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公開番号2019111500
公報種別公開特許公報(A)
公開日20190711
出願番号2017247682
出願日20171225
発明の名称ピペット装置
出願人ムロオカ産業株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類B01L 3/02 20060101AFI20190621BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】吸引した液体を排出するために押圧部を押す際に、吸引採取量の調節するためのリングの回転をそのときだけ固定し、その液体の排出が終了したときにその固定を解除することができるピペット装置の提供。
【解決手段】使用者が液体を吸引しかつ排出する量を調節するために回転する回転リング部27と、回転リング部27をその内部に収納するケース部40と、ケース部40に配置され回転リング部27の回転を阻止するためのリング固定部28と、を有し、使用者がケース部40を把持することで、使用者がリング固定部28を押圧し、リング固定部28が回転リング部27と接することで、その回転リング部27の回転を阻止するピペット装置。
【選択図】図1
特許請求の範囲約 330 文字を表示【請求項1】
使用者が液体を吸引しかつ排出する量を調節するために回転する回転リング部と、
前記回転リング部をその内部に収納するケース部と、
前記ケース部に配置され前記回転リング部の回転を阻止するためのリング固定部と、を有し、
使用者がケース部を把持することで、前記使用者が前記リング固定部を押圧し、前記リング固定部が前記回転リング部と接することで、その回転リング部の回転を阻止するピペット装置。
【請求項2】
前記リング固定部は、前記ケース部に弾性的に連結されている請求項1記載のピペット装置。
【請求項3】
前記リング固定部は、前記ケース部の前端部方向に配置した請求項1または2に記載のピペット装置。

発明の詳細な説明約 12,000 文字を表示【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストン部の動きに応じて液体を吸引しつつ保持しその液体をさらに排出することができるピペット装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなピペット装置として、本出願人が所有する特許第4989133号等において、そのピペット装置の先端に配置されたピペットチップを、使用後に、取り外して廃棄するための除去手段を備えたマイクロピペット装置が開示されている。
【0003】
このように、上記ピペットは、ローレット式回転リングの刻み目を移動することにより吸引しかつまた排出する液体の量を調節する。即ち、ピペット装置は後述するように、ピストン部の移動によって、液体をその先端に取り外し可能に配置されたピペットチップ内に吸引するものである。このピストン部は、ピストンシリンダー部内において、環状すなわち、リング状を呈しその中心に孔状の環状内部を有するパッキン部を配置し、そのパッキン部の環状内部においてそのピストン部が摺動することによって液体を吸引する。
【0004】
しかしながら、吸引した液体を排出するときに、押圧部を押すことでその液体を排出するが、その吸引する際にあらかじめ設定した吸引量を規定する、ローレット式回転リングに触れてしまい、そのリングが回転する場合がある。このリングが不意に回転するとそのときの設定した吸引する量が変化することで、使用者が意図しない吸引量となる場合があり、きわめて不利不便である。
【0005】
これを解決するものとして、特許第5657861号において、回転式デジタルメータと共通の軸部に嵌着されて、採取すべき液体の吸引採取量を調節設定するためのローレット式回転リングを備えてなるマイクロピペット装置であって、前記ローレット式回転リングの刻み目が、ピペットハウジングの窓縁部の少なくとも1の突起状の内側角部に軽く係止されて、当該突起状の内側角部と共に、自然解除せず指動解除可能な軽度ストッパとして機能することを特徴とするピペット装置が開示されている。
【0006】
しかしながら、上記軽度ストッパは、自然解除せず、常にローレット式回転リングの刻み目が、ピペットハウジングの窓縁部の少なくとも1の突起状の内側角部に軽く係止されているので、ローレット式回転リングの回転の抵抗となり、採取すべき液体の吸引採取量の調節がしにくいとの問題が生じる。また、その軽度ストッパは上記のとおり必要がなくなったときに、自動的に解除するというものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許第4989133号公報
特許第5657861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の点に鑑みなされたもので、その課題は、吸引した液体を排出するために押圧部を押す際に、吸引採取量の調節するためのリングの回転をそのときだけ固定し、その液体の排出が終了したときにその固定を解除することができるピペット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
鋭意研究開発の結果前記の課題を解決するため、第1観点のピペット装置は、使用者が液体を吸引しかつ排出する量を調節するために回転する回転リング部と、回転リング部をその内部に収納するケース部と、ケース部に配置され回転リング部の回転を阻止するためのリング固定部と、を有し、使用者がケース部を把持することで、その使用者がリング固定部を押圧し、リング固定部が回転リング部と接することで、回転リング部の回転を阻止するというものである。
【0010】
また、第2観点のピペット装置は、第1観点において、リング固定部は、ケース部に弾性的に連結されているというものである。
【0011】
また、第3観点のピペット装置は、第1観点または、第2観点において、リング固定部は、前記ケース部の前端部方向に配置したというものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上記のように構成されかつ作用するものであるから、吸引した液体を排出するために押圧部を押す際に、吸引採取量の調節するためのリングの回転をそのときだけ固定し、その液体の排出が終了したときにその固定を解除することができるピペット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
ピペット装置の斜視図。
Aは、ピペット装置の縦断面図。Bは、AのIIB−IIB線断面図。
ピペット装置におけるケース部の縦断面拡大図。
aは、つまみ部が窓部において下方に配置されている状態図。bは、つまみ部が窓部において中間に配置されている状態図。cは、つまみ部が窓部において上方に配置されている状態図。
ピペット装置におけるケース部の縦断面拡大図。
ピペット装置におけるピストン収納部の縦断面拡大図。
ピペット装置において、つまみ部が第2窓部において右方に配置されている縦断面図。
ピペット装置において、つまみ部が第2窓部において左方に配置されている縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施例のピペット装置10について説明する。本実施例におけるピペット装置10は、使用者が液体を吸引しかつ排出する量を調節するために回転する回転リング部27と、その回転リング部27をその内部に収納するケース部40と、そのケース部40に配置され回転リング部27の回転を阻止するためのリング固定部28と、を有するものである。
【0015】
ケース部40は、図示しない使用者が把持するためのものである。また、使用者が押圧するためにケース部40の上端部方向Uに配置した押圧部20と、その押圧部20に接続されたピストンロッド部30と、そのピストンロッド部30に接続され、液体を吸引するために移動可能なピストン部50と、そのピストン部50を収納したピストン収納部70と、を有するものである。
【0016】
リング固定部28は、上記のとおり、合成樹脂製のケース部40に配置されている。本実施例においては、リング固定部28は、ケース部40の一部を構成している。すなわち、合成樹脂製のケース部40の一部に切れ込み28aを入れることにより、弾性を有するリング固定部28を構成することもできる。従って、このリング固定部28を押圧することで、リング固定部28の根元付近のケース部40との接続部分28bが弾性変形することで、リング固定部28が回転リング部27を押圧することができる。すなわち、リング固定部28押圧され、その押圧されたリング固定部28′が、回転リング部27の回転を阻止し、その回転を止めることができる(図2、図3参照)。これにより一度設定した吸引量が変化することがなく、このままの状態で、押圧部20を押せば、その吸引した量の液体を排出することができる。なお、リング固定部28を押圧した状態の、押圧されたリング固定部28′は、図2、図3において、破線で示している。
【0017】
なお、本実施例のピペット装置10において使用時は、上端部方向Uを上にして、前端部方向Fを図示しない使用者の前方に向けて使用する。言い換えれば、下端部方向Dを下にして、後端部方向Rを使用者の手前側にくるように向け、ケース部40を把持して使用する。これにより、ケース部40における前端部方向Fにリング固定部28を配置すれば、いわば自動的に使用者の指がかかり、ケース部40を把持すると同時に、リング固定部28を押圧し、その押圧されたリング固定部28′が、回転リング部27の回転を阻止することができる。これにより上記のとおり一度設定した吸引量が変化することがない。また、ケース部40から使用者の指を離せば、自動的にリング固定部28の押圧がなくなり、回転リング部27が回転可能となる。よって、設定した吸引量の変更が可能となる。また、ピストン部50によって吸引した、液体状の薬品から発生し雰囲気Xを外部へ排出するために、使用者が把持するためのケース部40に通気孔49を有する。
【0018】
また、ピッペットチップ80を取り外し可能に配置している。さらに、押圧部20とピストンロッド部30と、ピストンロッド部30と、ケース部40と、パッキン部60と、ピストン収納部70と、ピストン部50とのそれぞれの中心は、同一線上に配置されている。
【0019】
押圧部20は、後述するように文字通り使用者が液体を排出するために押圧する動作を行うためのものである。この押圧部20は、長尺の軸部21と、上端部方向Uに、円盤状のつまみ部22を有し、そのつまみ部22の縁部分に凹凸部分を配置した凸凹部23を有している。この凸凹部23については後述するように、軸部21を軸周りに回転する際の滑り止めとして設けられている。また、長尺の中空筒状の筒部26を有し、この筒部26の内部に長尺の軸部21が配置されている。軸部21におけるその軸周りの回転は、図示しないが筒部26と同期するように軸止されており、軸部21を軸周りに1回転するとその筒部26も同様に軸部21周りに1回転する。
【0020】
このように筒部26は、軸周りに回転するが、筒部26は、ケース部40の内部において雌ねじ部41aが形成され、筒部26においても雄ねじ部26aが形成されているために、それらが螺合する。即ち互いにかみ合う。従って、軸部21を軸周りに回転すると、筒部26も回転すると共に、その軸部21が、筒部26に対して相対的に下端部方向Dに移動する。なお、それとは逆にその軸部21を回転するとその軸部21が、筒部26に対して相対的に上端部方向Uに移動する。これによって後述するようにピストン部50が、軸部21に接続されたピストンロッド部30によって、下端部方向Dに下降し、または上端部方向Uに上昇して、吸引する液体の量の増減を調整することができる。これについてはさらに後述する。
【0021】
ピストンロッド部30は、ケース部40の内部に配置されている。また、そのピストンロッド部30は、ピストン軸部31と、太軸上端部32と、を有するものである。太軸上端部32は、太軸部32aと上端部32bとを有する。また、ピストン軸部31は、文字通り長尺の棒状を呈し、その一端に、そのピストン軸部31を、その軸部31より太い太軸部32aで覆うように配置する。即ち、太軸部32aは中空筒状であり、その内部に、ピストン軸部31が配置され固定される。また、その太軸部32aの端部に皿形状を呈する上端部32bを固定している。さらに、ピストン軸部31の下端部方向Dに配置された他端は、後述するピストン部50と接続されている(図3参照)。
【0022】
弾性部33は、ピストンロッド部30を押圧部20の方向すなわち上端部方向Uに付勢する。また、弾性部33は、上端部方向Uから下端部方向Dにおいて、順に、第1バネ部33aと第1座金部33cと第2座金部33dと第2バネ部33bとが配置されており、いずれもピストン軸部31が挿入され、そのピストン軸部31が第1バネ部33aと第1座金部33cと第2座金部33dと第2バネ部33bとのそれぞれの中心を貫通するように配置されている。なお、この場合第1バネ部33aと第2バネ部33bは、コイルバネが好ましい。また、第1座金部33cと第2座金部33は円盤形状を呈することが好ましい(図3参照)。
【0023】
第1バネ部33aは、一端がピストンロッド部30における太軸上端部32と接し、他端部が、第1座金部33cと接する。また、第1座金部33cと第2座金部33dとが接するように配置されている(図3参照)。
【0024】
また、第2バネ部33bは、その一端が第2座金部33dと接し、他端が、後述する第2ケース部46の凹部47に接している。なお第1座金部33cの中心に、円形の孔である中心孔部33ccが、配置され、その中心孔部33ccは、太軸部32aが通過することができる孔径である。なお、第2座金部33dの中心に、円形の孔である第2中心孔部33ddが、配置され、その第2中心孔部33ddは、太軸部32aが通過することができないように、中心孔部33ccよりも、その孔径を小としている。従って、中心孔部33ccの径、押圧部20の径、第2中心孔部33ddの径、の順でその口径は小さくなるように設定されている。もっとも、いずれも、ピストンロッド部30におけるピストン軸部31が、貫通していることは上述のとおりである。また、第1バネ部33aよりも第2バネ部33bのバネ定数は大である。
【0025】
また、上述のとおりいずれもピストン軸部31がそれら即ち、第1バネ部33aと第1座金部33cと第2座金部33dと第2バネ部33bとを挿通するように配置されている。よって、ピストンロッド部30は、それら第1バネ部33aと第1座金部33cと第2座金部33dと第2バネ部33bとによって、上端部方向Uに付勢され、押圧部20を下端部方向Dに押した際の抵抗力となっている。このために、後述するピストン部50も下端部方向Dに付勢されている。
【0026】
ケース部40は第2ケース部46に接続されている。ケース部40は、内部は中空筒状を呈し、その外形は使用者が把持するためにほぼ楔形状を呈している。従って、ケース部40は、使用者にとっては握りやすい形状となっている。
【0027】
また、ケース部40は開口部である窓部42を有し、その窓部42の内部に目盛部43を配置している。この目盛部43は3桁の数字を表示し、上述の筒部26の移動量を表示している。なお、目盛部43は透明な樹脂で構成され中空筒状を呈し、その内部において3段の数字が表示され、下段43aが0.1の位、中段43bが1の位、上段43cが10の位を表現している。この下段43aは、目盛が0.1であり。それが,1回転で50目盛刻まれている。中段43bは、下段43aが10目盛回転すると1目盛回転し、中段43bが1回転すると、上段43cが1目盛回転することになる。なお、その上段43cの目盛は0から9まで記載されているが、その上段43cの目盛は6まで回転するように許容されている。これについては、後述する。
【0028】
ケース部40の両側に開口部として第2窓部44、44に配置している。また、リング固定部28は、その第2窓部44、44の間の位置に配置され、そのケース部40の前端部方向Fに配置されることが好ましい。すなわち、ケース部40は、第2窓部44、44の間の部分は閉塞され、その前端部方向Fに上記リング固定部28は配置されている。また、第2窓部44、44の内部には、その筒部26に固定された回転リング部27が配置され、その第2窓部44、44を通じて、使用者が、その回転リング部27を軸周りに回転することで、つまみ部23を回転するのと同様に、筒部26の移動量を増減することができる。なお筒部26に配置した回転リング部27が、第2窓部44における第2窓上端部44aと接触することによりその筒部26の移動が制限され、それ以上その回転リング部27が回転しないように設定されている。従って上記のとおり、その10の位は6が最高になるように、その筒部26の移動量が制限されている(図4a、b、c参照)。また、それに軸止された、押圧部20の移動が制限され、それに接続されたピストンロッド部30と、ピストン部50の移動も制限される。
【0029】
ケース部40は、中空筒状の他端部45aの内側に段差となる段差部45bを設け、第2ケース部46と接続部100を介して接続した場合において、上述の第1座金部33cが係止されるように配置されている。従って、第1座金部33cの外径は、段差部45bの内径に配置することができるようにその内径とほぼ同様の寸法である(図5参照)。
【0030】
第2ケース部46は、中空筒状を呈し、上述のピストンロッド部30がその筒状内における中心に配置された筒孔部46aにおいて下端部方向Dまたは上端部方向Uに移動可能に配置されている。また、上述のとおり第2バネ部33bの他端が、凹部47に配置されている。
【0031】
ピストン収納部70は、いわゆるピストンシリンダーとして機能するものであり、共に有底筒状のピストン収納上部71とピストン収納下部72とを有する。これらを互い開口部71a、72aに、それぞれメネジ部71bと、オネジ部72bとをそれぞれ有することで、それらが、螺合して固定されている(図6参照)。
【0032】
また、ピストン収納上部71とピストン収納下部72との間にパッキン部60が配置され、ピストン収納上部71とピストン収納下部72との間においてそのパッキン部60とがそれらに挟まれるように固定されている。このパッキン部60は、環状を呈し孔状の環状内部61を有し、この環状内部61に摺動可能にピストン部50が配置されている。またこのパッキン部60は柔軟性を有するゴム、合成樹脂が好ましい。また、このパッキン部60は、ピストン部50と水密性を確保し、吸引した液体の成分を含む雰囲気Xが、ケース部40内に侵入しにくい構成となっている。ピストン収納部70は、その下端部方向Dに長尺の中空筒状を呈するピペットチップ保持部71cを有し、このピペットチップ保持部71cに、ピペットチップ80を接続することができる。ピペットチップ保持部71cは先端部方向Fに向かって、徐々に細くなる断面視テーパー状を呈し、先端部72の内部にフィルター73がはめ込まれている。また、先端部72の外周にゴムからなる滑り止め74を有し、ピペットチップ80との接続を確実なものとしている。
【0033】
ピペットチップ80は先端部81が細く尖った形状を呈し、少量の液体を吸引しやすいように構成されている。また上端部方向Uに向かって徐々に太くなる側面視テーパー状を呈し、中空筒状を呈している。またピペットチップ上端部82は開口し、上述のピペットチップ保持部71cにおける先端部72の外周に配置した滑り止め74と嵌合していることは上記のとおりである。このピペットチップ80は取り外し可能であり、透明な合成樹脂で製作することが好ましく、使用する薬液ごとに交換することができる(図6参照)。
【0034】
このような構成のピペット装置10は、吸引する液体の量を調整することができる。ここで、押圧部20が、最も図面右すなわち上端部方向Uに位置する場合おいて、ピストン収納部70の底部75からピストン部50の位置を当初位置tとする(図7参照)。
【0035】
その状態から、使用者が押圧部20を押すとピストン部50が、ピストン収納部70の底部75に接近する。この位置を第1接近位置t1とする(図2参照)。当初位置t(図7参照)から第1接近位置t1まで、ピストン収納部70内におけるピストン部50の移動量が、吸引する液体の量である。ここで、第1接近位置t1は、吸引する量を調整した場合であっても、その位置は後述のほか変化しないものの、押圧部20を押さない状態の場合のピストン部50におけるピストン収納部70の底部75から当初位置tが、底部75に接近するように変化するのである。この、押圧部20が、最も上端部方向Uに位置する場合の当初位置tにおける目盛部43の数値は、600である(図2、図4c参照)。
【0036】
これは上述のとおり、つまみ部23または回転リング部27を回転すると、筒部26が回転するが、筒部26は、後述するケース部40の内部において雌ねじ部41aが形成され、筒部26においても雄ねじ部26aが形成されているために、それら螺合し、軸部21を軸周りに回転すると、筒部26も回転すると共に、筒部26が軸部21に対して軸部21の先端部方向Fに移動する。これにより、ピストンロッド部30における太軸上端部32を、先端部方向Fに移動させることにより、ピストン部50も先端部方向Fに押されて移動する。このときの目盛は600から0になるように徐々に減少する。
【0037】
このとき、上記のとおり、第1バネ部33aよりも第2バネ部33bは、バネ定数が大であるために、先に第1バネ部33aが徐々に圧縮される。またそれと同時にピストン部50も、ピストン収納部70の底部75に近づくように移動する。
【0038】
さらに、つまみ部23または回転リング部27を回転すると、第1バネ部33aが徐々に圧縮され、ピストン収納部70の底部75に近づくように移動すると、太軸上端部32は、第1バネ部33aを圧縮しつつ、その太軸部32aは、第1座金部33cの中心孔部33ccを通過して第2座金部33dと接する。この位置が、目盛0地点であり、ピストン部50の調整位置tsが(図8参照)、第1接近位置t1と同じ位置になる(図1参照)位置である。
【0039】
さらに詳述すれば、伸びた第1バネ部33aの収縮によって、吸引量が規定される。従って、第1バネ部33aが最大に収縮する位置、すなわち、その太軸部32aが、第1座金部33cの中心孔部33ccを通過して第2座金部33dと接する位置が、ピストン部50の調整位置tsとなる位置であり、ピストン部50も、ピストン収納部70の底部75に接近する第1接近位置t1と、その調整位置tsが同じ位置である。従って、上記の目盛が0になると、押圧部20を押していない状態において、ピストン収納部70の底部75から離れた調整位置tsが、目盛0地点となり(図4a、図8参照)、上述のとおりピストン部50の調整位置tsが、第1接近位置t1と同じ位置であるので、第1バネ部33aがそれ以上収縮できないことからピペット装置10が液体を吸引できる量が0となる。
【0040】
また、つまみ部23または回転リング部27を逆回転すれば、ピストン部50が上端部方向Uに移動する。これによりピストン部50におけるピストン収納部70の底部75から離れた位置に変化する。
【0041】
従って、ピストン部50の位置が、ピストン収納部70の底部75からの距離が短ければ、その位置が、押圧部20を押さない状態の場合のピストン部50の位置であるから、そこから、押圧部20を押した状態の場合のピストン部50から。ピストン収納部70の底部75までの位置、即ち第1接近位置t1までのピストン部50の移動量が、ピペット装置10が液体を吸引する量となる。よって、ピストン部50と、ピストン収納部70の底部75との間の距離が短ければ、吸引する量は少なく、ピストン部50と、ピストン収納部70の底部75との間の距離が長ければ吸引する量は多くなる。この移動量は上述の目盛部43において、3桁の数字を表示されている、下段43aと、中段43bと、上段43cとの目盛部43によって明確であり、当初位置tと調整位置tsの間の任意の位置に、そのピストン部50を配置することができ、この範囲内を自由に調整することができる。またその目盛部43によって正確な吸引量を測ることができる。
【0042】
このとき使用者は、必然的にピペット装置10のケース部40を把持することになる。この場合従来であれば、ピペット装置10のケース部40を把持するときに、回転リング部27に触れてしまう場合がある。この場合、あらかじめ設定した吸引用が変化する場合があり、設定した吸引量を維持することができない恐れがある。しかしながら、本実施例におけるピペット装置10は、リング固定部28を有しているために、使用者は、必然的にピペット装置10のケース部40を把持すると同時にそのリング固定部28を押圧することができるので回転リング部27の回転を阻止することができる。特に本実施例におけるピペット装置10のケース部40の前端部方向Fに、リング固定部28を配置することで、使用者がそのケース部40を把持すれば、自然にその指がそのリング固定部28を押圧するので、回転リング部27の回転を阻止することができる。
【0043】
ピペット装置10において、液体を吸引する作業をする場合において使用者は、吸引量を上記のように調整してから、リング固定部28を押圧しつつ押圧部20を押し、ピストン部50が、ピストン収納部70の底部75まで位置、即ち任意の当初位置tから第1接近位置t1まで移動させる。その後使用者は、押圧部20から手を離し、その、押圧部20が、弾性部33によって、上端部方向Uに復元するに従い液体の薬品を吸引するという一連の動作の間は、すなわち使用者が、ケース部40を把持する間は、リング固定部28を押圧しているので、あらかじめ設定した液体の吸引量の変動を可及的に防止することができる。
【0044】
このように使用者は、ケース部40を把持している間は、ほぼ必然的に、リング固定部28を押圧しているので、回転リング部27の回転を阻止した状態である。この状態で、使用者は、ピペット装置10における押圧部20を押すと、ピストンロッド部30を通じて、ピストン部50がピストン収納部70の底部75に向かって移動し(図2参照)、その、底部75に接近する第1接近位置t1に移動することは上記のとおりであるが、この状態において、液体をピペッチップ80に浸し、使用者がケース部40を把持したまま押圧部20から親指を放すことで、弾性部33によって、その押圧部20が上端部方向Uに戻される。それに従い、ピストン部50がピストン収納部70の底部75から離間する方向即ち上端部方向Uに移動すると同時に液体をそのピペットチップ80から吸引する(図7参照)。
【0045】
この場合であっても、使用者はケース部40を把持したままであるので、ほぼ必然的に、リング固定部28を押圧する。従って、回転リング部27の回転を阻止した状態である。この状態で、使用者は、ピペット装置10における押圧部20を押すと、ピストンロッド部30を通じて、ピストン部50がピストン収納部70の底部75に向かって移動し、その、底部75に接近する第1接近位置t1にそのピストン部50が配置されることにより、吸引した液体を排出することができる。これによりこのピペット装置10は、正確な量の液体を吸引し、排出することができる。
【0046】
この場合において、第2窓部44、44の内部に配置した回転リング部27を、使用者が、その第2窓部44、44を通じて、回転リング部27に不意に触れてしまった場合であっても、リング固定部28を押圧しているので、回転リング部27が回転することがなく、吸引量が変化することはない。従って、使用者が、リング固定部28を押圧することで、一度設定した吸引量の変化を防止することができるものである。
【0047】
なお、その液体の粘性によっては吸引した液体を完全に排出することができない場合がある。そのときに使用者は、さらに、ピペット装置10における押圧部20を押す。これにより、第1バネ部33aが最大に収縮する位置、すなわち、その太軸部32aは、第1座金部33cの中心孔部33ccを通過して第2座金部33dと接する位置からさらに、その第2座金部33dを押す。それにより、第1バネ部33aよりもバネ定数が大である第2バネ部33bがさらに収縮し、ピストン部50がピストン収納部70の底部75に接する。これにより、吸引した液体をピストン収納部70から完全に排出することができる(図示せず)。
【符号の説明】
【0048】
10 ピペット装置
20 押圧部
27 回転リング部
28 リング固定部
28′押圧されたリング固定部
30 ピストンロッド部
33 弾性部
40 ケース部
43 目盛部
49 通気孔
49a 第2通気孔
50 ピストン部
60 パッキン部
61 環状内部
70 ピストン収納部
71 ピストン収納上部
72 ピストン収納下部
71c ピペットチップ保持部
80 ピッペットチップ
t 当初位置
t1 第1接近位置
ts 調整位置

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