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公開番号2024063617
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-05-13
出願番号2022171706
出願日2022-10-26
発明の名称異物検出装置
出願人オムロン株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H02J 50/60 20160101AFI20240502BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】送電側の装置の送信コイルと受電側の装置の受信コイルとの間に混入した異物の検出精度を向上できる異物検出装置を提供する。
【解決手段】異物検出装置は、非接触にて電力が伝送される、送電装置2の送信コイル12と受電装置3の受信コイル21との間に、複数の検出コイル(43-1~43-n)と、複数の検出コイルのそれぞれについて、その検出コイルとともに共振回路を構成する複数のコンデンサ(44-1~44-n)と、各検出コイルに所定の周波数を持つ交流電力を供給する電力供給回路41と、各検出コイルから出力される電圧を検出し、検出された電圧に応じて送信コイル12と受信コイル21の間に混入した異物を検出する検出回路45とを有する。そして複数の検出コイル(43-1~43-n)のうちの互いに隣接する二つの検出コイル間の電磁結合が無視できる所定量だけ重なるように各検出コイルが配置される。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
非接触にて電力が伝送される、送電装置の送信コイルと受電装置の受信コイルとの間において互いに異なる位置に配置される複数の検出コイルと、
前記複数の検出コイルのそれぞれについて、当該検出コイルとともに共振回路を構成する複数のコンデンサと、
前記複数の検出コイルのそれぞれと電磁結合可能に配置される給電コイルと、
前記複数の検出コイルのそれぞれに、前記給電コイルを介して所定の周波数を持つ交流電力を供給する電力供給回路と、
前記複数の検出コイルのそれぞれから、供給された前記交流電力に対して出力される電圧を検出し、検出された電圧に応じて前記送信コイルと前記受信コイルの間に混入した異物を検出する検出回路と、
を有し、
前記複数の検出コイルのうちの互いに隣接する二つの検出コイル間の電磁結合が無視できる所定量だけ重なるように前記複数の検出コイルのそれぞれが配置される異物検出装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触にて電力が伝送される電力伝送システム内の異物を検出する異物検出装置に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、金属の接点などを介さずに、空間を通じて電力を伝送する、いわゆる非接触給電(ワイヤレス給電とも呼ばれる)技術が研究されている。このような非接触給電技術の一つとして、電磁誘導により給電する方式が知られている。電磁誘導により給電する方式では、一次側(送電側あるいは給電側)のコイル(以下、送信コイルと呼ぶ)と二次側(受電側)のコイル(以下、受信コイルと呼ぶ)とが電磁結合することにより、送信コイルから受信コイルへ電力が伝送される。
【0003】
このような非接触給電技術を利用した電力伝送システムにおいて、送信コイルと受信コイルの間に、金属などの異物が入り込んでしまうことがある。このような場合、電力伝送中にその異物が誘導加熱されて発火し、あるいは、異物の発熱に起因して装置が故障することがある。また、このような電力伝送システムでは、電力伝送中に送信コイルと受信コイルとの相対的な位置関係が変動し、その結果として、送信コイルと受信コイル間の結合度が変化することがある。そこで、送信コイルと受信コイルの間に混入した異物を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、送電装置の送信コイルと受電装置の受信コイルとの間に配置される基板上に、互いに電磁結合可能に配置され、第1のコンデンサとともに第1の共振周波数を有する共振回路を構成する複数の第1の検出コイルと、互いに電磁結合可能に配置され、第2のコンデンサとともに第2の共振周波数を有する共振回路を構成する複数の第2の検出コイルと、各検出コイルにその検出コイルが共振する周波数を持つ交流電力を供給する電力供給回路と、各検出コイルを介して伝達された交流電力の電圧に応じて送信コイルと受信コイルの間に混入した異物を検出する検出回路とが設けられる。さらに、複数の第1の検出コイルと複数の第2の検出コイルとは、基板の法線方向から見て互いに交互に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-52514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術により、送信コイルと受信コイルの間に混入した異物が比較的小さなものであっても検出することが可能となる。しかしながら、送信コイルと受信コイルの間に混入した異物による危険性は高いため、そのような異物の検出精度をより向上することが求められる。
【0006】
そこで、本発明は、送電側の装置の送信コイルと受電側の装置の受信コイルの間に混入した異物の検出精度を向上できる異物検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの形態として、異物検出装置が提供される。この異物検出装置は、非接触にて電力が伝送される、送電装置の送信コイルと受電装置の受信コイルとの間において互いに異なる位置に配置される複数の検出コイルと、複数の検出コイルのそれぞれについて、その検出コイルとともに共振回路を構成する複数のコンデンサと、複数の検出コイルのそれぞれと電磁結合可能に配置される給電コイルと、複数の検出コイルのそれぞれに、給電コイルを介して所定の周波数を持つ交流電力を供給する電力供給回路と、複数の検出コイルのそれぞれから、供給された交流電力に対して出力される電圧を検出し、検出された電圧に応じて送信コイルと受信コイルの間に混入した異物を検出する検出回路とを有する。そして複数の検出コイルのうちの互いに隣接する二つの検出コイル間の電磁結合が無視できる所定量だけ重なるように複数の検出コイルのそれぞれが配置される。
本発明に係る異物検出装置は、このような構成を有することにより、送電側の装置の送信コイルと受電側の装置の受信コイルとの間に混入した異物の検出精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の一つの実施形態に係る異物検出装置を含む電力伝送システムの概略構成図である。
異物検出装置の概略構成図である。
異物検出装置が設けられる基板と送信コイルとの位置関係の一例を示す概略側面断面図である。
異物検出装置が有する、複数の検出コイルと給電コイルの配置の一例を示す概略平面図である。
電力供給回路の一例を示す回路構成図である。
検出回路の一例を示す回路構成図である。
水平方向に隣接する二つの検出コイルの重なりの程度を説明する図である。
斜め方向に隣接する二つの検出コイルの重なりの程度を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一つの実施形態による異物検出装置を、図を参照しつつ説明する。この異物検出装置は、非接触により電力を伝送する電力伝送システムが有する、送電側の装置(以下、単に送電装置と呼ぶ)の送信コイルと、受電側の装置(以下、単に受電装置と呼ぶ)の受信コイルとの間に配置される基板を有し、その基板上に形成される、異物検出用の電力を供給するための給電コイルと、給電コイル内において互いに異なる位置に配置され、給電コイルと電磁結合可能であり、かつ、給電コイルよりも小さい複数の検出コイルを有する。複数の検出コイルのそれぞれは、送電装置の送信コイルに供給される電力の周波数とは異なり、かつ、送信コイルを含む共振回路(送電側に共振回路が設けられる場合)及び受信コイルを含む共振回路の何れもが共振しない周波数において共振可能となっている。この異物検出装置は、給電コイルに、それら検出コイルが共振する周波数を持つ交流電力を供給し、一方、複数の検出コイルのそれぞれから出力される電圧を検出する。送信コイルと受信コイルの間に金属などの導電性を有する異物が混入すると、複数の検出コイルの何れかの共振特性が変化し、その結果として、検出される電圧が変化する。そこで、この異物検出装置は、検出される電圧を監視して、その電圧が、異物が混入していない場合に相当する所定の基準範囲から外れると、送信コイルと受信コイルの間に異物が混入したと判定する。さらに、複数の検出コイルのうち、互いに隣接する二つの検出コイル同士は、基板の法線方向から見て、互いの電磁結合が無視できる所定量だけ重なるように、複数の検出コイルのそれぞれは配置される。これにより、送信コイルと受信コイルの間に混入した異物は、基板の法線方向から見て何れかの検出コイル内に位置することになり、かつ、異物により共振特性が変化する検出コイルが他の検出コイルに影響されずに済むため、異物の検出精度が向上する。
【0010】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る異物検出装置を含む電力伝送システムの概略構成図である。図1に示されるように、電力伝送システム1は、送電装置2と、受電装置3と、異物検出装置4とを有する。送電装置2と受電装置3とは、非接触給電装置を構成し、送電装置2から受電装置3へ、空間を介して非接触で電力が伝送される。送電装置2は、電力供給回路11と、送信コイル12とを有する。一方、受電装置3は、受信コイル21と、共振コンデンサ22と、受電回路23とを有する。電力伝送システム1は、例えば、いわゆる一次直列二次直列共振コンデンサ方式(SS方式)、または一次直列二次並列共振コンデンサ方式(SP方式)の非接触給電装置とすることができる。あるいは、電力伝送システム1は、一次側の共振を利用せず、二次側において受信コイルと共振コンデンサとが直列共振する方式(NS方式)、または、一次側の共振を利用せず、二次側において受信コイルと共振コンデンサとが並列共振する方式(NP方式)の非接触給電装置であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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