記載されたように、本発明によるガラスは、化学的な攻撃に抵抗性であり、つまり本発明によるガラスは化学的に耐久性である。好ましくは、本発明によるガラスは、クラス2またはそれより良好なDIN ISO 719による耐水性HGBを有する。
【0076】
本発明によるガラスは、良好な化学的耐久性により優れていて、このことは、樹脂マトリックスとの相互作用において大きな反応不活性を生じさせ、それにより全体の歯科用材料の極めて良好な長寿命を生じさせる。
【0077】
本発明の別の好ましい実施形態の場合に、本発明によるガラスは、有利には特許請求の範囲および/または本明細書に記載されていない他の成分不含である。このことは、この種の実施形態の場合に、ガラスは、実質的に、記載された成分からなることを意味する。「実質的に…からなる」の表現は、この場合、他の成分は、あったとしても不純物として存在するが、ガラス組成に単独の成分として意図的には添加されないことを意味する。
【0078】
ただし、本発明は、記載された本発明によるガラスに5質量%まで別の成分が添加されていてよい別のガラスをベースとする本発明によるガラスを使用することも意図するものとする。このような場合に、このガラスは、本発明の場合に、少なくとも95質量%までが記載されたガラスからなる。
【0079】
もちろん、光学用途または他の工業用途のためのガラスの色彩外観は、このために慣用の酸化物の添加により合わせることも可能である。ガラスの着色のために適した酸化物は、当業者に公知であり、例えばCuOおよびCoOが挙げられ、これらをこの目的で、好ましくは0〜0.5質量%添加することができる。さらに、ガラスに、例えば0〜3質量%のAg

Oの添加により、抗菌機能を付与してよい。
【0080】
本発明は、さらに、本発明によるガラスからなるガラス粉末、またはガラス粉末としての本発明によるX線不透過性ガラスの使用を含む。ガラス粉末は、例えば独国特許発明第4100604号明細書(DE 41 00 604 C1)に記載されたような公知の方法により製造される。本発明によるガラス粉末、または粉末粒子は、好ましくは、50μmまで、特に好ましくは20μmまでの平均粒径を示す。0.1μmの平均粒径は、下限として達成することができ、この場合、もちろん、より小さな粒径も本発明に含まれる。上述のガラス粉末は、充填材および/または歯科用ガラスとしての本発明によるガラスの使用のための出発材料として一般に用いることができる。歯科用プラスチックを含む歯科用ガラス−歯科用プラスチックコンパウンド中の、本発明によるX線不透過性ガラスの使用が好ましい。このような歯科用コンパウンドは、例えば、歯科充填材料、インレー、アンレー用の材料、歯科用セメント、クラウン用の前装材料およびブリッジ、人工歯用の材料、補綴的、保存的および/または予防的な歯科治療用のその他の材料として、使用される。
【0081】
好ましい実施形態の場合に、ガラス粉末の表面、つまりガラス粉末粒子の表面は、慣用の方法でシラン化されている。このシラン化により、歯科用プラスチックコンパウンドのプラスチックマトリックスへの無機充填材の結合の改善を達成することができる。
【0082】
冒頭で課された課題は、さらに、医学分野、ことに歯科医学分野で歯科用ガラスとして使用するための、および/または診断目的のための、本発明によるX線不透過性ガラスにより解決される。診断目的は、医学的な適用、例えば造影剤中での使用を含む。
【0083】
さらに、冒頭で課された課題は、ヒトおよび/もしくは動物の歯における窩洞を治療するための、ならびに/または歯の修復のための歯科用ガラスとして使用するための、本発明によるX線不透過性ガラスにより解決される。この治療は、一般に、歯における窩洞、空間、間隙などの完全なまたは部分的な充填を含む。
【0084】
本発明によるガラスは、記載されているように、好ましくは歯科用ガラスとして使用することができる。この場合、歯科用ガラスは粉末粒子の形で存在する場合が好ましい。さらに、このガラスが、歯科用プラスチックを含む歯科用プラスチックコンパウンドの成分である場合が好ましく、ことにこのガラスは粉末状の充填材である。有利には、粉末粒子の表面はシラン化されている。好ましい実施形態の場合に、この歯科用コンパウンドには、ガラス粉末の他に、別の成分、例えばバリウム−および/またはストロンチウム−および/またはリチウム−アルミン酸塩−ガラスセラミック粉末、X線不透過性をさらに向上するための添加物(例えば、三フッ化イッテルビウム、および/またはフッ化イットリウム)、粘度を調節するための充填材(ことに熱分解シリカおよび/または湿式沈降シリカ)が添加されていてよい。
【0085】
好ましくは、歯科用ガラスは、歯の窩洞の治療、ことに充填のため、および/または歯の修復のための、特に好ましくは十分に化学的に不活性な充填材を必要とするアクリラートベースのプラスチックのための、コンポジット(充填コンポジットともいう)中の充填材として使用される。同様に、歯科用材料、ことに歯科用プラスチックコンパウンド中でのX線不透過材としての本発明によるガラスの使用も、本発明の範囲内である。本発明によるガラスは、高価な結晶質のX線不透過材、例えばYbF

を置き換えるために適している。同様に、本発明によるガラスは、歯科用セメント、例えばグラスアイオノマーセメント中での充填材として使用することに適し、かつ歯科用セメント、例えばグラスアイオノマーセメント中での充填材として使用することを意図するものである。同様に、本発明によるガラスは、グラスアイオノマーセメント中で不活性添加材として使用することも可能である。レジン強化型グラスアイオノマーセメント中での不活性添加材としての使用が特に好ましい。レジン強化型グラスアイオノマーセメントは、ここ数年来入手可能な種類の材料であり、この種類の材料自体が、セメントの、極めて長期に継続し得る硬化反応を示すが、初めに硬化可能であるように上記のコンポジットのような樹脂マトリックスも含む。
【0086】
相応して、本発明によるX線不透過性ガラスは、好ましくは、歯科用プラスチックを含む歯科用ガラス−プラスチックコンポジットの製造のために使用される。好ましくは、この歯科用プラスチックは、アクリラート、メタクリラート、2,2−ビス−[4−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン(Bis−GMA)、トリエチレングリコール−ジメタクリラート(TEGDMAまたはTEGMA、どちらもここではその意味である)、ウレタン−ジメタクリラート(UDMA)、アルカンジオールジメタクリラート、またはシアノアクリラートをベースとするUV硬化性樹脂である。
【0087】
本発明には、同様に、本発明によるガラスを含む光学素子としての本発明によるガラスの使用を含む。光学素子とは、光学用途のために使用することができる全ての物品、およびことに部品であると解釈される。これは、光が通り抜ける部品であってよい。このような部品の例は、カバーガラスおよび/またはレンズ素子であるが、例えばミラーおよびガラスファイバーのような他の部品の支持体でもある。
【0088】
カバーガラスは、好ましくは電子部品の保護のために使用される。これは、もちろん、同様にオプトエレクトロニクス部品を含む。カバーガラスは、通常では、平行平面表面を備えたガラスプレートの形で存在し、かつ好ましくは電子部品の上方に取り付けられるので、電子部材は環境の影響から保護されるが、例えば光、X線のような電磁放射線は、このカバーガラスを通り抜け、かつ電子部品と相互作用を起こすことがある。しかしながら、X線は、多くのオプトエレクトロニクス部品にとっても有害であることがある。したがって、本発明によるX線不透過性ガラスから製造されたカバーガラスは、このような場合に、例えば医療機器中で、X線保護ガラスとして使用することができる。
【0089】
他の適用は、陰極線管(CRT)でのディスプレイ技術におけるカバーガラスおよび/または基板ガラスとしての本発明によるX線不透過性ガラスの使用であってよい。
【0090】
その光学特性に基づいて、本発明によるガラスは、同様に光学用途のためにも使用することができる。これは十分に化学的に不活性であるので、光起電力装置における基板ガラスおよび/またはカバーガラスとして適用するため、例えばケイ素をベースとする太陽電池、有機太陽電池をカバーするため、および/または薄膜太陽電池モジュールの支持体材料として適している。本発明によるガラスのX線吸収性は、とりわけ、宇宙船用途における太陽電池モジュールの使用の際に特に利点を示す。なぜならば、これは大気圏外で特に強烈なX線に曝されていることがあるためである。高いX線吸収の特性は、さらに、かなり一般的にX線保護ガラスとしての適用も可能にする。
【0091】
その耐高温性に基づいて、本発明によるガラスは、ランプガラスとしても、ことにハロゲンランプおよび/または蛍光管およびそれに似た構造中での使用のためにも適している。ランプ内での発光のメカニズムによりX線が生じる場合、本発明のガラスの特別な利点は、X線を周囲から遮断することができることである。さらに、本発明によるガラスは、X線管中で使用することができる。
【0092】
さらに、本発明によるガラスを物理的方法により気化させ、かつ気化したガラスを部品に堆積させることも、本発明に含まれる。このような物理的蒸着法は、物理気相堆積法または略してPVD法ともいわれ、当業者に公知であり、例えば独国特許発明第10222964号明細書(DE 102 22 964 B4)に記載されている。本発明によるガラスは、この場合、このようなプロセスにおいて気化させるべきターゲットとして使用される。本発明によるガラスを蒸着させた部品は、ガラスの化学的耐久性からも、ガラスのX線吸収性からも利益を受けることができる。
【0093】
さらに、本発明によるガラスは、その高い耐久性に基づいて、同様に、放射性廃棄物の安全な中間貯蔵および/または最終貯蔵のためのマトリックス材料として、ならびに放射性材料の埋め込みのために適している。
【0094】
医薬品の容器ガラスまたは包装としての適用においても、このガラスは利点を示す。取り囲む媒体に対する高い耐久性に基づいて、内容物質との相互作用はほぼ排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
第1表からの実施例についての屈折率と相対的アルミニウム相当厚との関係を示す。
有利な上限および下限を伴う、第1表からの実施例についての屈折率と相対的アルミニウム相当厚との関係を示す。
有利な上限および下限を伴う、表G1500からの実施例についての屈折率と相対的アルミニウム相当厚との関係を示す。
有利な上限および下限を伴う、表G1515からの実施例についての屈折率と相対的アルミニウム相当厚との関係を示す。
有利な上限および下限を伴う、表G1525からの実施例についての屈折率と相対的アルミニウム相当厚との関係を示す。
有利な上限および下限を伴う、表G1550からの実施例についての屈折率と相対的アルミニウム相当厚との関係を示す。
【 実施例】
【0096】
次に、本発明を、実施例に基づいて説明するが、この実施例は本発明の教示を具体的に説明するものであり、本発明を限定するものではない。
【0097】
第1表:実施例(AB)、単位:質量%
【0098】
第1表は、好ましい組成範囲のX線不透過性ガラスの実施例を含む。組成に関する全ての記述は、質量%で記載されている。このガラスは、Cs

O、BaOおよびSnO

の好ましいX線不透過材の組合せならびに付加的に定義された量のフッ素を含む。上述の組合せとフッ素とは一緒に、好ましいX線不透過材系を形成し、このX線不透過材系により、屈折値は、1.480〜1.561の範囲に、かつ相対的アルミニウム相当厚は、約120%から約1400%を越えるまでの範囲に調節することができる。
【0099】
X線吸収(%でのXRO)に相当する、第1表中に記載された相対的アルミニウム相当厚(%でのALGWD)の全ての値を、DIN ISO 4049に準拠して測定した。この場合に画像で求められた灰色値を、画像処理ソフトウェアを用いて測定し、これからX線吸収を決定した。第1表にはさらに、実施例の屈折率n

および密度が記載されている。
【0100】
実施例中に記載されたガラスは、次のように製造された:
酸化物のための原料を秤量し、引き続き良好に混合する。ガラス混合物を、約1580℃で不連続式溶融装置中で溶融させ、次いで清澄し、かつ均質化する。約1600℃のキャスト温度で、ガラスをリボンとしてまたは他の所望の寸法にキャスティングし、かつ加工することができる。大容量の連続式装置中で、温度を少なくとも約100K低下させることができる。
【0101】
後続加工のために、冷却したガラスリボンを、独国特許発明第4100604号明細書(DE 41 00 604 C1)から公知の方法を用いて、最大で10μmの平均粒径を示すガラス粉末に粉砕した。ガラス特性は、粉末に粉砕されなかったガラス塊を用いて決定した。ガラスは、水に対して良好な化学的耐久性を示す。
【0102】
さらに、第1表には、本発明によるガラスの態様の化学的耐久性が記載されている。2つの実施例について、DIN ISO 719による耐水性クラス(HGB)が例示的に記載されている。しかし、本発明によるガラスは、DIN 12116による耐酸性およびDIN ISO 695による耐アルカリ性の良好な値も達成する。
【0103】
次の表G1500は、屈折率が1.50の領域付近にあるガラスを表す。これらのデータは質量%で表されている:
【0104】
次の表G1515は、屈折率が1.515の領域付近にあるガラスを表す。これらのデータは質量%で表されている:
【0105】
次の表G1525は、屈折率が1.525の領域付近にあるガラスを表す。これらのデータは質量%で表されている:
【0106】
次の表G1550は、屈折率が1.550の領域付近にあるガラスを表す。これらのデータは質量%で表されている:
【0107】
示された表G1500、G1515、G1525およびG1550のガラスは、試験的に溶融され、かつ完全にまたは少なくとも部分的に同様に本発明の主題でもある。これらの相応する例は、相応して同様に実施例でもある。
【0108】
第2表:比較例(VB)、単位:質量%
【0109】
第3表:比較例(VB)、単位:モル%
【0110】
第2表および第3表には、比較のために、比較例の組成、屈折率および%での相対的アルミニウム相当厚(つまり、X線吸収性、%でのXRO)が記載されている。これらのガラスは、公知の歯科用ガラスおよび歯科用材料中で使用するためのX線不透過性ガラスもしくは充填材であり、この場合、X線不透過性は、それぞれ多様なX線不透過材系(単独のX線不透過材または多様なX線不透過材の組合せの使用)に基づいている。
【0111】
図1中には、実施例AB1〜AB12についての屈折率と相対的アルミニウム相当厚との好ましい関係がグラフで示されている:
1.480〜1.561の屈折率の請求の範囲に記載の範囲において、この屈折率に相対的アルミニウム相当厚ALGWD(単位:%)が割り当てられている場合が好ましく、これは、次の式により記述することができる:
相対的ALGWD(%)=(15480〜15900)・n

−(23015〜22695)。
【0112】
本発明の第1の好ましい態様において、1.480〜1.561の屈折率範囲の屈折率n

を示すX線不透過性ガラスが、最小の相対的アルミニウム相当厚(最小の相対的ALGWD)と同じかまたはそれを上回る相対的アルミニウム相当厚ALGWD(%)を示し、ここで、前記最小の相対的ALGWDは、式:
最小の相対的ALGWD(%)=C・n

−D(ここで、C=11000でありかつD=16160である)
により求められる場合が好ましい。
【0113】
さらに、1.480〜1.561の屈折率範囲の屈折率n

を示すX線不透過性ガラスが、最大の相対的アルミニウム相当厚(最大の相対的ALGWD)と同じかまたはそれを下回る相対的アルミニウム相当厚ALGWD(%)を示し、ここで、前記最大の相対的ALGWDは、方程式:
最大の相対的ALGWD(%)=A・n

−B(ここで、A=11430でありかつB=16230である)
により求められる場合が好ましい。
【0114】
したがって、このX線不透過性ガラスにおいて、好ましくは、1.480〜1.561の範囲n

の各々の屈折率に、最大の相対的ALGWDと最小の相対的ALGWDとにより区切られる相対的ALGWDの区間を割り当てることができる。特定の屈折率n

を示す好ましいX線不透過性ガラスは、好ましくは相対的ALGWDの区間内にある相対的ALGWDを示し、この場合、この区間は、上述の方程式によって算出することができる。
【0115】
この第1の好ましい態様において、割り当て(n

;相対的ALGWD)は、ガラスの好ましい態様について1.480〜1.561の範囲n

で、相対的ALGWDの好ましい上限および下限を定義する2つの直線の方程式をたてることにより行われる。図2に、AB1〜AB15についてのこの直線の方程式のグラフを示す。このグラフは、いわゆる「包囲する直線(einhuellende Geraden)」を形成する。上方の包囲する直線(最大)と下方の包囲する直線(最小)との間の領域において、ガラスの好ましい態様にとって、相対的ALGWDの好ましい範囲があり、この好ましい範囲は、1.480〜1.561のn

範囲に割り当てられている。認識できるように、これらの実施例は、「包囲する直線」の間にある。
【0116】
本発明の第2の好ましい態様において、1.480〜1.561の屈折率範囲において、ガラスの屈折率n

と相対的アルミニウム相当厚ALGWD(%)との間の割り当ては、次の区間の記述によって行われる:
【0117】
これは、典型的に次のことを意味する:本発明の範囲内にある組成を示し、かつ1.490以上1.510未満のn

範囲にある屈折率(例えば、n

=1.50)を示すX線不透過性ガラスは、好ましくは、少なくとも260%である相対的ALGWDを示す(最小ALGWDに相当)。最大で、このガラスのALGWDは、好ましくは1000%であってよい(最大ALGWDに相当)。他のn

範囲に含まれるX線不透過性ガラスについて、「最小ALGWD」および「最大ALGWD」について、他のそれぞれ記載された値が当てはまる。「最小ALGWD」は、したがって、特定のn

範囲に関して、相対的ALGWDについての下限を定義し、かつ「最大ALGWD」は上限を定義する。
【0118】
別の好ましい態様において、1.480〜1.561の屈折率範囲において、ガラスの屈折率n

と相対的アルミニウム相当厚ALGWD(%)との間の割り当ては、次の区間の記載によって行われる:
【0119】
これは、典型的に次のことを意味する:本発明の範囲内にある組成を示し、かつ1.480以上1.490未満のn

範囲に含まれる屈折率(例えばn

=1.485)を示すX線不透過性ガラスは、好ましくは、少なくとも120%である相対的ALGWDを示す(最小ALGWDに相当)。最大で、このガラスのALGWDは、好ましくは760%であってよい(最大ALGWDに相当)。他のn

範囲にあるX線不透過性ガラスについて、「最小ALGWD」および「最大ALGWD」について、他のそれぞれ記載された値が当てはまる。「最小ALGWD」は、したがって、特定のn

範囲に関して、相対的ALGWDについての下限を定義し、かつ「最大ALGWD」は上限を定義する。
【0120】
データを集めるために、実施例のガラス組成からガラス塊を作製し、これに属するパラメータを決定した:相対的アルミニウム相当厚(単位:%)は、上記の方法により測定した。屈折率n

は、公知の方法で決定した。1つの実施例当たりの試料数は2であった。各パラメータを複数回測定し、屈折率およびX線吸収について平均値を算出した。線形回帰を用いて、図1に示したように、本発明によるX線不透過性ガラス、例えばSnO

、BaO、Cs

OおよびFの好ましいX線不透過材系を含むガラスについて、屈折値とX線不透過性との関連を表すことができる。
【0121】
比較のために、他のX線不透過材系をベースとする上述の比較例について、屈折値および相対的アルミニウム相当厚が、同様に図1に記入されている。請求の範囲に記載の屈折率範囲における実施例は、比較例よりも(それぞれの屈折率を基準として)明らかに高いX線吸収を示すことを認識することができる。同じ屈折値の場合に、好ましいガラスにおいて、はるかに高いX線吸収値が達成される、例えばn

=1.548で、実施例AB1は、1240%の相対的ALGWDを示すのに対して、比較例VB1は、763%、比較例VB10は276%、比較例VB14は190%を示すだけである。約1.49での低い屈折値範囲においても、実施例AB3は、310%の相対的ALGWDを示すが、それに対して比較例VB19は80%を示すだけである。したがって、本発明の範囲内の好ましいガラスまたはそれを用いて製造された歯科用プラスチックコンパウンドのX線可視性は明らかに高められる。好ましいガラスを含む光学素子(例えば保護ガラスなど)は、したがって、同じ厚みで、公知の素子よりも多くのX線を吸収するか、または同じX線吸収で、より薄く設計されていてよく、それにより質量を削減することができる。
【0122】
低い屈折値を示すガラスの場合ではまさに、今までではX線不透過性は、困難でかつ不十分にのみ上昇させることができた。なぜならばX線不透過材の割合の上昇は、同時に屈折値を高めかねないためである。SnO

、BaO、Cs

OおよびFの好ましいX線不透過材系を用いると、低い屈折値の場合であっても、X線不透過性の明らかな向上を達成し、かつより高い屈折値範囲で、アルミニウム相当厚は、公知のガラスと比べて極めて著しく改善される。
【0123】
図2では、実施例AB15は、X線不透過材成分Cs

O、BaO、およびSnO

に関して、実施例AB7と類似の組成および類似の高い相対的ALGWDを示すが、1.504の屈折率で、実施例AB7(n

=1.525)よりも明らかに低い屈折率を示す。これは、成分フッ素の好ましい影響に起因し、この成分により、屈折率を意図的に調節することができ、ひいてはここでは低減することができる。それにより、高い相対的ALGWDおよび比較的低い屈折率を示すガラスを意図的に製造することが可能である。
【0124】
同様に図2に示されている実施例AB13およびAB14の比較は、SnO

、BaO、Cs

OおよびFの好ましいX線不透過材系中のX線不透過材の適切な選択により、ほぼ同じ屈折率を示すが、異なる相対的ALGWDを示すガラスを製造することが可能であることを明らかにする。
【0125】
ガラスの屈折率と相対的アルミニウム相当厚との間の割り当てについての上述の有利な方程式、グラフ、および区間は、表G1500、G1515、G1525およびG1550中に挙げられている本発明の実施例についても相応して当てはまる(図3〜6参照)。これらの図中でも、有利な上限および下限(「包囲する直線」)、ならびに比較のための比較例が記入されている。
【0126】
本発明は、さらに次の事項によっても記載することができる:
1. ヒトおよび/もしくは動物の歯における窩洞の治療、ことに充填のための、ならびに/または歯の修復のための充填材として、本発明によるX線不透過性ガラスを含む、歯科用材料または歯科用原材料。
【0127】
2. 本発明によるX線不透過性ガラスからなる粉末粒子を含む、ガラス粉末。
【0128】
3. 含まれる粉末粒子の表面がシラン化されている、事項2記載のガラス粉末。
【0129】
4. 本発明によるガラスを含む、ヒトおよび/もしくは動物の歯における窩洞の治療、ことに充填のための、ならびに/または歯の修復のための歯科用プラスチックコンパウンドのための充填材。
【0130】
5. 本発明によるX線不透過性ガラスまたは本発明によるガラスからなるガラス粉末を含む、歯科用プラスチックコンパウンド。
【0131】
6. 本発明によるX線不透過性ガラスまたは本発明によるガラスからなるガラス粉末を含む、歯科用ガラス/プラスチックコンポジット。
【0132】
7. 歯科用プラスチックは、好ましくは、アクリラート、メタクリラート、2,2−ビス[4−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル]−プロパン(Bis−GMA)、トリエチレングリコール−ジメタクリラート(TEGDMAまたはTEGMA、どちらもここではその意味である)、ウレタン−ジメタクリラート(UDMA)、アルカンジオールジメタクリラートまたはシアノアクリラートをベースとするUV硬化性樹脂である、事項6記載の歯科用ガラス/プラスチックコンポジット。
【0133】
8. 本発明によるX線不透過性ガラスまたは本発明によるガラスからなるガラス粉末を含む、歯科用ガラス/プラスチック−グラスアイオノマーセメント。
【0134】
9. ヒトおよび/もしくは動物の歯における窩洞を治療、ことに充填するための、ならびに/または歯の修復のための、歯科用プラスチックを含む歯科用ガラス−歯科用プラスチックコンパウンドを製造するための歯科用ガラスとしての、本発明によるX線不透過性ガラスの使用。
【0135】
10. ガラス粉末としての、本発明によるX線不透過性ガラスの使用。
【0136】
11. 得られた粉末粒子の表面がシラン化されている、事項10記載の使用。
【0137】
12. 歯科用プラスチックを含む歯科用ガラス−歯科用プラスチックコンパウンドにおける、事項10または11記載の使用。
【0138】
13.
− 歯科用プラスチックコンパウンド中のX線不透過材としての、ならびに/または
− 光学用途の素子としての、ならびに/または
− 陰極線管(CRT)でのディスプレイ技術におけるカバーガラスおよび/もしくは基板ガラスとしての、ならびに/または
− 光起電力装置におけるカバーガラスおよび/もしくは基板ガラスとしての、ならびに/または
− X線管中のランプガラスとしての、ならびに/または
− 放射性材料の埋め込み用の材料としての、
本発明によるX線不透過性ガラスの使用。
【0139】
14. 酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

35〜75




2〜16
Al



0.8〜7.5


O 0〜14
BaO 0〜24
Cs

O 1〜30
SnO

0〜15
F 0〜8
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧10
であり、かつ好ましくは0〜19のLa



を有し、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.480〜1.561の屈折率n

を示す、X線不透過性ガラス。
【0140】
15. 酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

40〜70、ことに50〜65




5〜15、ことに6〜15
Al



0.8〜7.5、ことに0.8〜6


O 0〜10、ことに2〜6
BaO 0〜24、ことに0〜17
Cs

O 1〜30、ことに7〜24
SnO

0〜15、ことに0〜3
F 0〜8、ことに0〜6
La



0〜8、ことに0〜5
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧10、ことに13〜35
であり、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.480〜1.510の屈折率n

を示す、X線不透過性ガラス。
【0141】
16. 酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

42〜65、ことに47〜64




5〜15、ことに6〜15
Al



0.8〜7.5、ことに0.8〜6


O 0〜10、ことに2〜6
BaO 0〜15、ことに2〜10
Cs

O 5〜30、ことに6〜26
SnO

0〜10、ことに0〜3
F 0〜5、ことに0〜3
La



0〜9、ことに0〜7.5
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧9、ことに11〜35
であり、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.505〜1.520の屈折率n

を示す、X線不透過性ガラス。
【0142】
17. 酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

42〜65、ことに45〜61




5〜15、ことに7〜15
Al



0.8〜7.5、ことに0.8〜6


O 0〜14、ことに1.5〜7
BaO 0〜18、ことに6〜14
Cs

O 5〜25、ことに6〜19
SnO

0〜6、ことに0〜3
F 0〜5、ことに0〜3
La



0〜19、ことに0〜17
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧8、ことに10〜35
であり、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.519〜1.542の屈折率n

を示す、X線不透過性ガラス。
【0143】
18. 酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

37〜56、ことに40〜53




2〜16、ことに3〜14
Al



0.8〜7.5、ことに0.8〜6


O 0〜14、ことに0〜12
BaO 0〜24、ことに4〜24、好ましくは4〜21
Cs

O 9〜25、ことに10〜19
SnO

0〜6、ことに0〜3
F 0〜5、ことに0〜3
La



1〜19、ことに4〜17
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧10、ことに15〜42
であり、不可避不純物を除いてPbO不含であり、かつ1.542〜1.561の屈折率n

を示す、X線不透過性ガラス。
【0144】
19. 酸化物ベースの質量%で、以下:
SiO

35〜75、ことに38〜70




2〜16、ことに5〜15、好ましくは6〜15
Al



0.8〜7.5、ことに0.8〜6


O 0〜14、ことに0〜10、好ましくは0〜7
Cs

O 1〜30、ことに6〜28、好ましくは7〜24
SnO

0〜15、ことに0〜6、好ましくは0〜3
F 0〜8、ことに0〜6、好ましくは0〜3
La



0〜19,ことに0〜16
を含むが、ただし
BaO+Cs

O+SnO

+F ≧10
であり、不可避不純物を除いてPbOおよびBaO不含であり、かつ1.480〜1.561の屈折率n

を示す、X線不透過性ガラス。
【0145】
記載されたX線不透過材の組合せ(SnO

、BaO、Cs

O)、および有利にフッ素の定義された添加により、ガラス中で一方で所望の屈折値を調節し、他方でできる限り高いX線吸収を調節することが可能である。本発明により、1.480〜1.561の屈折率範囲において、約120%から1400%を越えるまで、例えば1600%までの相対的アルミニウム相当厚の範囲を実現することができる。
【0146】
これらの例は、本発明によるガラス系の屈折率n

が、ことに、1.480〜1.561の範囲で、必要なALGWDを損なうことなしに、適用目的に合わせることができることも証明する。それにより、好ましくは、ことに歯科用材料中での充填材として、また、とりわけ純度および化学的耐久性および耐高温性に関して、高い要求が課せられる他の適用についても使用することができる。このガラス系は、低コストで大規模工業的に製造することができる。
【0147】
本発明によるガラスは、さらに比較的容易に溶融することができ、したがって効果的に生産することができる。ことに、個々の成分の変更により、適用の要件、例えば歯科用充填材料に関する要求に応じて、屈折率を記載された限度内で調節することができ、かつ得られるガラスは改善されたALGWDを示すガラス系が見出された。本発明に含まれる可能な屈折率の変動は、比較的広い。このガラス系は、このガラス系内でのガラスの特に合理的な工業的製造を可能にする。なぜならば、ことに、原料の定義された選択を維持しなければならないだけで、この選択の中で記載された量内での割合を変更するためである。したがって、ガラスの溶融の際の方法管理も、このガラス系内で極めて類似している。

関連特許

ショット アクチエンゲゼルシャフト
オプティカルコンバーター
ショット アクチエンゲゼルシャフト
X線不透過性ガラスおよびその使用
クリンゲルンベルク・アクチェンゲゼルシャフト
傘歯車工作物の歯切り方法
ショット アクチエンゲゼルシャフト
液体貯蔵体および蒸発器として使用するための多孔性焼結体
ショット アクチエンゲゼルシャフト
イオン伝導性残留ガラス相を有するガラスセラミックおよびその製造方法
日本電気硝子株式会社
ガラス
日本電気硝子株式会社
ガラス板
日本電気硝子株式会社
光学ガラス
日本電気硝子株式会社
ガラス樹脂複合体
日本電気硝子株式会社
ガラスの製造方法
アステラテック株式会社
ガラス切り工具
成都光明光電股分有限公司
光学ガラス
株式会社オハラ
光学ガラス
株式会社オハラ
光学ガラス
株式会社オハラ
光学ガラス
HOYA株式会社
ガラス製成形型
日立化成株式会社
接合材
株式会社松風
耐水性に優れた低融点ガラス組成物
日本電気硝子株式会社
光学ガラス及びその製造方法
日本電気硝子株式会社
板ガラス
AGC株式会社
フロートガラス製造方法
株式会社オハラ
光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
株式会社オハラ
光学ガラス及び光学素子
日本山村硝子株式会社
低融点組成物,封止材及び電子部品